一般懸賞について
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概要
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一般懸賞の規制の考え方
- Q87 懸賞の抽選方法
- Q88 来店者への懸賞による景品類の提供
- Q89 景品類の価額に差がある場合
- Q28 参加費を支払うマラソン大会の賞金
- Q46 抽選で値引券を提供する場合
- Q33 購入できる権利を提供する場合
- Q90 懸賞に係る売上予定総額の算定方法
- Q91 懸賞に係る売上予定総額の算定の考え方
- Q92 残念賞を提供する場合の景品類の総額
- Q93 同時期に複数の懸賞を行う場合の景品類の限度額
- Q94 複数回の懸賞による景品類の提供の考え方
- Q95-1 メーカーと小売店が同時期に実施する懸賞企画の考え方(同一取引か)
- Q95-2 メーカーと小売店が同時期に実施する懸賞企画の考え方(景品類の限度額)
- Q96 総付景品の提供と一般懸賞を同時に実施する場合
- Q97 共同懸賞と一般懸賞を同時に実施する場合
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取引に付随しない懸賞(いわゆるオープン懸賞)
概要
懸賞とは
- Q85 懸賞とは、どのようなものなのでしょうか。
- A
「懸賞」とは、
- 1くじその他偶然性を利用して定める方法
- 2特定の行為の優劣又は正誤によって定める方法
によって、景品類の提供の相手方又は提供する景品類の価額を定めることをいいます。
「1 くじその他偶然性を利用して定める方法」とは、抽選券を用いる方法や、宝さがし、じゃんけんによる方法などがあるほか、商品のうち一部に景品類が添付されているものの購入の際に相手方がこれを判別できないようにしておく方法、全ての商品に景品類が添付されているものの、その価額に差等があり購入の際には相手方がその価額を判別できないようにしておく方法なども含まれます。
「2 特定の行為の優劣又は正誤によって定める方法」とは、クイズなどへの解答の正誤や、作品、競技などの優劣によって定める方法などがあります。ただし、セールスコンテスト、陳列コンテスト等相手方事業者の取引高その他取引の状況に関する優劣によって定める方法は含まれません。
また、「懸賞」のうち、一定の条件の下で複数の事業者が共同して行うものは「共同懸賞」、それ以外の懸賞は「一般懸賞」といい、それぞれ規制されています。
なお、禁止されているカード合わせ(2以上の種類の文字、絵、符号等を表示した符票のうち、異なる種類の符票の特定の組合せを提示させる方法を用いた懸賞による景品類の提供)については、「インターネット上の取引と『カード合わせ』に関するQ&A」を参照してください。
一般懸賞の景品規制の概要
- Q86 一般懸賞の場合の景品規制を教えてください。
- A
一般懸賞においては、提供できる景品類の最高額及び総額が定められており、景品類の最高額については、懸賞に係る取引の価額が5,000円未満の場合は取引の価額の20倍まで、5,000円以上の場合は一律10万円までとなります。また、景品類の総額については、懸賞に係る取引の予定総額(懸賞販売実施期間中の対象商品の売上予定総額)の2%以内とされており、最高額及び総額の両方の制限内で行わなければなりません(下表参照)。
取引の価額 景品類限度額 最高額 総額 5,000円未満 取引の価額の20倍 懸賞に係る売上予定総額の2% 5,000円以上 10万円
一般懸賞の規制の考え方
懸賞の抽選方法
- Q87 懸賞において、抽選で当選者を決定する場合、例えば、抽選に第三者を立ち会わせるなど、抽選をどのように行うかについての規制はあるのでしょうか。
- A
景品表示法においては、抽選により当選者を選ぶことは懸賞に該当し、景品規制が適用されますが、抽選をどのように行うかについては規定されていません。したがって、抽選の手順などは懸賞を実施する者の判断で決定してください。
しかし、例えば、あらかじめ告知した抽選方法とは別の方法で当選者を選定することは、参加者に疑念を抱かせることになるので適切ではないでしょうし、また、実際の当選者数が告知した当選者数に満たないときなどは、取引条件に関する不当表示として景品表示法第5条第2号違反となるおそれがあります。
来店者への懸賞による景品類の提供
- Q88 当店に来店してくれた顧客に、商品を購入したかどうかにかかわらず、抽選で景品類を提供したいと考えています。この場合、提供できる景品類の最高額及び総額はいくらになるのでしょうか。
- A
商品又は役務の購入を条件とせずに、来店者に対して景品類を提供する場合の取引の価額は原則として100円となりますので、来店者を対象として行う懸賞において提供できる景品類の最高額は100円の20倍である2,000円となります。ただし、その店舗において通常行われる取引の価額のうち、最低のものが100円を超えると認められるときは、その最低のものを取引の価額とし、その20倍(最高額10万円)までの景品提供が可能です(Q72参照)。また、提供できる景品類の総額は、懸賞販売実施期間中の店舗での売上予定総額の2%以内となります。
景品類の価額に差がある場合
- Q89 当店では、来店してくれた顧客にもれなく景品を提供したいと考えています。景品類の価額に差がある3つの景品を用意しますが、顧客はこれを選べません。もれなく景品を提供するので総付景品に該当しますか。
- A
もれなく景品を提供する場合であっても、その景品類の価額に差等があり、来店した顧客がどれをもらえるかわからないという場合には、くじその他偶然性を利用して提供する景品類の価額を定めていることになりますので、懸賞による景品類の提供に該当し、一般懸賞の規制の対象となります。
なお、仮に、来店した顧客が、提供を受ける景品を自由に選ぶことができる場合や、顧客が提供を受ける景品を自由に選ぶことができないものの、景品類の価額が同額であるなど消費者からみて景品類の価額に差等がない場合は、くじその他偶然性を利用して提供する景品類の価額を定めていることにならないため、総付景品の規制の対象となります(Q72、Q110参照)。
参加費を支払うマラソン大会の賞金
- Q28 このたび、イベント企画会社である当社が主催して市⺠向けのマラソン大会を実施することになりました。マラソン大会の参加費は5,000円で、上位入賞者には賞金が提供されます。
マラソンの記録を競うために大会に参加費を支払って出場し、その結果として賞金が提供される場合にも、景品規制の対象となるのでしょうか。 - A
正常な商慣習に照らして取引の本来の内容をなすと認められるものは、「取引に付随」する提供に当たらないことから、景品類ではありません。
本件のマラソン大会での賞品が正常な商慣習に照らして取引の本来の内容をなすと認められれば景品規制の対象とはなりませんが、通常は参加費を支払ってマラソンを走ることが取引の内容であり、賞金は、その取引に付随して提供される景品類であると考えられます。
したがって、本件は、参加費5,000円の取引に付随して、特定の行為の優劣によって賞金の提供を受けられるとして、一般懸賞の規制の対象となります。この場合に提供できる景品類の最高額は10万円(5,000円の20倍)となり、景品類の総額を懸賞に係る売上予定総額の2%までに収める必要があります(Q61、Q86参照)。
抽選で値引券を提供する場合
- Q46 当店では、一定期間に500円以上購入した者を対象に、次回以降当店で使用できる値引券を抽選で提供したいと考えています。自身の店舗で使用できる値引券は景品類ではないので、景品規制の対象とはなりませんか。
- A
自己の供給する商品又は役務の取引において、取引通念上妥当と認められる基準に従い、取引の相手方に対し、支払うべき対価を減額すること(複数回の取引を条件として対価を減額する場合を含む。)は、正常な商慣習に照らして値引と認められる経済上の利益に該当し、景品類に含まれず、景品規制の対象とはなりません。ただし、対価の減額であっても、懸賞による場合は値引とは認められず景品類に含まれることとなり、一般懸賞の規制の対象となります。
本件は、500円が取引の価額となりますので、提供できる値引券の最高額は20倍の10,000円となり、また、提供する値引券の総額を懸賞に係る売上予定総額の2%以内に収める必要があります。
なお、値引券が割引率表示(〇%値引券)の場合、割引額の上限額を設定しないと、一般懸賞の規制の範囲を超える可能性があります。
購入できる権利を提供する場合
- Q33 当社は小売店です。当社で商品Aを購入した方を対象に、抽選で、商品Bを購入することができる権利を提供します。商品Bは販売数が限定されているのですが、当選者は商品Bを確実に購入することができます。
これは、景品規制の対象となりますか。 - A
経済上の利益と認められるか否かは、「提供を受ける者の側からみて、通常、経済的対価を支払って取得すると認められるもの」といえるか否かで判断されます。
何らかの商品を購入できる権利は、通常、経済的対価を支払って取得すると認められるものではありませんので、経済上の利益に含まれず、景品規制の対象とはなりません。
しかしながら、例えば、商品Bが非常に入手困難で、購入できる権利が通常経済的対価を支払って取得すると認められるものといえるような事情がある場合には、経済上の利益に該当すると考えられます。その場合、本件は、商品Aを購入した方を対象に抽選で提供することから、一般懸賞の規制の対象となります(Q61、Q86参照)。
懸賞に係る売上予定総額の算定方法
- Q90 当店はスーパーです。当店でキャンペーン期間中に1回の取引で3,000円以上購入してくれた顧客を対象に、抽選で景品を提供したいと考えています。
この場合の懸賞に係る売上予定総額は、どのように算定すればよいでしょうか。 - A
懸賞に係る売上予定総額は、懸賞販売実施期間中における対象商品の売上予定総額を指します。
本件では、抽選対象を、特定の商品を購入した顧客に限定しているわけではないため、懸賞に係る売上げの対象商品は、スーパーで販売される全ての商品となります。しかしながら、1回の取引につき一定額以上の購入を行う顧客に限定しているため、対象となる顧客は、このスーパーにおいて1回の取引で3,000円以上購入した者となります。
したがって、本件の懸賞に係る売上予定総額は、1回の取引で3,000円以上購入する顧客から見込まれるキャンペーン期間中の売上予定額となります。
なお、例えば、抽選対象を単価3,000円以上の商品を購入した顧客に限定した場合には、特定の商品を購入した顧客に限定することとなります。したがって、この場合の懸賞に係る売上予定総額は、単価3,000円以上の商品を購入する顧客から見込まれるキャンペーン期間中の売上予定額となります。
また、例えば、抽選対象をキャンペーン実施期間中に合計で3,000円以上(レシート合算で3,000円以上)購入した顧客に限定した場合には、スーパーで販売される全ての商品の取引が対象となり、対象となる顧客は、この期間中に合計3,000円以上購入した者となります。したがって、この場合の懸賞に係る売上予定総額は、合計3,000円以上購入する顧客から見込まれるキャンペーン期間中の売上予定額となります。
懸賞に係る売上予定総額の算定の考え方
- Q91 一般懸賞において提供できる景品類の総額は、懸賞に係る売上予定総額の2%以内とされていますが、結果的に、実際の売上総額が売上予定総額を下回り、景品類の総額が売上総額の2%を超えてしまった場合、問題となるのでしょうか。
- A
懸賞に係る売上予定総額については、合理的に算定したものではないなど根拠のない金額を用いることはできません。ただし、例えば、前年の同時期の販売実績や同種の懸賞企画を行った際の販売実績などを参考にして、合理的に算定しているのであれば、結果的に、実際の売上総額が売上予定総額を下回り、景品類の総額が売上総額の2%を超えたとしても、直ちに問題とはなりません。
残念賞を提供する場合の景品類の総額
- Q92 当店では、一定額の購入者を対象に、抽選で景品を提供する懸賞企画を実施する予定です。この懸賞では、抽選に外れた者に対し、残念賞として粗品を提供するつもりです。
この場合、粗品の価額を景品類の総額に合算する必要はあるのでしょうか。 - A
懸賞で、抽選に外れ当選しなかった者にも残念賞などとして粗品を提供すると、懸賞に参加した者が、もれなく景品類の提供を受けることになります。
しかしながら、懸賞によって提供される景品類の価額に差が生じているのであれば、残念賞などとして提供される景品類は末等と同様の扱いとなり、懸賞により提供される景品類に該当することになります。したがって、残念賞で提供する粗品の価額も景品類の総額に合算する必要があります。
同時期に複数の懸賞を行う場合の景品類の限度額
- Q93 当店では、商品Aの購入者を対象として懸賞を行い、また、同時期に、商品Bの購入者を対象とした懸賞も実施する予定です。2つの懸賞を同時期に行う場合、提供できる景品類の最高額及び総額はどのように算定すればよいでしょうか。
- A
商品Aに係る懸賞と商品Bに係る懸賞は、それぞれ別の取引を条件として行われるものですので、それぞれの懸賞において提供できる景品類の最高額及び総額を算定し、その制限の範囲内で実施して構いません。
複数回の懸賞による景品類の提供の考え方
- Q94 商品A(1,000円)の購入者を対象として懸賞を行い、1回目の懸賞に外れた者を対象にダブルチャンスとして2回目の懸賞を行う場合、提供できる景品類の最高額及び総額はどのように算定すればよいでしょうか。
- A
本件は商品Aの取引に付随して抽選により景品類が提供されることから、一般懸賞の規制の対象となります。2回目の懸賞が1回目の懸賞に外れた者のみを対象とすることから、1回目の懸賞と2回目の懸賞に同時に当選する者はいません。
したがって、商品Aの価格1,000円を取引の価額として、1回目の懸賞も2回目の懸賞もどちらも景品類の最高額は20,000円(1,000円の20倍)となります。
また、景品類の総額については、1回目の懸賞と2回目の懸賞で提供する全ての景品類の価額を合算した金額を、これらの懸賞販売実施期間中における商品Aの売上予定総額の2%以内に収める必要があります。
メーカーと小売店が同時期に実施する懸賞企画の考え方(同一の取引か)
- Q95-1 メーカーが、商品A(1,000円)の購入者を対象に抽選により景品を提供するキャンペーンを実施し、同時期に、小売店が、メーカーが行う懸賞とは別に、商品Aを必ず含んで、1回の取引で1,500円以上購入した者を対象に抽選により景品を提供するキャンペーンを実施する場合、同一の取引に付随して2つの景品類の提供が行われていることになるのでしょうか。
- A
本件は、メーカーが商品Aの購入者を、小売店が商品Aを含む1回の取引で1,500円以上購入した者を、それぞれ対象に懸賞を行うものです。したがって、商品Aを含む1回の取引で1,500円以上購入した者は、メーカーと小売店の双方から、景品類の提供を受けられることから、メーカーの懸賞で提供される景品類と小売店の懸賞で提供される景品類は、同一の取引に付随して提供される景品類と考えられます(景品類の最高額と総額の算定についてはQ95-2参照)。
なお、小売店が、商品Aの購入を条件とせず商品を一定額以上購入した者を対象に懸賞を行う場合に、購入商品の中にたまたま商品Aが含まれていたとしても同一の取引とは認められないため、メーカーの懸賞と小売店の懸賞のそれぞれにおいて提供できる景品類の最高額及び総額は、合算することなく個別に算定することができます。
メーカーと小売店が同時期に実施する懸賞企画の考え方(景品類の限度額)
- Q95-2 メーカーが、商品A(1,000円)の購入者を対象に抽選により景品を提供するキャンペーンを実施し、同時期に、小売店が、メーカーが行う懸賞とは別に、商品Aを必ず含んで、1回の取引で1,500円以上購入した者を対象に抽選により景品を提供するキャンペーンを実施する場合、提供できる景品の最高額及び総額はどのように算定すればよいでしょうか。
なお、メーカーと小売店のキャペーンは、重複当選を制限していません。 - A
同一の取引に付随して2つ以上の懸賞による景品類の提供が行われる場合の景品類の限度額の考え方は、次のとおりです。
- 1同一の事業者が行う場合は、別々の企画によるときであっても、これらを合算した額の景品類を提供したことになります。
- 2他の事業者と共同して行う場合は、別々の企画によるときであっても、それぞれ、共同した事業者がこれらの額を合算した額の景品類を提供したことになります。
- 3他の事業者と共同しないで、その懸賞の当選者に対して更に懸賞によって景品類を追加した場合は、追加した事業者がこれらを合算した額の景品類を提供したことになります。
本件は、Q95-1の回答のとおりメーカーも小売店もどちらも商品Aの取引をすることで景品類の提供がなされることから、同一の取引に付随して提供される景品類と考えられます。したがって、本件がメーカーと小売店の共同企画であれば、上記2の考え方、共同企画でないならば上記3の考え方に該当します。
メーカーと小売店の共同企画である場合
商品Aを含む1,500円以上の購入で2つの景品が提供される可能性があります。したがって、提供できる景品類の最高額は、メーカーの懸賞では、商品Aの価格1,000円を取引の価額として20,000円(1,000円の20倍)、小売店の懸賞では、購入すべき金額である1,500円を取引の価額として 30,000円(1,500円の20倍)からメーカーが提供する景品類の価額を差し引いた価額です(例えば、メーカーが、最高12,000円の景品類を提供する場合、小売店が提供できる景品類の最高額は、 30,000円-12,000円=18,000円となります。)。
また、提供できる景品類の総額については、例えば、メーカーは懸賞販売実施期間中における商品Aの売上予定総額の2%以内に、小売店は同期間中商品Aを含み1回の取引で1,500円以上購入する者の売上予定総額の2%の額から、メーカーが提供した景品類の総額を差し引いた額にそれぞれ収めるなど、懸賞販売実施期間中における対象商品の売上予定総額を合理的に算定する必要があります。
メーカーと小売店の共同企画ではない場合
小売店がメーカーの懸賞に追加して懸賞を実施するのであれば、考え方は上記と同様です。
メーカーが小売店の懸賞に追加して実施する場合、提供できる景品類の最高額は、小売店の懸賞では、応募条件である1,500円を取引の価額として 30,000円(1,500円の20倍)、メーカーの懸賞では、商品Aの価格1,000円を取引の価額として20,000円(1,000円の20倍)から小売店が提供する景品類の価額を差し引いた額です(例えば、小売店が、最高15,000円の景品類を提供する場合、メーカーが提供できる景品類の最高額は、20,000円-15,000円=5,000円となります。)。
また、提供できる景品類の総額については、例えば、小売店は懸賞販売実施期間中における商品Aを含み1回の取引で1,500円以上購入する者の売上予定総額の2%以内に、メーカーは同期間中における商品Aの売上予定総額の2%以内であって、かつ、小売店が提供する景品類の総額と併せて小売店の上記売上予定総額の2%以内にそれぞれ収めるなど、懸賞販売実施期間中における対象商品の売上予定総額を合理的に算定する必要があります。
総付景品の提供と一般懸賞を同時に実施する場合
- Q96 商品A(3,000円)の購入者に、もれなく景品Bを提供し、さらに抽選により景品Cを提供したいのですが、景品類の最高額及び総額はどのように算定すればよいでしょうか。
- A
総付景品の提供と一般懸賞を同時に行う場合は、それぞれの規制の範囲内において景品類を提供することができます。
本件は、商品Aの購入が条件となっていることから取引の価額は3,000円ですので、総付景品で提供される景品Bの最高額は600円(3,000円の10分の2)となります。
また、抽選で提供される景品Cの最高額は60,000円(3,000円の20倍)、景品Cの総額は、懸賞販売実施期間中の商品Aの売上予定総額の2%以内に収める必要があります。
なお、総付景品には一般懸賞とは異なり、総額の規制はありません。
共同懸賞と一般懸賞を同時に実施する場合
- Q97 当店は、年末企画として商店街で実施される共同懸賞に参加する予定なのですが、同時期に同期間、当店独自の懸賞を行いたいと考えています。
応募は、共同懸賞と当店独自の懸賞ともに、期間内に商品を合計で5,000円以上(レシート合算で5,000円以上)購入することが条件となります。この場合に当店と商店街それぞれで提供できる景品類の価額はどのように算定すればよいのでしょうか。
なお、商店街の共同懸賞と当店の懸賞は、重複当選を制限していません。 - A
このお店で合計5,000円以上購入すると商店街の共同懸賞にも、このお店の懸賞にも参加することができ、両方の懸賞に当選する可能性がありますので、それぞれの懸賞で提供される景品類の額を懸賞の規制における景品類の最高額の範囲内に収めた上で、両方の懸賞に当選しても、その景品類の合計額が提供できる景品類の最高額を超えないようにする必要があります。
本件は商品を合計5,000円以上購入することが条件となっていることから取引の価額は5,000円ですので、一般懸賞で提供できる景品類の最高額は10万円(5,000円の20倍)、共同懸賞で提供できる景品類の最高額は、30万円から一般懸賞で提供した景品類の額を差し引いた額となります(共同懸賞についてはQ100参照)。例えば、共同懸賞で最高25万円の景品類を提供するのであれば、一般懸賞で提供できる景品類の最高額は 50,000円ですし、一般懸賞で最高10万円の景品類を提供するのであれば、共同懸賞で提供できる景品類の最高額は20万円となります。
また、景品類の総額については、例えば、一般懸賞では、このお店の一般懸賞実施期間中において合計5,000円以上購入する者の売上予定総額の2%以内に、共同懸賞では、共同懸賞実施期間中において合計5,000円以上購入する者の商店街全体の売上予定総額の3%の額から、このお店の一般懸賞で提供する景品類の総額を差し引いた額に収める必要があります。
取引に付随しない懸賞(いわゆるオープン懸賞)
無料の会員登録者への景品提供1
- Q15 オンラインショッピングサイトにおいて、無料の会員登録をした者を対象に、抽選により景品を提供することを考えています。景品は当選者に郵送します。
このような企画は取引に付随する経済上の利益の提供として、一般懸賞の規制の対象となるのでしょうか。 - A
取引を条件として経済上の利益を提供する場合だけではなく、取引を条件としない場合であっても、経済上の利益の提供が取引の相手方を主たる対象として行われるときには「取引に付随」する提供に当たります。
例えば、商品・サービスを購入しなければ懸賞企画に応募できない場合や、商品・サービスを購入することにより、応募するためのクイズの解答やヒントが分かり懸賞企画に応募することが可能又は容易になる場合など、懸賞に応募しようとする者が商品・サービスを購入すること(取引)につながる蓋然性が高い場合には、取引に付随すると認められることになります。
したがって、本件で、懸賞応募の条件として、商取引のための無料の会員登録をすることを求めたとしても、通常、これだけで取引に付随する経済上の利益の提供に該当することはありませんが、上記のように取引につながる蓋然性が高いと認められる事情がある場合には、取引に付随するとして景品規制の対象となります。
無料の会員登録者への景品提供2
- Q16 当社は情報提供サイトを運営しています。当サイト内で販売行為はありません。当サイトの情報を閲覧するためには、無料の会員登録が必要です。また、更に充実した情報を得るためには、一定の料金を支払い有料会員となる必要があります。
このたび、当社で、当サイトから誰でも応募できる懸賞企画を実施する予定です。景品は当選者に郵送します。誰でも応募ができるのですが、応募する際には、当サイトの会員登録が必要となります。したがって、もともと会員である方はそのまま応募が可能ですが、会員ではない方は新規に無料又は有料の会員登録をすることになります。
本件企画は、有料会員も対象となることから、取引に付随する懸賞企画として、景品規制の対象となりますか。 - A
取引を条件として経済上の利益を提供する場合だけではなく、取引を条件としない場合であっても、経済上の利益の提供が取引の相手方を主たる対象として行われるときには「取引に付随」する提供に当たります。
例えば、商品・サービスを購入しなければ懸賞企画に応募できない場合や、商品・サービスを購入することにより、応募するためのクイズの解答やヒントが分かり懸賞企画に応募することが可能又は容易になる場合など、懸賞に応募しようとする者が商品・サービスを購入すること(取引)につながる蓋然性が高い場合には、取引に付随すると認められることになります。ただし、景品提供企画が取引に付随するものと認められない場合は、応募者の中にたまたまその事業者の供給する商品又は役務の購入者が含まれるときであっても、その者に対する提供は、取引に付随する提供に当たりません。
本件で、懸賞応募の条件として、無料の会員登録をすることを求めたとしても、通常、これだけで取引に付随する経済上の利益の提供に該当することはありません(Q15参照)。
したがって、本件企画において、例えば、有料会員だと当選しやすいと思わせる告知をするなど、他に取引につながる蓋然性が高いと認められる事情がなく、告知から景品提供まで一切取引に付随しないと認められるのであれば、たまたま応募者の中に有料会員が含まれていたとしても、景品規制の対象にはなりません。
無料のアプリダウンロードでの景品提供
- Q17 当社が提供している無料のアプリをダウンロードしてくれた方を対象に懸賞企画を実施する予定です。告知は当社ホームページとSNSで行い、景品は当選者に郵送します。
この企画は景品規制の対象になるのでしょうか。 - A
取引を条件として経済上の利益を提供する場合だけではなく、取引を条件としない場合であっても、経済上の利益の提供が取引の相手方を主たる対象として行われるときには「取引に付随」する提供に当たります。
例えば、商品・サービスを購入しなければ応募できない場合や、商品・サービスを購入することにより、応募するためのクイズの解答やヒントが分かり懸賞企画に応募することが可能又は容易になる場合など、懸賞に応募しようとする者が商品・サービスを購入すること(取引)につながる蓋然性が高い場合には、取引に付随すると認められることになります。
本件のアプリは、商品又は役務を購入したり、店舗に来店したりすることなく無料でダウンロードすることが可能で、景品の受領に当たっても来店する必要はありませんから、これによって取引につながる蓋然性が高いと認められる要素はありません。
したがって、本件は、他に取引につながる蓋然性が高いと認められる事情がない限り、告知から景品提供まで一切取引に付随せず、景品規制の対象にはなりません。
SNSでの懸賞1
- Q18 SNSにおいて当社アカウントをフォローし、「いいね」を押すことで応募ができる懸賞企画を考えています。告知は当社ホームページとSNSで行い、景品は当選者に郵送します。
この企画は景品規制の対象になるのでしょうか。 - A
取引を条件として経済上の利益を提供する場合だけではなく、取引を条件としない場合であっても、経済上の利益の提供が取引の相手方を主たる対象として行われるときには「取引に付随」する提供に当たります。
例えば、商品・サービスを購入しなければ応募できない場合や、商品・サービスを購入することにより、応募するためのクイズの解答やヒントが分かり懸賞企画に応募することが可能又は容易になる場合など、懸賞に応募しようとする者が商品・サービスを購入すること(取引)につながる蓋然性が高い場合には、取引に付随すると認められることになります。
本件のように、SNSのアカウントのフォローや「いいね」を押すことは、通常、商品・サービスを購入することに直ちにつながるものではありません。また、景品の受領に当たって来店は必要とされていません。
したがって、本件は、他に取引につながる蓋然性が高いと認められる事情がない限り、告知から景品提供まで一切取引に付随せず、景品規制の対象にはなりません。
SNSでの懸賞2
- Q19 SNSにおいて当社アカウントをフォローし、指定したハッシュタグ(#)を付けて投稿をすることで応募ができる懸賞企画を考えています。投稿の際、当社商品の画像や使用感を併せて投稿してくれた場合には、通常よりも当選確率が2倍となります。当選確率を含めた本件の告知は当社ホームページとSNSで行い、景品は当選者に郵送します。
この企画は景品規制の対象になるのでしょうか。 - A
取引を条件として経済上の利益を提供する場合だけではなく、取引を条件としない場合であっても、経済上の利益の提供が取引の相手方を主たる対象として行われるときには「取引に付随」する提供に当たります。
例えば、商品・サービスを購入しなければ応募できない場合や、商品・サービスを購入することにより、応募するためのクイズの解答やヒントが分かり懸賞企画に応募することが可能又は容易になる場合など、懸賞に応募しようとする者が商品・サービスを購入すること(取引)につながる蓋然性が高い場合には、取引に付随すると認められることになります。
通常、SNSのアカウントのフォローや指定したハッシュタグ(#)を付けて投稿することは、商品・サービスを購入することに直ちにつながるものではありませんが、本件では、この事業者の商品の画像や使用感を併せて投稿した場合に当選確率が2倍になると告知していることから、応募に当たり、この事業者の商品を購入する蓋然性が高いと考えられます。
SNSでの懸賞3
- Q20 SNSにおいて当社アカウントの友達登録をすることで応募ができる懸賞企画を考えています。当選者は景品を受け取るため、当社の店舗に来店してもらう必要があります。
この企画は取引に付随するので、一般懸賞の規制の対象になるのでしょうか。 - A
取引を条件として経済上の利益を提供する場合だけではなく、取引を条件としない場合であっても、経済上の利益の提供が取引の相手方を主たる対象として行われるときには「取引に付随」する提供に当たります。
例えば、商品・サービスを購入しなければ応募できない場合や、商品・サービスを購入することにより、応募するためのクイズの解答やヒントが分かり懸賞企画に応募することが可能又は容易になる場合など、懸賞に応募しようとする者が商品・サービスを購入すること(取引)につながる蓋然性が高い場合には、取引に付随すると認められることになります。
通常、SNSのアカウントの友達登録は、商品・サービスを購入することに直ちにつながるものではありませんが、本件では、当選者は、景品を受け取るために、この事業者の店舗に来店しなければなりませんので、取引に付随することになります。
当選者は、店舗に来店したらもれなく景品の提供を受けられることになりますので、本件は、総付景品の規制の対象となります(Q72、Q110参照)。
ホームページから応募できる懸賞1
- Q21 当社ホームページから誰でも応募ができる懸賞企画を実施したいと考えています。当選者には、当社の店舗での購入時に使用できる値引券がメールで提供されます。
誰でも応募ができますので、取引に付随せず、景品規制の対象とはなりませんか。 - A
取引を条件として経済上の利益を提供する場合だけではなく、取引を条件としない場合であっても、経済上の利益の提供が取引の相手方を主たる対象として行われるときには「取引に付随」する提供に当たります。
例えば、商品・サービスを購入しなければ応募できない場合や、商品・サービスを購入することにより、応募するためのクイズの解答やヒントが分かり懸賞企画に応募することが可能又は容易になる場合など、懸賞に応募しようとする者が商品・サービスを購入すること(取引)につながる蓋然性が高い場合には、取引に付随すると認められることになります。
通常、ホームページから誰でも応募ができる懸賞企画であれば、商品・サービスを購入することに直ちにつながるものでありませんが、本件では、当選者は、値引券を使用するために、この事業者の店舗に来店しなければなりませんので、取引に付随することになります。
当選者は店舗に来店したらもれなく値引を受けられることになりますが、この値引券は来店した店舗で使用できるものなので、正常な商慣習に照らして値引と認められるのであれば、景品類に含まれず、景品規制の対象とはなりません(Q11参照)。
ホームページから応募できる懸賞2
- Q22 当社はお菓子メーカーです。このたび、当社の商品Aの発売10周年を記念して、懸賞を実施したいと考えています。この懸賞の応募要領等の告知は、ホームページやSNSで行うほか、商品Aのパッケージにも印刷しますが、懸賞への応募に商品Aの購入は必要なく、当社のホームページやSNSから誰でも応募が可能です。
このような企画は、取引に付随する経済上の利益の提供として、一般懸賞の規制の対象となるのでしょうか。 - A
取引を条件として経済上の利益を提供する場合だけではなく、取引を条件としない場合であっても、経済上の利益の提供が取引の相手方を主たる対象として行われるときには「取引に付随」する提供に当たります。
例えば、商品・サービスを購入しなければ応募できない場合や、商品・サービスを購入することにより、応募するためのクイズの解答やヒントが分かり懸賞企画に応募することが可能又は容易になる場合など、懸賞に応募しようとする者が商品・サービスを購入すること(取引)につながる蓋然性が高い場合には、取引に付随すると認められることになります。取引に付随しない方法を併用していても、取引に付随すると認められます。
通常、ホームページやSNSから誰でも応募できる懸賞企画であれば、商品・サービスを購入することに直ちにつながるものはありませんが、本件では、商品Aのパッケージに応募要領等が記載されていることから、商品Aの取引の相手方を主たる対象として行われているとみられ、取引に付随することになります。
ホームページから応募できる懸賞3
- Q23 当社は、自動車の販売を行っている事業者です。自動車の購入に興味を持つ一般消費者を対象に、「カーナビプレゼントキャンペーン」と称して、当社のホームページや新聞広告等で広く告知し、自動車の購入を条件とせず、ホームページ上において応募を受け付け、応募者の中から抽選でカーナビを提供する企画を考えています。
この企画の当選者がカーナビの提供を受けるためには、当社から自動車を購入する必要があります。キャンペーンに応募する時点では自動車の購入を条件としていませんので、景品規制の対象とはなりませんか。 - A
取引を条件として経済上の利益を提供する場合だけではなく、取引を条件としない場合であっても、経済上の利益の提供が取引の相手方を主たる対象として行われるときには「取引に付随」する提供に当たります。
例えば、商品・サービスを購入しなければ応募できない場合や、商品・サービスを購入することにより、応募するためのクイズの解答やヒントが分かり懸賞企画に応募することが可能又は容易になる場合など、懸賞に応募しようとする者が商品・サービスを購入すること(取引)につながる蓋然性が高い場合には、取引に付随すると認められることになります。
通常、ホームページから誰でも応募ができる懸賞企画であれば、商品・サービスを購入することに直ちにつながるものでありませんが、本件では、当選者がカーナビの提供を受けるためには、この事業者から自動車を購入しなければなりませんので、取引に付随することになります。
当選者は実際に自動車を購入したらもれなくカーナビの提供を受けられることになりますので、総付景品の規制の対象となります(Q64、Q110参照)。
ホームページから応募できる懸賞4
- Q24 当社ホームページから誰でも応募ができる懸賞企画を実施したいと考えています。当選者は2組で、当選者には当社が所在する地域において人気のあるテーマパークのペアチケットを郵送します。本件企画には、テーマパーク運営事業者は一切関与していません。
当選者はこのテーマパークに来園しなければならないため、取引に付随するとして景品規制の対象となりますか。 - A
取引を条件として経済上の利益を提供する場合だけではなく、取引を条件としない場合であっても、経済上の利益の提供が取引の相手方を主たる対象として行われるときには「取引に付随」する提供に当たります。
例えば、商品・サービスを購入しなければ応募できない場合や、商品・サービスを購入することにより、応募するためのクイズの解答やヒントが分かり懸賞企画に応募することが可能又は容易になる場合など、懸賞に応募しようとする者が商品・サービスを購入すること(取引)につながる蓋然性が高い場合には、取引に付随すると認められることになります。
通常、ホームページから誰でも応募ができる懸賞企画であれば、商品・サービスを購入することに直ちにつながるものでありませんので、本件に、他に取引につながる蓋然性が高いと認められる事情がない限り、告知から景品提供まで一切の取引に付随せず、景品規制の対象とはなりません。確かに、当選者は、テーマパークに来園すればもれなく無料で入園できることになりますが、テーマパーク運営事業者は、本件企画に一切関与していないということですから、テーマパーク運営事業者が自身の取引に付随してテーマパークのチケットを提供したとは認められません。
したがって、本件企画は景品規制の対象とはなりません。
担当:表示対策課