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景品類とは

概要

景品類の定義

Q1 景品表示法の「景品類」の定義を教えてください。
A

景品表示法の「景品類」については、同法第2条第3項において、

  1. 1顧客を誘引するための手段として
  2. 2事業者が自己の供給する商品又は役務(サービス)の取引(不動産に関する取引を含む。)に付随して
  3. 3取引の相手方に提供する物品、金銭その他の経済上の利益

であって、内閣総理大臣が指定するものをいうと定義されています。

また、上記に加えて、内閣総理大臣は、この規定に基づき、「不当景品類及び不当表示防止法第2条の規定により景品類及び表示を指定する件」(昭和37年公正取引委員会告示第3号)において、法第2条第3項と同様に上記1~3のとおり規定した上で、具体的にどのようなものが「景品類」に当たるかを指定しています。その内容は次のとおりです。

  • 物品及び土地、建物その他の工作物
  • 金銭、金券、預金証書、当せん金付証票及び公社債、株券、商品券その他の有価証券
  • きょう応(映画、演劇、スポーツ、旅行その他の催物等への招待又は優待を含む。)
  • 便益、労務その他の役務

ただし、正常な商慣習に照らして値引又はアフターサービスと認められる経済上の利益及び正常な商慣習に照らしてその取引に係る商品又は役務に付属すると認められる経済上の利益は含まないこととされています(Q35参照)。

(参照)

顧客誘引性

顧客を誘引するための手段の考え方

Q2 景品表示法第2条第3項にある「顧客を誘引するための手段として」の考え方を教えてください。
A

「顧客を誘引するための手段として」とは、客観的に顧客を誘引するための手段となっているかどうかにより判断されることとなり、提供者の主観的意図やその企画の名目がどのようなものであるかは問題とはなりません。

例えば、自己の供給する商品の容器の回収促進のため又は自己の供給する商品に関する市場調査のアンケート用紙の回収促進のための金品の提供であっても「顧客を誘引するための手段として」の提供と認められることがあります。

また、新たな顧客の誘引に限らず、取引の継続又は取引量の増大を誘引するための手段も「顧客を誘引するための手段」に含まれます。

(参照)

サプライズ企画の顧客誘引性

Q3 当社は有料で入場できる美術館を運営しています。入場5万人目に記念品を提供する企画を実施したいのですが、事前の広告を行わなければ、顧客を誘引するための手段になりませんか。
なお、今まで同様の企画を実施したことはありません。
A

通常、事前に広告を一切行わない景品類の提供は、顧客を誘引するための手段とはなりませんので、本件のように、事前の告知が行われない初めての企画であれば、顧客を誘引するための手段としての提供には当たりません。
しかしながら、例えば同じような形で景品類の提供が繰り返し行われていたり、景品類の提供を受けた消費者のSNSへの投稿が拡散するなどして、事業者が意図せずとも顧客を誘引するための手段となる場合もあるため、企画をする際には留意する必要があります。

(参照)

事業者

事業者とは

Q4 景品表示法第2条第3項にある「事業者」の考え方を教えてください。
A

景品表示法の「事業者」については、同法第2条第1項において、商業、工業、金融業その他の事業を行う者をいうと定義されています。また、事業を行う者の利益のためにする行為を行う役員、従業員、代理人その他の者は、同法第2条第2項(事業者団体の定義)及び第36条(協定又は規約)の規定の適用について、事業者とみなすとされています。
なお、上記には、次の場合も含みます。

  • 営利を目的としない協同組合、共済組合等が商品又は役務を供給する事業を行う場合
  • 学校法人、宗教法人等が収益事業(私立学校法第19条等に定める収益事業をいう。)を行う場合
  • 学校法人、宗教法人等又は地方公共団体その他の公的機関等が一般の事業者の私的な経済活動に類似する事業を行う場合

したがって、例えば、営利を目的としない組合であっても、自身で物産展を実施するなどの場合には、この事業について、事業者に該当することになります。

(参照)

外国事業者は規制の対象か

Q5 外国事業者は景品表示法の規制の対象である事業者に該当しますか。
A
外国の事業者であっても、日本国内の一般消費者向けに商品又はサービスを提供している場合には、景品表示法の適用対象となります。外国の事業者が日本法人を有しているかどうかは関係ありません。

自己の供給する商品又は役務

自己の供給する商品又は役務の取引とは

Q6 「自己の供給する商品又は役務の取引」の考え方を教えてください。
A

「自己の供給する商品又は役務の取引」には、自己が製造し、又は販売する商品についての、最終需要者に至るまでの全ての流通段階における取引が含まれます。

例えば、フランチャイズチェーンの加盟店が供給する商品又は役務の取引も、フランチャイズチェーン本部にとって「自己の供給する商品の取引」に当たります。また、最終製品である商品Bの原材料として商品Aを用いていることが、商品Bの需要者に明らかである場合、商品Bの取引は、原材料である商品Aの供給業者にとっても、「自己の供給する商品の取引」に当たります。

販売だけではなく、賃貸、交換等のほか、銀行と預金者との関係、クレジットカード会社とカードを利用する消費者との関係等も「取引」に含まれます。

また、自己が一般消費者から物品等を買い取る取引も、当該取引が、当該物品等を査定する等して当該物品等を金銭と引き換えるという役務を供給していると認められる場合には、「自己の供給する役務の取引」に当たります。

なお、「物品等」には、事業者が一般消費者から購入することのある目的物(例えば、債権やNFT(非代替性トークン)に係る権利等)が広く含まれます。「査定する等」の「等」については、例えば、消費者のために消費者宅を訪問して物品等を引き取ることや、買取額がつかない物品の処分を行うこと等が含まれます。

(参照)

中古品の買取時における物品等の提供

Q7 当店は、消費者のお宅を訪問し、不要な古本や古着などの中古品を査定して買い取るサービスを提供しています。当店は、このたび、消費者から中古品を買い取った際に、当店オリジナルのエコバッグを提供したいと考えています。当店は、消費者向けの販売を行っているわけではないので、このエコバッグは、景品類に該当しないと考えてよいでしょうか。
A

自己が一般消費者から物品等を買い取る取引も、当該取引が、当該物品等を査定する等して当該物品等を金銭と引き換えるという役務を供給していると認められる場合には、「自己の供給する役務の取引」に当たります。
本件の買取サービスは、消費者宅を訪問し、中古品の査定を行って金銭に引き換え、当該中古品を引き取ることを内容とする取引であり、「役務」を供給していると考えられます。
したがって、古本などを買い取った際に提供するエコバッグは、景品類に該当し、景品規制が適用されます。
なお、買取額に応じて景品類を提供する場合は、当該買取額が「取引の価額」となります。 買取りした者を対象とするが、買取額の多少を問わないで景品類を提供する場合の「取引の価額」は、原則として100円となります。ただし、通常行われる取引の価額のうち最低のものが100円を下回るときは、当該最低のものが「取引の価額」となり、100円を超えるときは、当該最低のものを「取引の価額」とすることができます。
また、買取額に応じて懸賞による方法で景品類を提供する場合は、当該買取額に基づいて「取引の予定総額」を算定していくことになります。

(参照)

雇用契約成立時の金銭等の提供

Q8 当社は採用した従業員にお祝い金を提供しています。そのことを求人広告に掲載したいのですが、景品規制は適用されるのでしょうか。
A

雇用契約は、「自己の供給する商品又は役務の取引」には該当しません。

したがって、採用した従業員へのお祝い金の提供に、景品規制は適用されません。

取引付随性

取引付随性とは

Q9 景品表示法第2条第3項にある「取引に付随」の考え方を教えてください。
A

「取引に付随」する提供に当たる場合とは、次のようなことが挙げられます。

  1. 1取引を条件として他の経済上の利益を提供する場合
  2. 2取引を条件としない場合であっても、経済上の利益の提供が、次のように取引の相手方を主たる対象として行われるとき。なお、取引に付随しない提供方法を併用していても取引に付随する提供に当たります。
    1. (1)商品の容器包装に経済上の利益を提供する企画の内容を告知している場合(商品の容器包装に応募の内容が記載されているなど)
    2. (2)商品又は役務を購入することにより、経済上の利益の提供を受けることが可能又は容易になる場合(商品を購入しなければ解答やそのヒントが分からないなど)
    3. (3)小売業者又はサービス業者が、自己の店舗への入店者に対し経済上の利益を提供する場合
    4. (4)自己と特定の関連(※)がある小売業者又はサービス業者の店舗への入店者に対し経済上の利益を提供する場合
    5. (※)例えば、自己が資本の過半を拠出している、自己とフランチャイズ契約を締結している、入店者の大部分が自己の供給する商品又は役務の取引の相手方と認められるなど。
  3. 3取引の勧誘に際して、相手方に金品、招待券等を供与するような場合

なお、「取引に付随」する提供に当たらない場合については、Q35を参照してください。

(参照)

過去に取引をした者を対象に行う企画

Q10 当店では「お客様感謝デー」として、昨年1年間に、当店で合計10万円以上購入してくれた顧客を対象に、抽選で景品を提供する企画を実施しようと考えています。この場合、取引の価額を10万円とみてよいでしょうか。
なお、当店で通常販売している商品等のうち最も安いものは100円です。
A

取引を条件としない場合であっても、経済上の利益の提供が、取引の相手方を主たる対象として行われるときは、「取引に付随」する提供に当たります。

過去に取引をしたことのある顧客に対して景品類を提供する場合は、原則として、景品企画を告知した後の取引につながる蓋然性が高いことから、取引の相手方を主たる対象として行われるものとして、告知をした後に発生し得る今後の取引に付随する提供にあたると認められます。したがって、取引の価額は、景品企画を告知した後に発生し得る通常の取引のうち最低のものとなり、過去の購入額を取引の価額とすることはできません。

本件は、このお店で通常販売している商品等のうち最も安いものが100円ですので、取引の価額は100円となります。

(参照)

クーポン券が表示されたフリーペーパー

Q11 当社では、飲食店などの情報を広告形式で掲載し、また、一部の飲食店の広告面に「飲食代金から500円引き」、「飲食代金から○○%引き」、「飲食してくれたお客様にドリンク1杯サービス」等のクーポン券が印刷してあるいわゆる「フリーペーパー」を発行しています。
このフリーペーパーを駅の改札口や繁華街の街頭で配布したいのですが、このフリーペーパーは景品規制の対象となるでしょうか。
A

本件のようないわゆるフリーペーパーは、通常、配布に当たり取引に付随することはないと考えられます。ただし、フリーペーパーに掲載されている店舗が、フリーペーパーに印刷されているクーポン券を持参した顧客に対して物品などを提供する場合は、店舗と顧客との個々の取引に付随して景品類が提供されるものと認められ、各店舗が行う景品提供企画に対し、個別に総付景品の規制が適用されます。

クーポン券が景品引換券や、特定の商品・サービスと引き換えることにしか用いることのできない証票(例えばドリンク1杯無料券、ケーキ1個引換券)である場合は、総付景品の規制の対象となるため、提供する景品類は、同規制の範囲内とする必要があります。

また、クーポン券が、各店舗で使用できる割引券である場合は、取引通念上妥当と認められる基準に従っていれば、正常な商慣習に照らして値引と認められる経済上の利益に該当し、景品類には該当せず景品規制は適用されません。

(参照)

消費者と直接取引を行っていない事業者が提供する景品

Q12 当社は事業者Aと共同で景品企画を検討しています。事業者Aの商品の購入者にもれなく景品を提供したいと考えていますが、この企画の告知、景品の受渡しなどは当社が行います。
当社は消費者と直接取引していませんし、取引につながる要素はありませんので、当社が提供する景品は取引に付随する提供には該当せず、景品規制の対象にはなりませんか。
A

小売業者又はサービス業者が、自己の店舗への入店者に対し景品を提供する場合、経済上の利益の提供が、取引の相手方を主たる対象として行われていることから、「取引に付随」する提供に当たりますが、小売業者又はサービス業者の店舗への入店者に対し他の事業者が景品提供を行う場合であっても、次のような場合は小売業者又はサービス業者の「取引に付随」する提供に当たるとされています。

小売業者又はサービス業者が、

  • 他の事業者に対して協賛、後援等の特定の協力関係にあって共同して経済上の利益を提供していると認められる場合
  • 他の事業者をして経済上の利益を提供させていると認められる場合

本件は、相談者が景品の提供を行うに当たり、自身の取引を条件としておらず、また、自身の取引の相手方を主たる対象ともしていませんので、相談者が提供する景品とみれば景品規制の対象とはなりません。
しかしながら、本件企画については、相談者と事業者Aが共同して検討しており、事業者Aも一定の関与が想定されることから、上記の考え方を基にすれば、相談者と事業者Aが特定の協力関係にあり、共同して経済上の利益を提供していると認められると考えられます。
したがって、本件を事業者Aが提供する景品とみれば、事業者Aは、景品の提供を行うに当たり自身の商品の購入を条件としていますから、本件は、事業者Aの取引に付随する提供として、総付景品の規制の対象となります。この場合の取引価額は事業者Aが供給する商品のうち最も安いものとなり、提供できる景品類の最高額はその10分の2までとなります。
ところで、例えば、複数の出店者が参加するイベント会場において主催者が出店者の提供する景品企画とは別の景品企画(例えば、地域のお祭りの会場の来場者への抽選会等)を実施することがあります。この場合、提供される景品を主催者が単独で提供しているなど、出店者の「取引に付随」する提供に該当するものではなく、かつ、主催者と来場者との間で、他に取引につながる蓋然性が高いと認められる事情がない限り、景品規制の対象とはなりません。「自己の供給する商品又は役務の取引」には、自己が製造し、又は販売する商品についての、最終需要者に至るまでの全ての流通段階における取引が含まれます(Q63Q64Q110参照)。

(参照)

プラットフォーム提供者による景品企画

Q13 当社はあるサービスについて、事業者と消費者をマッチングするプラットフォームを提供しています。消費者は無料の会員登録のみでこのプラットフォームを利用することができます。
このたび、このプラットフォームに掲載されている事業者とのマッチングが成功し成約に至った消費者に対し、もれなく当社から景品を提供したいと考えています。当社のプラットフォームの利用に当たり、消費者は料金を支払っていませんし、取引につながる要素はありませんので、当社が提供する景品は取引に付随する提供には該当せず、景品規制の対象にはなりませんか。
A

小売業者又はサービス業者が、自己の店舗への入店者に対し景品を提供する場合、経済上の利益の提供が、取引の相手方を主たる対象として行われていることから、「取引に付随」する提供に当たりますが、小売業者又はサービス業者の店舗への入店者に対し他の事業者が景品提供を行う場合であっても、次のような場合は小売業者又はサービス業者の「取引に付随」する提供に当たるとされています。

  • 小売業者又はサービス業者が、
    • 他の事業者に対して協賛、後援等の特定の協力関係にあって共同して経済上の利益を提供していると認められる場合
    • 他の事業者をして経済上の利益を提供させていると認められる場合

本件は、消費者が無料の会員登録のみでこのプラットフォームを利用することができるとのことですので、景品を提供する相談者と消費者との間には取引関係がないことを前提とすれば、相談者は景品の提供を行うに当たり取引を条件としておらず、また、取引の相手方を主たる対象ともしていませんので、相談者が提供する景品とみれば景品規制の対象とはなりません。
しかしながら、本件企画については、プラットフォームに掲載されている事業者(以下「掲載事業者」といいます。)との成約件数の増加につながるものであることから、上記の考え方を基にすれば、相談者と掲載事業者が特定の協力関係にあり、共同して経済上の利益を提供していると認められる可能性が高いと考えられます。
したがって、本件を掲載事業者が提供する景品とみれば、掲載事業者は、景品の提供を行うに当たり自身の供給するサービスの契約を条件としていますから、本件は、掲載事業者の取引に付随する提供として、総付景品の規制の対象となります。この場合の取引価額は掲載事業者が供給するサービスのうち最も安いものとなり、提供できる景品類の最高額はその10分の2までとなります(Q63Q64Q110参照)。

(参照)

小売業者が関与しないメーカーの景品企画

Q14 当社はメーカーで、小売業者を通じて商品を販売しています。当社が自社のキャンペーン対象商品にくじを付けて販売し、当選者に景品を提供する企画を実施します。このキャンペーン対象商品は、当社が取引のある全ての小売業者に出荷し、消費者に販売します。
この企画に小売業者は一切関与していませんが、小売業者が直接消費者にキャンペーン対象商品を販売することになるため、小売業者も景品表示法の適用を受けるのでしょうか。
A

小売業者又はサービス業者が、自己の店舗への入店者に対し景品を提供する場合、経済上の利益の提供が、取引の相手方を主たる対象として行われていることから、「取引に付随」する提供に当たりますが、小売業者又はサービス業者の店舗への入店者に対し他の事業者が景品提供を行う場合であっても、次のような場合は小売業者又はサービス業者の「取引に付随」する提供に当たるとされています。

小売業者又はサービス業者が、

  • 他の事業者に対して協賛、後援等の特定の協力関係にあって共同して経済上の利益を提供していると認められる場合
  • 他の事業者をして経済上の利益を提供させていると認められる場合

消費者は、小売業者が供給する商品を取引することで景品が得られるものの、小売業者は、くじが付いたキャンペーン商品を単に販売するだけであり、このキャンペーンに一切関与していないため、メーカーと共同して経済上の利益を提供しているとはいえません。

したがって、本件はメーカーが、自己の供給する商品の取引に付随して提供する経済上の利益として、メーカーは景品表示法の適用を受けますが、このキャンペーンに一切関与していない小売業者が景品表示法の適用を受けることはありません。

(参照)

取引に付随しない懸賞(いわゆるオープン懸賞)

無料の会員登録者への景品提供1

Q15 オンラインショッピングサイトにおいて、無料の会員登録をした者を対象に、抽選により景品を提供することを考えています。景品は当選者に郵送します。
このような企画は取引に付随する経済上の利益の提供として、一般懸賞の規制の対象となるのでしょうか。
A

取引を条件として経済上の利益を提供する場合だけではなく、取引を条件としない場合であっても、経済上の利益の提供が取引の相手方を主たる対象として行われるときには「取引に付随」する提供に当たります。

例えば、商品・サービスを購入しなければ懸賞企画に応募できない場合や、商品・サービスを購入することにより、応募するためのクイズの解答やヒントが分かり懸賞企画に応募することが可能又は容易になる場合など、懸賞に応募しようとする者が商品・サービスを購入すること(取引)につながる蓋然性が高い場合には、取引に付随すると認められることになります。

したがって、本件で、懸賞応募の条件として、商取引のための無料の会員登録をすることを求めたとしても、通常、これだけで取引に付随する経済上の利益の提供に該当することはありませんが、上記のように取引につながる蓋然性が高いと認められる事情がある場合には、取引に付随するとして景品規制の対象となります。

(参照)

無料の会員登録者への景品提供2

Q16 当社は情報提供サイトを運営しています。当サイト内で販売行為はありません。当サイトの情報を閲覧するためには、無料の会員登録が必要です。また、更に充実した情報を得るためには、一定の料金を支払い有料会員となる必要があります。
このたび、当社で、当サイトから誰でも応募できる懸賞企画を実施する予定です。景品は当選者に郵送します。誰でも応募ができるのですが、応募する際には、当サイトの会員登録が必要となります。したがって、もともと会員である方はそのまま応募が可能ですが、会員ではない方は新規に無料又は有料の会員登録をすることになります。
本件企画は、有料会員も対象となることから、取引に付随する懸賞企画として、景品規制の対象となりますか。
A

取引を条件として経済上の利益を提供する場合だけではなく、取引を条件としない場合であっても、経済上の利益の提供が取引の相手方を主たる対象として行われるときには「取引に付随」する提供に当たります。

例えば、商品・サービスを購入しなければ懸賞企画に応募できない場合や、商品・サービスを購入することにより、応募するためのクイズの解答やヒントが分かり懸賞企画に応募することが可能又は容易になる場合など、懸賞に応募しようとする者が商品・サービスを購入すること(取引)につながる蓋然性が高い場合には、取引に付随すると認められることになります。ただし、景品提供企画が取引に付随するものと認められない場合は、応募者の中にたまたまその事業者の供給する商品又は役務の購入者が含まれるときであっても、その者に対する提供は、取引に付随する提供に当たりません。

本件で、懸賞応募の条件として、無料の会員登録をすることを求めたとしても、通常、これだけで取引に付随する経済上の利益の提供に該当することはありません(Q15参照)。

したがって、本件企画において、例えば、有料会員だと当選しやすいと思わせる告知をするなど、他に取引につながる蓋然性が高いと認められる事情がなく、告知から景品提供まで一切取引に付随しないと認められるのであれば、たまたま応募者の中に有料会員が含まれていたとしても、景品規制の対象にはなりません。

(参照)

無料のアプリダウンロードでの景品提供

Q17 当社が提供している無料のアプリをダウンロードしてくれた方を対象に懸賞企画を実施する予定です。告知は当社ホームページとSNSで行い、景品は当選者に郵送します。
この企画は景品規制の対象になるのでしょうか。
A

取引を条件として経済上の利益を提供する場合だけではなく、取引を条件としない場合であっても、経済上の利益の提供が取引の相手方を主たる対象として行われるときには「取引に付随」する提供に当たります。

例えば、商品・サービスを購入しなければ応募できない場合や、商品・サービスを購入することにより、応募するためのクイズの解答やヒントが分かり懸賞企画に応募することが可能又は容易になる場合など、懸賞に応募しようとする者が商品・サービスを購入すること(取引)につながる蓋然性が高い場合には、取引に付随すると認められることになります。

本件のアプリは、商品又は役務を購入したり、店舗に来店したりすることなく無料でダウンロードすることが可能で、景品の受領に当たっても来店する必要はありませんから、これによって取引につながる蓋然性が高いと認められる要素はありません。

したがって、本件は、他に取引につながる蓋然性が高いと認められる事情がない限り、告知から景品提供まで一切取引に付随せず、景品規制の対象にはなりません。

(参照)

SNSでの懸賞1

Q18 SNSにおいて当社アカウントをフォローし、「いいね」を押すことで応募ができる懸賞企画を考えています。告知は当社ホームページとSNSで行い、景品は当選者に郵送します。
この企画は景品規制の対象になるのでしょうか。
A

取引を条件として経済上の利益を提供する場合だけではなく、取引を条件としない場合であっても、経済上の利益の提供が取引の相手方を主たる対象として行われるときには「取引に付随」する提供に当たります。

例えば、商品・サービスを購入しなければ応募できない場合や、商品・サービスを購入することにより、応募するためのクイズの解答やヒントが分かり懸賞企画に応募することが可能又は容易になる場合など、懸賞に応募しようとする者が商品・サービスを購入すること(取引)につながる蓋然性が高い場合には、取引に付随すると認められることになります。

本件のように、SNSのアカウントのフォローや「いいね」を押すことは、通常、商品・サービスを購入することに直ちにつながるものではありません。また、景品の受領に当たって来店は必要とされていません。

したがって、本件は、他に取引につながる蓋然性が高いと認められる事情がない限り、告知から景品提供まで一切取引に付随せず、景品規制の対象にはなりません。

(参照)

SNSでの懸賞2

Q19 SNSにおいて当社アカウントをフォローし、指定したハッシュタグ(#)を付けて投稿をすることで応募ができる懸賞企画を考えています。投稿の際、当社商品の画像や使用感を併せて投稿してくれた場合には、通常よりも当選確率が2倍となります。当選確率を含めた本件の告知は当社ホームページとSNSで行い、景品は当選者に郵送します。
この企画は景品規制の対象になるのでしょうか。
A

取引を条件として経済上の利益を提供する場合だけではなく、取引を条件としない場合であっても、経済上の利益の提供が取引の相手方を主たる対象として行われるときには「取引に付随」する提供に当たります。

例えば、商品・サービスを購入しなければ応募できない場合や、商品・サービスを購入することにより、応募するためのクイズの解答やヒントが分かり懸賞企画に応募することが可能又は容易になる場合など、懸賞に応募しようとする者が商品・サービスを購入すること(取引)につながる蓋然性が高い場合には、取引に付随すると認められることになります。

通常、SNSのアカウントのフォローや指定したハッシュタグ(#)を付けて投稿することは、商品・サービスを購入することに直ちにつながるものではありませんが、本件では、この事業者の商品の画像や使用感を併せて投稿した場合に当選確率が2倍になると告知していることから、応募に当たり、この事業者の商品を購入する蓋然性が高いと考えられます。

したがって、本件は、取引に付随することになりますから、一般懸賞の規制の対象となります(Q63Q86参照)。

(参照)

SNSでの懸賞3

Q20 SNSにおいて当社アカウントの友達登録をすることで応募ができる懸賞企画を考えています。当選者は景品を受け取るため、当社の店舗に来店してもらう必要があります。
この企画は取引に付随するので、一般懸賞の規制の対象になるのでしょうか。
A

取引を条件として経済上の利益を提供する場合だけではなく、取引を条件としない場合であっても、経済上の利益の提供が取引の相手方を主たる対象として行われるときには「取引に付随」する提供に当たります。

例えば、商品・サービスを購入しなければ応募できない場合や、商品・サービスを購入することにより、応募するためのクイズの解答やヒントが分かり懸賞企画に応募することが可能又は容易になる場合など、懸賞に応募しようとする者が商品・サービスを購入すること(取引)につながる蓋然性が高い場合には、取引に付随すると認められることになります。

通常、SNSのアカウントの友達登録は、商品・サービスを購入することに直ちにつながるものではありませんが、本件では、当選者は、景品を受け取るために、この事業者の店舗に来店しなければなりませんので、取引に付随することになります。

当選者は、店舗に来店したらもれなく景品の提供を受けられることになりますので、本件は、総付景品の規制の対象となります(Q72Q110参照)。

(参照)

ホームページから応募できる懸賞1

Q21 当社ホームページから誰でも応募ができる懸賞企画を実施したいと考えています。当選者には、当社の店舗での購入時に使用できる値引券がメールで提供されます。
誰でも応募ができますので、取引に付随せず、景品規制の対象とはなりませんか。
A

取引を条件として経済上の利益を提供する場合だけではなく、取引を条件としない場合であっても、経済上の利益の提供が取引の相手方を主たる対象として行われるときには「取引に付随」する提供に当たります。

例えば、商品・サービスを購入しなければ応募できない場合や、商品・サービスを購入することにより、応募するためのクイズの解答やヒントが分かり懸賞企画に応募することが可能又は容易になる場合など、懸賞に応募しようとする者が商品・サービスを購入すること(取引)につながる蓋然性が高い場合には、取引に付随すると認められることになります。

通常、ホームページから誰でも応募ができる懸賞企画であれば、商品・サービスを購入することに直ちにつながるものでありませんが、本件では、当選者は、値引券を使用するために、この事業者の店舗に来店しなければなりませんので、取引に付随することになります。

当選者は店舗に来店したらもれなく値引を受けられることになりますが、この値引券は来店した店舗で使用できるものなので、正常な商慣習に照らして値引と認められるのであれば、景品類に含まれず、景品規制の対象とはなりません(Q11参照)。

(参照)

ホームページから応募できる懸賞2

Q22 当社はお菓子メーカーです。このたび、当社の商品Aの発売10周年を記念して、懸賞を実施したいと考えています。この懸賞の応募要領等の告知は、ホームページやSNSで行うほか、商品Aのパッケージにも印刷しますが、懸賞への応募に商品Aの購入は必要なく、当社のホームページやSNSから誰でも応募が可能です。
このような企画は、取引に付随する経済上の利益の提供として、一般懸賞の規制の対象となるのでしょうか。
A

取引を条件として経済上の利益を提供する場合だけではなく、取引を条件としない場合であっても、経済上の利益の提供が取引の相手方を主たる対象として行われるときには「取引に付随」する提供に当たります。
例えば、商品・サービスを購入しなければ応募できない場合や、商品・サービスを購入することにより、応募するためのクイズの解答やヒントが分かり懸賞企画に応募することが可能又は容易になる場合など、懸賞に応募しようとする者が商品・サービスを購入すること(取引)につながる蓋然性が高い場合には、取引に付随すると認められることになります。取引に付随しない方法を併用していても、取引に付随すると認められます。
通常、ホームページやSNSから誰でも応募できる懸賞企画であれば、商品・サービスを購入することに直ちにつながるものはありませんが、本件では、商品Aのパッケージに応募要領等が記載されていることから、商品Aの取引の相手方を主たる対象として行われているとみられ、取引に付随することになります。
したがって、本件は、一般懸賞の規制の対象となります (Q74Q86参照)。

(参照)

ホームページから応募できる懸賞3

Q23 当社は、自動車の販売を行っている事業者です。自動車の購入に興味を持つ一般消費者を対象に、「カーナビプレゼントキャンペーン」と称して、当社のホームページや新聞広告等で広く告知し、自動車の購入を条件とせず、ホームページ上において応募を受け付け、応募者の中から抽選でカーナビを提供する企画を考えています。
この企画の当選者がカーナビの提供を受けるためには、当社から自動車を購入する必要があります。キャンペーンに応募する時点では自動車の購入を条件としていませんので、景品規制の対象とはなりませんか。
A

取引を条件として経済上の利益を提供する場合だけではなく、取引を条件としない場合であっても、経済上の利益の提供が取引の相手方を主たる対象として行われるときには「取引に付随」する提供に当たります。

例えば、商品・サービスを購入しなければ応募できない場合や、商品・サービスを購入することにより、応募するためのクイズの解答やヒントが分かり懸賞企画に応募することが可能又は容易になる場合など、懸賞に応募しようとする者が商品・サービスを購入すること(取引)につながる蓋然性が高い場合には、取引に付随すると認められることになります。

通常、ホームページから誰でも応募ができる懸賞企画であれば、商品・サービスを購入することに直ちにつながるものでありませんが、本件では、当選者がカーナビの提供を受けるためには、この事業者から自動車を購入しなければなりませんので、取引に付随することになります。

当選者は実際に自動車を購入したらもれなくカーナビの提供を受けられることになりますので、総付景品の規制の対象となります(Q64Q110参照)。

(参照)

ホームページから応募できる懸賞4

Q24 当社ホームページから誰でも応募ができる懸賞企画を実施したいと考えています。当選者は2組で、当選者には当社が所在する地域において人気のあるテーマパークのペアチケットを郵送します。本件企画には、テーマパーク運営事業者は一切関与していません。
当選者はこのテーマパークに来園しなければならないため、取引に付随するとして景品規制の対象となりますか。
A

取引を条件として経済上の利益を提供する場合だけではなく、取引を条件としない場合であっても、経済上の利益の提供が取引の相手方を主たる対象として行われるときには「取引に付随」する提供に当たります。

例えば、商品・サービスを購入しなければ応募できない場合や、商品・サービスを購入することにより、応募するためのクイズの解答やヒントが分かり懸賞企画に応募することが可能又は容易になる場合など、懸賞に応募しようとする者が商品・サービスを購入すること(取引)につながる蓋然性が高い場合には、取引に付随すると認められることになります。

通常、ホームページから誰でも応募ができる懸賞企画であれば、商品・サービスを購入することに直ちにつながるものでありませんので、本件に、他に取引につながる蓋然性が高いと認められる事情がない限り、告知から景品提供まで一切の取引に付随せず、景品規制の対象とはなりません。確かに、当選者は、テーマパークに来園すればもれなく無料で入園できることになりますが、テーマパーク運営事業者は、本件企画に一切関与していないということですから、テーマパーク運営事業者が自身の取引に付随してテーマパークのチケットを提供したとは認められません。

したがって、本件企画は景品規制の対象とはなりません。

(参照)

取引の本来の内容をなすと認められるもの

有料くじの賞品

Q25 当店で500円の有料くじを販売します。くじには、A~D賞の記載があり、購入者はそれぞれの賞に応じた賞品がもらえます。景品規制の対象になるのでしょうか。
A

正常な商慣習に照らして取引の本来の内容をなすと認められるものは、「取引に付随」する提供に当たらないことから、景品類ではありません。

本件の有料くじで提供される賞品は、通常、500円の取引に付随して提供される景品類ではなく、賞品をもらえるくじに500円支払って提供されたと考えられることから、これが、正常な商慣習に照らして取引の本来の内容をなすと認められれば、景品規制の対象とはなりません。

(参照)

有料会員向けの特典

Q26 当社ではある会員サービスを提供しています。このサービスの会員には、無料会員と月会費を支払う有料会員がいます。
有料会員には、提携施設を優待価格で使用できる特典が付いているのですが、この特典は、景品規制の対象となるのでしょうか。
A

正常な商慣習に照らして取引の本来の内容をなすと認められるものは、「取引に付随」する提供に当たらないことから、景品類ではありません。

本件の有料会員に対する特典は、通常、有料会員の月会費の取引に付随して提供される景品類ではなく、そのような特典のある有料会員サービスに月会費を支払って提供されたと考えられることから、これが、正常な商慣習に照らして取引の本来の内容をなすと認められれば、景品規制の対象とはなりません。

(参照)

割引券の機能付き物品の販売

Q27 当社はこのたび、特定のレストランや小売業者と提携し、レストランや小売業者のロゴマークの入ったキーホルダーを製造・販売したいと考えております。このキーホルダーは、レストランや小売業者の店舗で提示することで、一定の割引を受けることができます。
この割引が得られる権利はキーホルダーの取引に付随する景品類に該当し、景品規制の対象となりますか。
A

正常な商慣習に照らして取引の本来の内容をなすと認められるものは、「取引に付随」する提供に当たらないことから、景品類ではありません。

本件のキーホルダーが常に割引券の機能付きで販売されているのであれば、通常、割引が得られる権利は、キーホルダーの取引に付随して提供される景品類ではなく、キーホルダー型をした割引券の販売と考えられることから、これが、正常な商慣習に照らして取引の本来の内容をなすと認められれば、景品規制の対象とはなりません。

(参照)

参加費を支払うマラソン大会の賞金

Q28 このたび、イベント企画会社である当社が主催して市⺠向けのマラソン大会を実施することになりました。マラソン大会の参加費は5,000円で、上位入賞者には賞金が提供されます。
マラソンの記録を競うために大会に参加費を支払って出場し、その結果として賞金が提供される場合にも、景品規制の対象となるのでしょうか。
A

正常な商慣習に照らして取引の本来の内容をなすと認められるものは、「取引に付随」する提供に当たらないことから、景品類ではありません。

本件のマラソン大会での賞品が正常な商慣習に照らして取引の本来の内容をなすと認められれば景品規制の対象とはなりませんが、通常は参加費を支払ってマラソンを走ることが取引の内容であり、賞金は、その取引に付随して提供される景品類であると考えられます。

したがって、本件は、参加費5,000円の取引に付随して、特定の行為の優劣によって賞金の提供を受けられるとして、一般懸賞の規制の対象となります。この場合に提供できる景品類の最高額は10万円(5,000円の20倍)となり、景品類の総額を懸賞に係る売上予定総額の2%までに収める必要があります(Q61Q86参照)。

(参照)

セット販売

セット販売の考え方

Q29 単体で販売している商品Aと商品Bを組み合わせて、「商品Aと商品Bをセットで○○円」と販売したいと考えているのですが、このような販売方法は景品規制の対象となりますか。
A

ある取引において2つ以上の商品又は役務が提供される場合であっても、

  1. 1商品又は役務を2つ以上組み合わせて販売していることが明らかな場合
  2. 2商品又は役務を2つ以上組み合わせて販売することが商慣習となっている場合
  3. 3商品又は役務が2つ以上組み合わされたことにより独自の機能、効用を持つ1つの商品又は役務になっている場合

は、取引に付随する提供には当たらず、景品規制の対象とはなりません。ただし、商品Aの購入者に対し懸賞により商品Bを提供する場合(商品Bが当たる)や、取引の相手方に景品類であると認識されるような仕方で提供するような場合(例 「商品Bプレゼント」、「商品Aを買えば商品Bが付いてくる」、「商品B無料」など)は、取引に付随する提供に当たることとなり、景品規制の対象となります。

本件は、上記1に該当すると考えられることから、ただし書きに該当するようなことがなければ、景品規制の対象とはなりません。

(参照)

セット販売か総付景品か

Q30 このたび、イベント企画会社である当社が主催して誰でも参加できる有料のイベントを実施することになりました。このイベントの入場チケット代金は5,000円で、イベント来場者には必ずTシャツが配布されます。
このTシャツは、景品規制の対象となりますか。
A

景品類とは、顧客を誘引するための手段として、事業者が自己の供給する商品又は役務の取引に付随して相手方に提供する物品、金銭その他の経済上の利益をいいます。

本件が、イベントの入場チケット5,000円の取引に付随して、もれなくTシャツが提供される企画であると認められる場合、総付景品の規制の対象となります。この場合に提供できる景品類の最高額は1,000円(5,000円の10分の2)となります(Q61Q110参照)。

しかしながら、例えば、Tシャツ付き入場チケットとして販売するなど、イベントの参加とTシャツがセットで5,000円であることが明らかであれば、原則として取引に付随する提供に当たらず、景品規制の対象とはなりません(Q29参照)。

(参照)

紹介者謝礼

紹介者への謝礼

Q31 いわゆる紹介者キャンペーンとして、新規顧客を紹介してくれた紹介者に提供する謝礼は、景品類に該当しますか。
A

自己の供給する商品又は役務の購入者を紹介してくれた人(紹介者)に対する謝礼は、取引に付随する提供に当たらず、景品類には該当しません。ただし、紹介者を自己の供給する商品又は役務の購入者に限定する場合には、取引に付随する提供となり、景品類に該当し、通常、総付景品の規制の対象となります。

例えば、商品Aを購入した上で、誰かを紹介することが条件となっている場合であれば、商品Aの取引に付随することになりますので、取引の価額は、商品Aの価格になります(Q61参照)。

また、紹介者を過去に自己の供給する商品又は役務を購入してくれた者に限定する場合であれば、今後の取引に付随することになりますので、取引の価額は、この企画を告知した後に発生し得る通常の取引のうち最低のものになります(Q10参照)。

(参照)

経済上の利益

経済上の利益の考え方

Q32 景品表示法第2条第3項にある「経済上の利益」の考え方を教えてください。
A

経済上の利益とは、提供されたものが景品類と認められるための要件の1つで、景品表示法第2条第3項及び「不当景品類及び不当表示防止法第2条の規定により景品類及び表示を指定する件」(昭和37年公正取引委員会告示第3号)第1項に「物品、金銭その他の経済上の利益」と記載されているものです。

経済上の利益と認められるか否かは、「提供を受ける者の側からみて、通常、経済的対価を支払って取得すると認められるもの」といえるか否かで判断されます。

したがって、提供を受ける者の側からみて、通常、経済的対価を支払って取得すると認められるものであれば、事業者が、そのための特段の出費を要しないで提供できる物品等や市販されていない物品等であっても「経済上の利益」に含まれますし、商品又は役務を通常の価格よりも安く購入できる利益も含まれます。ただし、例えば表彰状、表彰盾、表彰バッジ、トロフィー等のように相手方の名誉を表するものは経済的対価を支払って取得すると認められず、「経済上の利益」に含まれません。

(参照)

購入できる権利を提供する場合

Q33 当社は小売店です。当社で商品Aを購入した方を対象に、抽選で、商品Bを購入することができる権利を提供します。商品Bは販売数が限定されているのですが、当選者は商品Bを確実に購入することができます。
これは、景品規制の対象となりますか。
A

経済上の利益と認められるか否かは、「提供を受ける者の側からみて、通常、経済的対価を支払って取得すると認められるもの」といえるか否かで判断されます。

何らかの商品を購入できる権利は、通常、経済的対価を支払って取得すると認められるものではありませんので、経済上の利益に含まれず、景品規制の対象とはなりません。

しかしながら、例えば、商品Bが非常に入手困難で、購入できる権利が通常経済的対価を支払って取得すると認められるものといえるような事情がある場合には、経済上の利益に該当すると考えられます。その場合、本件は、商品Aを購入した方を対象に抽選で提供することから、一般懸賞の規制の対象となります(Q61Q86参照)。

(参照)

利用料を無料とする価格設定

Q34 当社で有料の施設を運営しています。この施設内の特定のスペースを利用するには、別途利用料の支払いが必要となります。
今後、特定の曜日の施設来場者に対して、この特定スペースを無料で開放したいと考えております。これは、景品規制の対象となるのでしょうか。
A

経済上の利益と認められるか否かは、「提供を受ける者の側からみて、通常、経済的対価を支払って取得すると認められるもの」といえるか否かで判断されます。

本件のように、特定の曜日に通常有料の利用料を無料とすることは、そもそも特定の曜日の施設来場者に特定のスペースの利用料を負担させる予定がないということですから、経済上の利益に含まれず、景品規制の対象とはなりません。

なお、例えば、特定の曜日ではなく、一時的なキャンペーンとして特定スペースの無料開放を実施する場合などには、経済上の利益に該当する可能性があります。その場合、本件は有料施設の来場者を対象にもれなく提供することから、総付景品の規制の対象となります(Q61Q110参照)。

(参照)

担当:表示対策課