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記者会見要旨
(2025年10月30日(木) 16:30~16:52 於:消費者庁記者会見室)

発言要旨

(中川委員長)
では、本日の調査委員会についてお話をいたします。本日は、3件の案件について審議を行いました。「パーソナルトレーニングにおける事故」、「車椅子使用者を自動車で送迎中の事故」、「音楽イベントにおける混雑に伴う事故」についてです。
まず、「パーソナルトレーニングにおける事故」につきましては、報告書の取りまとめに向けまして、事務局から報告を受け、様々な審議を行いました。パーソナルトレーニングは誰が何をどう気を付けなければいけないかという基本的なところから、基準を作れないかというような方向で検討しております。今日が10月で、11月、12月と検討いたしまして、1月頃を目途に公表できればというふうに考えております。
「音楽イベントにおける混雑に伴う事故」につきましては、これはまだ調査が始まったばかりで、本日は専門委員の任命等をし、今後の調査計画案について審議をいたしました。
「車椅子使用者を自動車で送迎中の事故」でありますけれども、これもまだ始まったばかりに近いぐらいです。様々な車、様々な車椅子がある中で、どのような形で安全を確保していくか。これはなかなか難しい問題でありまして、すばらしい車椅子を1個作って、みんながこれを使えとなればいいのですけれども、現実には到底無理ですので、多くの人にとってやりやすい方向で今よりも少しでも安全にすることを目指すしかないのではないかといった意見が出ました。
いずれも審議中ないしは審議が始まったばかりですので、本日はあまりお話しすることはございません。各案件については以上にさせていただきます。
このほか、お手元にある一葉第20号を本日決定し、公表いたしました。こちらは、6月に公表をいたしました「住宅の窓及びベランダからの子どもの転落事故」に関する報告書に関連するものなのですが、報告書の公表後、御存じのとおり、転落事故が何件か相次ぎました。そこで、改めて報告書の周知、そして、改めて注意を喚起したいということでありまして、特に何を注意していただくかということで、2点に絞りました。御覧いただきますように、全部で3つの■があるのですけれども、最初の2つについて特に注意を喚起しようということです。
まずは、低層階でも死亡事故は発生している。我々が検証した134件をみると、実は割に低いところから落ちている。逆に言うと、高層階では注意するのかもしれません。一番低いところでは2階からの転落事故も3件発生しているというところで、低層階でも発生しているということ。
もう一つは、ベランダの壁付け物干しや洗濯かご、段ボールといったものからも、それを足掛かりにして落ちている。一葉では、絵として壁付け物干しを描いております。これを報告書の発表時にもうちょっと強調しておけばよかったなと思ったのですけれども、壁付け物干しはどこでもあるものです。発表時はエアコンの室外機などを言っていたのですけれども、この壁付けのほうは移動させようがないという意味で最も危ないものなので、これを注意喚起しようというふうに考えて、このような一葉を作った次第です。
消費者におかれましては、住宅の窓、ベランダからの転落事故を防止するため、階数にかかわらずこういう物干し等などの足掛かりとなるものは本当に何でもあるということを意識していただきたい。こういった物干しは除去するわけにはいかないと思いますので、畳むなり、でも、畳んだら本当に登れないのかもよく分からないところで、畳んだものをまた元に戻せばそのまま登れますので、その意味では、子どもとよくお話をする等、注意をしていただく必要があると思います。この点を改めて注意を喚起したいと思います。
以上が、私が本日申し述べることです。
次回の消費者安全調査委員会は11月26日(水)14時からを予定しております。
私からは以上です。

質疑応答

NHKの佐々木です。
幾つかありまして、1点目はパーソナルトレーニングについてなのですが、先ほど、何をどう気を付ければいいのか、ある基準を作れないかと思っているということで、ざっくり伺いましたけれども、もうちょっと詳細を踏み込んでいただけると助かります。

(中川委員長)
基準と申したのは、トレーナー側の基準です。トレーナーの例えば能力であるとか、どういう勉強をしなければいけないかとか、どのようなことに注意してトレーニングのメニューを作るかとか、あと、トレーニングを受けている人との関係でコミュニケーションをしっかりしないと、これは頑張ってやっていたら、本当は痛いなと思いながらも、トレーナーが気付けばいいのですけれども、やはり痛いかどうかはトレーニングを受けている側から言われなければ気付かないので、そこら辺をきっちり消費者からも発してもらわなければいけないという意味で、消費者側もそれなりに安全のためにはやるべきことがあるのではないかというようなことが浮かび上がってきています。
こうしたことについては、よく分かっているトレーナーはもちろん分かっているのですけれども、分かっているつもりであまり分かっていないトレーナーも割にいるのではないか。事故が起きている事案をみると、どうも、当然知っているだろうということを知らない事案もありそうだということです。このサービスについては法的な規制はないし、業界共通基準みたいなものもない。まずは共通の了解として、パーソナルトレーニングというものは、何を、どういう知識が必要で、どういうことをやっていくのか、どういうことに注意するのかという共通のものを先ほど基準と言いました。そういったものをまずは明文化していく必要があるのではないかというアプローチをしている。そこら辺に集約させて報告書を作っていこうとしているところです。

ありがとうございます。
何とか協会という形で、それぞれの団体でそういう資格の基準というものがあると思うのですけれども、先ほどおっしゃっていた共通の基準というところは、どこが出していくものになり、そうした基準を出していくことになるのかというのと、どういうところで合わせていくのかというものはどういうふうにお考えでしょうか。

(中川委員長)
合わせるというのは、基準を誰が作るかということですか。

何か、今、既存のどこかの業界のものに合わせるのかどうかも。

(中川委員長)
既存のものに合わせると多分、話がまとまらないと思うので、そこはどこまで既存のものを、やってみなければ分からないですけれども、既存のものにどこかに寄せるのではなくて、既存のものも、では、どこまでしっかりやっているのかということの反省も含めてやっていただきたいと思いますので、合わせるというよりは、新しく作っていただくというふうなことを私たちとしてはイメージしております。
やはり知見は現場にしかないので、基準を作る人は現場に関わっている方になる。だから、そういう意味では業界ということになると思いますけれども、ただ、今のところ、どこかの、今ある基準のどれかでいいという感じで考えてはおりません。そこまでのことを定めているところがないという認識があります。

それというものは、どこか、省庁なのか、分からないですけれども、関係省庁に要望書を要請するとなったときには、どういうところを想定していらっしゃるのですか。

(中川委員長)
これは、産業ですから、経済産業省でしょう。

分かりました。
今回、現時点でどういうところがこの事故の特徴として挙がってきているのかというものは何かありますでしょうか。

(中川委員長)
特徴といいますか、私たちが議論するときに共通のイメージとして持っているのは、まずは、こんなことを知らなかったのかと思えるような、本当に能力がなかったかどうかは分かりませんけれども、知識と言うべきでしょうか。トレーナーがこんな人にこんなことをやらせるかというような事故であるとか、それから、ちょっと無理そうなのですけれどもと消費者側が言っていることに対して、無理そうだけれども頑張らせるというのもある。もうちょっと頑張りましょうは、これは本当に難しいところで、そう言ったほうがいいときと、そう言っては駄目なときがあって、その見極めができていないのではないか。できていないから事故になったということなのですけれども、その見極めについても何か少し基準化ができないか。
ただ、この基準化が難しいことは分かっています。ケース・バイ・ケースですから。だけれども、トレーニングを受ける人のカテゴリー別とか、こういうふうな人にはこういうことに気を付けましょうという、年齢であるとか、性別であるとか、目的であるとか、そんな簡単には決まらないと思うのですが、できるだけ、そういう方面でも何か業界の知見を集めて何かできないかというようなことは考えたいなと思っています。

このパーソナルトレーニングの件で最後に1つなのですが、この事故なのですけれども、事故が起きている現場のトレーナーさんとかの状況なのですが、ある資格、有資格者で起きているのか、何か、これは必要だねと思われるような資格がないところで起きているのかという、その辺りで何か傾向とかはつかめているでしょうか。

(中川委員長)
私は、傾向として正確には理解していないのですけれども、資格があっても事故は起きていたという記憶です。ただ、多くはないという印象です。やはり資格も何も持っていない人が我々の把握している事故数は多いかなという印象ですが、事務局に確認いたしましょう。

(事務局)
委員長の発言のとおりになります。何らかの民間の資格を持っている方のサービスを受けてけがをしたという相談事例も寄せられているというところがありますが、事故の全体像がつかめていないところなので、正確に資格を持っている人、持っていない人の事故の割合がどこまでということが分かりませんが、相談事例の多くの中から資格を持っている人のところに行ってけがをしたというよりは、そういう記載がない中でトレーニングを受けてけがをしたというような記載のほうが多いという印象でございます。

(中川委員長)
ただ、注意していただきたいのは、先ほども事務局の方がおっしゃったように、把握はし切れていないのです。そういうシステムがないので、あくまでも我々が把握している中ではそういう傾向があるので、傾向と言っていいのかどうかまだ分からないのですけれども、そういうところです。

これは今の中に加えてなのですけれども、この資格を持っていない人のところで多くが起きているのではないかというところで、先ほど最初におっしゃっていた基準というものの話の中に、報告書の中に、ある程度、例えば資格を持った人にこれくらいのものを、これくらいの基準を満たす人にこのパーソナルトレーニングの指導資格といいますか、資格という言い方をしているのか分からないですけれども、それを与えるようにみたいな、そういうことを提言していきたいということなのでしょうか。

(中川委員長)
資格制度までということですか。そこは、まずはどんな基準になりそうかを見てからだと思います。出てきた基準が抽象的だと、これで資格化するのはどうかなとなると思うので、やはりパーソナルトレーニングについてどこまで共通基準が作れるものだろうかということが、これはまだやってみなければ分からないというところです。資格以前に、業界団体に入っていない人も多いわけですから、そういう人たちに対しても含めてしっかりと安全確保するのはまだ先の話です。それ以前に、そもそも、共通基準がどこまで具体的に作れるかというところです。これは我々だけは作り切れないので、そこは現にやっている人たちの知見を集めたいというものが、我々の報告書の今回の目標です。そこでできたものを見て、次のステップとして資格制度かどうかというものはおのずと決まってくるのではないかなと思います。だから、資格制度はまだ2歩ぐらい先の話という感じです。

分かりました。ありがとうございます。
最後、別件で、この一葉の子どもの転落事故のほうを確認させてもらいたいのですが、壁付け物干しが足掛かりになっているという事故なのですが、これは壁付け物干しが壁に備わっていて、そこに到達するまでにさらに何か足掛かりがあって、この壁付け物干しが2段階目の足掛かりとなって事故に至っているというふうな認識でしょうか。

(中川委員長)
これは、我々が見た、報告書の中では1件あって、そのまま登ったのではなかったかな。
事務局で確認をお願いできますか。

(事務局)
子どもの転落事故は直接の目撃者がいないことが多く、なかなか難しいところがあります。もしかすると、今、おっしゃっていただいたように、ほかに足掛かりになるようなものがあって、それが記事とかには出てきていないという可能性もありますので、その点は御留意いただければと思います。

朝日新聞の井上です。
先ほどのパーソナルジムのほうなのですけれども、民間の資格という話が出てきたのですけれども、これは民間の資格というものは具体的に何という資格なのでしょうか。

(中川委員長)
いや、資格は幾つもあるのですけれども、私たちの報告は別に資格に連動させるわけではないので。

民間の資格で、民間ということは、これはあくまでも任意ですね。パーソナルジムでトレーナーをやる人がこういう資格を持っていますという資格が幾つかあるわけですね。

(中川委員長)
ですけれども、その資格を取ればいいというふうに我々は報告しているわけではないのです。資格とはまた別に、パーソナルトレーニング自体の新たに基準を作ってもらう。業界横断的なものを作ってもらいましょうという方向で、では、どういう基準が必要なのかというものを我々のほうである程度イメージ化していこうと。ただ、具体の基準そのものまで私たちが作れるわけではありません。

1月ぐらいに発表になるということなので、そろそろ、マスコミとしても準備しておいたほうがいいのかなと思って。

(中川委員長)
お願いします。

それで、そういった資格を持っている人にどれぐらいの認識があるのかというものを確かめたいと思って、何か主な資格の名前を1個か2個挙げていただければ、そういう資格を。

(中川委員長)
それは事務局に聞いてください。
それは特に秘密ではないですよね。民間で現在ある資格は幾つかあったと思いますが、多分、ネット検索でもすぐ出てくると思うのですけれども。今でもいいですし、後でもいいですけれども。

(事務局)
例えば、国民生活センターがパーソナルトレーニングの報告書を公表した後、この公表した報告書について、フィットネス産業協会(FIA)が取り上げたときに、日本トレーニング協会の方がお話などをされていたかと思い、記事として公開されていると思いますので、この日本トレーニング協会などが一つはあるかと思います。
また、パーソナルトレーニングは、アメリカのパーソナルトレーニングのNSCAという団体がありまして、これが日本でもこの資格を認定しているというようなものがあるかと思います。

ありがとうございます。
あと、今回のパーソナルジムでけがをした人とかは結構申出があるという話なのですけれども、委員のほうで裁判例を分析した例はあるのですか。

(中川委員長)
裁判例は、私は1件、今やっているものがあるらしいというものは聞いていますけれども、判決が出ているのでしょうかね。

それはまだ地裁段階なのですか。

(中川委員長)
事務局で分かりますか。

(事務局)
まず、ほとんど我々としても認識できていないというところがございます。1件、判例のデータベースのようなもので公開されているものがあったかとは思います。あとは、現在進行形のものが1つあったかという認識でございます。

(中川委員長)
では、1件判決があって。

(事務局)
今、委員長がおっしゃっていただいた1件、今、高裁に。

(中川委員長)
高裁に行っているのですか。

(事務局)
地裁判決は出ていますが、恐らく確定はしていないものが1件ある程度の印象です。

(中川委員長)
では、継続中の事件として1件あるということですね。地裁判決が出て、高裁に行っているという。だから、ほとんどない状態ということです。

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