記者会見要旨
(2024年11月27日(水) 16:48~17:27 於:消費者庁記者会見室)
発言要旨
(中川委員長)
それでは、本日の委員会について御説明いたします。
本日の調査委員会では、報告書の審議といたしまして、「木造立体迷路における事故」、「住宅の窓及びベランダからの子どもの転落事故」及び「スポーツジム等におけるパーソナルトレーニングによる事故及び健康被害」の3事案について審議を行いました。
まず、「木造立体迷路における事故」につきましては、本日、調査報告書の公表を決定いたしました。詳細は後で述べることにいたします。
もう一つ、「住宅の窓及びベランダからの子どもの転落事故」につきましては、関係省庁や業界団体等からのヒアリング内容について事務局より報告を受けました。「スポーツジム等におけるパーソナルトレーニングによる事故及び健康被害」については、パーソナルトレーナー、施設管理者及び一般消費者向けアンケート調査の分析結果について事務局から報告を受けました。この「住宅の窓及びベランダからの子どもの転落事故」及び「スポーツジム等におけるパーソナルトレーニングによる事故及び健康被害」については、まだ方向性の検討でございますので、特に今日お話しすることはございません。
今度は部会についてですけれども、11月の事故調査第一部会では、「木造立体迷路における事故」及び「住宅の窓及びベランダからの子どもの転落事故」の報告書作成に向けた審議を行っていただきました。
事故調査第二部会では、「スポーツジム等におけるパーソナルトレーニングによる事故及び健康被害」の報告書作成に向けた審議を行っていただきました。
そこで、本日公表いたします「木造立体迷路における事故」の報告書について、お話をさせていただきます。
まず、本件事故でありますけれども、2021年10月、兵庫県内の遊園地に設置された木造5層構造の遊戯施設において、3層目の床の一部が抜け落ち、利用者7名が約2.4メートル下の層に転落する事故です。この事故が発生したことを受け、調査を開始いたしました。
事故の原因は、床板を支えていた梁、床受け木に腐朽が生じ、利用者の荷重に耐えられず、床板とともにこれら全てが落下したものであります。
事故の発生を未然に防止することができなかった理由といたしまして、委員会といたしましては次のように考えております。
関係行政機関のほか、対象施設の遊園地運営者及び設置事業者等、全ての関係者において、本件事故発生に係る腐朽のリスクの認識及びリスク低減のために必要な知見が十分ではなかった。または、リスク低減に必要な知見を有してはいたけれども、リスクを認識する機会が十分ではなかったと考えられます。一言で言いますと、木材が腐るというメカニズム等に対してどのような注意をすべきかという、いわゆる木材リテラシーが欠如していた、あるいは十分ではなかったというところが原因です。
これを踏まえた再発防止策といたしまして、経済産業省に対し、国土交通省及び総務省、消防庁等の協力を得て、安全基準の策定等を行うことを意見しました。
具体的には、まず、遊園地に設置された屋外の木造の大型複層遊具について、劣化の危険から消費者の生命及び身体の安全が確保されるよう、設置及び管理に関する安全基準を策定する等の対策を行うこと。その対策を行うに当たって、地震、火災等、劣化以外の危険の取扱いについても検討することといたしました。この安全基準が、先ほど申し上げた木材リテラシーの見える化ということになります。
もう一つの意見といたしまして、策定されました安全基準を、新規の施設はもちろんですが、既存の施設も含めて関係事業者に遵守させるための施策を講ずることとし、その際に法令による規制の必要性も検討することといたしました。
以上が中期的な対策です。
もう一つが、緊急的対策です。
安全基準については策定にしばらく時間がかかると思われますので、それまでの間、経済産業省及び国土交通省に対し、事故が発生した施設と同種の施設、これは先ほど申し上げましたように、遊園地に設置された屋外の木造の大型複層遊具ということになります。複層というのは、複層の、つまり階が2階以上あるということですけれども、こういった施設について、安全基準の策定等を待たずに関係事業者が専門家による調査等を要請することというのが緊急対策であります。
以上が木造の立体迷路に関する報告書の概要です。
この報告書の公表と同時に、報告書公表について紹介する一葉、すなわち「消費者安全調査委員会から一葉 第15号」を消費者庁ウェブサイトにて公開いたしております。本件事故調査において開始当初より尽力をいただいた2名の委員のコラムを載せております。本報告書の公表に合わせて是非読んでいただくと、この「木造立体迷路における事故」の調査全体がよりよく分かっていただけるのではないかと思います。
それでは、事務局から補足説明をお願いします。
(事務局)
記者説明会からの修正点に関しては、本日お配りした資料、一番上にあります記載のとおりとなります。
3点ほど口頭で補足させていただきます。
1点目ですが、概要版には記載しておりませんが、報告書本体の5ページ目、事故内容、「(1)事故概要」の部分に、利用者7名の内訳、また、何名がどのような被害を負ったという内容について記載してございます。
二つ目でございます。
経済産業省が平成28年に策定した商業施設内の遊戯施設の安全に関するガイドラインについては、報告書に記載しているものではございません。このガイドラインに関し、本件立体迷路のような屋外に設置される大型の施設は射程外であるという旨、経産省に確認しているところでございまして、その上で今回調査を行い、意見具申を行っているものとなります。
最後、3点目でございます。
本件事故の原因が腐朽であるということを経過報告で既に述べていることでございますが、雨水の影響で腐朽したかどうかという点でございますが、本報告書本体の55ページに木材が腐朽する環境について記載してございます。こちら、水分、含水率25%以上、栄養分、酸素、温度の4条件がそろった場合に木材が腐朽する環境というものであり、56ページのほうに、本件、雨水が柱を通じて、または直接梁や床板にかかり、雨水が落下した梁のボルトの穴までたどり着き、ボルトの穴を通じて水分が供給された事実を認定しているものとなりますので、雨水が、梁の落下する原因となった腐朽の発生に影響したということは報告書で述べてございます。
ただ、注意していただきたいのですが、雨水がなかなか乾かず長くとまることによってこの4条件が満たされるということになりまして、雨水が木材にかかれば必ず腐朽するという、雨水が木材にかかると全て危険というわけではないので、雨水の影響で腐朽したということは誤りではないのですが、雨がかかっただけでなく、雨水が乾かずとどまり腐朽した、もっと短く言いますと、「雨水が乾かず腐朽した」というニュアンスが近いものになりますので、補足させていただきます。
質疑応答
-
問
御説明ありがとうございました。朝日新聞の大村です。
概要の一番最後、6ページの「緊急的対策」についてお伺いしたいです。
これについては、経済産業省と国土交通省に対し、関係事業者が専門家による調査をするよう求める。つまり、2つの省庁が、関係事業者に専門家による調査をするよう求めているという内容と理解してよろしいでしょうか。
-
答
(中川委員長)
そのとおりです。 -
問
NHKの佐々木です。
2点ございます。
1点目なのですけれども、「意見」のところで、「緊急的対策」につきましては、「事故が発生した施設と同種の施設」と記載がありまして、この「同種の施設」というものが、屋外の木造大型複層遊具施設で、かつ、こういった今回の事例のようなリスクを抱えるものだという説明を受けているのですが、この中には、立体迷路のような、迷路ではないけれども、木材であり複層の施設も含まれているというのかどうかというのを、もし検討していく中で、今回の調査は迷路でしたけれども、その中で、そういうリスクがあるものに出会っている、見つかっているならば、そういうことを含めての意味なのかというのを教えていただきたいです。 -
答
(中川委員長)
私たちの表現としては、遊園地に設置された屋外にある木造の大型複層遊具と書いてありますので、立体迷路と呼ぶかどうかは関係ないと思います。実際にはどこまで広がるかというのは、これは遊園地に聞かなくては分からないので、これは私の想像ですけれども、経済産業省は、まずは遊園地の運営事業者に対して、我々消費者安全調査委員会が言っているような、屋外の木造の大型複層遊具といったときにどこまでが入るかを各事業者に判断させるのではないかと思います。だから、立体迷路という名称とは関係ないというところは確かかと思います。 - 問 これに関連してなのですけれども、多分、どういった施設が該当するのかというのはまだ分からないところかとは思うのですけれども、今回のような、適用する法令だったり基準がない施設があるかもしれないというところで、もしそのような施設があるのだとすれば、設置者だったり管理者を含め、安全管理をどのようにしていくべきかというお考えを教えてください。
-
答
(中川委員長)
今の御質問は、立体迷路あるいは木造に限らずということですね。これは報告書に強調して書いてありますけれども、今回、私たちが見たのはたまたま木造立体迷路ですが、遊園地の施設に関して言うと、法令の適用が全くないというもの、そして、民間の安全基準のようなものもないものは、立体迷路以外にもあるのだろうと思います。
私たちの調査対象は立体迷路だけですから、それ以外どこまであるかということは確実なことは言えませんけれども、やはり、例えば遊園地法のような法令がないということ、それから、今回の木造についても、木造の安全基準はそれなりにあるのではないかと思ったのですが、わずかにはあれど、やはり体系的なものは存在しないということが分かりまして、私の言葉で言うと、安全行政上、結構大きな穴があると感じました。
ただ、世の中の全てのものに法令の規制とか安全基準があるわけでもないです。安全行政という観点からみると、誰も見ていない、ケアしていないという穴ですけれども、そこは当然ながら事業者のほうで安全感覚を磨いて対応してきたので、実際にそんなに多くの事故は起きていないということだと思います。
今回については、先ほど木材リテラシーという言葉を使いましたけれども、木がどういう場合に腐るのかというのは、分かっているようで意外に知識が共有されていない。そもそも体系的にマニュアル化されているわけでもないというところで起きた事故です。各事業者は頑張っていらっしゃるのだと思いますけれども、やはりそういう知見の点で見落としがあった。今回の木造立体迷路以外にも、同じように法令も安全基準もないというものはあって当然だろうと思います。それを事業者側が工夫して何とか食い止めているのだけれども、食い止め切れなかったというのが今回の事故ですので、ほかにもあるだろうというのは想像できるところです。ただ、それは調査対象ではなかったので、今日は確たるそれ以上のことは言えないということです。 - 問 もう一個つけ加えてなのですけれども、例えば屋外にあるアスレチックなども、そういった基準とかがなくて、独自に調査するところが基準を考えてやっているという、個々の努力みたいなところもあると思うのですが、そういった法令がないものとかについては、引き続き、そういう個々人での安全管理というのが必須というお考えでよろしかったでしょうか。
-
答
(中川委員長)
個々人というか個々の事業者です。事業者は当然、安全については考慮しているはずです。事故が起きるとお客さんが来なくなってしまいますので。そういった意味では、事業者としては当然配慮しているはずですが、それに必要な知見がどれぐらい共有されているのか、あるいは、事業者による差というのはかなりあるのではないかという気はします。経験の豊かさ、かつ、大規模なところと中小とでは、恐らくですが知見の差がある可能性がある。
なので、今回の事故を機縁として一番私たちが申し上げたいのは、やはり事業者です。法令の規制がない、あるいは安全基準がないからといって何もしないというわけではない。そんなことはほとんどの事業者は分かっているのですけれども、とはいえ、気をつけたつもりで意外に落とし穴がある。
今回の場合であれば、本件の施設の事業者も別にいい加減にやっていたわけではない。むしろ事故の一番の大きな原因は、ほかの遊園地で立体迷路の構造上の小さな事故があって、それを参考に自分たちのものを補強しようとしたのです。しかしその補強のくぎの打ち方等が雨水との関係では適切ではなかった。そこに水がたまる一つの原因になった。事業者としては安全を確保するために努力はしているけども、それが正しい努力であるのかということは、意外に穴があるのではないかという意味でです。 -
問
日本経済新聞の藤田です。
簡単な質問で1点だけ。意見は、もう経済産業省と国土交通省にしたということなのですか。これからするというお考えでしょうか。 -
答
(中川委員長)
公にはこれからする。 - 問 これからですか。
-
答
(中川委員長)
はい。 -
問
読売新聞の糸井です。
今の点で確認の質問なのですけれども、本日中にこの意見を申し出るという理解でよろしいのでしょうか。
-
答
(中川委員長)
事務的にはいつぐらいになりますか。
(事務局)
本日中という整理で問題ございません。 -
問
共同通信の柿崎と申します。
先ほどの中で、くぎの打ち方が補強の際には適切ではなかったというところがありましたけれども、今回、事故が発生した原因は、この中では1から5があって、ボルト、コーチスクリュー、この辺りは一つには特定はできなかった。腐朽部分に関して。原因に関してですか。一つには特定できなかったということではあるのですけれども、やはりくぎの打ち方が一つの要因であったということは、これは判断されていらっしゃるということでよろしいのでしょうか。 -
答
(中川委員長)
はい。私はそのように理解しております。雨水が言わば通り道になったという意味で一つの原因であると。ただ、もちろんそれだけではないのです。そもそもの設計の仕方として、腐っているかどうかの確認をしようと思っても、結局、分解しなくては駄目だというので、管理が非常に難しい組み立て方だったということも原因でありますので、単にくぎを打たなければ大丈夫なのかというと、そういう問題でもない。くぎを打った後、打ち方もあるし、それから、その後、防腐をどのようにしたかということもあるのですけれども、それ以前に、管理がしやすい、そもそも雨水がたまっていることを確認できるような設計にしていたかどうかということも含めてです。ここはリリース的に追加は何かございますか。大丈夫ですか。
(事務局)
大丈夫です。 -
問
朝日新聞の大村です。
2回目で申し訳ありません。基礎的なところなのですけれども、改めてなのですが、この構造物が建築基準法の対象にならない理由、建築物にも準用工作物にもならない理由というのは、どういうところにあったのでしょうか。 -
答
(中川委員長)
それは国土交通省に聞いてくださいという質問ですが、まずは、建築基準法の建築物というのは、人間が雨風を防ぐために作っている建物のことを指しているのです。だから、普通、屋根があるはずなのです。屋根というか、屋根があればいいわけではなくて、ちゃんと雨とか風というものを防げるような屋根がついていて、その中で人間が居住するというものが想定されています。それが建築基準法による建築物であって、だから、立体迷路はこれと全然違いますよね。
準用工作物というのは、建築基準法の中に、先ほど言ったように人が住むところではない、居住する場所ではないけれども、しかし、建築基準法の中にいろいろな構造基準が規定されていますけれども、その基準で準用するとちょうどいいものがあれば準用工作物ということになります。ジェットコースターとか観覧車とか、そういったものは準用工作物になっていて、建築基準法上の、つまり、普通の建物と共通の安全基準というものがあったので準用しているということになります。
ところが、雨水がかかる前提での木造の構造物の安全性というのは、そもそも建築基準法では考えられていないのです。屋根があり、屋根で雨水を防いでいる前提で、建築基準法の建築基準を作っていますので、そうしますと、雨ざらしであるという前提で、どうやって雨ざらしの中で腐食しないようにするかということは、そもそも建築基準法では考えていないのです。なので、準用工作物にしたところで準用する条文が建築基準法にはないのです。だから、準用工作物になっていない。だから私たちも、準用工作物とすればいいという提案はできなかったということです。そういう問題ではないということです。 -
問
テレビ朝日の福田です。
初歩的な質問で大変恐縮なのですけれども、実際に利用者の被害は、どんな被害を負ったかということについて、腰椎の圧迫骨折とあったのですけれども、これは腰を強く打って骨折したとか、そういった表現の認識でお間違いないでしょうか。
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答
(中川委員長)
これは事務局に確認をしたいと思います。
(事務局)
被害の内容については、報告書に記載の内容以上のことは申し上げることが難しいです。 -
問
分かりました。ありがとうございます。
あと、再度確認になってしまって恐縮なのですけれども、この木造立体迷路は、床板がすのこ状になっていて、雨がかかっても乾きにくい場所であったから、今回、こういった事故が起きてしまったという認識でお間違いなかったでしょうか。
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答
(中川委員長)
はい。床ではなくて屋根がないということですけれどもね。 - 問 そうですね。屋根がなくて、床板がすのこ状になっていてということですね。
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答
(中川委員長)
そうなのです。これは輸入材ですかね。北欧から輸入したものと日本の木材を合わせて作っているのですけれども、木はぬれても、先ほど事務局から説明がありましたように、乾けば問題はないのです。ただ、乾きにくい。もちろん日本の気候上乾きにくいというところもあるでしょう。輸入元の北欧の国ではもしかしたら問題ないのかもしれないのですけれども、日本では梅雨もありますから乾きにくい。
それに加えて、先ほど申し上げたようなコーチスクリュー等の穴がいろいろ悪さをして、水の通り道になりたまりやすくなった。その水が乾かなかったということが腐食の原因になりまして、これがほかにどんなところまであるか分からない。ほかにもっと起きそうだといえば起きてもおかしくない、そういう状況です。
設計としても、木と木がつながるという、かなり接続面積が多いというところも腐りやすい原因にもなった可能性があります。様々に水がたまる原因があったというので、腐ってしまったという、非常に危ない事案であった。これはほかにもあってもおかしくないだろうと思います。
では、どのように防げばいいのかというところが、先ほど申し上げましたように、安全基準とか、体系的な方法というのが現在ない状態ですので、それをまず早急に作っていただきたいというのが、今回の意見の第1番目というところになります。 - 問 追加でお伺いしたいのですけれども、事故の要因として幾つか考えられるものがあると思うのですが、そのうち、ボルト、コーチスクリューなどを施工されたと思うのですけれども、そちらの防腐処理が行われなかったということでしたり、梁の状態が目視で点検しにくい組み方であったことが挙げられたという形の認識でお間違いなかったでしょうか。
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答
(中川委員長)
はい。そのとおりです。 -
問
フジテレビの山下です。
基本的なことの確認なのですけれども、調査報告書の4ページの本文2行目の「国内の遊園地や都市公園に約40施設設置されている」の主語は、屋外の木造大型複数遊具ということで大丈夫でしょうか。
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答
(中川委員長)
これは立体迷路ですよね。立体迷路に限っています。 - 問 では、立体迷路が40か所と。了解です。
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答
(中川委員長)
関係をもう一度申し上げますと、この事故調査の対象は、やはり屋外の木造の立体迷路という形態をしているものです。ただ、緊急点検、先ほど申し上げたものについては、私たちは立体迷路しか調査していないけれども、それ以外にも似たような状況のものもあり得るので、それを含めていただきたいという意味で抽象的な言葉にしました。屋外の木造の複層構造物でしたか、大型複層施設だったか、そういう表現にしたところです。
(事務局)
報告書の3ページ、4ページの前、「対象施設概要」のところに立体迷路を定義してございます。本件事故が発生した施設を設置した特定の会社、設置事業者によって日本国内に数十施設設置されているものを、今回、この報告書では「立体迷路」と称することにしておりまして、次ページでその立体迷路、この事故が発生した施設を作った設置事業者によって設置された立体迷路が約40施設あるというように4ページ目で記載しているものでございます。
ただ、1ページお戻りいただきました3ページの注釈に、一番下に書いてございますとおり、設置事業者以外の事業者によって設置された施設、それを「立体迷路」と称する施設も世の中には存在するのですが、あくまでこの報告書における「立体迷路」の定義、数については、今述べたとおりとなります。 - 問 40か所については分かりました。ただ、経産省、国交省への緊急的対策。ごめんなさい。ここに書いてありました。安全基準の策定に関しては、この屋外の木造大型複層遊具について、そういう基準を策定しろという、こちらは主語はそちらで大丈夫ですね。すみません。ありがとうございます。
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問
日本消費者新聞の丸田です。
確認なのですけれども、概要版の4ページに出てきている、事故を未然に防止できなかった理由として、木は腐るわけですけれども、それで、野ざらし、雨ざらしになっているわけで、今、委員長がおっしゃった木材リテラシーというのはとても大事だと思うのです。全ての関係者によって、その知識、それと方法というものが欠けていたという指摘がこの背景にあってということなのですが、関連法律がないという隙間事案ということなのですが、確認したかったのは、写真を見ると、施設自体がでかい施設ですね。大規模。こういうところで木で作られている木造であると。野ざらし、雨ざらしになっている可能性もあるということになってくると、関係行政機関というのがないとはいえ、行政機関は一回でもこの事業者に対して何か言わなかった、要請しなかったものなのでしょうか。そういうことを少し。 -
答
(中川委員長)
これは本件、当該事業者に対してですか。 - 問 はい。
-
答
(中川委員長)
建てるときに立体迷路に建築基準法の適用があるかどうかは、関係行政機関に確認したと聞いております。ただ、先ほど申し上げたとおり、建築物ではないし準用工作物でもないので適用はありませんという回答を得て、それで作ったということです。
遊園地の場合は、設置事業者が勝手に作るわけではなくて、必ず遊園地の運営者、経営側といいますか、遊園地側がこんなのはないか、あんなのはないかという提案をし、それから、設置事業者のほうもこんなものがありますという提案をし、その交渉の中で決まっていくのです。なので、各施設ごとに大分違うみたいなのです。ものすごく強固にといいますか、建築物っぽく作るところもある。同じ設置事業者がやっても、遊園地側の要請によって随分違ってくる。
先ほど遊園地について、遊園地法がないと言いましたけれども、したがって安全性が事業者任せだと言いましたが、大きい事業者、相当の体力のある事業者であれば、それなりにいろいろ知見を集めるお金もあるのですけれども、本件の場合は、やはりコストが安く作りやすいものです。かつ、かなり柔軟にいろいろ手が加えることができるものなので、同じ立体迷路といっても、遊園地によってどのぐらい安全なのかどうかというのは、さも千差万別なのです。今回のような緊急点検をお願いしていますけれども、これも事業者によって、いや、そんなことはもう考えている、専門家に相談したというところもあるかもしれないし、そんな危険は知らなかったというところもあるかもしれないし、様々だろうと思います。
事業者毎に対応が様々である背景には、単なる知見だけではなくて、やはり各遊園地のニーズに合った立体迷路を作らなくてはいけないという状況もあって、様々な作られ方がしている。同じものがたくさんあちこちの遊園地にあるというイメージよりも、似たような、バラエティーに富んだものがたくさんあると、そんな感じなのです。そのうちの一つが今回は事故を起こしたということです。そういう状況なのです。
(水流委員)
追加ですけれども、40件あったときに、やはりそれぞれに置かれた敷地、敷地のどの位置に迷路が作られているか、日当たりがどうかとか、風通しがいいかというところが、同じ1つの立体迷路の中でも、ある角っこのところは風当たりが悪いとか、日当たりが悪いというのがあると思うのです。
木材に関する、先ほど委員長のほうがリテラシーと申しましたけれども、腐朽に関する知恵というか知識というものと、その腐朽を低減するための知恵をもって、皆さん、日本で木造のものを、たくさんいいものを作っているわけです。ところが、このようなものに対する、腐朽の低減をするための方法論といったようなものが、やはり少し体系的にはまとめられていなかった。ないわけではないけれども。そういうようなこともあったということで、是非40か所については早期点検をしていただきたいなという気持ちはございます。 -
問
日本経済新聞の藤田です。
施設数の先ほどの御説明を確認したいのですけれども、概要の1ページには、同種の施設を数十施設確認とあるのですけれども、これは40施設のことを指しているのか。それとも、今回の本件事故があった立体迷路を設置した事業者以外の分も入っているということで、数十と書いてあるのか。どちらなのでしょうか。 -
答
(事務局)
こちらの記載に関しては、「調査を開始することとした」というところにつながる部分でして、調査を開始する時点では正確な数などは分かっておりませんでしたが、立体迷路と称するものが数十施設あることを確認したので調査を開始したということになりまして、報告書の40施設とは、調査の結果、分かったものが約40施設ある、そういった記載の違いとなります。