記者会見要旨
(2024年6月20日(木) 17:15~17:51 於:共用第2特別会議室)
発言要旨
(中川委員長)
お待たせいたしました。本日の審議内容について、お話しいたします。
まず、「住宅の窓及びベランダからの子どもの転落事故」につきまして、経過報告を審議・決定いたしました。本件調査を開始した令和5年6月から1年以内に事故等原因調査を完了することが困難であると見込まれる状況にあることから、消費者安全法第31条第3項の規定に基づきまして、調査の経過を報告するものです。経過報告書にありますように、子どもが住宅の窓及びベランダから転落する事故に関しては、今まで国及び自治体等が注意喚起や事故防止対策の周知をしてきたものの、死亡事故は現在も続いております。そこで、特にハード面からの再発防止策に重点を置いて調査を進めております。これまでの調査結果を踏まえ、窓とベランダに分けて、転落防止のためのハード対策を検討するとともに、その対策を普及させる方法の検討を進めております。以上が、転落事故です。
その他、個別事案としては、「スポーツジム等におけるパーソナルトレーニングによる事故及び健康被害」について、施設管理者向けのアンケート等の審議を行いました。
このほか、フォローアップ審議として、「エステサロン等でのHIFU(ハイフ)による事故」の意見先である、厚生労働省、経済産業省及び消費者庁の担当者をお招きし、公開のヒアリングを行いました。当委員会では、厚生労働省に対して、HIFU施術を医行為として施術者を限定することを意見しておりました。この意見を受けて、厚生労働省では、HIFU施術の医行為該当性に関する調査を行い、その結果、医師免許を有しない者が業としてこの手術を行えば、医師法第17条違反に該当するという通知が、令和6年6月7日付けで発出されました。また、輸入機器流通の監視強化や業界及び消費者への注意喚起等、各意見先省庁におかれては、当委員会からの意見を反映したそれぞれの状況・対応について御説明いただきました。本日はいろいろとやり取りを行いましたけれども、それを踏まえまして、委員会としての評価は、来月、改めて決定する予定です。
続いて、部会の動きについて、委員長代理からお願いいたします。
(持丸委員長代理)
委員長代理の持丸です。
まず、製品等事故調査部会、6月の部会では、今報告に挙がりました「住宅の窓及びベランダからの子どもの転落事故」の報告書の審議、それから、「ネオジム磁石製のマグネットセットによる子どもの誤飲事故」、以前に意見を出したものですが、これのフォローアップに関わる審議を行いました。
続きまして、6月のサービス等事故調査部会です。こちらも、本日審議をいたしました「スポーツジム等におけるパーソナルトレーニングによる事故及び健康被害」の審議、並びに、以前に意見を出しました「学校の施設又は設備による事故等」のフォローアップに関する審議を行いました。
私からは以上になります。
質疑応答
-
問
NHKの植田です。
転落防止の原因調査について伺います。まず初めに、この事故が起きている原因について、これまでの調査の中で分析した事項はありますでしょうか。
-
答
(中川委員長)
原因について。
(問)
これまで、委員会の中で、こういったことが原因ではないかというような。
(中川委員長)
もちろん、それをやっております。 - 問 今、何か、例えば言えるものはあるでしょうか。
-
答
(中川委員長)
どの事故のことですか。 - 問 子どもがベランダや窓から転落するとき。
-
答
(中川委員長)
特定の事故について幾つか調査はしております。どれかとは言えませんけれども。 - 問 例えば、言える範囲で、子どもは親が目を離している隙に落ちるケースが多いであるとか、どういったときに事故が起きているというような。言える範囲で構わないので。
-
答
(中川委員長)
親が見ていたら落ちないので、それは見ていなかったのだろうということにはなろうと思います。
ただ、親が全部できるわけではないということが我々の検討の出発点です。「ハード対策」という言葉を言っているのは、人が気をつけているかどうかにできるだけ頼らないような、そういう対策を考えていこうということです。例えば、後付けで窓が簡単に開かないようにするような製品があります。もちろん、あらかじめセットしなければいけないという意味では、人の行動が必要なのですけれども、セットしさえすればあとは大丈夫だというのが、まずは1つ、考えられる方法です。できれば、そのセットする・しないということも抜きで対応できるようなものが理想的です。ただ、理想的な対策を打つためには、結構根本的な問題になりますので、そこまで一気にはいけないとは思います。そこでまずは、人の行動が少しだけ必要なもの、セットすればいいという、その1つの行動だけで済むようなものをまずは考え、そして、最終的には、人の行動に左右されない、もう構造として安全なものというのはどういうことがあり得るのかと。
これは、前から申し上げていますが、かなり難しい話なのです。我々の文化的な問題もあります。物干しをしたいからベランダを使いたいといったことはありますので、そこは将来的にもこれが望ましいところだという感じの対策、今すぐは難しいにしてもと、そのような形で分けて書くことになろうと思います。 -
問
ありがとうございます。
この経過報告の中では、補助錠について、ハード面の対策の一つとして調査を行ったと記載がありますけれども、この補助錠の「一長一短がある」という記載なのですが、これは、適切に使用すれば防げる場合もあるけれども、必ずしもそうではないということなのだと思うのですが、その必ずしもそうではない場合というのは、どういう場合なのでしょうか。 -
答
(中川委員長)
簡単に外せるとかですね。今あるほとんどの製品は、防犯用なのです。ところが、転落防止というのは内側から開けられないようにしなければいけない。防犯用は外側から開けられないということなので、本来の目的が違うのです。ですので、その防犯用のものを使って、仮にそれが子どもが内側から開けられないようなところにうまく付けられたら、目的外の使用ではあるのですけれども、ないよりはましかもしれないという程度の話です。しかし、基本的には防犯用ですから、内側から開けようと子どもが工夫すれば、開けられてしまう。そういった意味では、短所もあるということなのです。それから、一応留められそうだけれども、ガタガタとやっていると簡単に開いてしまうものもあるなとかですね。それは多分防犯用としてもあまりよくない製品かもしれませんが、そういうものもある。多様な商品が流通しているということで、これが決め手だというものはどうも見つかっていない。なので、私たちとしては、このような機能がほしいんだと、そういう製品を開発してほしいと、そういう産業を早く育ててほしいという形には、最終的にはなっていくのかなと思っています。後付け製品に関してですね。
(持丸委員長代理)
補足ですが、もちろん、今言ったように、開いてしまったりするとか、中から簡単に取り外せるということもあるのですが、そもそもサッシの形状と合わない、組合せがうまく合わない、消費者にも多分見つけるのが結構難しそうだなというところも感じています。さは言いながら、事故は明日にも起きるかもしれませんので、まずは、今、こういうようなものでも使っていきましょうという感じの段階になっていると御理解ください。 -
問
ありがとうございます。
最終報告書の案は、いつ頃までを目指すか、見通しがあればお願いします。
-
答
(中川委員長)
冬になる前、秋ですね。ただ、早い秋はちょっと無理だろうと。なので、皆さんも御準備をお願いします。 -
問
ありがとうございます。
最後に、委員長にお答えいただきたい。先ほど代理からもありましたけれども、今もまさに事故が発生していまして、今年3月にも実際に、転落して3歳の女の子が亡くなる事故が広島で起きていると。報告書が出るまでに、私たち消費者ができる、すべき対策、気をつけるべきことが何かありましたら教えてください。
-
答
(中川委員長)
第一に、転落は起きるということです。窓、ベランダ、確実に事故は起き続けていますし、極めて危険なのだと、まず、認識を持っていただくことが重要だと思います。ベランダは、私たちは日常的に開けて使っておりますけれども、ものすごい危険と隣り合わせで使っている、特に小さい子どもがいらっしゃる場合には、危険と隣り合わせであるという認識を持っていただくこと。
その上で、経過報告で、防犯用の製品がほとんどなのだけれども、少しでもお子さんの手が届かないところに貼れそうなものは付けておいていただきたいと。ないよりはましということです。
その2点だと思います。認識を持っていただくことと、経過報告書を参考に何か買ってきていただいて、ただ、先ほど持丸先生がおっしゃったように、付かないものも多いのですけれども、効きそうなものを付けていただくと。この2点しか今のところないと思います。 -
問
毎日新聞の阿部と申します。
子どもの転落事故が1点と、HIFUのものが1点あるので、先に子どもの転落事故のほうから質問させてください。
先ほどおっしゃったように、補助錠のことについて、今、議論がメインかなと思うのですけれども、補助錠でこういう機能が欲しいので、次は産業への呼びかけというお話がありましたけれども、例えば、補助錠に対して、是非使ってほしいではないですけれども、何かマークをつけたりとか、何かそういうことも考えられているのでしょうか。 -
答
(中川委員長)
マークというのは、新しい製品ができた後ということですかね。それとも、今ある中で。 - 問 今の補助錠になのか、新しい製品になのか、というのは、粗悪なものも。
-
答
(中川委員長)
今ある中で「これだ」というものがあればいいのですけれども、まだいろいろな製品を調べている最中です。大分調べましたが、まだいろいろと知らないものがあるみたいなのですね。結構いいなと思うもの、かなりよさそうだけど、もう製造していないとか、要は、手に入らないとか、そういうものは、何か1個ぐらいあるという話は聞いたように思いますけれども、そういうものを除くと、ほとんど現状では、これはすばらしいというものはなさそうです。そう思っていただいたほうがいいと思います。ただ、ないよりはましという状態ですので、付けていただくのは応急措置にはなるだろうということです。
(持丸委員長代理)
マークというものを堅苦しい言葉で言うと、認証なのですね。我々のこの委員会は認証をするところではありませんので、何らかの形の認証を、関係省庁とか、関係省庁から適切な外郭団体とかにお願いすることになると思うのですけれども、私も認証に関わっておりますが、やはり時間がかかります。そのためには、認証のための基準を決めなくてはいけないし、何で我が社のものは取れないんだみたいな話が当然出てきますので、短期的には、とにかくある程度の目安を出して、その上で、認証したり、サッシと合いにくいならば、どういう型番でA型の人にはA型を付ければいいみたいなものも標準なので、そういうことは中長期的には動いていくべきかなとは思います。 - 問 まず、その前段階として、目安ができてから、今後、認証マークとかの呼びかけに動いてもらいたいみたいな、そういう願望があるということでしょうか。
-
答
(持丸委員長代理)
そうですね。我々が最終的にどういう意見を出すか分かりませんけれども、消費者にとって分かりやすいことかなという気はしますけれどもね。 -
問
読売新聞の糸井です。
今回、ベランダと窓とに分けていくということだったのですけれども、これはどういう形で今後調査していくのか、また、なぜ分けなければいけなかったのかというところを説明していただけるとありがたいです。 -
答
(中川委員長)
落ち方のメカニズムが違うということ。窓は、真っ逆さまですよね。ベランダの場合は、ワンステップ、ツーステップがある。ベランダは一応、ある程度、高さを保つように規制があるのですよね。110センチぐらいかな。決まっているのですけれども、そこによじ登れるものがあったらすぐによじ登れてしまう。持ってくるとか、よじ登るとか、ワンステップ、ツーステップがあります。かつ、ベランダの場合は、下手に閉まってしまうと、今度はそこにいたお父さんやお母さんが閉め出されてしまうとか、それぞれにいろいろなことを考えなければいけないので、そこは別のメカニズムで分けて考えているということです。
(持丸委員長代理)
道具を付けるときも、まず、開かないというのは、今言った補助錠みたいな話、同じ話なのですけれども、例えば、窓のほうは、開いたところに柵があることで窓のほとんどの機能は満足できるのですけれども、ベランダの掃き出し窓のところに人が出られないような柵を作ってしまうと、ベランダの機能ができなくなるので、そういう意味では、対策としても、窓とベランダは違っているかなと思っています。 - 問 では、ベランダに関しては、今、窓は補助錠、ベランダも補助錠ですけれども、さらにプラスアルファを考えていかなければいけないというイメージですか。
-
答
(持丸委員長代理)
そうですね。窓、ベランダ、それぞれの対策がさらにこれにプラスされていくということになると思いますね。 -
問
ありがとうございます。
あと、もし情報があればなのですけれども、この4ページにあるアメリカでの情報収集のところで、ニューヨーク市の事例が出ているのですけれども、もし分かれば、格子を付けるとか、そういうことだと思うのですけれども、窓ガードを付けた後に、どれぐらい減ったのかですとか、どういう効果があったのかという、もし数値的なものが手元にあれば教えてください。例えば、何年はどれぐらいだったけれども、何年後にどれぐらい減ったとか、そういうものがあればうれしいなと。 -
答
(中川委員長)
これは、ニューヨーク市のウェブサイトに出ているらしいです。手元にその翻訳があるのでちょっと読み上げますね。ニューヨーク州は、1976年にウィンドウガード政策を採用した米国最初の都市であったと。それ以前は、年間に100件以上の転落事故があったと。ところが、過去20年間、年間20件未満の転落になったと。2021年は、窓ガラスからの転落9件は、そもそも窓ガードを不適切に、つまり、本来ガードをしなければいけないものがガードできていないような不適切な設置をしていたとか、あるいは、窓取付けの空調のユニットを外していたとか、そういう、これは事故が起きてもしょうがないという問題で起きただけであると。ということは、通常の転落事故はもうほぼ起きていないということです。基本的に、ベランダがすごく少ないということが、まず前提としてあるのですね。日本のように、物を干すということ、外で見せるということをしないので、まず、ベランダがほとんどないのですよ。ほとんど窓である。窓については、がちっとはめ込む感じ。つまり、日本のマンションでいえば、共用部分に釘を打つ、工事をする、施工をする、そういうイメージなのですね。それを義務づけているということです。その義務をきちんと大家が守っていますかということを、その居住者に対してニューヨーク市のほうから定期的に連絡が来る。それをやっていないと、今度は大家のほうが大目玉を食らうと。そのような構造になっているようです。いきなりそういう制度になっているのではなくて、徐々にやっていった。初めは、転落の危険の周知だけをやっていたのだけれども、なかなか収まらない。だから、今度は法的に義務づけようと。ところが、なかなか義務づけも守ってくれない。なので、最終的に、先ほど申し上げたような、使用者側、利用者側、付けてほしいなと思っている側に、全部調査をかける。そこからチクリと情報が来たら、今度は大家のほうが大変な目に遭う。家主のほうが大変な目に遭うという形で、徐々に規制を強化していった結果、極めてよく動いているということだそうです。
ここから分かるように、これをいきなり日本で導入しようと思っても、まず無理だろうということです。すぐには応用できませんが、しかし、その本質安全というか、本質的に安全にするためには、やはりがちっと構造的にやらなければ駄目なのだと、ハード対策の究極はこれだということが分かる事例だったわけです。
なので、そこから我々は引き算をして、取りあえず今何ができるか、そして、将来的には、ニューヨークは一つの究極の例としてあるのだけれども、日本がそこまでいけるのかなという感じで、段階を取った対策をしていくことが重要であるということが考えられると、そのような報告書案になるだろうと考えております。 -
問
分かりました。ありがとうございます。
これはちょっと細かいのですけれども、もし分かれば、もしガードを付けていない場合は、どういう罰則がかかるのか。 -
答
(中川委員長)
具体的にどういう罰則かは分かりませんが、まずは、普通だったら改修命令でしょうし、命令を聞かなかった場合は、普通、アメリカ的には多分かなりのお金を払うということになるし、そのお金を払うのは確実に執行されます。日本的ではなくて、かなり厳しいのだと思います。実際にお金が飛んでいくという意味で、厳しいのだと思います。 - 問 罰金がかかるかどうかというところまで、具体的にどうかというのは、はっきりはしない。
-
答
(中川委員長)
私は、今、ニューヨークの法令を覚えておりません。もしかしたら事務局で条文を持っている人がいるかもしれませんが、それは分かりますか。
(事務局)
罰金等の定めはあるようです。
(中川委員長)
法律的にはいろいろなパターンがあるので、そこは調べないと正確なところはよく分からないです。 -
問
日本消費経済新聞の相川です。
これは、どういう法律なのですか。それは子どもを持っている親に罰則がかかるのですか。すごいですよね。
-
答
(中川委員長)
私の理解する限りでは、家主です。 - 問 家主にかかるのですか。
-
答
(中川委員長)
構造物を持っている人、あなたが人に貸す以上は、かつ、何歳以下の子どもがいるという人を借主として入れた場合は、必ず窓にこういう工事をしなさいという義務づけがある。こういうイメージで理解していただければと思います。 - 問 建築基準法みたいなものにつけて。
-
答
(中川委員長)
建築基準法なのかどうかは分かりませんけれども、それは同じかもしれないし、違う法類型かもしれませんが、いずれにせよ法的な義務です。 - 問 でも、何の補助とかも出さないで、全部自費で。
-
答
(中川委員長)
そこは分かりません。補助は出るのかな。場合によっては出しているかもしれません。ちょっとそこまでは分からないですね。 - 問 すごい。それは広がっているのですか。
-
答
(中川委員長)
それが分からないのです。ニューヨーク市はやっていて、それが少し広がっている部分もあるけれども。
(事務局)
基本的に、子どものいらっしゃるアパートには必ず付いているものです。これは、一応ニューヨーク市で。 - 問 市からは広がっていない。州ごとに全部法律が違いますものね。
-
答
(中川委員長)
そうだと思いますので、ニューヨーク市ではそれをやっていると。ただ、それ以外にどこまで広がっているかというのは分からない。 - 問 ただ、その子どもが入るところにだけ後で何か付ける、義務で付けさせるということなのですか。
-
答
(中川委員長)
子どもがいるところには付いていなければいけない。だから、最初から付けてももちろん構わないのですけれどもね。 -
問
朝日新聞の大村です。
転落事故のことなので、そのままお伺いします。最初に調査を始めるときに、委員長は1年後には何らかの対策の目安を発表できるようにしたいとおっしゃられていたのは、先ほどの2つのことがそれに当たるのかなと思って聞いていたのですが、そういった捉え方でよろしいでしょうかというのが1点。
もう2点、確認させていただきたいのは、先ほどの意識してほしいという2点のうちの1点目は、危険な場所だということを認識してほしいというのは、今のお話を伺うと、窓というよりはベランダがということなのでしょうか。ベランダも窓もということなのかというところが1点です。まずそこまでで。 -
答
(中川委員長)
後者から言うと、両方です。両方で、かつ、ベランダというのは、例えばニューヨークシティと比べると、非常に日本独自の事故の起き方、まず、ベランダのガラスドアを大きく広げて、そして、洗濯物を干す、あるいは、何かのガーデニングをするという、生活の一部として、重要な場面として、ベランダを開けて使うという、我々の文化行動、社会行動があるというところがありますので、ベランダはなかなかニューヨークシティとの比較では難しかった。ベランダの危険はものすごく大きい。他方、窓は、閉め切ってしまえばいいのですけれども、すぐ落ちるというところが違う。ベランダよりももっと瞬時に落ちる。ベランダは何かやっていて落ちるというところですので、ただ、開け放しているという意味では、ベランダも危ないということで、どちらも同等に危ないという認識です。
それから、1年後をめどにというのは、うまくいく後付けの器具があるのではないかと期待をしていたのですけれども、なかなか委員会として「これが大丈夫です」という製品が出てこなかったという意味では、ちょっと残念です。なので、これは産業創生を切にお願いするしかないかなというふうにはなっております。ただ、それでもないよりはましというところはあるわけですので、そういうのが1年後の今の段階でのメッセージということになります。 -
問
ありがとうございます。
もう1点だけ。認識してほしい2点目のことは、今、委員長もおっしゃられたのですけれども、補助錠を代表とする後付けの器械で「これが」という満足するものはないけれども、ないよりましだという意味合いということ。補助に限らず、ほかのものでも、グッズとしてあればやってみる、トライはしてみる価値はあるということで、受け止めてよろしいでしょうか。 -
答
(中川委員長)
おっしゃるとおりです。
(問)
ありがとうございます。
(中川委員長)
過信しないでということです。 -
問
日本消費経済新聞の相川です。
結局、でも、ベランダのほうがかなり死亡した割合は高いですよね。今、ベランダの柵などについては、今までにすごい基準とかを作ってくださったけれども、それでも落ちていると。このベランダについては、今、何か言うことはあるのですか。 -
答
(中川委員長)
委員会の中でやはり議論になるのは、ベランダって本当に危険だということなのです。我々はそう思っていなかったのですけれども、我々というか、日本人全員がということです。日本に住んでいる人がベランダからの転落をなくそうと思ったら、ベランダをなくすしかないのではないかと。いや、もう本当に論理的にそうなるのではないかと。しかしそれは無理だよねというところから我々は考えるわけなのです。だけれども、しょせん無理なものを何とか対策しようとしているので、やはり完全な対策は出てこない。なので、応急とそれに準ずるようなもの。でも、それはベランダにやはり何らかの手を入れなければいけない。釘を打つというか、施工をする。それが共用施設だから駄目だなんて言っているようでは、やはり本質的な安全に近いものはできない。そのような問題なのですね。だから、ベランダ、窓の転落というのは、ふだん、そもそも危機意識がないと思うのですけれども、まずはその意識を持つことがやはり一番重要。それを持てば、取りあえずの応急対策にもなるだろうし、最終的には、そもそも、ベランダや窓は、本当は、釘といいますかね、ねじを入れていいところなのではないかと。共用施設だから一切手を入れてはいけないという考え方自体、本当はいいのかという、かなり厳しい問題になってくるのだけれども、ここを解決しないことには、なかなか安全になりませんよ。こういう問題です。 -
問
毎日新聞の阿部です。
HIFUの件でちょっとお伺いしたいのですけれども、今日のヒアリングのところで、そもそもHIFU事故が起きた施設として、クリニックとエステサロンとセルフエステで分けられていたかと思うのですが、厚労省のほうからは、エステサロンでやることは医療行為であるという通知がなされた一方で、セルフエステ、自らやるエステでは、医師法上の医療行為ではないというお答えがあったと思うのですが、その回答を受けて、実際に委員長と委員長代理がどう受け止められているのかと、今後の対応策、提言をしていくのかとか、そこら辺の何かお考えとかがあれば、教えていただきたいです。 -
答
(中川委員長)
私の考えは、今日、フォローアップのときにお話ししたとおりで、やはり納得はしていません。業としてセルフエステを提供している以上は、お客さんに自分でやらせる、セルフでやるときにも、きちんと医師としての関与がなければいけないはずではないか。どう使うか、何がいけないかを教えるということですね。それが丸々医師法の範疇外であるという解釈がどうやってできるのかというのは、私は、法律家としては、非常に疑問に思ったので、文書で回答をくれとお願いをしました。それを見て、もしその医師法が、なるほど、厚労省のおっしゃるような解釈しかできないのであれば、それはおかしいのではないかという形の検討ができないかの検討をするということになると思います。
(持丸委員長代理)
私も同じ考えで、個人が自分で買ってやるのと、並べておいて自分でやってくださいというので、業としてやっているのはやはり違っていて、セルフエステというのはまさしく後者なわけですね。ここに関して、いや、医師法が適用できないから、もうそこは抜け穴ですよというわけにはいかないので、これについて、まさしく委員長からのコメントがあったように、まずは厚労省さんの回答を伺った上で、我々としてどういう手段でそこを塞ぐことができるのかというのは考えていかなければいけないかなと思っています。 -
問
ありがとうございます。
一般的な事故調の進め方としてお伺いできればと思うのですが、一旦、その報告書というのはそもそもまとまって、今回、フォローアップという形で意見聴取があったと思うのですけれども、終わりはあるのですか。 -
答
(中川委員長)
フォローアップに決まった期間はないですが、ただ、今できることは全部やりましたと我々が納得すれば、終わりです。納得しなかったらフォローアップを続けるということになります。続けるうちに、そもそも我々の報告書が不十分だったなということが分かった場合は、今度は新しい意見書に向けて動き始める。不十分ということは、私たちが言うべきことを言っていなかったということが分かったということなので、言うべきことを言うために、第2次の報告案件として調査を開始することはあり得ます。 -
問
神戸新聞の井上です。
ちょっと本日の議題と外れてしまうかもしれないのですけれども、木造立体迷路の事故原因の調査に関して、現在の進捗がどうなっているか教えていただけますでしょうか。 -
答
(中川委員長)
立体迷路は大急ぎでやっています。これも秋に出す予定です。秋の早いほうなので、皆さんも御準備をお願いします。 -
問
ありがとうございます。
その関連でなのですけれども、秋ということなのですけれども、現時点では、具体的なことはなかなか難しいとは思うのですけれども、事故が起きた原因については、ある程度特定できていてという段階みたいな感じで認識していてもいいでしょうか。それとも、そこの部分も、現在、調査中というか。 -
答
(中川委員長)
いや、原因はもうはっきりと分かっていますので。
(問)
確認中の段階。
(中川委員長)
原因ははっきりしていますので、対策を、どのぐらいの幅といいますか、射程で言うかなというところが、最後の山場です。そこでいろいろと議論があってなかなか長引いていたのですけれども、ここはある種、思い切って出してしまおうということで、秋、早めに出すというふうに考えております。 -
問
ありがとうございます。
細かいことなのですけれども、原因がある程度ははっきりしているというのは、床板が腐った原因と、それをチェックできなかったので事故が起きた原因というのも、全部をひっくるめて、事故原因というのは、ある程度特定されているという認識でよろしかったでしょうか。 -
答
(中川委員長)
そうです。設計、施工、管理点検ですね。その3つ、どれもそれぞれに原因があったと。どこかで防ごうと思えば防げた可能性があるのですけれども、事故が起きるときのパターンですけれども、全部が抜けていたということですね。