記者会見要旨
(2023年9月28日(木) 16:31~16:45 於:消費者庁記者会見室)
発言要旨
(中川委員長)
私、中川から最初に発言をいたします。
今日は、委員長代理とあわせて2人ともオンラインで申し訳ありません。
本日の調査委員会では、3つの事案について取り上げました。木造立体迷路の床板の落下による事故、住宅の窓及びベランダからの子どもの転落事故、スポーツジム等におけるパーソナルトレーニングによる事故及び健康被害、この3事案です。いずれもまだ検討中で、今日、特に詳しくお話しできるような状態ではありませんが、概要をお話しをいたします。
まず、木造立体迷路の事案です。本日、部会から報告を受けました。発生した事故原因、再発防止策、関係法令等に関して、どのような検討状況であるかという報告を受けました。今後は、施設の設計者や遊園地において行うべき実行可能性のある再発防止策、そしてそれを実現するための意見の方向性について、部会で整理を行い、委員会でその報告を受けてさらに検討していくという予定です。
2番目の子どもの転落事故でありますけれども、過去の事故情報や関連団体へのヒアリング結果、そして各自治体による取組事例などの調査報告を受けました。その上で、今後の調査対象の絞り込みの要否や調査報告の方向性について審議を行いました。こちらの件については、少し委員会で決定したことがございます。既にお話をしているかもしれませんが、1つは対象として未就学児、大体6歳未満ということになろうかと思いますが、未就学児を調査対象とするということ。それから、住宅のベランダや窓からの転落事故を対象とするということ。逆に言いますと、外廊下とか外階段、屋上といった共用部からの転落事故自体は対象ではありません。ただ、対策をつくるときにはそこら辺にも応用可能なものがあると思いますので、対策という面ではこういった共用部についても目は広げていきますけれども、メインの調査対象事故としては、ベランダや窓からの転落にするということにいたしました。
それから、対策としては、やはり補助錠が、現在すぐできるという意味では、現時点では最も有力なものであろうということで、補助錠をどのように使っていってもらおうか、どういうふうに開発してもらうかというところをメインの対策として考えようという方針ではあります。ただ、これ以外の方法ももちろんございますので、それに限定するという趣旨ではありません。こういったことを今日決めました。
最後のパーソナルトレーニングについてですけれども、まだこれは調査が始まったばかりでありまして、消費者事故の実態を明らかにすべく、現場に近い複数の業界団体等に協力をいただきながら、調査を進めているという旨の報告がありました。
また、海外調査といたしまして、各国のパーソナルトレーニングの規格基準、主にパーソナルトレーナーの資格制度を調査しようということになりまして、各国といってもたくさんありますので、差し当たり2国を調べて、そして日本と比較すると、このようなことを考えております。
以上が私から最初に申し上げる3事案についての検討状況です。
続いて、持丸委員長代理より、部会の審議について御報告をお願いいたします。
(持丸委員長代理)
持丸でございます。私も遠隔から失礼いたします。
まず、製品等事故調査部会です。8月、9月ですが、住宅の窓及びベランダからの子どもの転落事故、それから、木造立体迷路の床板の落下による事故の報告書に向けた審議を行いました。
それから、サービス部会のほうも、今、話がございましたスポーツジム等におけるパーソナルトレーニングによる事故及び健康被害、ちょうどまだ手をつけたばかりですので、専門委員の先生方からこの背景や医学的なお話を伺うと、そのようなことに関して審議を行いました。
私からの報告は以上です。
質疑応答
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問
読売新聞の糸井です。よろしくお願いします。
転落防止の件で、今回、6歳未満を対象とするということだったのですが、いわゆる未就学児に限定した理由はどうしてなのでしょうか。それをまず教えてください。
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答
(中川委員長)
私からまず答えます。
9歳以下で事故報道の調査をしたところ、5歳がピークであるということが分かりました。9歳以下を全部調査対象とするかどうかということなのですけれども、就学児、すなわち小学校に上がった子と、それ以前の子では、どうやって対策を打つかのアプローチがだいぶん違ってくるのではないかというのが担当専門委員の方の御意見で、それはそうだろうなと思います。それから、社会的な経験という意味でも、一般的にはそこは大きく変わってくるだろうということで、6歳といいますか、正確に言うとまだ小学校に上がっていない子というところをメインにしようということになりました。
私の理解する限りではこのような感じですけれども、何か持丸委員から。
(持丸委員長代理)
全くそのとおりです。専門委員をお願いしている先生は、既にこういう案件についていろいろな年齢に向けた働きかけとか啓蒙活動をしていて、その経験からいっても、やはり就学してからというのはチャネルも啓蒙の方法も大きく変わってくる。事故件数が絶対的に多いエリアということで、今回は未就学というところにまずフォーカスを定めましょうと、このような方向でございます。 -
問
ありがとうございます。
今、5歳がピークというお話があったのですけれども、これは今まで報告があったものだけではなくて、今回全国で調査した結果、5歳がピークだったという理解でいいのでしょうか。
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答
(中川委員長)
私の理解が誤っていなければ、事務局で、報道ベースで今までそういう事故があったものをしらみ潰しに調べた結果です。それを表にすると、5歳がピークということだったと。
事務局、私の理解は間違っていませんか。
(事務局)
今、過去30年ぐらいの事故の調査をしているのですけれども、5歳までがピークという意味で、2歳、3歳、4歳という低年齢が非常に多いということでございます。 -
問
分かりました。ありがとうございます。
あと、同じく転落事故の関連ですけれども、補助錠がすぐできるという意味で最も有力ということだったのですが、転落防止の柵とか、ネットとか、建築基準法に絡むところの改正なども排除せずということだったと思うのですけれども、こちらのほうも継続していくのか、それとも補助錠が結構メインになっていくのか、その辺はどうでしょうか。まだ始まったばかりだと思うのですけれども、お願いします。
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答
(中川委員長)
おっしゃるとおりです。補助錠は、まずは何といっても費用的に皆さんが対応しやすいものです。それから実際に取り付けやすいものという意味でもです。なので、それがまずはメインだろうと。最初に取り上げる対策はこれだということです。ただ、おっしゃったように防護ネットであるとか、窓に格子をつけるとか、他にもいろいろな方法があるわけです。それから、もちろん新規の製品開発というのもありますので、それも考えていきます。そうしたなかで、まず何からやるのが効率的かなということで、補助錠をまずは最初のターゲットにしましょうという意味です。
補助錠だけに限らないでほしい、それに限るべきではないという意見は、ずっと委員から出ております。それはそのとおりで、限定するという意味ではないということは御留意ください。 -
問
日本消費者新聞の丸田です。
木造立体迷路の件と、あと住宅のベランダ、窓の転落、これは報告書というのはいつ頃をめどにされていますか。
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答
(中川委員長)
私、メモがどこかに行ってしまったが、どれかが年度内だったと思います。
(持丸委員長代理)
木造立体迷路のほうは、できれば年度内ぐらいにまとめられるとよいかなと思っておりますが、パーソナルトレーニング、それから、子どもの転落は本当に今、始まったばかりというところで、私の感触ですが、年度内はほぼ無理だろうというぐらいの調査がかかると思います。
特に実験が入ったり、それから、先ほどお話ししましたように、パーソナルトレーニング、これから調査、仕組み上はそのための調達という処理に入りますので、少し時間がかかると御承知おきいただければと思います。その間にできるところのインタビューをしたり、現場を調べたりというようなところが進むと、そんなような形だと思います。 -
問
ありがとうございました。
もう一点なのですけれども、大まか過ぎてあれなのですけれども、去年の今頃なのですが、発足10周年を記念して、それまでの活動の検証報告書を発表されました。まとめて出されました。その中で、今後の課題というのも結構細かく出されていたりとか、大まかに出されていたりとかというのがありましたけれども、事故情報の件数、原因究明の件数であるとか、あと初動調査の体制整備であるとか、事務局体制を整備して、専門家の育成とか、確保ということとか、情報の収集体制の整備であるとかということを幾つか課題として出されていたのですが、ちょうど1年たったということで、あまりメンバーは問題ある方がおられないですけれども、とにかく去年出されたものに対して活動すべき及び課題、今後どうしようか、書いてありましたけれども、それについて委員長として何かコメントはありますか。
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答
(中川委員長)
今日は実は初動調査の在り方について少し話題になったのですけれども、それをどういうふうな指針のようなものにまとめ上げていくかという議論はまだできておりません。通常の委員会では、例えば今日だと3件の事案を扱ったのですが、それだけでこれだけ時間がかかってしまって、それでもいろいろ積み残しがあるのです。なので、通常の委員会とは別に日を設けて検討しなければいけないのですけれども、その日程調整がなかなか大変で、うまく日程が合いません。また正直なところ、事務局もその準備ができるほど、今、余裕がないという状況であるようです。なので、初動調査の在り方であるとか情報収集体制、どのような改善を求めていくかというような体系化が正直なところまだできていません。それは申し訳ないと思っております。やっていきたいと思います。
それから、事務局体制の強化は、予算の問題ですが、言い続けるしかないだろうということで、検討というよりも、要望をするという項目かなと思っております。
差し当たりこのようにお答えいたします。 - 問 ありがとうございました。
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答
(中川委員長)
貴重な御指摘ありがとうございます。