記者会見要旨
(2023年3月1日(水) 12:35~13:30 於:消費者庁記者会見室)
発言要旨
(中川委員長)
どうも大変お待たせいたしました。本日の調査委員会では、3つの事案の報告書の審議を行いました。まずは、学校の施設または設備による事故等、そして、トランポリンパーク等での事故、そしてエステサロン等でのHIFUによる事故です。
このうち、学校の事故につきましては、本日、調査報告書をほぼ決定いたしました。大変申し訳ございませんが、本日この時点では、概要及び報告書の本文自体はお渡しすることができません。少々修正が入ることになりましたので、それで、今日は時間がかかったのですけれども、とはいえ、恐らく1週間後ぐらいをめどに、2週間もかからないと思いますけれども、ホームページ、ウェブサイトで本文及び概要は公表する予定です。内容については、今日お話をいたします。
まず、学校事故についての調査案件でございますが、学校は学校保健安全法により、毎学期1回以上、施設及び設備の安全点検を行うことになっております。
しかしながら、教室の窓からの転落、サッカーボールの転倒など、死亡事故を含めまして、様々な事故が学校では、残念ながら発生しております。
そこで、安全点検の仕組みなどで着目することで、学校で発生している様々な事故の再発防止に向けた提言をすることができるのではないかと考えまして、今回調査を行ったものです。
本調査は、小中学生が被災した事故等のうち、公立の小中学校を中心に調査を行ったものです。これは、特定の事故について申し出を受けて始めた調査ではありません。そのような小中学校の学校事故について、全般的に取り上げたものです。
調査内容は3つに分けて行いました。
まず、1点目ですけれども、学校の安全点検について、どのような法的な仕組みがあるのかということです。法令や文部科学省が作成した資料等を参考に調査をいたしました。
2つ目の調査は、実態調査です。アンケートを行ったり、実際に使われている点検表を集めたりし、さらに学校を訪問するということを通じまして、安全点検の実態を調査しました。
3つ目は、教職員の時間外勤務が非常に多いという調査結果、これが公表資料で出ておりますけれども、それも考慮した上で、安全点検を誰がどのように担うのかということの検討を行いました。
調査の結果、分かったこととして、実際に訪問した学校において、窓際の設置物など小中学生が死亡する危険のある施設または設備が現に確認されている。誰でも分かるはずの単純な危なさなのですけれども、それが現認されたということです。
そこから事故等の原因を次のように取りまとめました。
学校の施設または設備による事故等の主たる原因の1つとして、実効性のある安全点検が行われていないのではないかということです。
そして、実効性のある安全点検が行われていない理由として2つあるだろうということです。
1つは、何をどう点検するのかという安全点検の手法が標準化されていない。分かりやすく、誰でも使えるようになっていないということです。
2番目が、それを誰が行うのか、教職員が全て行うのかということで、担い手について、教職員以外からも支援が必要なのではないかということです。この2つの部分が、現在の安全点検の問題点ではないかと考えております。
再発防止策として、文部科学大臣に対し、安全点検の改善と緊急点検、この2点に分けて意見を出すことにいたしました。
安全点検の改善と緊急点検のうち、まず、安全点検の改善については、先ほど言いましたように、手法の標準化、そして、担い手を教職員以外にも広げるという形で意見をいたしました。
まず、標準化ですけれども、安全点検の手法の面ですが、これは、今回、労働安全と学校安全を比べるという手法を取りました。
労働安全の専門家に、学校の実態を見ていただいたところ、これは、労働安全の世界ではちょっとないような危険な状態が放置されていると、こういう驚きが、この調査の最初のほうで出てきました。
そして、労働安全分野におけるリスクアセスメントの知見を参考とした改善を行うということが、重要なことです。労働安全の分野ではリスクアセスメント、そして、安全点検という作業が標準的に行われているようですけれども、学校では、そういう発想が今までなかったということで、せっかくある労働安全の知見を学校安全にも応用してはどうかというのが、安全点検の手法の改善ということです。
もちろん、労働現場と学校現場は違います。しかし、事業場における墜落防止といった労災防止の考え方は、当然、学校にも通じるところがあるだろうということで、そこはかなり応用が利くものと考えております。
具体的には、リスクアセスメントと、それから安全点検表という2つの次元に分かれるのですけれども、リスクアセスメントについては、子供の安全に関する国際規格あるいは労働安全の分野でも、いろいろ指針などがあります。
労働安全の分野では、リスクアセスメントについて、潜在する危険は、もちろん全てなくすことはできないのだけれども、できるだけ労働災害が発生しないように、また、発生したとしても軽度のもので済むような取り組みでありまして、事業所ごとに違う様々な潜在的危険性、どういう危険があるのかということを、まず、事業所ごとに決めて評価する。そして、どのリスクについて、どのように低減できるのかというような形でリスクアセスメントを行っていくという考え方が共有されているようです。
今回の調査の結果、学校が使っている点検表は、これで何を見ればいいのかが分からない、分かりにくい点検表になっている。窓際の設置物の有無を見ずに、トイレの水漏れを見ているという学校があったというのが1つの象徴的なものですけれども、安全点検とは何を見るのかということが、やはり点検表からは分からないというような構造で、これでは、いくら一生懸命点検をやっても安全にはつながらないだろうということです。
学校安全に関する法令あるいは文部科学省の資料に、リスクアセスメントの観点から何をどう点検するのかを落とし込んでいくという、そういう発想がなかったがために、このように学校現場では一生懸命やっているのだけれども、安全につながらないような点検が繰り返されてきたと、こういうことではないかと考えた次第です。
そういうわけで、リスクアセスメントの観点から点検表の在り方を根本的に見直しましょうというのが、まず1点目、安全点検の手法の標準化という意見です。
それから2点目が、担い手の支援であります。教職員が行うべき業務や、確認すべき資料等についての精査、それから外部人材の活用の促進を意見として求めております。
現在のところ教職員が学校の安全点検を担うことになっておりますけれども、そもそも教職員は非常に厳しい勤務実態が各種公表されている状況です。そして、その教職員が学校安全関係資料、多数の通知、それから関係資料等が、文部科学省その他から示されてはいるのですけれども、現場のほうでこれを理解することは非常に困難です。また、教職員が多くの施設設備の点検を行うことは、時間、知識、専門性といった観点から、そもそも実行不可能なのではないかという懸念がございます。
そこで、安全点検のうち教職員がしなければいけない点検、それから遊具や建築の専門家が行うべき点検、教職員以外にも可能な点検など、様々な役割分担を考えることができるはずですけれども、そのような役割分担は、現状では行われていないように思われます。
安全点検の知見を有する外部人材が活用されていない学校がたくさんあるということも、実態として分かってきました。
そこで、安全点検の担い手の支援ということで、教職員が確認すべき資料として、今まで既に示されている資料を精査いたしまして、役割を明確化し、教職員でしかできないこと、教職員ではなくてもできること、教職員には、むしろできないこと、専門性が高くてできないような安全点検のものといったものを分類した上で、そういう役割分担の明確化をし、その過程として教職員の代わりに、安全点検を担う外部人材を活用されるよう、そのような形で現在ある安全点検の進め方を見直してほしいというのが意見です。いずれも、これは文部科学省に対する意見です。
そして、もう一つの大きな柱が、緊急点検です。先ほど申しましたように、数校の小中学校に行っただけで、目に見える危険がありました。これは非常に明らかな、私は単純な危険というような言葉を先程使いました。これは正確な表現ではないかもしれませんが、言われれば確かに危ない、これは窓から落ちるなというような、そういう分かりやすい危険が放置されている現状があります。先ほど申し述べたようなリスクアセスメントから点検表へという、そういう手順の標準化というのは、やはり時間がかかることです。年単位で時間がかかると思いますので、それを待つのではなくて、現在、私たちの調査で分かった小中学生が死亡する危険な施設設備があるということから、非常に単純なものに限定して、緊急的な対策を求めたいというのが緊急点検です。
ただし、教職員の負担への配慮も必要であり、また、専門的知見がなくても直ちにできること、これだけはやってもらいたいことに限定するわけなのですけれども、具体的には窓際の設置物、それから固定されていない積み重ねられた棚など、言われてみれば、それはもう誰が見ても危険でしょうというような単純なものなのですが、それが本当に見事に放置されているということですので、まず、それを見てくださいということです。
誰がやるのかについて、教職員に全部やっていただくのか、それとも、これは教職員ではなくてもできるタイプの可能性もあるなということで、緊急点検の場面にどこまで外部人材の使用について我々から書くか、そこで、先ほどの議論の中で確認すべきことが出てきました。全体に関わるテーマでもありますので、今日は、報告書の公表は差し控えということになりまして、確認をした上で、1週間後ないし2週間後をベースにウェブサイトで公表させていただきます。
最後に付け加えますと、昨年3月に閣議決定されました第3次学校安全推進計画において、今後、学校の施設または設備の安全点検に関する標準的な手法について検討が行われるということが必要とされておりますけれども、国は学校向けの点検、定期点検要領の作成について検討し、その普及を図るということまでが計画に書かれております。
まさに、この標準的な手法がどうあるべきかについて、私たちが今回、提案していることになります。これは偶然でして、ちょうどこういう計画決定があったということが後から分かりまして、そうであれば、その計画でいう標準的な手法については、労働安全で使っているようなリスクアセスメントを用いて、個々の施設ごとにリスクアセスメントをして、この施設では何が一番危険なのかということを重点的に、どういう方法で予防できていて、それでも残るものは何かということを決めた上で、安全点検表を作っていくと、そのような方法でやっていくという意見を、文部科学省に投げると、そういう関係になります。ちょうど計画決定が閣議決定されたところで、受け皿もある状態かなと考えています。これは、偶然こういうタイミングだったということです。
以上が学校の施設または設備による事故に係る報告書です。これはほぼ決定です。まだ、ちょっと修正がありますので、それは、委員長に一任させていただきましたので、1週間後、2週間後のうちにお出しをいたしたいと思います。
その他の案件ですがトランポリンパーク等での事故、エステサロン等でのHIFUによる事故についても、報告書の取りまとめ等に向けて議論を進めております。
特に、トランポリンもエステサロンも、使用者のほうに何といっても意識を持っていただくことがとても重要です。もちろん、運営者といいますか、誰が施術するのかとか、トランポリンパークの運営者に何を求めるのかも重要でありますけれども、何しろ、どちらもそもそも危険性が消費者に認知されていないところでありますので、どのように分かりやすく消費者に伝えるか、それからサービスを提供する事業者にも、小規模な事業者等にも分かりやすく伝えられるかということを考えて検討しております。
その他、フォローアップ事案として幼児同乗中の電動アシスト自転車の事故についての審議を行いました。これにつきましては、令和2年の12月に公表した案件であります。
その中で、経済産業省へ行った設計上の対策等の意見に関する取組状況を、今年の4月の調査委員会で、経済産業省の担当者に来ていただいて、公開でヒアリングを行う予定でございます。その質問事項について確認をいたしました。
以上が、本委員会での本日の審議内容です。
続いて、部会の動きについて、委員長代理からお願いいたします。
(持丸委員長代理)
委員長代理の持丸でございます。
まず、今月というか、3月になりましたので、2月のということなりますが、製品等事故調査部会です。
こちらは、今もありましたエステサロンでのHIFUによる事故の報告書に向けた最終審議。
それから、木造立体迷路が雨ざらしになっていて、床板が落下したという事故に関する、こちらも報告書に向けた審議を行いました。
それから、私が部会長を務めますサービス等事故調査部会では、本日、この報告をいたしました学校の事故の報告書に向けた審議。
それから、トランポリンパーク等での事故の報告書に向けた、こちらも最終に近い審議を行いました。
部会の報告は、以上となります。
質疑応答
-
問
ありがとうございます。NHKのアキヤマです。
すみません、まず、最初に確認したいのですけれども、学校事故の件については、もう一度再度、いわゆる委員会を開いて議論をしてというわけではなく、委員長預かりということで、大枠は決まったので、先ほど説明していただいた文部科学省への意見を出す、主に大きく2点、細かく言うと3点ほどの内容になるかと、そちらを出すこと自体は、もう御説明もあったのでオープンになっていると。
それで、今、中川委員長が説明してくださった内容については、盛り込まれる方向ということで、内容としての公表は、今のをもって問題なく可能という、そういった理解で合っていますでしょうか。
-
答
(中川委員長)
そのとおりです。内容については確定をしておりますが、外部人材の活用について、どこまで文章として書き込むかという辺りで、確認をしなくてはいけないことがあるではないかということに、はたと気づいて、そこが、報告書のどこに関係してくるかが、今日の時間で急には確認できなかったので。しかし、内容について異論があるわけではありませんでしたので、今日は、報告書は配れないけれども、委員長預かりになりましたので、内容については、今日お話ししたとおりで、そういう意味では、ほぼ決定ということなのです。本文だけはお見せできないというので、ほぼをつけたということです。 - 問 取りまとめについては、おおむねの内容については、各委員皆さん御了承済みということで、おおむね了承を得た上で委員長預かりをして、近く公表されると、そういう理解でよろしいですか。
-
答
(中川委員長)
はい。
(記者)
ありがとうございました。
(中川委員長)
ですので、次回以降で私が発表することはないということになります。 -
問
読売新聞のイトイです。
外部人材の登用についてなのですけれども、文部科学省への意見、この中にもありますが、具体的にどういったことを。文部科学省として、してほしいという意向がございますでしょうか。例えば、導入に当たってのマニュアルを作るとか、何らかの外部人材を紹介する仕組みをつくるとか、何かそういったところを、もうちょっと踏み込んでいただければと思います。
-
答
(中川委員長)
それは、文部科学省でお考えいただくことではありますけれども、すぐ思いつくこととして、まず、どこに外部人材がいるのかということのリストアップですね。例えば、これは、教職員ではなくてもできるということであれば、例えばシルバー人材の活用というのがあり得るだろうと。
他方、例えば、サッカーゴールポストがどれだけ危険か、結構分かりにくい話なのですね、腐食とかそういう話で、腐食のことを分かっていないと、どこを見なくてはいけないかも分からないので、それはむしろ、施設等のそういうことが分かっている方、労働安全の専門家と言っていいのかどうか、ちょっと私は分かりませんが、それなりの専門家ではないと分からない。
それから、点検といっても、教室に何が置いてあるか、これは、毎日教室に行っている人ならば見ればすぐ分かるという意味で、特に時間をかけなくても、また、専門性も要らないだろうということになるでしょう。だから教職員にやっていただくことになるでしょうけれども、ゴールポストとか、そういうある程度大きな設備、ジャングルジムとか、鉄棒とか、そういったものについては、実は専門家でないと分からないのではないか、この辺りはもう少し精査が必要ですけれども、どこに誰に見てもらうのかという辺りですね、そこのリストアップをしていただくと。
それで、教職員あるいはシルバー人材については、何を見るのか。窓を見ると書いてあるけれども、窓の何を見るのか、窓が汚れているかを見るわけではないので、窓のそばに何があるのか、それから、乗り出して落ちるという危険性というのは何を見るのか、そういったことを明確にしていくという意味でのマニュアル、これは、当然必要になってくると思います。
そんなところでしょうかね。
(記者)
ありがとうございます。
(持丸委員長代理)
ちょっと私、部会長として補足をいたします。
基本的に、委員長が述べたとおりなのですけれども、これは、もともとこの案件をやったかなり早い段階から、解決策がないではないかこのままではというところで、外部人材の利用について、いろいろ調査もしてまいりました。
委員長の報告から、労働安全のリスクアセスメントという方法論が、考え方やツールとしては適用できるだろうと。実は労働安全を企業や工場でやっていらっしゃるシニアの方、そういう経験を持った方というのは、意外と地域の中にいらっしゃりそうだというようなことがございます。
そういう意味では、そういうような方々が直接見てくれたらありがたいですし、あるいは、そういう方々に手順書を作っていただいたり、講演をしていただいたり、そういうような知識の上で、もうちょっと経験を持っていないシルバー人材センターの方々に、さらにそれをチェックいただくとか、そんなような枠組みが考えられるのではないかというようなことは、部会でも議論をしたり、一部調査をしていただいて、リソースは何かありそうではないかということで、ぜひ文部科学省のほうで具体的に検討いただきたいというような意見を出していると、こういうことになります。 -
問
共同通信のイケガミです。ありがとうございます。
すみません、一瞬抜けてしまったこともあって、ロジ的なところなのですけれども、確認させてください。
今日の報告重要の取扱いについてなのですけれども、冒頭に、内容を紹介していただいたと思うのですけれども、その内容で、おおむね合意した、ただ、今日は報告書の公表とはならなかった。近く公表するということは、記事で言ってもいいのか、それとも内容に触れた記事を、それはいいと。 -
答
(中川委員長)
それは、もう明らかですので、記者会見で、さっき言いましたから、それは全然公表して構わないです。 - 問 では、伺った内容も含めた記事を出しても構わなくて、ただ、報告書を公表したという書き方だけしなければ、大丈夫だということでしょうか。
-
答
(中川委員長)
もう公表ですので。
(事務局)
事前に記者レクもしていますし、文言が100%一致しないというだけですので、今日会見で説明したことも全部書いていただいて構いません。ただ、本文としては確定していないというだけです。 - 問 写真について、報告書に引用している写真は。
-
答
(事務局)
そこは、また、後でちょっと。
(中川委員長)
つまり、ここは確認が必要ではないか、ということが、今頃になって発覚して、それが報告書の他のどこにつながっているのかというのが、ちょっと探し切れないと、この時間中には無理、ということです。どう直すかというのも異論は出ていないのですけれども、それを探していかなくてはいけない。そこを変えると、ほかに影響がある箇所があるかもしれないということで、精査しなくてはいけないということになったので、後からいっぱい赤字があるのは格好が悪いということで、今日は、本文の公表は差し控えさせていただきたいということで、内容は、そういう意味では決定ということです。 -
問
日経新聞のワタナベです。
ごめんなさい、その修正のあり得る場所が、具体的にどういうところに及んでいるかというのをもう少し。 -
答
(中川委員長)
外部人材の活用の度合いといいますかね、特に緊急点検の場合どうするかというところが何も書かれていないので、ここをどうしましょうかねということです。その書きぶりによっては、安全点検の標準手法、それから担い手の支援、その支援における外部人材の書きぶりも変わるかもしれないということで、ちょっと落ち着いて見ないと分からないということで、今日は、全体としては報告書を公表しないということになりました。 - 問 緊急点検での外部人材の活用をどこまでするかということと、その書きぶりによって、安全点検を誰がどこまで担うのかというところが変わってくるということですね。
-
答
(中川委員長)
可能性がありますので、ちょっとそこは書いてみないと分からないなということだったのです。
(記者)
分かりました。ありがとうございます。 -
問
フジテレビのフジムラです。よろしくお願いします。
今一度確認ですが、本日オープンにしていい情報としては、先ほどおっしゃっていただいた内容と、それから、報告書は、文部科学省のほうには、意見書として提出しないわけなので、どのような表現にとどめるのがよろしいのかという、その表現方法を、ちょっと細かい話ですけれども、お伺いしてよろしいでしょうか。 -
答
(中川委員長)
これは、ちょっと事務局から答えてもらいましょうかね。
(事務局)
今日の段階では、委員間でほぼまとまったというところまでは書いて大丈夫だと思います。
あと中身についても、一点確認すべきことがあるが、それ以外の内容についても出していいと思います。
ただ、本文としてお示しすることができないというだけでございますので、本文として書いてある内容は出せないのですが、委員長が、この間、今日御説明している内容については、書いていただいて全然構わないということになります。
一点だけ、事務的には、写真とか図とか、外の方と本文とお約束していることがあります。そちらについては、事務的に相談させていただきたいということでございます。 - 問 その写真や図に関して、できれば引用したいと思っているのですけれども、例えば、本日報じますとなった場合、どの時点ぐらいまでに御確認いただいて、許諾が取れそうかという時間的なスケジュールを教えていただいていいでしょうか。
-
答
(事務局)
基本的には、報告書と同時を想定しております。報告書が、ホームページに公表される時点で、お出しをできる状態になろうかと思います。 - 問 それは、今日上がるということですか。
-
答
(事務局)
今日は、ちょっと難しいと思います。 - 問 やはり後日ということですね。
-
答
(事務局)
はい、後日でございます。 - 問 最初におっしゃっていた1週間後とか、それぐらいのスケジュールに。
-
答
(事務局)
そうですね、1週間ぐらいだと思います。
(記者)
分かりました。ありがとうございます。
(中川委員長)
すみませんね、最後の最後になって出てきたので。 -
問
分かりました。では、もう一回確認で、今日の段階では、委員の中での話し合いで、ほぼまとまったということで、中身については一点確認すべきことがあるのだけれども、内容としてはほぼ出していいと。
この間おっしゃっていた事前レクの中のいろいろな調査の数字などがありますけれども、あれに関しては変更がないということの解釈でよろしいでしょうか。 -
答
(中川委員長)
はい。
(記者)
ありがとうございます。 -
問
日本消費経済新聞、アイカワです。
まず、確認させていただきたいのが、窓からの転落事故を消費者庁が把握した事故は、一番古い事故がいつ起こったのか、大体どの時期に事故が起こっているのかについて、もう少し詳しく、時期について教えてください。 -
答
(中川委員長)
これは、事務局で分かりますか。
(事務局)
事務局です。
公表予定の死亡事故としては、2012年以降の10年間の死亡事故について転落が確認されたということで、公表予定でございます。
ただし、本文中において、論文で確認したところ、昭和の頃から転落事故が起きていたということは確認しております。今回の報告書で分かっていることとしては、以上でございます。 -
問
ありがとうございます。
すみません、事前レクで説明を受けて拝見していて、一番疑問だったのが、本当に2007年の時点で、昭和の時代から窓からの転落事故があると報告をされながら、平成24年の学校防災マニュアル作成の手引では、安全管理の対象項目の中に、窓からの転落の危険性、戸棚、ロッカーの転倒、移動防止の有無というものが入っていながら、今回事故調のほうで調査をしてくださった結果、点検表で窓からの危険を項目に入れているところが14%しかなく、棚やロッカーの転倒の危険を、その項目に入れているというところが20.8%しかないと、これについて、委員長は、どのようにお考えでしょうか、何が原因だとお考えでしょうか。 -
答
(中川委員長)
なぜ文部科学省で、学校側の対応が遅れたかという原因は、今回調査しておりませんから分かりません。分かりませんが、私たちが感じることでありますけれども、現場が気をつければ足りると考えていたのかもしれません。窓から落ちるなど、あり得ないでしょうという感覚で、それは落ちる人の不注意だという、安全の考え方からすると、かなり古い考え方が維持されていた可能性はあると思います。ここは分かりません、推測ですけれども。 -
問
それで、この報告書に、実は事故情報の共有を入れるべきではないかと思ったのです。学校の先生たちとかも、保育の現場のどなたも、子供の命は一番大事にしたいと考えていらっしゃると思うのです。
それで、やはり窓からの転落死亡事故があるということを、先生たちが知っていたら、これが学校の点検項目から勝手にゆがめられて、窓の汚れを見たりとか、そういうことにはなり得なかったのではないかと。まず、学校の先生たちが、学校で起きた死亡事故とか、事故の情報を伝えられていないのではないかと、そこに一番大きな原因があるのではないかなと思ったのが一点で、その事故情報を、このマニュアルのところに、本当にこのマニュアルをこのままデータ化してチェックしてもらってもいいぐらい、実はマニュアルはよくできているのに、それが学校の現場で点検表になるときに落ちてしまったというのは、このマニュアルに事故情報のデータが入っていれば、こんなことは起きなかったのではなかったのかと、ちょっと思ったのですが、いかがでしょうか。 -
答
(中川委員長)
情報共有されていないことが原因の一つである可能性は、もちろんあります。今日それも議論になったのですけれども、今回、主要な原因の一つという言い方をしているのですけれども、原因はこれだけではない、そもそもそこに置いたということが原因だとか、あるいは窓の前に棚を置いても大丈夫だと思ってしまうというところが、その安全意識のなさというのが一つの原因かもしれませんし、それから、情報共有されていなかったということも原因だと思います。
ただ、では、情報共有されれば本当に動くのかとなると、どのように情報共有するのか、それは、また、教職員が持つべき情報はたくさんありますので、その一つとして紛れてしまうこともあるだろう。ですので、私たちは今回、特にフォーカスを当てる点として、安全点検をすることになっている、法令上、ずっと安全点検自体の実施率も非常に高いのですね、九十何パーセントと、ほぼ100%近い形で学校現場ではやっておられるにもかかわらず、肝心なことが抜けているのはなぜだろうかということで、安全点検の在り方、それを手法の標準化、そして、外部支援の在り方という形でまとめて、その安全点検にフォーカスしたわけです。これ以外のものに原因がないと言っているわけでもないですし、それから情報共有すれば、もちろんそれは一定程度安全に資するかもしれませんけれども、ただ、情報共有しただけでは多分駄目だろうと。やはり一番ダイレクトに来るのは、法令上義務づけられている安全点検の中身を実質化することだろうと。その実質化についての検討が、今までなされてきた気配がないというのが、私たちの評価です。
(持丸委員長代理)
ちょっと私から補足させていただいてよろしいですか。持丸です。
御指摘のように、窓からの転落が長く起きてきているのに、なかなか現場でうまくいかなかったというのは、この後の情報共有と通じるのですが、例えば、生徒さんが窓から転落してけがをされました、亡くなられましたという情報が共有されたとして、では、うちの窓の下にある棚が問題なのだと思えないですね。これが一番の問題です。窓から転落したという情報は共有されるのですが、窓の下に棚があって、そこによじ登ったから窓から転落できたのだというところまで情報を整理・分析して共有しないと、膨大な事故情報だけではなかなかできないというのが、恐らく実態だと思っておりまして、今回我々がリスクアセスメントという意味で、この分析の工程をしっかり入れて、その情報を標準化するというか、共有しましょうというような形にしているのは、その意味がございます。
もちろん、これから先も事故の収集と、もしくはそういうような形でアクションできるように分析した結果を共有していくというのが、最も有効なのではないかと、そんなふうに考えた次第です。 -
問
分かりました。
ただ、私たちが消費者庁から提供されているような事故情報を、このぐらいのものが提供されれば、明らかに棚に上ったとか、それで落ちたということは分かるはずなので、このくらいのものは、学校で情報共有をしていただくということは重要ではないかと思いますので、御検討いただければと思います。
それから、やはり専門家のところなのですが、今もすごく思ったのですが、V字になっている遊具がいまだに学校にあるというのは、確かに衝撃でした。それで、学校に任せているというレベルではなくて、この専門家を各学校が、お一人お一人頼んで、専門家に来ていただくというのは、もうあまり非効率で、学校現場でもなかなか大変だと思われます。
それで、都道府県なりに、各小中学校は、数が限られているわけですから、専門家を巡回してもらって点検をしてもらうみたいな、その専門家の目が必要なところは、そのくらいのよう提言にはならないのでしょうか。
-
答
中川委員長 もちろん、そこまで言うことは考えましたけれども、ただ、実際その財源をどうするのかとか、それが都道府県によって状況が違うかもしれない、そこまで我々は分からないので、そこは今言った見回りということも含めて、文部科学省、それから各都道府県教育委員会、それから私立の場合は、また別のところが所管しますけれども、そこにおいて、それぞれのローカルに実行可能なものを考えていただく。そこら辺の余裕といいますか、柔軟性はあったほうがいいだろうということで、そこまできつきつに、こうしろというところまでは書かないようにした次第です。
(記者)
ありがとうございました。 - 問 すみません、紙が見られないという前提に立ってしまうので、できれば、委員長に説明を、事故件数の数値の分析のところも、ぜひ、今述べていただければと思うのですが、いかがでしょうか。
-
答
(中川委員長)
事故件数の数値ですか。
まず、事務局からお願いしましょうか。そうか、皆さん全然ないのですね。事前記者レクでもなかった。 - 問 いや、聞いてはいるのですけれども、どこまでを出していいのか。
-
答
(中川委員長)
だから記者レクした内容は出してもらっていいのではないかと思うのですけれども、ただ、外部人材をどの程度、どのように活用するかの表現振り、具体的なニュアンスといいますか、そこをどう書くかというところだけが残っているので、逆に言うと、今、皆さんが持っていらっしゃるものは、2の箇所が変わるということではない。だからそれを書いてもらっていいのではないかと思うのですけれども、どうでしょうね。
(事務局)
事実関係は別に変わるものでございませんので。
(中川委員長)
事実関係も分析も変わらないので、その意味では決定としてもいいのですけれども、決定と言ってもよかったですかね、これだったら。
ただ、今日文書を公表できるわけではありません、ちょこちょこどこに修正が入るか分からないからと、それだけの話ですので、内容が変わるものではないということですから、そういう理解でいいですかね。私はそう思っていたのですけれども。
(事務局)
大丈夫です。
(中川委員長)
記者レクのものを出してください。 -
問
ありがとうございます。了解です。
その上でなのですけれども、意見についても、報告書が取りまとまった上で意見というものが出てくると理解しているのですけれども、先ほど委員長がおっしゃられた文部科学省に対する意見というのは、それは報告書の公表後という理解なのか、今おっしゃっていたのは、意見自体は先に言ってしまおうというようなことなのか、その辺りはいかがでしょうか。
-
答
(中川委員長)
意見も含めて、意見は文部科学省に対して、先ほど言った2本柱ですね、安全点検の改善、すなわち、手法の標準化と、それから担い手の支援、もう一つの柱が緊急点検、これは何も変わっていません。
それで、外部人材の書きぶりは、意見には、緊急安全のところで何も触れていないので、そこに何かを書くかな、みたいな感じなのですね。ですので、その意味では、報道に関しては、そこはあろうがなかろうが、多分関係ないと思いますので、そこだけなのです。だから、意見も全部決まっていますし、何ら変更もないということです。そのまま出していただいて構わないです。 - 問 文部科学省に意見を求めるタイミングだけ、もうちょっと細かくの確認できますか。
-
答
(事務局)
それは、報告書の公表と同時でございます。今日ではないです。 - 問 了解です。今の意見も、報告書が近く公表されて、委員長一任で取りまとめられて、公表されて、それに合わせて意見も通知されると、そういう理解で合っていますでしょうか。
-
答
(事務局)
ホームページに公表したときが期日になります。 - 問 ありがとうございます。すみません、基本の確認で、その上で、すみません、改めて、中川委員長に大変恐縮なのですけれども、今回目をつけたのが安全点検だったかと思うのですが、一方で、事故として上がってきたもの全てが、安全の分析ができているわけではないと思うので、事実確認だというところまではされたと思うのですけれども、安全点検が徹底されれば、この事故は防げたと考えていいものなのか、さらには、安全点検をすれば、恐らく十分だとは、私個人は思わないのですけれども、やはりさらなる徹底の、いわゆるこの報告書を踏まえたマインドチェンジをした、さらに先の安全対策の追求みたいなところを、やはり事故調としても考えていかれているのか、その辺り少しメッセージがあれば、教えていただけないでしょうか。
-
答
(中川委員長)
主要な原因と言っているということは、ほかにも原因がある。例えば、簡単なのは、子供たちが窓際でじゃれ合っているのを止めないとか、そういうこともあるわけですけれども、安全点検が実効性を持って行われていないことが、少なくとも寄与はしているはずであると、事故が減らないことについて、そういうことを今回やりました。
これは、結構かなりの文化の変革だと思います。学校安全をどのように考えるか、それは、単に、現場の皆さん頑張ってくださいでは駄目だ。具体的に何をするのか、それを誰がするのかというようにシステマティックに考えていきましょうという意味では、労働安全的に学校安全も考えていくという意味で、文化の変革に近いものがあると思います。これは、かなり大変だと思いますので、フォローアップ自体も我々も随分長くやっていかなくてはいけないのではないかと考えております。
うまく安全点検が軌道に乗ったとして、ほかの要因があるか、それは、もちろんあり得ます。あり得ますが、今のところ、具体的にこれを次に取り上げようと考えているものはありません。今のところは、まずは安全点検を、相当な変革ですので、これをいかに軌道に乗せるかということが最大で、これでかなり改善はあるだろうと。もちろんそれで全てではないと考えています。
(持丸委員長代理)
部会として、まさしく委員長のおっしゃった4つぐらいのステップなのですけれども、まず緊急、とにかく今、目について、いろいろなところにあって、地震やら、ふだんの生活とかで重篤な事故が起きそうなところは、急ぎ塞ぎましょうと。これは先ほどのですね。
次に、しっかり安全点検をやると、恐らく今たくさん起きている事故の大きなところは抑えることができるようになるでしょうと。ただ、これは1年とかかかるかもしれません。この安全点検の担い手をどうするかとか、そういうのがいきますから。
それをやりながら、3番目を我々はすごく期待しているところがありまして、いかに、専門的には安全文化というのですけれども、こういうのを見たら危ないと思えるとか、こういうのを放置しておいたらいけないと思えるとか、そういうようなことが、組織というのは、先生方だけではなくて、もうちょっと言うと、生徒さんも含めて、そういうのが醸成されてくるというのは、結構大事なことなのですね。
そういう中で、相変わらず残念ながら、まだ残る部分があると覚悟はしております。これは2つのものがあって、マイナーな事故というのと、それから、例えばちょっと分からないのですけれども、新しくタブレットが入ったりとか、いろいろ教育環境が日々変わっていきますので、それによって新しい事故原因が生まれてくるということも当然あります。
ただ、今、物すごくたくさんあるやつをどこから潰そうかと言っている話を、まずは急いで潰す部分と、大きく潰す部分があって、担い手が少しずつ変わってきたら、今度は残りのところをどうしようか、こういうようなステップでやっていったらいいのではないかと、こんなような考え方になります。 -
問
持丸先生もありがとうございました。多分、可及的速やかなものと、文化を変えるほどの大きなものというので、逆に言うと2段構えをかなりコンパクトに意見でおっしゃられたのかなと思います。
2点目なのですけれども、可及的速やかに、いわゆる緊急点検のほうなのですが、速やかにというところは書いてありますが、通常だと1年先のフォローアップまで、なかなかウォッチできない状況にもなり得るのかなというところを、少し危惧しているのですけれども、改めて緊急性というところで、明確にいつまでと言いにくいかもしれないですが、やはり、どれぐらいの気概を持ってやってもらいたいものなのか、その辺りはいかがでしょうか。 -
答
(中川委員長)
それは、具体的には、こちらから言いづらいですけれども、普通はすぐですねと、現にある危険ですし、しかも簡単に見て分かるというものに限定していますので、来年度か、今3月ですから、来年度中にはやっていただきたいなという感じはしますが、部会では何か。
(持丸委員長代理)
部会でも具体的な数字はなかなか出せないところではあって、それが、例えば今日預かりになった部分でもあって、緊急点検のところにどれだけ、どういうリソースや、どんな仕組みが投入できるのかということでもあると思います。
ただ、私個人のメッセージとしては、もう日々リスクにさらされていて、いつ起きてもおかしくないという状況で、今日そのことは、皆さんに知っていただいたことにもなるので、とにかく急ぎ塞いでいただきたいというのが、私たちからの最大の思いであります。
もちろん、現場は大変お忙しいことは、私たちもよく分かっておりますので、現場の先生だけに押し付けるつもりは毛頭ありませんけれども、そうは言いながら、とにかく現場でないと分からない部分もありますので、いろいろな知恵を出して急ぎの対策を打っていただければと思います。 -
問
ありがとうございます。
これを最後にしようと思うのですけれども、御遺族の方とかにお話を聞いていると、自分たちの事故が、なぜ繰り返されるのだとか、なぜ自分たちの出来事が取り上げられたのに反映されていないのだということを強くおっしゃられる方もいらっしゃいます。
簡単なことではないというのは十分分かった上で、やはり再発防止、しかも学校という、今回法律で安全が認められ、自然環境より、より高い安全が求められるべきはずのところで事故が繰り返されている。これを、ゼロは無理かもしれないけれども、少なくとも、よりなくしていくために、どうしていきたいか、中川委員長、最後、思いをちょっと教えていただけないでしょうか。
-
答
(中川委員長)
繰り返しになりますが、やはり学校において、単純な危険、スポーツでの事故ではなくて、あるいは難しいことをしていた調理実習とか、そういうときの事故ではなくて、窓から落ちるとか、それから棚が落ちてくるとか、非常に単純な危険について、それを組織として防がなくてはいけないという、システムとして防ぐという感覚が欠落していたのかなと。それは、むしろ子供が気をつけるべきだとか、そういうことを学んでいくのだというすり替えがあったのかもしれない。もちろん、その安全教育の要素はとても重要だと思うのですけれども、自分でまずは危険を認識しようということ。
そうなのだけれども、組織としてシステムを作って防いでいくということ、その際には、教職員に丸投げするのではなくて、ちゃんと誰に何をやってもらうかということも含めて、担い手も含めて考えていくという、労働安全であれば当然やってきたこと、つまり労働者のほうが、むしろ守られていて、児童のほうが守られてこなかった、それはシステムがなかったからだという、これは非常に大きな発見であり、驚きでもあります。自分の学生時代を振り返ってみると、確かに何か子供が気をつければいいなと考えていたかもしれないなと、自分自身が、その意味では学校というよりも、何か日本社会全体が、学校での安全を非常に簡単に防げるものであるように勘違いしてきた。
そのことが、先ほど御遺族の話がありましたけれども、これまで審議の途中で議論になったのですが、各事故案件について、あまり検討がされていないのではないかと。なぜ起きたか、いわば原因は明らかなのですけれども、どうやって防ぐのかというところも、それは気をつければいいのだというので終わってしまっていた可能性が高い。
そういう意味では、やはり文化と言ってしまうと、非常に簡単に聞こえるかもしれませんが、繰り返しますが、教職員だけの話ではなくて、保護者だけでもなくて、やはり全体として、非常に安易に考えてきたことの見直しが必要なのだろうと思います。なかなか一言で言えませんが、でもそういうことであります。
(記者)
ありがとうございます。
(持丸委員長代理)
ちょっと私からも、私は研究者として学校安全をやってきた。
ふじみ野市でプールの事故が起きましたね。あれは、あの前にもたくさん亡くなられているのですね。何であの後、急にプールが改善したのか、ちょうど我々が研究しているさなかでしたので、やはり一つ社会的なショックというのは、大きな引き金になるのだろうと思ったのです。
今回は、そういう意味では、社会的なショックではないのですよ、非常に痛ましい事故1件にドライブされて、今日報告を申し上げているわけではなくて、その他たくさんの事故が起きているのを、今、もうちょっと網羅的に何とかしようということです。
ただ、私としては今日のこの報告、今日は報告書を出しませんけれども、皆さんの報道も含めて、社会的なショックとして、教職員だけではなくて伝わっていくと、アクションが変わってくれるのではないかなと、そんな思いがあります。
すみません、ちょっと個人的な感想です。
(中川委員長)加えていいですか、今まで、まさに社会的なショックというか、私が受けたショックは、労働安全の専門家が学校の現場を見に行ったら、学校は工場より危険だと、この一言ですね。そうだったのというショックです。学校の現状が労働安全の専門家から見えるというところをいかに伝えていただくかということだと思いますね。
(記者)ありがとうございます。 -
問
(記者:アイカワ)
一点だけ確認させてください。
小学校と中学校、4校を訪問されているのですが、この4校の点検表には、窓の転落からの危険と、戸棚の転倒の危険のチェック項目はなかった学校という認識でよろしいでしょうか。
-
答
(中川委員長)
事務局からお願いします。
(事務局)
4校の点検表の内容については、今回公表しているものではございません。
以上です。 - 問 どこの学校でも、こういう状況があり得るというようなことを、きっと示されたのではないかなと思っているのですが、ちょっと4校では少ないと、非常に書きにくいと思いますので、一応、何か発言させていただきます。
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答
(中川委員長)
あえて言うならば、コロナのときに調査しましたので、なかなか協力をしていただくことが難しかったということもあったように、私は記憶しております。
それから、4校を見ただけでも、ここまで危険なのかということで、比較的容易に一般化できたということもあったと考えていいですかね。もちろんたくさん調べれば、よかったわけですけれども、その分だけ、かなり時間がかかっている調査ですので、コロナもありましたけれども、その意味で迅速性とかも考えても、4校で、調査内容から見ても、まあまあ十分かなと思いますが、そう考えていいですかね。
(持丸委員長代理)
すみません、部会のほうでも、4校分の報告を受けて、十分に点検ができていなかった事実はショックだったのですけれども、もう少し調べようかということと、コロナ期で時間がかかると、公表が遅れて、それに伴ってまた事故が発生するのではないかというところのバランスで、今回は4校で、とにかく先へ進めましょうというような感じになりました。 - 問 何か点検表との絡みとかも、本当は明らかにしていただきたいと思いますし、なかなか一般化していますよという説明に対しては不十分だと思いますので、一応意見として言わせていただきます。