記者会見要旨
(2022年12月22日(木) 17:15~17:30 於:消費者庁記者会見室)
発言要旨
(中川委員長)
それでは、本日の審議内容についてお話をいたします。
本日の調査委員会では、報告書についての審議として二件取り上げました。
一つが「学校の施設又は設備による事故等」であります。もう一つが「エステサロン等でのHIFUによる事故」の事案です。
まず、学校事故の事案ですが調査は終了いたしました。現在、報告書の取りまとめ中です。今日も大分議論いたしましたが、もう二回ぐらい会議が必要かなと思いますけれども、年度内の公表を目指して頑張っております。
現状、どんな感じの議論かということをお話しいたします。まずは学校の安全ということにつきましては法律がございまして、学校保健安全法というものがあり、教員が中心になりますけれども、学校の安全点検は学校において行うという制度があります。にもかかわらず、事故が一定程度起きているということで、我々としては二点考えております。
一点は労働安全との比較です。労働安全での知見を参考に、そのリスクマネジメント、いわば最新の安全の担保の仕方の考え方を学校事故に応用することが重要ではないかというのが一点。
もう一点は、それを誰がするのかということなのですけれども、先ほどの法律上は教員のお仕事になっておりますけれども、御存じのとおり、学校の先生は既に多忙をきわめていらっしゃいます。かつ安全の専門家ではない。教育の専門家であって安全の専門家ではないので、教員に負担をかけるような形での先ほど言ったリスクマネジメントの実施というのは難しいだろうということで、外部の支援も含めたどのような体制で学校保健安全法上の安全のチェックというものをやっていくのか。
この二本立てで報告書を考えようということになっております。
もう一件がHIFUによる事故です。これにつきましては、専門家の協力を得まして追加実験を行いまして、今日はそれについての報告をいただきました。その追加実施によりまして、HIFUを使った施術がいかに難しいというか、非常に狭い範囲で施術をしないと有効でないし、それだけではなくて安全でない。非常に難しいものだということが分かってまいりました。
どういう意味で狭いかといいますと、まず、機器自体の取扱いの難しさがあります。筋膜というようでありますが、皮膚の下、4~4.5ミリぐらいのところにある筋膜にHIFUは超音波を当てて、そして、それを火傷させるといいますか、細胞死させることによって引き締まるという仕組みなのですけれども、そこだけ焼くというのは相当難しいです。何度もやって焼きすぎとなりますし、かといって、出力を上げないと今度は全然効かない。機器自体が非常に難しいものであるということが一点目です。
二点目は、当然ながら人間の体ですから、焼きすぎてはいけないというのもありますし、それから、その側に神経が通っている。ですから、神経を傷つけるおそれがある。これはほんの少しでも超音波で影響を与えると、非常に大きな影響が広範囲にわたって出てくるということで、大きな危険と隣り合わせである。ですから、神経細胞がどこに通っているかということを知っている、解剖学の知識があるということは医師ということになりますけれども、そうでない人が使うと非常に危ない。この二点です。
これらの実験成果を得ております。そうすると、今のところ我々としては、このような施術をするためには、まずは解剖学、どこに神経があるのかということが分かっているような医師である必要があるのではないか。また、医師であればいいというわけではなくて、先ほど言いましたように、HIFUの機器自体を厳密に理解した上で使わないと危ないということですので、機械の原理をよく知った人でなければいけない。この両方の要件を満たさなくてはいけない。片方では駄目だと今考えているところです。そのような観点で、今後、報告書をまとめていこうと、今のところはそういう議論をしております。
以上が、本日の審議・意見です。
本日の審議ではないのですが、先月、記者会見で発表申し上げましたトランポリンパークの事故の報告書がその後どうなったかということです。先月の記者会見で、委員から意見が出たので、もう少し詳しく書いたほうがいいということになったので、予定は年内でしたが年内は無理ですということを申し上げました。その際もしかしたら、12月にうまく出せるかなということを申し上げましたけれども、先ほど言いましたように、本日はそもそもトランポリンパークを扱っておりません。書き直しにまだ時間がかかるということでしたので年内は見送りまして、しかし、年度内には出そうということでいます。ですから、今のところ、トランポリンと学校事故を年度内に出すということで頑張っているところです。
以上が本日の会議及び関連する報告書についての発表ということになります。
続いて、部会の動きについて、委員長代理からお願いいたします。
(持丸委員長代理)
持丸です。まず、製品等事故調査部会、こちらは今、話のありましたエステサロンでのHIFUの事故の報告書に向けた審議、それから、木造立体迷路の床板が落ちたという事故、こちらも報告書に向けた審議、それから、幼児同乗中の電動アシスト自転車の事故、これは以前に報告書を出しているのですが、こちらのフォローアップに関する審議を行いました。
それから、私が部会長を務めるサービス等事故調査部会で、これも本日議論いたしました学校の事故の報告書に向けた審議を行いました。今、委員長からお話がありましたように、トランポリンパークはサービス部会なのですけれども、今回はトランポリンパークの審議はサービス等事故調査部会で行ってないです。こちらも次回ということになっております。
私からは以上です。
質疑応答
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問
共同通信のイケガミです。お話をありがとうございます。
今の学校の設備の事故について聞かせてください。外部支援も含めてどういうチェックをやっていくかというところが二点ある重要な点の一つになるということなのですけれども、報告書では実際に、こういうところに安全点検みたいなものをお願いしたらいいのではないかという具体的な組織だったり団体だったり、そういうところも入ってくるのでしょうか。 -
答
(中川委員長)
これは持丸委員、お願いします。
(持丸委員長代理)
報告書のほうでは、幾つか例を出せるのではないかなと思っております。というのは、ただ、アセスメントしなさいと言われても困ってしまうし、外部を自分で探しなさいと言われても困ってしまうので、そこにしなさいということではないですけれども、少なくともこういうところでは、ある程度できるのではないかというようなことは記すことができるのではないかとは思っています。 - 問 ありがとうございます。
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問
NHKのシマダです。今後のスケジュールについてお尋ねします。
学校のほうはあと二回ほど会議が必要なのではないかというお話があったのですけれども、HIFUのほうの見通しも先ほどの話だとかなり専門的なところまでいって、年度内というのはどのぐらいになるのかなというのが。 -
答
(中川委員長)
HIFUは年度内ではないです。 - 問 年度内は何でしたか。
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答
(持丸委員長代理)
トランポリンパークと学校です。 -
問
分かりました。ありがとうございます。
あと、木造迷路の件ですけれども、これの進捗具合はどんな感じでしょう。 -
答
(持丸委員長代理)
今事故原因のところはいろいろと調査が進んでおりまして、一方で、屋根がないからこれは見られないのだとかいう辺りをどう扱っていくのか。実は何でも屋根がないから見られないということでもなくて、立体駐車場とかは屋根がなくても構造物として建築基準法に入っているものもあったりするようで、そういう辺りも含めて、どういう形で事故の意見をしていくかという辺りも議論をしているところです。大分事故原因のところは見えてきた。当たり前ですけれども、雨で腐っているということが全てなのですけれども、それに対して、どうやって再発を防止して、それをどうやって意見していくのかというところは、もう少し時間かかるような気がします。 - 問 分かりました。ありがとうございます。
- 問 フジテレビのフジムラです。そのスケジュール感についてなのですが、具体的に日にちが分かっていれば教えていただきたいと思います。木造立体迷路の次回の会合というのはいつになりますでしょうか。
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答
(持丸委員長代理)
これは次回、製品部会で扱いますか。
(事務局)
製品部会はやらないです。今、調査の結果が出るのを持っている状況です。
(持丸委員長代理)
そうすると、次回、一月の会では恐らく扱えませんので二月、もしくは三月の会で、今、前回出た意見を受けて調査結果を出してという感じになる。だから、もう少し時間がかかります。 - 問 承知しました。ありがとうございます。
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問
たびたびすみません。共同通信のイケガミです。
消費者庁とこども家庭庁準備室のほうで話があったのですけれども、ゴーカートの事故についてです。あちらで取組というのをされていて、事故調として調査するかは、こちらに一任するようなことをおっしゃっていまして、今もお話があったように、多分いろいろな案件の調査を同時進行している中だと思うので、なかなかすぐにという形にはならないと思うのですけれども、今は考えてらっしゃることとか、あるいは考えていることに変化というのはあったりしたのでしょうか。
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答
(中川委員長)
今のところ、我々はほかの省庁を見ているという段階です。なので、具体的に出張っていくべきだとか、そういうことは考えなくて、委員会としてはまだ話題になっておりません。 - 問 ありがとうございます。