文字サイズ
標準
メニュー

記者会見要旨
(2022年3月24日(木) 12:20~12:40 於:1214会議室)

発言要旨

(中川委員長)
お待たせいたしました。記者レクを始めさせていただきます。
本日は、まず、設立10周年に係る報告書について、公開で審議いたしました。消費者安全調査委員会は、本年10月で設置から10年の節目を迎えます。そこで、これまでを総括し、10月から始まる次期、第6期以降の調査委員会の在り方を検討することとしております。本年夏頃までに報告書を取りまとめたいと考えております。
本日の委員会では、報告書の枠組みについて議論いたしました。現在私たちが考えている枠組みとしては、まず、これまで10年間の活動内容の要約をするということ。ただ、これもただ単なる羅列的ではなくて、傾向の変化、あるいは新たな取組といった形で、分かりやすくビビッドに何か要約をしていくということを考えております。
もう一つは、10年前に設置された以前に、その調査委員会の事故調査機関の在り方を検討する検討会が設けられました。その在り方検討会で議論していた諸問題、あるいは課題というものを、その後の10年間でこの安全調査委員会がどのように処理をしてきたか、あるいは課題としてまだ残っているのか。そういった形で、在り方検討会と現状を比較するというのが2番目の柱です。
3番目は、この10年間に起きた様々な環境変化です。簡単に言えば、デジタル化、グローバル化ということです。今日の後でお話をするネオジム磁石についての報告書がまさにその典型例なのですけれども、その在り方検討会の時期というか時代には考えていなかった事故の起こり方、あるいはその対策の考え方とかというものについて私たちは工夫をしておりますので、そういった環境変化への対応をどのようにしてきたのかということが3番目の枠組みとして現在立てております。
最後に、委員会が打ち出した新機軸と申しますか、発信力の強化というのが一つあります。これは設置当初は、私たち委員会は行政機関に対して意見を言うものであるという、対行政機関の組織という形で設置されたわけですけれども、その後、やはりそれだけでは十分ではないということで、直接、消費者の皆様に注意喚起等をここ数年行っております。そういった発信力の強化であるとか、あるいは連携ですね。他の事故調査機関との連携について強化する。
それから、連携といってもやはり役割が違いますので、何が一緒でどこが違うのかといったところを明確にしながら、その連携をさらに進めていくということを現在やっていますけれども、それを少し意識的に今後の委員会に生かしていただきたいということ。
それから、これも最近始めておりますが、事故が多発する前に、先にもう調査を開始すると。できれば我々の調査結果を用いて、製品あるいはサービスの開発をしていただきたいと。そのような、かなりこの前段階から調査に入ると。このようなことも私たちは新機軸としてやっています。ここ数年やっていますので、そういった新たな打ち出しというものもまとめておきたいと考えています。そのような形で最終的にはまとめとして求められる役割ということを報告書として整理したいと思っています。
まだ本日はその枠組みといいますか、柱立てを議論したにとどまりますけれども、柱立ての段階で皆様にもこのような形で私たちが今、どのように自分たちを認識し、そして、その次の委員会にバトンを渡そうとしているのかということお伝えしておきたいと思います。
以上が、10周年に係る報告書についてです。
次に、ネオジム磁石製のマグネットセットによる子どもの誤飲事故について、事故等原因調査報告書を決定いたしました。当報告書は、2020年11月に調査委員会に申出があった案件を機縁としたものです。
マグネットセットというのは、パズル、あるいはおもちゃとして、主にインターネットモールで容易に購入できる製品です。しかし、極めて危険性の高い製品でもあります。複数個の磁石を誤飲した場合には、磁石同士が胃や腸の壁を挟んで引き合い、最悪の場合は死に至るという製品です。
こうした危険性が十分に認識されておらず、今後の事故の増加も考えられることから、2021年6月に調査を開始いたしました。したがいまして、9か月余りで今回は報告書を出しました。
既に2018年4月に国民生活センターから、幼児が複数の強力な磁石を誤飲することの危険についての注意喚起はございました。しかし、事故は継続して発生していますため、抜本的な対策が必要と考え、当委員会において取り上げることにいたしました。
調査の結果、事故原因を次のようにまとめております。
マグネットセット磁石の誤飲を周りの大人が注意することで十分に防止することは、子供の行動特性上、困難である。その一方で、マグネットセットの製造、販売、輸入等を規制する法令が日本には全くないということが事故原因の一つである、あるいは最大の事故原因であるというふうに考えるに至りました。
そこで、事故の再発を防止するため、調査委員会は次のとおり意見をすることにいたしました。
まず、経済産業省に対しては、マグネットセットが子供の手に渡らないよう、2つのことを求めることにいたしました。
第一に、法令による規制を検討すること。すなわち、マグネットセットの製造、販売及び輸入等について、法的な規制を検討することです。
第二に、法令による規制、これは検討に時間がある程度かかってしまうところはやむを得ないのですけれども、法令による規制の開始前であっても、マグネットセットの販売の場を提供するインターネットモール事業者に適切な措置を取るよう協力を求めることです。
この2点を経済産業省への意見として取りまとめました。
また、消費者庁へも2つの意見を取りまとめました。
1点目は、医療機関及び医師からの事故情報の収集体制の強化に努めることです。今回、この事故情報は、我々の消費者庁が持っているデータベースに入っていなかったということで、事故情報の収集体制の強化について検討してほしいということです。
第2点目は、マグネットセットを含む磁石製品の誤飲の危険性について、関係省庁とも連携し、消費者への周知を行うこと。既に行っていただいていますが、さらに幅広にやっていただく。
この2点を意見として取りまとめをいたしました。
以上が、ネオジム磁石製のマグネットセットによる子どもの誤飲事故に係る報告書の決定についてです。
そのほか、本日は、除雪機のフォローアップについても検討いたしました。これは、歩行型ロータリ除雪機による事故、2019年5月のフォローアップですけれども、経済産業省及び消費者庁に意見具申をし、その後の取組状況を確認いたしました。
その結果、情報提供の共有の促進であるとか、あるいは事故リスクの周知、これはいずれも経済産業省に対する意見ですが、この2点についてはフォローアップを終了してもよいのではないかと。
また、消費者庁に対して意見をした情報収集の促進等、こちらのほうもフォローアップは終了してよいのではないかと。
他方、最も重要な意見ですけれども、設計における対策の実施についてはまだまだ検討すべきことが残っているということで、こちらはフォローアップを継続するということにいたしました。
その他ですが、本日は、学校の施設または物品により発生した事故等の調査報告書の概要案を検討しました。
私からは以上です。
では続いて、部会の動きについて、委員長代理から引き続きお願いいたします。
では、持丸委員長代理からお願いいたします。

(持丸委員長代理)
委員長代理の持丸です。
今日は小川部会長も来ておりますが、ここは私のほうから全部報告いたします。
製品等事故調査部会では、マグネットセットの誤飲事項の調査報告書案並びにHIFU機器による施術事故の調査の実験計画、それから、除雪機の事案のフォローアップについて審議を行いました。
私が部会長を務めますサービス等事故調査部会では、トランポリンパークでの事故の調査報告書の概要案について審議を行いました。
私からは以上でございます。

質疑応答

朝日新聞のカガミと申します。よろしくお願いします。
磁石のマグネットセットのほうで2点ほどお尋ねいたします。
意見の(2)ですが、インターネットモール事業者への協力の求めということで、子供の手に渡らないような協力をということですが、可能な範囲でもう少し具体的にどういうことを求めるのかという辺りを教えていただければと思います。

(中川委員長)
この件につきまして、具体的にどのようにするかは経済産業省において検討していただくことになると思いますけれども、幾つかの方法はあるのだろうと思います。
一例として、経済産業省が既にインターネットモール事業者と、こういった危険なものについてどのように販売、個人の手に渡らないかというふうな情報共有をするという枠組みがあるというふうに聞いております。
それを使うという手もあると思いますし、それから、施行が今年の何月だったかは正確に覚えておりませんが、最近できた取引デジタルプラットフォーム消費者保護法に基づいて、消費者安全調査委員会、あるいは国センから危険であるという周知が出ていることを基に、消費者庁長官からデジタルプラットフォーム事業者に対して適切な対応、すなわち、こういう危険なものであるということを販売者に書いてもらうとか、そういったことを対応してもらうように要請をするというのが法令上の規定ですが、そういう方法を取ることもあり得ようかと思います。
これは消費者庁からの対応ということになりますけれども、経済産業省におかれては経済産業省の独自のネットワークがあるというふうに伺っております。その両方からお願いをしていただいて、具体的にインターネットモール事業者のほうで何をするかというのは様々あろうかと思います。マグネットセットは、現在、外国事業者からの個人輸入という形で入っているのがほとんどですので、外国事業者にこういうことを書いてくれというのは、なかなか言うことを聞いてくれないかもしれません。ここからは私の想像ですけれども、そうしますと、モール事業者のほうで何かを書くと。注意書きを書くという工夫をしていただくぐらいしか方法がないのかなというふうには思っております。
差し当たり、私からは以上です。

では、またもう一問。ありがとうございます。
今回、法規制ということですが、最終的にはもちろん、子供の手に渡らない状況ということになりますと、もちろんその親御さん、もちろんそこだけはなかなか防ぎ切れないので今回の事態になっておるわけではございますが、一方、まず当然、その親御さんがどう気をつけてもらうかというところも当然あろうかと思いますので、その辺り、消費者の方、親御さん、保護者の方等に向けて、もし訴えたいこと、伝えたいこと、気をつけていただきたいこと等々あったら、そこについても一言いただけますでしょうか。

(中川委員長)
誤飲事故のほぼほぼ全部に共通しているのですけれども、子供は誤飲したからといって親に言わないのです。それから、親のほうも、マグネットが非常に小さいものですので、なくなったということに気づかないのです。なので、気をつけていても起きてしまうし、しかも気づかないということなのです。もっと大きいもので明らかに飲んですぐに苦しくなるとかそういうことであれば子供もじたばたしますし、親も見てすぐに分かるのですけれども、これは非常に気づきにくい。子供のほうからも発信しないし、親も気づきにくい。こういう特性を持っていることが、このマグネットセットの特徴なのです。
ですから、注意して防げるものではないということを知っていただきたい。非常に危険であると。こういうふうなタイプのものが、子供の手に渡ることはおよそあってはならない。本当に大人だけしかいない環境で、飲み込むこともないという環境で、例えば、飾りとして置くというのならまだ分かりますけれども、しかし、そこにいつ子供が来るか分からないということを考えていただきますと、これは大人としてはどういう対応をすべきか。置かないということしかないのではないかなというふうに考えております。

例えば、子供の手に届くような高さのところには置かないとか、やり方はいろいろあろうかと思いますけれども、要はそのような形でもそもそも物理的に届かないようなところに置くなら置く。基本的にはそういうところには、手の届くところには置かないと。そういうふうなことが大事ですという、そういう理解でよろしいでしょうか。

(中川委員長)
子供の手に届かないところというのは、大人はそう考えるのですが、意外に子供は工夫するのです。なので、手に届かないというのは、恐らく、それは失敗のもとですので、望ましいことは、もう置かないということだと思います。あるいは本当にケースに入れてしまうとか、あるいは本当に大人しかいない場というのであればですけれども。職場はそうかもしれません。本当に細心の注意を払わないと、子供はいつやってくるか分からない。そして、子供は本当にいろいろな工夫をする。そうすると、マグネットセットは存在すること自体が極めて許容範囲の狭い製品であるというふうに私たちは考えています。法令規制を求めるというのはこの調査委員会としては珍しいというか、多分、最初かそれに近い例です。いろいろ技術基準をつくってくれと言うことはありますけれども。JISとかですね、しかしマグネットセットは輸入販売等の業界団体もありませんし、個人輸入ですから、およそ誰に対して何を言えばいいか分からないような、しかし、事故は確実に起きるというタイプです。消費者に注意いただきたいことは、これが極めて危険だという認識をまず持っていただくということだと思います。だから、子供の手に届かないというだけでは甘いというふうに考えていただきたいと思います。

子供がいるところ、来るところにはもう置かないということですね。

(中川委員長)
おっしゃるとおりです。

ありがとうございました。
読売新聞のイシイです。
今の、子供の手に届かないだけでは不十分だとおっしゃいましたけれども、これは現状、おもちゃとして売られていて、中には、その親御さんが小さい子供向けに与えている例もあると。そうなった場合に、例えば、本当に危ないと思ったら、極端な話、もう捨ててしまうとか、要は、確実にこれを捨てるということも親の選択肢としては必要だったりするのでしょうか。つまり、手に届かないところに置かないというだけでは甘いということなので、もう家の中から子供用で買ってしまった、既に買ってしまった親御さんに対しての何か明確なメッセージがあれば教えてください。

(中川委員長)
玩具としては適切ではありません。玩具ではないと考えていただければいいかと思います。なので、捨てていただくのがまさに一番、捨てていただくないしは誰か大人しかいないという安全な人に譲っていただくということで、子供の周辺からは完全に除去していただくというのが適切な対応かと思います。

(持丸委員長代理)
すみません。持丸からも一言。
委員長と同じ意見なのですが、そのときにインターネットで再販をしようということを考えますと、次に買う方はよく御存じなくて、ああ、こういうのが今最近、インターネットでいっぱい出ているなとか言って買ってしまうかもしれませんので、もう玩具ではないという考え方で、大人としてきちんとした処分、処置をしていただくというのがよいかなと思います。

分かりました。ありがとうございました。
もう一点の、法規制のところについて教えていただきたいのですけれども、いろいろ、報告書の23ページなどで、消費生活用製品安全法などもあるけれども、直接の目的とする法律ではないとか、また、製造、輸入、販売を規制する法律は存在しないということがありますので、委員の中でのいわゆる法規制というのは、これは具体的にはこの製安法の特定商品に指定して規制するという、いわゆる省令レベルで行うべきということなのか、今ある法律を改正して何かすべきということなのか、それとも、新法を作って規制すべきということなのか、法規制というのは具体的にはどういう議論を。もちろん経済産業省のほうで決めることではあると思うのですけれども、事故調の中ではどのような議論があったのでしょうか。教えてください。

(中川委員長)
今おっしゃった3つの方法、新規立法、既存法律の改正、それから、既存法律に基づく省令の改正、全て選択肢です。どれかでなければいけないということは全くございません。
先ほど申し上げましたように、子供の玩具としてこの製品が売られないということを実質的に確保できるのであればどういう方法でも構わないというふうに私たちは考えております。
消費生活用製品安全法の指定というのは、それはもちろん一つの候補としては検討いたしておりますけれども、そちらはもう経済産業省のほうで御検討いただくことです。様々な検討事項がございますので、実質的に子供の手に渡らない、玩具としてこういうものが流通しないということを実現するには何が一番いいのかというのはなかなか難しい問題です。工夫をいろいろしなければいけないと思いますので、私たちとしては、この法律でこのようにしてくださいということは一切注文をつけない。そこはもう全て経済産業省に御検討をお願いするというスタンスです。

分かりました。ありがとうございました。

(司会)
ほかにございますでしょうか。よろしいでしょうか。
よろしければ、これにて記者レクを終了いたします。ありがとうございました。

(中川委員長)
どうもありがとうございました。