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記者会見要旨
(2022年2月28日(月) 12:10~12:20 於:1214会議室)

発言要旨

(中川委員長)
本日、公開ヒアリングを行いました。
令和3年2月に追加意見を述べたマンションの機械式立体駐車場で発生した事故のフォローアップとして、国土交通省に出席いただき、調査委員会からの意見に対する取組状況について、公開のヒアリングを行いました。
国土交通省からは、対応状況の説明として、1点目に、機械式駐車装置の安全機能に関する認証基準の見直しをしたとの御回答がありました。
これはワイヤロープの強度、安全性に関する認証基準です。今回、追加意見を出すきっかけとなった事故は、ワイヤロープの使われ方が非常に特異なもの、非常に引っ張り力がかかってくるような構造のものでした。そうした構造のものについては、質量による荷重に加えて、通常使用時に発生する荷重、すなわち引っ張り力が非常にかかってくることもあることを考慮した別途の認証基準をつくるということで、認証基準の改正をしたと御回答でした。
もう一つの御回答は、保守及び保守点検に関する課題の対処です。「機械式駐車設備標準保守点検項目」の見直しを行い、ブレーキについては消耗する部品の直接的な点検や制御装置の作動点検などを具体的に明示する、ワイヤロープの点検を追加項目にする形で、点検の充実を行うことになったとのことでした。
その他、幾つか御説明いただきましたが、いずれも意見に対して対応した旨の御回答をいただきました。
これらのご回答について、どのように我々で評価するかは、本日は時間がなかったので、検討しておりません。次回以降、どのように評価するかを検討し、国土交通省にお伝えすることにしたいと思います。
フォローアップとして、もう一件取り上げました。電動シャッター動作時の事故についてのフォローアップについては、今回で一つの区切りとして、意見先省庁の取組状況の確認を終了することを決定いたしました。
本件は、車庫の電動シャッターに挟まれて重傷を負った事故について、調査の申出を受け、平成29年7月から調査を開始したもので、平成30年9月に報告書を公表いたしました。
事故情報を収集した結果、何らかの理由で、被災者はシャッターカーテン下部にいる状態で、シャッターカーテンが降下し続けた事故と、チェーンが切れたことでシャッターカーテンが落下した事故が発生しておりました。
原因として、前者は、シャッターカーテン下の障害物を感知する装置が設置されておらず、または設置されていたものの作動しなかったこと,後者については、設置から年数が経過しているものの、点検が十分にはされていなかったことが考えられます。
そのため、経済産業省に対し、第一として、新しく設置される電動シャッターへの安全装置の装備の徹底と、既に設置されているものへの安全装置の付加、2番目に、リモコンの安全性を高め、その動作性能をJISに規定すること、3番目に、操作位置からシャッターカーテン下部の視認性の確保と、既設シャッターで視認性が低い場合、ミラー等の設置を促すこと、4点目として、保守点検を促すことを求めました。
消費者庁には、消費者への既設シャッターの危険性や定期点検の必要性の周知、製造業者等への相談等、具体的な行動を取ることを促すことを求めました。
この結果、経済産業省では、JISを令和2年8月に改正したほか、日本シャッター・ドア協会に対して状況把握を行い、協会会社の全製品の安全装置はJIS改正基準で対応されることを確認したとのことです。
また、消費者庁では、平成30年10月のプレスリリース「電動シャッター動作時の事故に注意!」を発出したほか、地方公共団体に平成30年10月付通知で、消費者への通知を依頼しました。
同種類似の事故の発生状況を見ますと、シャッターによる挟まれ事故は、国土交通省に報告された事故情報で、平成30年度から令和2年度で死傷事故がないこと、事故情報データバンクに報告された事項は、報告書の公表後、4件登録されておりましたが、同種類似の死傷事故はなかったということです。
以上から、当委員会では、フォローアップの一つの区切りとして、意見先省庁の取組状況の確認は、今回で終了することにいたしました。
もちろん、同種類似の事故の発生状況は、継続的に注視しておりますので、必要となれば、追加調査を行うこともあり得ます。その意味でのフォローアップは行っていきますが、意見先省庁の取組に関するフォローアップのほうは、今回で一区切りとしたいと考えております。
本日の委員会では、そのほか、ネオジム製磁石のマグネットセットによる子供の誤飲事故の調査報告書の審議などを行いました。
以上が、本会議でございます。
続いて、部会の動きについて、委員長代理から説明をお願いいたします。
よろしくお願いします。

(持丸委員)
委員長代理の持丸でございます。
製品等事故調査部会は、マグネットセットの誤飲事故の調査報告書案、並びに今、話がありましたマンションの機械式立体駐車場の事案のフォローアップについての審議を行いました。
私が部会長を務めますサービス等事故調査部会は、フォローアップの案件2件、水上設置遊具の事案のフォローアップ、並びに住宅用太陽光発電システムの事案のフォローアップについて審議を行いました。
私からの報告は、以上でございます。

質疑応答

朝日新聞のカガミと申します。
2点確認させてください。
今頂いた紙は、1枚目及び裏の要旨までは既に公表されている内容で、その後の動き及び3ページ目の発生状況は、今日新しいという理解でいいですか。

(中川委員長)
2ページまでが。
3ページ目が今日新しいかということですか。

そうですね。
どこまでがこれまでに出ていて、どこが今日新しいのかというところです。

(事務局)
事務局より御説明します。
事案の概要の結論、委員会の意見としては、既存の資料でございます。
その後の内容につきまして、四角で囲んでいるところは、新しいところでございます。
もう一ページの事故の発生状況については、最新版の事故情報の収集でございます。
以上です。

つまり、2ページ目の下段と3ページ目が新しいということですね。

(事務局)
そうです。そのような理解で。

一定程度安全対策がなされているということで、このたび、終了するという理解でよろしいですか。

(中川委員長)
はい。
今日は、公開で初めて国土交通省からこのように対応していると意見を聞きました。それで十分かどうかは、時間の関係で今日議論できなかったので、次回以降の委員会で議論するところです。

あともう一点。
今、磁石のお話が出ましたが、そうすると、例えば次回、来月等に何か出てくるとか、そんな見通しなのですか。

(中川委員長)
その予定でおりますが、もう一回先となるかもしれません。今のところは、来月、何か言えればいいかなというつもりではおります。

なるほど。分かりました。
ありがとうございます。

(中川委員長)
どうもありがとうございました。