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記者会見要旨
(2021年11月25日(木) 12:15~12:30 於:1214共用会議室)

発言要旨

(中川委員長)
よろしくお願いいたします。
本日、まずはマグネットセット周知資料について決定したことをお知らせします。
前回御案内いたしましたが、ネオジム磁石製のマグネットセットによる子供の誤飲事故について、消費者向けの周知資料を取りまとめました。
報告書のほうは現在審議を進めているところでございますが、現在、年末のクリスマスシーズン前でございますので、既に明らかとなっている危険性を先に周知することで、少しでも事故の防止を図りたいと考えております。
周知資料の作成に当たりましては、日本小児科学会から医学的知見を提供いただいております。同学会と連名で周知資料を公表いたします。これは当委員会としては初めてのことです。
この周知資料により、消費者の皆様には、次の危険を知っていただきたいと思います。
マグネットボールやキューブの危険性といたしまして、まずは、一つ一つの磁石が小さく、子供が誤飲しやすいこと、これが1点目です。
2点目は、セットに含まれる磁石の数が多く、一部がなくなっても保護者が気づきにくいということ。
3点目は、磁力が強いネオジム磁石製のものが多く、2個以上飲み込むと、胃と腸あるいは腸管同士を挟んだ状態でくっついてしまい、胃や腸に穴があくなど重篤な被害を生じること。
以上3点です。
国内でも開腹手術や大がかりな処置が必要となった例があり、海外では死亡事故も複数発生しております。このような痛ましい事故を防ぐため、消費者の皆様、特に保護者の皆様には次の2点に御注意をいただきたいと思います。
1点目は、誤飲を防ぐため、小さなお子さんのいる御家庭では、マグネットボールやキューブを子供に触らせない。
2点目は、少しでも誤飲が疑われる場合には、すぐに医療機関を受診することです。
報道各位におかれても、事故の再発防止のため、消費者への周知にぜひ御協力をお願いしたいと存じます。
以上が周知資料に関してです。
その他、本日は、ハンドル型電動車椅子の使用中の事故のフォローアップについて検討いたしました。また、学校の施設物品事故の調査の進め方についても審議をいたしました。
以上が本委員会の概要です。
続きまして、今月の部会の動きについて、委員長代理からお願いいたします。

(持丸委員長代理)
委員長代理の持丸でございます。
まず、製品等事故調査部会です。
こちらでは、今もちょっとお話がありましたが、ネオジム磁石製のマグネットセットによる子供の誤飲事故、並びにエステサロンでのHIFUによる事故について審議を行いました。
マグネットセットについては、今、委員長から紹介のあった周知資料について、どのような内容を盛り込むべきかという審議を行いました。
HIFUについては、HIFU機器の実態調査について、その方法を審議いたしました。
その他、各位に報告書を公表した幼児同乗中の電動アシスト自転車の事故、並びに、平成21年4月8日に東京都で発生したエスカレーター事故のフォローアップについても審議を行いました。
続きまして、私が部会長を務めますサービス等事故調査部会です。
こちらは、調査中の学校の施設または物品により発生した事故と、それからトランポリンパークでの事故について審議を行いました。
学校の事故については、各学校で実効的に安全管理を行っていただくためのモデル作成といったようなものを予定しておりまして、その進め方について審議を行いました。
私からの報告は以上でございます。

質疑応答

読売新聞のイシイと申します。
今回、マグネットボール、キューブの誤飲事故について、こういう周知関係をされるということですけれども、確か6月の第106回の委員会で、この問題について調査を開始したと記憶しているのですけれども、当時からそういう事故がこのように起きますよ、ということは既に言われていましたし、国センも発表されている中で、これまでの調査の中で、例えばどういうことを調べた結果、今回の周知資料のような危険性が明らかになったのかといったところを、記事で説明するに当たって、言える範囲で教えていただきますでしょうか。

(中川委員長)
私から簡単に申し上げますと、これは、事故の原因について、医学的な知見を得るために、日本小児科学会の関係者に御教授いただく中で、明らかなわけです。磁石がくっつくということです。委員会はそこの部分について調査をしているわけではなく、そこは分かっております。しかし危険が周知されていないという危機感を小児科学会と我々は共有しており、連名でこういう周知資料を出そうということになったのです。
とりわけ、今はクリスマス前ですので、ギフト等おもちゃという形で出てくるので、タイミング的にも重要ということになったわけです。報告書の内容の一部を出したというわけではありません。
持丸委員長代理、ないしは事務局から、この関係で詳細なことを御存じの方はいらっしゃいますでしょうか。

(持丸委員長代理)
持丸です。
基本的に委員長と同じなのですけれども、もちろん継続して調査もしていきますが、小児科学会との事実関係、今何が分かっているのかというのと、タイミングがクリスマスも控えているということを考えますと、まずやるべきアクションは周知だろうと。
これも、今までも周知をある程度はしていたと私も理解はしているのですが、改めてこの消費者安全調査委員会から周知を行うということで、できるだけ今後発生する事故を未然には防ぎたいという意図でございます。

分かりました。ありがとうございました。
朝日新聞、カガミと申します。よろしくお願いいします。
2点ほど。
1点目は、これは事務方の方からでも大丈夫なのかもしれませんが、こういった事故のこれまでの件数があれば教えていただきたい。例えば、この何年間でどの程度あるのか、経年変化、最近増えているのか、そういった点がもし分かればというのが1つ。
あと、もう一点、今回注意喚起の対象が、この場合、いわゆる保護者の方へということになろうかと思いますが、例えば販売業者とか製造メーカーとか、そういったところに対する何か、今回注意喚起ないしは求められることがあるのかないのか、その2点をお願いします。

(中川委員長)
まず私からお答えいたします。
事故件数等でございますが、消費者庁の事故情報データバンクシステムでは、2016年以降、マグネットボール、キューブによる子供の誤飲事故の情報が3件寄せられております。このほか、小児科学会の障害速報、Injury Alertでは、7件の事例が公表されていると承知しております。
これは、最近はやってきたもので、今後増えるであろうということから、我々としては早めに、はやり始めの段階で、安全性に懸念のあるものについては調査するというパターンの一つの例として調査を開始したものです。
まず、件数については以上のとおりです。
もう一つ、注意喚起というかメッセージの対象として、保護者以外に、メーカー等に何かないのかということですが、ここがまさに報告書のメインといいますか、我々として製造の仕方とか、そういうことについて何かアイデアが作れないかどうかということを検討しているところです。
ここがなかなか難しいところでありますので、したがって、今直ちにメーカー等に対して何かを伝えるということはできないということです。
委員長代理からはいかがでしょうか。

(持丸委員長代理)
私も基本的には同じような考えで、特に今の件については補足するところはございません。

もしよろしければ、件数を後で細かく聞きたいのですけれども、その辺は対応していただけますか。

(松本室長)
事務局にお聞きください。

それで結構です。ありがとうございます。
読売新聞のイシイです。
2点確認なのですけれども、まず、今回の注意喚起というのが、いわゆる発信力強化の一環であるということの確認と、2点目が、部会のほうで、今回、マグネットボール、キューブとHIFUの事故について審議したという、このHIFUのほうをちょっとお聞きしたいのですけれども、実態調査の方法について審議したとありますけれども、このHIFU機器の実態調査というのは、具体的に言うとどういうことを今後されるのでしょうか。言える範囲で教えてください。

(中川委員長)
1点目は私のほうからお答えします。
おっしゃるとおりです。消費者に対して直接発信するというのは以前私たちはやっていなかったのです。我々は行政機関に対して意見を言う役割であるという理解の下に消費者に直接発信はしていなかったのですが、発信力強化の方針に基づきまして、我々自身も直接に発信するということを始めた、その一環です。
2点目については、これは委員長代理からいかがでしょうか。

(持丸委員長代理)
私から回答します。
実態調査について、調査対象は、事業者だけではなくて、エステティシャンというのですか、つまりその資格を持っていらっしゃる方。事業者からそこへリーチできるケースもありますが、そうではないケースもあると理解をしています。
特にエステティシャンというのは、資格があまり明確ではない部分もありまして、でも、とにかくそういう方々。それから利用者です。それぞれに認識とか経験のこととか、実績とか、そういうようなことをまずは確認をしてみようというような状況でございます。

意識調査のようなイメージでしょうか。

(持丸委員長代理)
意識だけではありません。実態ですので、例えば施術をしたことがありますかとか、受けたことがありますかとかいうような、要するに、受けたいと思っているかだけではないことも聞くことになるのではないかなと。まだそれを検討している段階でありますけれども。

分かりました。ありがとうございました。