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記者会見要旨
(2021年10月29日(金) 16:10~16:28 於:共用第4特別会議室)

発言要旨

(中川委員長)
よろしくお願いします。
本日は、決定事項はございませんでした。
どういうふうな審議状況であったか、概要をお話ししたいと思います。
まず、取り上げたのは、本年6月に調査を開始した、ネオジム磁石製のマグネットセットによる子供の誤飲事故についてです。
報告書の取りまとめは、まだ、先なのですけれども、年末のクリスマスシーズンを前に、その危険性について消費者向けメッセージを公表することが必要であろうと考え、現在、周知資料を作ろうとしております。来月の委員会後に公表することを念頭に、デザインであるとか、何を強調するかを、本日、議論をいたしまして、さらに部会で詳細を検討するということになりました。
次に、フォローアップについても、いくつか検討をいたしました。
1つは、ハンドル形電動車椅子の使用中の事故についてのフォローアップです。これにつきまして、以前、公開のフォローアップを行いました。
今日審議いたしましたのは、厚生労働省に対する質問事項の整理です。
また、前回の公開のフォローアップで国土交通省とお話をしたのですけれども、そこで、我々の意見と、国土交通省のほうのお考えが今一つうまく組み合っていない感じがいたしましたので、今後の進め方について検討いたしました。
フォローアップについては、もう一つ、水上施設遊具による溺水事故についても取り上げました。
これは、以前に水上設置遊具による事故の実態について、事業者団体である日本エア遊具安全普及協会さんに来ていただいて、いろいろお話を伺いました。それに基づいて、フォローアップをどう進めるかについて、まずは、委員の意見をいろいろ伺ったというところです。
本日の本委員会については、以上です。
続いて、部会の動きについて、委員長代理からお願いいたします。

(持丸委員長代理)
委員長代理の持丸でございます。
今月の部会の概要について、御報告をいたします。
製品等事故調査部会では、今もちょっと話がありました、ネオジム磁石製のマグネットセットによる子供の誤飲事故、並びに、エステサロンでのHIFUによる事故について審議を行いました。
ネオジム磁石の件については、本日の委員会に先立って、消費者向けメッセージにどのような内容を盛り込むべきかということについて、審議をいたしました。
HIFUによる事故については、HIFU機器の照射実験の計画について審議を行いました。
その他、過去に報告書を公表いたしました、ハンドル形電動車椅子の使用中の事故のフォローアップについても議論を行いました。
続きまして、私が部会長を務めますサービス等事故調査部会です。
こちらは、今、調査中の事案である学校の施設または物品により発生した事故並びにトランポリンパークでの事故について審議を行いました。
学校の施設、物品による事故については、専門委員が実際に小学校、中学校に出向いて、我々が、今、議論している安全点検チェックシートに基づくパトロールを行い、その報告を受けました。
それを踏まえて、意見をして、点検をするということが、学校における安全管理活動において、どのように進められるべきかということを議論いたしました。
トランポリンパークでの事故について、当初計画した調査項目の進捗状況を確認して、今後の進め方について審議をいたしました。
私からの報告は、以上になります。

質疑応答

NHKのアキヤマです。いつもありがとうございます。
今日は、決定事項はないということだったのですけれども、審議の中の内容で、磁石の件ですけれども、報告書が出る前に、できるだけ必要な注意喚起をされるということの話が進んでいるということですけれども、これは、情報発信の強化の一環ということと理解するのですけれども、それと合わせて、どういう狙いというか、委員会としてどういう意図を持っているのか、委員長、教えていただけないでしょうか。

(中川委員長)
やはり時期的な狙いが大きいです。マグネットボール、キューブ、きれいなものだし、子供のおもちゃにもなる、これからたくさん販売される可能性があります。クリスマス商戦の前に、子供に与えるとどう危険なのかがすぐ分かるような、視覚的に分かりやすい資料を作って、少しでも事故を予防したいということです。報告書の作成にはやはり時間がかかりますので、その間にどんどん事故が起きては元も子もありません。どのように危険であるか自体は、医学的に分かっています。分かっていますので、私たちの調査は、対策をどうすればいいのかに集中しています。調査のほうは、医学的原因ではなくて、法制的な対策といいますか、そういう側面を検討しております。その間に、消費者の皆様には、危険性についてまずは認識していただこう、まさにクリスマス前のこの時期にと、そういう趣旨です。

何かほかの委員の方とかから、こういった取組については、皆さん、前向きに捉えていらっしゃるのか、とはいえ、まだ、報告書がまとまっていない段階での情報発信については、なかなか難しい部分もあるとは思うのですけれども、どういう意味づけを、ほかの委員の皆様は感じていらっしゃったのでしょうか。

(中川委員長)
何を周知するかの内容については、専門家にはもう分かっていることです。そのため、周知すること自体には、全く異論がございませんでした。報告書の内容を先取りするわけではなくて、つまりどのような規制をとるべきかとか、そういうことを周知資料に書くわけではありません。マグネットボールがどのように危険か、たくさんあるので、一つ二つを子供が飲んでいても、子供が黙っていると親も気づかず非常に危険というような内容です。飲むとかなり危険で、腸と腸がくっつくという絵も付してあります。多くの消費者にその認識をまず得ていただかないといけないということは全く委員の間では一致していまして、本日、審議したのは、絵や言葉の使い方です。もう少しこう書かないと目に入ってこないぞとか、もっと端的にとか、そういう、いわば見栄えについて審議をいたしました。

ありがとうございます。
続いて、フォローアップについても幾つか議論がされたということですが、基本的には、次の場面では、公開で行われるということを想定されているのかというところと、あと、持丸先生からおっしゃっていた、今日、本委員会のほうでは、フォローアップはしていないのですけれども、学校事故ですとか、トランポリンについての時期的なめどみたいなものも、もし、分かることがあれば、教えていただけないでしょうか。

(中川委員長)
前者のほうは、ハンドル型も水上設置遊具についても、公開のフォローアップに向けて、こちらから質問を出しますので、その質問をどのように組み立てれば、こちらが聞きたいことが正確に返ってくるか、そういう質問の練り込みというのか、ブラッシュアップをやりました。
それから、ネオジムと学校事故とトランポリン、これは、持丸さん、お分かりでしょうか、表があったのですけれども。

(持丸委員長代理)
学校事故とトランポリンパークは、これは、フォローアップというか、今、調査中の事案なのですけれども、トランポリンパークは、正直、まだ始まったばかりです。調査をどう進めるか、あるいは状況がどうなっているかというのを、今、確認している段階ですので、正直なところ、まだ、終わりが見えません。事故の実態がようやく分かってきて、これはやばいねと、これは非常に危険性が高いねと、恐らくこれから日本の中でも増えていくだろうという懸念は持っていまして、我々としても、事故が頻発する前に何とか出したいとは思っております。
学校の施設のほうなのですが、これは、割と長くかかっておりまして、実は、結構そろそろかなと思っていて、それで実態調査というか、実際にチェックシートを使ってやってみたのですが、やってみたところが、やはりなかなかチェックシートだけ出せばわけではないことが分かってしまったといったらいいのですかね、それを現場で生かしていくことに我々が安全委員会として、ただ紙を出せば、それでうまくいくというわけではなさそうだということで、もちろん、先生方が、大変お忙しいという状況も、よく理解しているのですけれども、少しチェックシートの中身というよりも、どういうふうにそれを現場で届ければ、現実的に安全管理が進むのかというところを追加で議論しなければいけないという形になりまして、こちらも、すみません、ちょっとまだ時間がかかりそうな感じになって、私はそんな感じがしております。

ありがとうございます。
すみません、もう一つ、これは製品部会のほうかと思うのですけれども、ハンドル形の車椅子については、今年に入ってからも、たしか事故でなくなられたケースがあったかと思うのですけれども、先ほど、磁石のほうでいうと、報告書が出ていないけれども、先んじて注意喚起をされて、いわゆる分かっていることであれば、消費者への情報発信が必要だという観点からされるということでしたけれども、車椅子については、もう報告書が出されていて、ある程度対策というのは分かっていらっしゃって、さらに進んだ要因とか原因もあるかとは思うのですけれども、こうした事故が起きたことを受けて、事故調として、改めての注意喚起みたいなことというのは、考えていくというのは、あり得るのでしょうか。

(中川委員長)
一般論ですが、あり得ます。ただ、車椅子に関しては、新たなものが見つかったというわけではないと理解しております。下り坂での事故ですね、下り坂でそのような使い方をすれば、それは転んでしまうでしょうというところでしたので、そういう意味では、新しいものが発見されているわけではない。
ほかにも、例えば、除雪機でいえば、やはり事故が起きておりまして、我々が想定しなかったような要因ではない、やはり、同じ理由で起きているということですので、それは、繰り返し周知するしかないのです。すでに周知しましたが、もう一度するか、また、季節的なことも考えなければいけないと思いますが、ただ、ただ周知すればいいものでもないだろうというところが悩ましいところですね。

ありがとうございます。
また、プールのときもプールの前にですとか、磁石もクリスマス前にと、時期をとらまえた情報発信を委員会のほうからしていただくというのは、我々としても、消費者にとってもとても重要だと思うので、ぜひしていっていただけたらありがたいなと思います。

(中川委員長)
承知しました。

もう一点なのですが、ちょっと先の話にはなると思うのですけれども、今回の審議内容とかとは別なのですが、来年で事故調ができて10年というタイミングになると思うのですけれども、何かそれに向かって、委員の先生たち、何かお考えを持っていらっしゃることというのは、現在あったりされるのでしょうか、ちょっと話が飛んでしまうかもしれないですが。

(中川委員長)
いや、もう10年も経ったかという思いはありますけれども、10年だから何かをしようということは、特には考えていないです。今、調査案件が物すごく多くて、報告書を最近出せていないねという話を、ここでしていたのですけれども、今、物すごく調査案件が多いのです。トランポリンとか、ネオジムとかいろいろなのが加わっていますし、すでに報告書を出したものでもなかなかフォローアップが終わっていないものが多いです。そのため、事務局の負担を考えると、これ以上なにかするのは難しいかなという感じがします。本末転倒になってはいけませんので、今のところ考えておりません。ぜひやれという声が上がってくれば分かりませんが、それよりも着々と事故調査を進めるほうが優先と考えております。

ありがとうございます。
もし、持丸先生も何か10年に向けてというお考えがあれば、教えていただければと。

(持丸委員長代理)
私個人ということになるかもしれませんが、研究者ですので、ここまで扱ってきた案件の特徴があるのだと思うのですね。例えば、すごく施設型の機械、エレベーターとかエスカレーターとか、あるいはコンシューマープロダクトみたいに、例えば、毛染め剤みたいなものもやってまいりまして、それぞれ、その原因の特徴、それから事故の特徴、さらにそれに対する対策の特徴と、あと、実はここではその対策の後、フォローアップしていますので、どういう類いのものに、どういう意見をしたら、どういうことになったのかというのを、少し自分なりに整理をしてみたいなと思っています。
前、何年かどこかで話をしたときも、例えば、業界構造は、結構効くのですね。中小企業が多い業界なのか、大企業がやっている業界なのかというのでも、製品の根元がきゅっといきなり締められるのか、そうではないのかというのが効いてきたりしますので、ちょっと改めて事務局にはお手間をかけませんけれども、整理はしてみたいと思います。個人として。

ありがとうございました。

(中川委員長)
今の持丸委員長代理のお話を聞いて、思い出したことがあります。事務局の手をもう煩わせているのですが、私たちがやってきた事故を体系というか、全体としていろいろな事故の類型に一覧化し、そのうちこれまでこことここを押さえてきました、でもまだこんなものが手つかずで残っていますという、そんな図解ができないかということを考えています、まさに今、委員長代理がおっしゃったことと基本的には同じことだと思います。むろん、委員長代理は、もっと学問的な意味も込めておられると思うのですけれども。
差し当たり、ウェブサイトのどこかに、分かりやすく、どういうふうにすると分かりやすいのかまだはっきりとは分からないのですが、たとえば縦軸、横軸を作って、ここら辺を今までやってきて、ここがまだ、というふうな、私たちの進捗状況が分かるような絵を出せないかという話は、もう1年以上前からやっています。ある程度原案はできているのですけれども、何しろ、これを正確に書こうと思うと、結構難しい話で、逆に分かりにくくなることもありというわけで、どこら辺で妥協するかは、なかなか事務局では悩んでいるのではないかと思います。それができれば、確かに10周年にそれを出しますという手もあるかもしれませんね、今、言われて気づきましたけれども、そういうことは、ぜひやりたいと思っています。

ありがとうございました。
調査案件が、とても大変で、お時間がかかっていたり、労力がかかっているのを十分承知した上で、10年より先に向けた、そのためのこれまでの振り返りというのも、私個人もぜひ知りたいですし、次に向けた何ができるのかという意味で、図解を楽しみにしたいと思います。

(中川委員長)
うまい図解はなかなか難しいのですけれども、頑張りたいと思います。

ありがとうございます。

(司会)
それでは、質問がないようですので、これにて記者レクを終了いたします。ありがとうございました。

(中川委員長)
ありがとうございました。