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記者会見要旨
(2021年3月26日(金) 16:25~16:40 於:消費者庁12階 全省庁共用1214特別会議室)

発言要旨

(中川委員長)
それでは、記者会見を行いたいと思います。
本日の調査委員会では、当委員会が令和2年6月に報告書を公表しました、水上設置遊具による溺水事故のフォローアップを行いました。経済産業省に出席をいただき、調査委員会から具申した意見に対する取組状況について、公開でヒアリングを行ったところです。
経済産業省からは、次のような報告がございました。
令和2年12月25日、安全管理に関する先例事例等を踏まえ、水上設置遊具の安全に関するガイドラインを取りまとめ、公表したということです。
また、令和2年7月9日、応急的な対策として、東日本遊園地協会及び西日本遊園地協会を通じて会員企業32社に対し注意喚起を行い、再発防止策の実施を要請したということでした。
この報告に基づきまして、委員と意見交換を行いました。幾つかのことが確認されました。
私たちの報告書では、事業者に対する指導体制をしっかりと組むこと,および、本質安全を確保するような遊具設計の改善をすること。この2点を中心に意見をしたところです。
それぞれについて、経産省には一定のことをやっていただいたことを確認しました。これをどのように評価するかにつきましては、次回以降の委員会で検討し、後日、結果を経済産業省にお伝えする、そして記者の皆さんにも発表することにしたいと思っております。
本日は、そのほか、自動ドアによる事故の報告書案、新規選定事案候補、申出事案などについて審議を行いました。
以上が当委員会の今日の審議内容です。
続いて、部会の動きについて委員長代理からお願いいたします。

(持丸委員長代理)
委員長代理の持丸でございます。
今月開催いたしました部会の議論を御紹介いたします。
3月は、製品等事故調査部会は開催いたしませんでした。
私が部会長を務めますサービス等事故調査部会はオンライン会議を開催いたしまして、本日議論いたしました自動ドアによる事故の報告書案、並びに水上設置遊具による溺水事故のフォローアップに関する意見の取りまとめ、新規選定事案候補の答申に関する意見の取りまとめを行いました。
私からは以上でございます。

質疑応答

NHKのアキヤマです。
今回、取材のためフォローアップを伺えていないので恐縮なのですけれども、次回、今回のフォローアップを受けた取りまとめの議論をされるということだったのですが、また次の夏というか、今年もまたコロナなのでどうか分からないのですけれども、夏前に何か情報発信をするということがやはり重要なテーマなのかなと思っているのですが、次の取りまとめがどうなるか分からないですけれども、また少し参考になるような情報などは夏前に情報発信されるなどの考えは、委員長はお持ちでしょうか。

(中川委員長)
恐らく次回の4月か5月の委員会までには、こちらの検討結果を経済産業省に出さなければいけないと思います。今日確認できたことは、いわゆる遊園地施設については、少なくともこのような危険があることについては経済産業省から周知できている。消費者にもご理解いただきたいけれども、何と言っても設備の提供者側に危険性を理解していただくことが一番重要ですので、そこはできている。というか、今やっている最中であるということです。そこは恐らく大丈夫だろうと思います。
ただ、今回抜けているのが海とか河川で遊具を使う場面ですね。そこが経済産業省の所管ではないということで、あとホテルのプールは国土交通省の所管になるわけですが、そこら辺に対して至急やっていかなければいけません。どのような方法で周知や指導をすることができるのかまだ分かりませんが、例えば消費者庁にも協力してもらう等を考えながらやっていただくことにはなろうかと思います。
もう一点は、遊具自体の設計、潜り込んでも出てこられるようにというような設計について、私たちの意見ではここを本質安全設計となるようにしてほしいということを求めたのですが、経産省が作られたガイドラインにはそれが書かれていないのですね。その点について今日意見交換をしたわけですが、メーカーのほうで業界団体を通じて認証基準のようなものをつくる動きがあるということでした。国内のメーカーに限っていえば、適切な認証基準が作られるのならば大丈夫ではないかという見込みはある。輸入遊具は別ですけれども。
業界団体がどのような安全基準をつくっているのかはまだ出されておらず作成中だと思います。それを拝見して、それが設計面での安全基準としてよいものであるということであれば、次回以降の記者会見等を通じて公表するでしょう。
ただ、製品の設計の見直しですので、この夏には間に合わないと思います。この夏を考えるのであれば、これは個人的な印象ですが、恐らく使用の仕方をかなり注意していただく。今年は抑制的にしか使わない、基本的には使わないというほうに行くのが筋なのだろうと思います。今後、製品がきちんと設計できるようになれば、というのは来夏以降そうなるのではないかと思います。今年の夏のコロナの状況にもよりますけれども、そういうふうに考えております。

ありがとうございます。
ニッポン消費者新聞の丸田です。
今のお話の中ですが、経済産業省の取組ということでしたけれども、水上設置遊具ですが、この事案については経済産業省だけでしたでしょうか。

(中川委員長)
いえ、文部科学省にも意見をしております。

今日はどういうあれだったのでしょうか。

(中川委員長)
今日は経済産業省のみ報告を聞きました。

もう一つが、新規選定事案候補について議論されたということでした。これは、調査対象の新規事案について何かあったのでしょうか。

(中川委員長)
今のは別のご質問ですね。
新規事案について、候補ですので具体的に何かまだ申し上げられませんが、今日は2件、候補になり得るなというものを選定いたしました。

申出事案についても検討されたということで、この新規のほうは事務局なりの事故情報の収集の、あるいは事務局レベルでの分析のものを出されて、それに対して検討されたということですか。

(中川委員長)
そうです。
もしかすると今まで記者会見で御説明していなかったかもしれませんが、新規選定事案候補と申出事案と紛らわしいのですけれども、申出事案はお分かりですね、申出があった事案を全件検討していくということです。
新規選定事案というのは、申出の状況も考えながらではありますが、我々委員会独自で、こういう事故を扱うべきかを考えて選んだ事案ということです。事故を網羅的になくしていくために戦略的にここら辺の案件から選ぶとか、あるいは申出は少ないけれども、これから増える可能性があるので事故として対応しておくべきではないかというふうに、私たち独自に調査の候補となりそうな案件を整理しております。
それについて優先順位を決めていきます。今回は候補を考えている段階ですので、まずは調査に入るかどうかについての調査、予備調査についてやっていくということを決めたということです。
申出事案と新規選定事案という2本立てで今、掘り起こしという言い方はおかしいかもしれませんが、適切な案件を探しているという状況です。

分かりました。
そうしますと、前に、調査対象ではないのだけれども、消費者に知らせるべきものとして、事務局レベルでの情報提供というのがたしかあったような気がするのですが、そういうものの対象にもなり得るということでしょうか。

(中川委員長)
新規選定事案候補が新規選定されない、あるいは申出から事故調査の対象にならなかったけれども、事務局から注意喚起をするということはあります。事故選定した結果、前回あったもののように、簡易な調査報告書のみでの意見の具申をすることもあるし、昔からあるフルの調査報告書をつけた意見の具申もあります。出口はいろいろあり得ます。

分かりました。
もう一点ですが、自動ドアの本日は報告書案ということでしたが、これはどんな予定でしょうか。

(中川委員長)
これは、あと2回か3回ぐらいかかるのではないかと思いますけれども、持丸委員、見込みはいかがでしょうか。

(持丸委員長代理)
もちろん原因の調査とか再発防止策はおおむね固まってきているのですけれども、具体的にそれを社会のアクションにしていくのに、どこに、何を、特に重点的にどういうふうにリーチしたらよいかというところでまだ少し議論が続いておりますし、もう少しうまい知恵を探していく必要もあるかなと思っています。
既にあるものと新しく設置される自動ドアで、新しく設置されるほうはどこどこに何を言えばきっとこうなるなというのは割と簡単なのですけれども、既に設置されているものをどうするかというのは、今までもエレベーターとか立体駐車場で同じ苦労をしてきたのですが、今回もそこをどうするかというところで、最後いろいろ知恵を出しながら調整しているところでございます。

ありがとうございました。