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記者会見要旨
(2020年7月21日(火) 16:15~16:30 於:消費者庁12階 全省庁共用1208特別会議室)

発言要旨

(中川委員長)
本日の調査委員会では、調査進行中の案件につきまして、2件、検討を行いました。
一つは、幼児同乗中の電動アシスト自転車事故に関するものです。これは、大分調査が整ってきまして、ちょうど最終コーナーに入ったぐらいですけれども、まだ幾つか検討することがありまして、今日は大分いろいろな議論をいたしました。あまりまだ、現時点でお話しできることはないのですけれども、電動アシストだけではなくて、幼児乗せ自転車全体の様々なリスクについて、かなり包括的に調べて報告ができるという状況になっていると考えております。報告書が完成するのは秋口かと思います。
もう一件が、自動ドアによる事故についてです。こちらは、調査をこれから始める案件です。自動ドアにつきましては、JISが2017年にできたばかりであり、ほとんどの自動ドアが何の規制もない状態であるということで、様々な、かつ、新しいJISに適合するためには、かなりのお金といいますか、作業が必要で、そう簡単には既存のものについて、新しいJIS規格に適合することができないという状態で、どのようにその安全性を確保していくかということについて、これもかなり包括的な調査になるのではないかと思います。これについて、実験計画等、様々な検討をいたしました。
本日の委員会では、その2件を中心に検討いたしました。

続いて、今月開催した部会での議論を紹介します。
製品等事故調査部会では、幼児同乗中の電動アシスト自転車事故の報告書案について、事務局から報告があり、審議をしたということです。
サービス等事故調査部会では、自動ドアによる事故などについて、事務局から説明があり、審議をしたということです。
以上です。

質疑応答

ニッポン消費者新聞のマルタです。お願いします。
今のお話の中で、自動ドアについておっしゃっていたのですが、これはサービスの部会だということですけれども、サービスの部会になった理由というのは、どういうことなのでしょうか。

(中川委員長)
そこは私はよく知りませんが、サービス部会は機構的なところもやるのですけれども、サービスの場面からも両方見ているということだと思います。部会の割り振りは事務局から答えることはできますか。そんなにきっちりとルールが決まっているわけではないのではないかと思うのです。

(事務局)
事務局からよろしいでしょうか。

(中川委員長)
どうぞ。

(事務局)
こちらの事案につきましては、現在、実験計画等をしておりますけれども、保守ですとかその辺りも含めまして検討していくということになっておりますので、この辺りも含めて今後検討した上で、再発防止策等を出していくために、サービス等事故調査部会のほうで御審議いただいているというところでございます。

もう一点ですが、幼児同乗中のアシスト自転車についてなのですけれども、この自転車だけではなくて、様々なことについても検討されていると。自転車だけではないというほかの部分というのは、どういう部分なのでしょうか。

(中川委員長)
電動アシストだけではないということです。多分以前にも御質問いただいたと思うのですけれども、電動アシストの利用が非常に増えているということで、電動アシスト自転車に着目して調査を始めたのですが、調査が電動アシストに限定していないことには2点理由があります。
一つは、事故情報データが電動アシストかどうかを判別できないものが多いことです。
もう一つは、実験等をやってみた限りでは、電動アシストかどうかということよりも、もっと別の様々な要因が大きく作用しているらしいということで、電動アシストを含む全ての自転車で幼児同乗中のものの事故、つまり、幼児同乗中の自転車事故全般についての報告書という色合いが、非常に強くなってきているということです。

朝日新聞のカネタです。よろしくお願いします。
直接の質問ということではないのですけれども、先般、水上設置遊具の報告書をまとめたときから少し気になっていて、他社さんからも一部指摘が上がっていたと思うのですが、これは動画とかより世の中に目立つ形で情報発信できたほうがもっとよかったのではないかという気持ちも持っているのです。例えば、今後の幼児同乗中の自転車のことをかなり包括的に調べられているということなのですけれども、そのアウトプットを出すときに、もう少し工夫した情報発信をできたほうが、事故調の存在意義を示す意味でも大切だと思いますが、その辺は何かの手立てを考えていらっしゃるのでしょうか。

(中川委員長)
御提案ありがとうございます。
ご指摘の点は我々も工夫しようとしているところです。一つは、前に幼児のプールでの溺水に関して,まずは簡単な一枚物の書面を作って、幼稚園等の先生方に幼児溺水について理解してもらって実際に対策に生かしてもらおうとしました。そのときに、絵で描いて分かりやすくした紙を作りましたけれども、今はコロナの最中ではありますが、それを少しずついろいろな幼稚園の先生方を含めて周知していこうという方法を取ろうとしていることを考えています。同じように、幼児同乗中についても、これは非常に利用者が多いので、動画といいますか、我々が撮っているものについて何か利用して、そして、その報告書とは別に動画として提供できないかということを考えています。
他方,先ほどご指摘の水上遊具については、動画にしようということは考えなかったのですけれども、対応方法としては製品の設計ということがほぼ唯一の、もちろん監視の方法も重要ですけれども、やはり制度の設計改善の面が大きいということで、動画による発信ということはあまりやることがないかなと思っておりました。先ほどの幼稚園の幼児のプールでの溺水であるとか、あるいは今回の幼児同乗車の場合は、周りの人が少し気をつければいいということもかなりあります。かつ、やはり何といってもこんなに危ないと。何となく抽象的に危ないと分かっていても、身の回りにこれだけ危ないことがあるのだということは、動画が一番よく分かりますので、何らかの形で動画化していきたいと思っております。
もちろん、我々が調査中に撮影した映像を用いて動画化するためには,ご本人の同意が必要ですので、顔を隠すにしても必要ですので、そういうことを取りながら進めていこうと思っております。
以上です。

NHKのアキヤマです。よろしくお願いします。
今のことに関連するかもしれないのですけれども、報告書に間に合わない形であっても追加で啓発、注意喚起していただくことが重要なのかと個人的には思いまして、報告書と同時に出てくることでよりメッセージ性が強くなる、より広く分かるということはあるとは思うのですけれども、ぜひこれまでに出たものもの含めて、広く検討いただければと思います。これは質問というよりかはお願いみたいな形になるかもしれません。

(中川委員長)
御提案、誠にありがとうございます。
そのとおりだと思っております。私たちが事故報告書を出したあとのフォローアップをしていって毎回感じるのが、意見先の一部について,やはり動きが遅いということです。関係官庁のほうもやることがたくさんあって、お互いに忙しいのはよく分かるのですけれども、こちらが求めていることについて十分に手が回らないということ。
そこに変化を起こすためには,一つは、消費者のほうからの突き上げというのが非常に重要だと思います。これは危険なんじゃないか等の。
そして、事業者のほうも、制度設計の変更ということになるとたしかに結構大変なのですけれども、事業者もいろいろやらなければいけないことの中で、どのように危機感を持って頂いて優先順位をつけていただくかということです。なので、私たちが報告書で言いっ放しというのでは駄目だということは、フォローアップしながら本当によく感じるところです。そこでひとつ考えているのが,意見先に単に何か設計改善をやってくださいではなくて、実は水上遊具でも少しやろうかとしているのですけれども、具体的にこういう設計の方向が考えられるのではないかという打ち出しができないか。意見先に丸投げするのではなくて、こういうアイデアで考えたらどうでしょうかということを、こちらも徐々に出していくということを考えているところです。
もうひとつが、消費者や事業者に向けた啓蒙動画です。報告書の後のフォローアップでの意見先の対応をにらみながら、こちらからも、報告書で言ったことをサポートするような形で,啓蒙動画などで情報を出していくということをしないといけないというのは非常に感じているところですので、やろうと思っています。ぜひやれという御意見をいただければと思います。ありがとうございます。