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記者会見要旨
(2020年5月21日(木) 12:10~12:40 於:消費者庁12階 全省庁共用1214特別会議室)

発言要旨

(中川委員長)
よろしくお願いいたします。
委員長の中川です。
本日の調査委員会は、今般の新型コロナウイルス感染症の関係から、Web会議システムを使って行いました。各委員、別々の場所から参加していただき、開催をいたしました。
新型コロナウイルス感染症の影響で3月及び4月の調査委員会は、部会も含め開催することができませんでした。しかし、委員と事務局の間でメールのやり取りを行うことで議案について検討を進めてまいりました。
本日の調査委員会について、皆様のお手元に、今、配付されていると思いますが、幼稚園、保育所、認定こども園の先生方に向けてのプール活動・水遊びについての監視のポイントという文書についてお話をしたいと思います。
これはプール事故の基礎的調査に関する公表資料ということでして、これについて本日審議を行いました。
委員会では、令和元年の夏に御協力をいただいた首都圏にある保育所、認定こども園計10園にカメラを設置し、プール活動・水遊びの様子を撮影いたしました。
監視・救助資格を持つ専門家に、撮影映像のうち、プール活動・水遊びの映像226時間分を見てもらい、溺れ事故につながる危険性のある場所を抽出してもらったところ、「転倒」「飛び込み」等の危ない場面が見られました。
また、監視役の先生が活動時間中に片づけなどの別作業をする、また、子供の相手をする、さらに、全体を見渡すことができない場所にいて、監視に死角が生じているなど、監視が不十分な場面も見られました。
監視が不十分な場面は、自由活動の時間内に多く発生しておりましたが、例えば子供の着替えやシャワーの手伝いなど、プール活動を始める前、終えるときにも多く発生しておりました。
このため、本日お配りしましたように、幼稚園、保育所、認定こども園の先生方に向けて、プール活動や水遊びにおける監視のポイントをまとめた公表資料を作成いたしました。幼稚園等の先生方におかれましては、この監視のポイントに十分留意してプール活動・水遊びの監視を行っていただきたいと考えております。
具体的な内容は、お手元の資料を御覧いただきたいと思いますが、第1に、プール活動・水遊びを始める前には、監視役の先生は、子供より先にプールサイドへ行くこと。
第2に、実施中には、監視役の先生は、プール全体を見渡せる場所で監視に専念し、交代するときは子供たちに目を配ったままとすること。
第3に、終えるときには、監視役の先生は、最後の子供が退水したことを確認すること。
第4に、プール活動外では、水をためたプールから子供を離す工夫をすること等について、イラストを用いて分かりやすく説明しております。
本資料は、調査で見られた監視の不十分なところがなくなるように、映像で見られたよい取組も参考にしながら、監視のポイントを提案しております。幼稚園等の各園でプール活動・水遊びに関する全ての方に理解していただくよう、各園でのプール活動・水遊びの際のルールや事前教育に取り入れていただき、プールシーズン前の職員会議、日々のミーティングなどの機会に御活用をいただきたいと考えております。また、溺れ事故につながる可能性のある子供の行動についても確認をしていただき、子供たちの安全教育に御活用いただければと考えております。
このタイミングで公表したことの理由ですが、現在、新型コロナウイルス感染症の影響で休園になっている幼稚園等が多いと思いますが、地域によっては注意しながら学校や保育の場でも元の状況に戻す取組が進められつつあるように存じております。そこで、プール活動等が開始された際に、先生方に気をつけていただきたい内容をこの時期に公表することにいたしました。
本資料につきましては、消費者庁のWebサイトの中の消費者安全調査委員会のページに掲載をし、周知する予定です。そのほかにも、幼稚園等に向けて周知していきたいと思っておりますが、現時点で周知の具体的方法については決め切れておりませんので、検討を進めていきたいと考えております。
以上が今日のメインです。
その他につきまして簡単に申し上げますと、本日、委員会では、このほか、水上設置遊具による溺水事故の調査報告書案の内容、エレベーター事故及び歩行型ロータリ除雪機による事故のフォローアップの方針などについて審議を行いました。
また、4月に幾つかの案件について書面による議決を行っておりましたので、その結果について、委員長である私から本日の委員会で報告を行いました。具体的には、申出事案に係る情報収集の結果に基づく同事案の方針、及びWeb会議を行うことができるようにするための消費者安全調査委員会運営規程の改正の決定等を行いました。
続いて、部会の動きについては委員長代理からお願いをいたします。

(持丸委員長代理)
声は聞こえておりますでしょうか。委員長代理の持丸でございます。
3月以降の部会の動きを御報告いたします。
製品等事故調査部会並びに私が部会長を務めますサービス等事故調査部会ともに、新型コロナウイルス感染症の影響で対面での会議は開催できませんでした。サービス等事故調査部会については、今日も審議をいたしましたプールの基礎的調査、それから、水上設置遊具による溺水事故等について、3月、4月、そして今月5月、委員と事務局の間でメールでやり取りをしたり、あるいは必要に応じて事務局と電話でやり取りをしたりするということで意見交換を進めて、議事の検討を進めてまいりました。
私からは以上になります。

質疑応答

NHKのアキヤマです。よろしくお願いいたします。
今日、注意喚起の資料を出されているプール活動についてお伺いしたいのですけれども、既に監視員の先生方向けのチェックリストのような注意喚起のものは出ていると理解はしているのですけれども、また改めてこうした形でより丁寧に出された狙いをぜひ教えていただきたくて、例えばチェックリストから漏れていたような事故が起きてしまっているですとか、その後も事故が増えているなど、もしそういった背景もあれば併せて教えていただけないでしょうか。

(中川委員長)
では、私からお答えします。
チェックリストは本当に応急のものです。それをもう少しイラストを入れて、具体的に何をするのか、具体的にポイントを抽出していくことによって、現場への浸透を狙っております。
実は今回お渡ししたこのイラスト入りのものも、まだこれで終わっているわけではなくて、最終的には動画であるとか、あるいはまたこの後フィードバックをするのですが、今回、こういうふうに1.から4.までまとめてみましたが、これで果たして現場で理解していただけるのだろうかということを、改めて再検討する可能性もあります。
我々の調べた映像を見ますと、先生方いろいろな作業をなさっているのですが、その結果、監視の死角が生まれているわけです。監視をするというのはなかなか難しくて、常識で行動していると逆に死角が生まれてしまう。そこで、監視の方法をマニュアル化していかなければいけないのですが、既存のマニュアルがあるわけではないので、まずは前回、チェックリストとして非常に簡単なものを作りました。今回はもう少し具体的にしました。今後はいろいろフィードバックをして、さらにこう言わないと通じないとか、子供の具体的な危険な場面を念頭に置いていけばということを強調すれば先生方がより監視がしやすくなるとか、そういう人間がどういう行動をするのかなということも踏まえながら、さらにいいバージョン、例えば動画等についても進めていきたいと思っております。対策としては、まだまだ過程にあるとお考えいただくのがいいのではないかと思います。
以上です。

(持丸委員長代理)
委員長代理の持丸です。
御存じのとおり、これは以前に事故が起きまして、一度我々から意見を出して、しかし、なかなか事故が減らないということで、今回、再調査をしました。我々が最初に出した意見書で、とにかく気をつけてくださいと一言で申し上げたことが、気をつけ方というのをもうちょっとしっかり伝達しないといけないというのが、正直なことを言いますと、我々委員会側の一つの反省点でもあります。
したがって、今回のアウトプットのポイントはありていに言って2つで、一つは気をつけるという一言で済ませないで、何に具体的にどう気をつけるのかというのを言ったという点と、今、委員長からもお話がありましたように、伝達の仕方というものに我々もかなり最初から気をつけておりまして、単なる情報としてはチェックリストで十分なのですけれども、それだけではきちんと現場の人の目に届かないとか、行動が変わらないということを考えて、一番最初の段階からこういうイラストの入ったもの、あるいは動画サイトなどで見られる動画を出していこうということを想定しておりますと。ただ、それに時間がかかりそうだということで、まずはチェックリストでもいいから分かったことは先に出しましょうと。順繰りに整備次第、コミュニケーションチャネルを増やして出していくという、そんなようなポリシーでございます。

ありがとうございます。
朝日新聞のカネダです。よろしくお願いします。
狙いはとてもよく分かったのですが、プラスアルファで今後も含めてそういうことを考えているのかというのをお尋ねしたいのですけれども、幾ら注意しても予想外の出来事、子供が倒れるとか、そういうことが起きたら、やはり結局死角が生まれる。これはどこまで行ってもそういう話かと思うのですけれども、例えばライフジャケットを水遊び用に、遊ぶ場面でも使えるようなライフジャケットは市販でも最近少し増えてきているかと思うのですけれども、そういうものの着用を進めるとか、プラスアルファの提案とか、そういうことは今後お考えでしょうか。

(中川委員長)
まず私から分かる範囲でお答えしますが、本件は、幼稚園を念頭に、ライフジャケット以前のお話で、非常に浅いところを想定しています。ただ、これも場合によってはライフジャケットをつけたほうがいいということはあるかもしれませんが、それも今後分かれば付け加えていきます。
今回のやり方は、対策というのは1回打っておしまいではなくて、我々もこの対策でいいのだろうかということは、別に自信があるわけではないことがありますので、新しい発見があればどんどん加えていくという試みです。どう言えば現場に伝わるのかという形で漸進的に進めていくスタイルですので、今までとは違うかもしれません。そういうことを考えておりますので、ライフジャケットにつきましても新たなことが分かれば、それはもちろん付け加えていくことになると思います。終わりはないかもしれませんが、むしろそういうものだと思って、随時改定していくというふうに考えております。
何かありますか、委員長代理。

(持丸委員長代理)
持丸です。
委員長におっしゃっていただいたとおりなのですけれども、もうちょっとテクニカルに申しますと、まず、2つの点がございます。ライフジャケット、何よりも大事なことは、我々がまだそれに対してきちんとした証拠を持っていないので、現時点では全くそこに言及をしていないというのは委員長の申し上げたとおりで、もうちょっと背景を言いますと、我々がいろいろ持っているデータから察するに、非常に浅いところでちょっと転んでいる。つまり、何か体が完全に沈まないような水深でも、何度もこういうような溺水事故が起きていることを考えますと、多分ライフジャケットでも救えないようなものがかなりある。これは大人が溺れるということと子供の肺に水が入ってしまうということは、必ずしも同じではないのだろうと思っています。
もう一つ、ライフジャケットそのものが、今日お話は具体的なものは出ませんけれども、例の水上設置遊具ではないですが、様々な副作用を及ぼす可能性もあります。そういうことで、効果がどれぐらいあるかということと、それによる副作用がないかどうかを確認してから、我々としてはそういうものを進めていきたいと思います。
その前段階として、我々が重要に思っているのは、実際に何が起こってしまっているのかというのを、今回もこれは実は幾つかの協力園にカメラを設置して撮らせていただいて、そういうようなところから、こんなちょっとのことで溺れる、危険に近いことが起きているのだというのが、もうちょっと広くデータが集まってくると、我々ももう少し具体的な対策を専門委員と立てられるようになるのではないか。こんなふうに考えております。

関連で伺いたいのですけれども、今のお話の中で出たところで、ちょっとしたことで危ない場面、ヒヤリハットのようなことがカメラに映っていたというお話だと思うのですけれども、それをもう少し具体的に描写で、今、言葉で再現できる感じでこういうことが起きていたと言えることがあれば教えてください。

(持丸委員長代理)
私の記憶の限りで言いますが、まず、監視側でいくと、先ほどどなたかの質問にもありました死角になるということですね。子供が子供の死角になること以上に、大人の死角になってしまったり、複数の人で死角がうまく追えなかったりする。そのようなことがありました。
それから、この中にもありますけれども、お子さんがいたずらで誰かを沈めてしまうというようなことが起きたり、それから、水の中で本当に滑って転ぶのです。膝ぐらいまでしかないようなところで滑って転ぶのですが、リスクが高いと私も思ったのは、転ぶのが前のめりになって転ぶ。そうすると、そのまま水が入ってしまいそうな、実際にはそれはすぐ駆けつけてぱっと抱き起こしてしまうので、もちろん事故にはならないのですけれども、確かにこんなことが起きるのだなというのは、すごく感じました。
ですから、そういうところを留意して見ていただくのはとても大事なことなのだろうと思った次第です。

共同通信のクニエダです。
今回、イラストで非常に分かりやすいと思うのですけれども、Webサイトで掲載する以外に園に出向いて説明したりとか、ほかに広報活動等は消費者庁としてどういうふうにされるのでしょうか。

(中川委員長)
聞きづらかったのですが、今後どのように活用するかという御質問でしょうか。

Webサイト以外にどういうふうに広報していくかということです。

(中川委員長)
それはこれからですが、とりあえずは協力いただいた園にフィードバックをして、今回のような整理の仕方で行動につながるのか、もっと詳しく書いたほうがいいのか、あるいは我々のほうにも死角がないかということも含めてやります。これは特定の10園との関係なのですけれども、その後、先ほどから出ていますように、動画サイト等、もう少し活用しやすいものを作る予定にしております。
そして、さらに、これはまだ案の段階ですので、私から申し上げていいかどうか分からないのですけれども、今10園ですけれどももう少し広げて、昨今はちょうどこういうWeb会議で皆さん議論することに慣れていますので、多くの幼稚園に広げていく。例えば今日は日本のこの地域の幼稚園の人たちと一緒に議論をしましょうと。これでも駄目なことはありましたか、どのような経験がありましたかという形で、コミュニケーションを広げていくことを地道にしていく。参加された方からまた発信していただくということもあるかと思います。Webに載せて終わりというのが私は一番よくないと思っていますので、それをいかに広げていくかというのは今後考えていきたいと、検討することにしております。

(事務局)
事務局から補足させていただきます。
こちらの案件はもともと幼稚園等で起こりましたプール事故を発端にしておりまして、その際、調査委員会から内閣府と文科省と厚生労働省に意見をしております。そちらのほうに、こういったものを発信するということをお伝えして、そちらからもディストリビュートしていただく予定でおります。

たびたびすみません。本件とは少し変わるのですけれども、先ほど出ていた水上遊具のほうも、コロナの影響があってなかなか進捗も御苦労されているとは理解しているのですけれども、以前も夏までには何か一定のものをと目指されていたかと思うのですけれども、今の見えてきた予定というか、計画、何か形になりそうだというめどがあれば教えていただけないでしょうか。

(中川委員長)
では、まず私からお話をいたします。
これは海にも設置されますので、やはりこの夏には間に合わせる必要はあると考えております。その一方で、では、どういう対策を、特に監視ですね。今、お手元にあるのは幼稚園の話ですが、一般のプール、それから、海に設置されたこの水上設置遊具についてどう監視すればいいのかというのは、必ずしもまだ我々は十分な知見が得られているわけではありません。でも、得られているものもあります。
なので、先ほどの幼稚園のプールと一緒ですけれども、これも漸進的にやっていこうと。まず、今、この夏に間に合うことを、例えば意外ですが、ライフジャケットをつけていれば安全というわけではないということをどのように伝えるかなど、まずこの夏に間に合うことを言っていきたい。今夏は海水浴は非常に限定的にしか開始されないと思いますので、その意味では事故に対する監視は十分できるのではないかと思いますけれども、最低限のことをまずはこの夏前に公表し、そして、さらに調査を進めまして、より根本的な対策に進めていくというふうに考えております。
持丸さん、何かありますか。

(持丸委員長代理)
特に大きく補足することはないのですが、以前も回答したかもしれませんけれども、構造的に安全設計をするとか、あるいは何か安全認証みたいな制度的なものを立ち上げるというのは、やったらいいのですが、エビデンス、対応を含めて、とても今から夏に間に合わないと。これは調査を始めたときからそのつもりでありまして、少なくとも夏までに何か確実に分かった部分について、今のプールの話とよく似ているのですが、主に監視とかオペレーションのサービスのところでより安全性を高めることができないか、あるいは、これを超えられなかったらやめていただくことも考えるべきではないかというような辺りのところをどこまで出せるかが最後のところになっています。
委員長から話がありましたように、100点満点のものを出そうとしてこの夏は何もしないというのはあまりよいことではないので、とにかくまず確実に言えるところだけでも出して、少しでもこの夏の事故を減らしたい。こんなような考え方で今はおります。