黄川田内閣府特命担当大臣記者会見要旨
(2026年8月25日(火) 11:48~12:09 於:中央合同庁舎8号館1階 S103記者会見室)
発言要旨
こども政策担当大臣としてご報告いたします。令和9年度予算概算要求は、今月末にも財務省に提出することを予定しております。概算要求の全体像については、現在、最終的な調整を行っており、8月31日に改めてご説明させていただく予定であります。その前提で、今回の予算編成に臨む私の基本的な考え方について申し上げたいと思います。
まず、これまでの予算について申し上げます。令和7年度補正予算では6,479億円、令和8年度予算では7兆4,956億円を計上し、こども・子育て政策を着実に進めるために必要な予算を措置してきたところです。その上で、令和9年度予算概算要求においては、単に既存の事業を積み上げるのではなく、補助金をはじめとする既存の事業について、抜本的な見直しを行います。また、高市内閣の方針として、補正予算への依存から脱却し、恒常的な施策については、「『強く豊かな日本』投資枠」も活用しつつ、当初予算において必要十分な規模を適正に要求してまいります。さらに、既存の租税特別措置についても、活用実績や効果検証を踏まえ、直系尊属から結婚・子育て資金の一括贈与を受けた場合の贈与税の非課税措置については、令和8年度限りとする方向で、現在調整をしているところであります。
具体の概算要求の金額については、現在最終調整中でありますが、既に、一部において報道されている概算要求の金額をもって、こども家庭庁予算について、いわゆる「無駄遣い」ではないかとの指摘があることは承知しております。概算要求額だけを前年度の当初予算と単純に比較すれば、一見して増額しているように見える部分がありますが、ご説明したとおり、その中には、これまで補正予算で措置してきたものを当初予算に移して要求するものが含まれております。
こどもや子育て家庭のために必要な施策を着実に実施するために必要な予算を計上する必要があり、また、こうした予算編成全体の変更を踏まえず、こども家庭庁の予算全体が「無駄遣い」であるかのような指摘は全く当たりません。補助金や税制など見直すべき事業はしっかり見直し、限られた財源を、こどもまんなか社会の実現に向け、こどもの命と安全を守るための取組などの真に必要な施策に振り向けることで、こども家庭庁予算を大胆に改革してまいります。要求の全体像については、金額を固めた上で、8月31日に改めてご説明させていただく予定であります。
その上で、この私の方針の下、本日、令和9年度予算概算要求において、新たに重点を置く取組として、「こどもの命と安全を徹底的に守る」大臣プロジェクト第3弾となる「こども包括支援基盤」の構築を表明いたします。
全国どこで生まれても、どこで生活しても、困難を抱える妊産婦、子育て家庭、こどもが取り残されず、必要な支援につながることが重要であります。そのために、こども家庭センターを中核として、地域の様々な支援機関が連携し、困難を早期に発見して、アウトリーチも含めた包括的・継続的な支援を届ける基盤を構築していくことが必要不可欠であります。これにより、こどもや子育て家庭が、地域で安心して暮らせる社会の実現を目指します。こうした取組は、「未来への投資」や「危機管理投資」そのものであり、強力に推進してまいります。具体的には、地域で支える力を強くすること、児童相談所の体制・機能を強化すること、地域の取組を国が支えることの3つを柱として、段階的に取組を進めてまいります。
令和9年度において、まず、「地域で支える力」については、こども家庭センターの全自治体への設置を進めるとともに、地域の子育て支援拠点や家庭支援サービスの充実、アウトリーチ支援の強化などにより、困難を抱える家庭を早期に把握し、必要な支援につなぐ体制を強化します。
次に、「児童相談所の強化」については、職員の更なる増員を進めるとともに、外部弁護士による法的援助の活用や、人材確保・定着、一時保護機能の強化などを進め、こどもの命と安全を守る最後の砦として、その体制・機能を徹底的に強化いたします。
さらに、「地域の取組を支える国の支援」については、自治体の地域の実情に応じた包括的・継続的な支援体制づくりを国が伴走して支援するとともに、財政力の低い自治体が行うこども施策について重点的に支援してまいります。
こうした取組を一体的に進めることで、地域の中で困難を見逃さず、支援を必要とするこどもや家庭に確実に手を差し伸べる仕組みをつくってまいります。自治体の皆さんが安心して「こども包括支援基盤」の構築に注力していただけるよう、今回の概算要求の重点項目として必要な予算を要求する予定であります。
こども家庭庁が発足して4年目を迎えました。だからこそ、今、これまでの政策を検証し、残すもの、改めるもの、さらに強化するものを、明確にする時期に来ております。これまでの延長線上で予算を積み上げるのではなく、政策の優先順位を改めて明確にし、予算の使い方そのものを変えていく。こどもの命と安全を徹底的に守り、必要な支援を確実に届けるこども家庭庁へ変えていく。その決意で、令和9年度予算編成に取り組んでまいります。詳細は、こども家庭庁会計担当までお尋ねください。
次に、孤独・孤立対策担当大臣及びこども政策担当大臣としてお知らせします。先日来、会見でご報告したとおり、学校の夏休み明け前後には、こどもの自殺が増加する傾向があり、こども家庭庁では、夏休み明け前後の8月20日から9月9日までの3週間を「こども・若者の自殺対策集中取組期間」と位置付け、一層の取組の強化を図っているところであります。この期間中に、夏休みが終わるのをゆううつと感じているこども・若者のみなさんに語りかける政府広報の動画や音声広告など、これまで作成してきた広報物を通じ、引き続き、一人でも多くの悩みを抱えるこども・若者に、「一人で抱え込まずに、誰かに相談していい」というメッセージを届けてまいります。
また、夏休みが明けるのを前に、悩みを抱えるこどもたちに悩みごとを打ち明けてもらえるよう、内閣府において、18歳以下の方を対象に、24時間相談ダイヤル、チャット、メールによる相談窓口を開設します。相談期間は、明日8月26日から9月4日までの10日間です。電話相談の番号は♯9999です。チャット・メールで相談したい方は、ウェブサイト「あなたはひとりじゃない」に掲載したリンクから相談することができます。夏休み明け前後は、不安が生じやすい時期でもあると思います。誰にも悩みを打ち明けられずにいる方は、ぜひ、この相談窓口を御利用いただきたいと考えております。報道関係の皆様におかれましても、相談窓口の周知にぜひ御協力をいただきますよう、お願い申し上げます。詳細については、内閣府孤独・孤立対策推進室、こども家庭庁こどもの自殺対策推進室までお問い合わせください。
北方対策担当大臣として申し上げます。去る8月13日、プーチン・ロシア連邦大統領が択捉島を訪問しました。日本国政府は、ロシア側に対し、即刻、強く抗議し、私も北方対策担当大臣としてのメッセージを公表して、今回の訪問は、我が国の北方領土に関する一貫した立場と相容れず、極めて遺憾であること等を表明いたしました。こうした状況において、国民の皆様には、北方領土問題に関する正しい知識を備えていただいた上で、返還運動への一層の御理解・御協力を賜りたいと考えております。北方領土は、いまだかつて一度も外国の領土になったことがなく、歴史的にも、国際法上も、我が国が主権を有する島々であり、我が国固有の領土です。
また、一部に誤った理解も見受けられますが、昭和20年(1945年)、日本がポツダム宣言を受諾し、降伏の意図を明確に表明したのちに、ソ連は北方領土に侵攻し、全ての日本人島民を退去させました。そして、ソ連が崩壊してロシアとなった現在もなお、ロシアは、北方領土を「不法占拠」していることを、改めて申し上げます。こうした北方領土問題に関する正しい知識等を国民の皆様に周知することも含め、北方対策担当大臣として、国民世論の啓発等に一層力を尽くしてまいります。報道機関の皆様におかれましても、北方領土問題に関する日々の報道に当たって、北方領土は我が国固有の領土であるという事実が国民の皆様に正確に伝わるよう、正しい知識等の普及に御協力をいただけますと幸いに存じます。
8月19日から23日まで、米国に出張してまいりました。消費者及び食品安全担当大臣として、米国消費者製品安全委員会のピーター・フェルドマン委員長代行と、日米双方の製品安全分野における取組や最近の課題について意見交換を行いました。また、現在準備を進めている国立公文書館の新館開館に向けて、米国国立公文書館の展示・学習機能等の状況を視察するとともに、幅広い層の来館に向けて意見交換を行いました。このほか、地域未来戦略担当大臣として、地域未来戦略の推進による産業クラスターの形成に向けて、産業集積と先端技術の社会実装が進むテキサス州において、州政府及び産業界の関係者との意見交換を行うとともに、テスラ社のEV製造拠点の視察や自動運転タクシーへの乗車を行いました。今回の出張で得られた知見等を、今後の施策の推進に活かしてまいりたいと考えております。
男女共同参画担当大臣として報告いたします。明日、8月26日、衆議院憲政記念館を視察します。衆議院憲政記念館では、企画展「女性と議会政治のあゆみ(人物編)」を開催しており、戦後に活躍した女性政治家に焦点を当てた展示が行われております。特に、憲政史上初めて女性の内閣総理大臣が誕生した昨年10月の総理大臣指名選挙において、高市早苗内閣総理大臣が御自身のお名前を記した投票用紙が展示されており、政治分野における女性活躍の促進に向けた益々の励みになると考えております。内閣府においては、本年6月より、政党に対し、「政治分野における男女共同参画の推進に関する法律」の趣旨にのっとって、国政選挙及び地方選挙における女性候補者の割合を高めることについての要請も行ってきたところでありまして、今回の視察を、女性の更なる政治参画に向けた環境整備に活かしてまいります。
また、来年春には統一地方選挙が実施されます。政府においては、本年3月に第6次男女共同参画基本計画を策定し、統一地方選挙の候補者に占める女性の割合を2030年までに35%とする目標を掲げました。内閣府としても、各政党の取組をしっかり後押ししてまいります。詳細は内閣府男女共同参画局にお尋ねください。
地方創生担当大臣として、令和8年の地方分権に関する提案募集についてご報告します。去る8月5日(水)に、提案への各府省庁からの第一次回答に対する「地方からの見解」等を、関係府省庁に送付するとともに、再検討要請を行ったところであります。地方からの提案は、いずれも地域の切実な要望を反映した重要な提案でありまして、政府としては、持続可能な地方行財政の確保に向けて、自治体の事務の簡素化や地域における行政サービスの維持等を進め、地方分権改革に取り組むこととしております。年末の対応方針の決定に向けまして、今後さらに、有識者会議における議論や、関係府省庁との調整等を進めてまいります。
消費者及び食品安全担当大臣として報告します。本日8月25日、消費者の皆様に向けて、消費者庁、環境省及び独立行政法人国民生活センターが共同で、クマ撃退スプレーに係る注意喚起を行いました。近年、クマの出没情報や被害が増加しておりますが、クマによる人身被害を避けるためには、クマに出会わないようにすることが最も重要であります。一方で、クマに出会ってしまったときの有効な対策の一つとして、クマ撃退スプレーを備える場合は、事前の確認・準備が必要です。本日行った注意喚起では、クマ撃退スプレーに関するテスト結果をお示しするとともに、クマに向けて噴射するためのスプレーを選ぶ、必要なとき以外は持ち歩かない、事前に使い方を確認するなど、製品を選ぶ際、保管・持ち運び、使用する際のポイントを紹介しています。消費者の皆様には、まずはクマに出会わないための行動を心がけていただくことが重要ではありますが、クマ撃退スプレーを備える場合には、今回お示ししたポイントを踏まえまして、事前の確認・準備をしっかり行っていただくようお願いをします。詳細は、消費者庁にお尋ねください。
質疑応答
- 問 現在、北方領土の元島民らによる北方墓参や交流事業の再開見通しが立っていません。プーチン大統領による今回の訪問を受け、元島民や関係者の方々からは失望の声が相次いでいます。政府として元島民の思いにどのように応えていく考えか、今後、何らかの対応策はあるのか、お聞きします。
-
答
せめて墓参をとの思いを募らせておられる元島民の皆様にとって、8月13日のプーチン・ロシア連邦大統領による択捉島の訪問は、ふるさとに土足で踏み入られたも同然であり、私としても断固として容認できないものであります。元島民の皆様におかれましても、憤りや困惑など、様々な思いを抱かれているものと承知しております。言うまでもなく、北方領土は、いまだかつて一度も外国の領土になったことがなく、歴史的にも、国際法上も、我が国が主権を有する島々であり、我が国固有の領土であります。北方四島の帰属の問題を解決し、平和条約を締結するという日本政府の方針に変わりはありません。また、北方墓参の再開についても、すぐれて人道的な問題であり、早期の実現が重要であると認識しております。北方対策担当大臣として、まず、元島民の皆様の切実な思いをしっかりと受け止め、北方領土返還を求める世論の高まりを一層確固たるものにすることが必要であると考えております。近く実施される洋上慰霊には、諸般の事情が許す限り私も参加し、できる限り多くの元島民の皆様とお会いして、お一人おひとりから直接お話を伺ってまいりたいと考えております。元島民の皆様それぞれに、北方領土のふるさとでの暮らしの記憶があり、ふるさとへの思いがあると思います。それぞれのお話をしっかりと受け止め、日本国民全体の問題として訴えかける啓発を検討してまいりたいと考えています。