黄川田内閣府特命担当大臣記者会見要旨
(2026年7月31日(金) 14:14~14:39 於:中央合同庁舎8号館1階 S103記者会見室)
発言要旨
まず、この度の令和8年熊本地震でお亡くなりになられた方々に哀悼の誠を捧げますとともに、謹んで、ご遺族の皆様にお悔やみを申し上げます。そして、被災された全ての方々に心からお見舞いを申し上げます。熊本地震に関しまして、男女共同参画担当大臣及びこども政策担当大臣として申し上げます。
内閣府では、地震発災直後の28日夕方に、被災自治体に対し、炊き出しやトイレ掃除、生理用品配布など、避難所運営において女性に過度の負担が生じないようにするとともに、災害時の性被害や性暴力、DVの予防と対策などをまとめた「ガイドライン」、「避難所チェックシート」の活用について依頼をいたしました。また、昨日30日には、被災自治体に応援職員を派遣する被災地以外の自治体に対しても、同様の依頼を行いました。そして、本日から、内閣府男女共同参画局の職員を現地災害対策本部に派遣いたします。派遣する職員は、避難所の開設、運営等を行う被災自治体を男女共同参画の視点から支援します。既に内閣府男女共同参画局において、全国の男女共同参画センターと独立行政法人男女共同参画機構、通称ジーパ(JGEPA)が、災害対応の情報交換を行うことができる「相互支援ネット」の運用を開始しております。これにより、被災地で生じた課題を機動的に把握するとともに、被災地で内閣府の職員が現地の関係者と連携して支援に当たります。
また、こども家庭庁では、発災直後より「避難所等で生活している妊産婦・乳幼児に対する支援の手引き」の周知を行いました。特に妊産婦・乳幼児の健康状態は、心身ともに外部環境の影響を受けやすいことから、配慮いただきたい事項をまとめたものでありまして、妊産婦・乳幼児の支援を行っていただくに当たり活用いただきたいと考えております。このほか、保育所等については、利用者負担額の減免や利用定員の柔軟な取り扱いなどについて周知を行っております。加えて、こども家庭庁からも、今後現地に職員を派遣し、自治体との連携を密にして対応していく予定であります。
被災自治体と連携し、女性や子供の視点に立った被災者支援に力を尽くしてまいります。詳細は内閣府男女共同参画局とこども家庭庁にお尋ねください。
続きまして、地域未来戦略担当大臣として、第5回地域未来戦略に関する関係副大臣等会議・地域未来戦略に関する総理報告について報告いたします。今月閣議決定した「地域未来戦略」に基づく「3類型」について先陣を切る「第1弾」の計画を公表いたしました。まず、「日本成長戦略」の「戦略17分野」のうち、半導体、ロケット・射場、次世代造船などに関する13の「戦略産業クラスター計画」の概要を私から高市総理に報告いたしました。具体的には、半導体では北海道、東北、中国、九州、ロケット・射場では北海道、近畿、洋上風力では北海道、東北、九州、民間航空機MROでは成田空港周辺、空飛ぶ車やバイオ先端医療では近畿、造船では中国、四国にまたがる瀬戸内地域となっております。
また、都道府県等が主体となって産業クラスターを形成する「地域産業クラスター計画」や、市町村等が地域資源を活用した多様な産業の発展を促す「地場産業成長プラン」について、10の自治体の皆様から地域の産業分野や地域資源に着目した「特色ある計画」を発表いただきました。国としてこうした三つの類型の計画について、それぞれの特性に応じ企業の設備投資やインフラ等の環境整備、企業人材の育成等の支援を行ってまいります。多くの都道府県、市町村において、「先行事例」を参考に「地域産業クラスター計画」や「地場産業成長プラン」の策定や計画に基づく実行を進めていただき、国と自治体が二人三脚で全国各地に産業クラスターを形成してまいりたいと考えております。
続いて、地方創生担当大臣として、地方大学・地域産業創生交付金事業の令和8年度第1回公募の採択結果について報告いたします。本事業は、首長のリーダーシップの下、地域の産官学が連携し、地域における大学の振興とこれを通じた産業・雇用の創出に取り組む自治体を重点支援するものであります。この度、外部有識者で構成される評価委員会の審査結果を踏まえまして、山口県からの提案1件を採択することといたしました。本提案は、山口県が中心となり山口大学、地元化学企業等が連携し研究開発や人材育成、新事業創出を通じて、特に半導体マテリアル分野に注力することにより、山口の化学産業を高機能・高付加価値型へ転換することを目指すものであります。本交付金を有効に活用して、山口県における半導体マテリアル産業の更なる強化や若者の定着を図っていただきたいと考えており、内閣府としてもしっかりと伴走支援してまいります。なお、本交付金は10月にも公募を行う予定です。本日公表した地域未来戦略の「戦略産業クラスター計画」や「地域産業クラスター計画」との連携も視野に、多くの自治体に活用を検討していただきたいと思います。
こども政策担当大臣として、2点ご報告します。1点目は、「青少年インターネット環境整備法の在り方等に関する検討ワーキンググループ」の中間整理報告書についてであります。インターネットは今やこどもたちにとって、学びや人とのつながり、社会参加のための重要な基盤でありますが、近年、こどもたちのインターネット利用環境は大きく変化し、SNSを通じたトラブル、長時間利用による影響、生成AIを巡る新たな課題など、こどもたちを取り巻くリスクが多様化・複雑化しています。昨日のワーキンググループで了承された中間整理報告書では、こうした環境変化を踏まえ、リスクの多様化・複雑化を踏まえた法目的等の見直し、適切な保護手段の確保、ガバナンスの強化という3点の観点から、青少年インターネット環境整備法にかかる今後の方向性が示されました。特にSNS等プラットフォーム事業者については、自ら提供するサービスのリスク評価、その結果を踏まえた保護措置や年齢確認の実施、これらの公表などを求めていく必要があると整理されています。なお、本中間整理をまとめるに当たっては、中高生との意見交換も実施し、こどもたち自身の声も議論に反映してきました。引き続き、こどもの視点に立ちながら、こどもの保護とインターネットの活用のバランスを図ることが重要であると考えております。今後さらに有識者会議における議論を深め、年末を目途に最終報告を取りまとめるとともに、政府としても関係省庁と連携しながら検討を進め、青少年インターネット環境整備法の改正法案の次期通常国会への提出などを目指してまいります。詳細はこども家庭庁成育局安全対策課にお尋ねください。
2点目は、こども家庭庁の幹部人事についてです。8月7日付で渡辺由美子長官を厚生労働省に出向させ、後任として官房長の藤原朋子を起用することとしました。また、官房長には内閣府迎賓館長の吉住啓作を起用することとしました。さらに、齊藤馨支援局長を内閣府に出向させ、後任として長官官房審議官成育局担当の竹林悟史を起用することとしました。なお、それ以外の内閣承認人事官職となる成育局長は留任であります。詳細はこども家庭庁総務課人事担当にお尋ねください。
北方対策担当大臣としてお知らせします。8月は旧ソ連軍が北方四島の不法占拠を開始した月であることから、北方領土返還運動全国強調月間としています。このため、明日から全国各地でパネル展、街頭キャンペーン、署名活動等の返還運動が集中的に展開されます。内閣府としても、北対協を通じてこれらの返還運動をしっかりと支援してまいります。また、内閣府においては、新聞、インターネットを通じた政府広報やSNSでの情報発信、内閣府をはじめとする国の庁舎等での署名活動、各都道府県政令市への署名収集の協力の要請を行ってまいります。加えて、内閣府庁舎で若手職員を中心に企画したミニイベント等を行い、署名活動に一層力を入れるとともに、庁舎内に北方領土問題に関する展示を増やし、内閣府を訪れる多くの方々に北方領土問題に触れる機会を作ってまいります。なお、本日の会見から、私の記者会見室に北方領土のイメージキャラクターであるエリカちゃんを置くこととしました。私の記者会見でエリカちゃんを御覧いただいて、国民の皆様に北方領土問題について考えていただく機会を一つでも多く設けていきたいと考えております。
現在、ロシアによるウクライナ侵略により日露関係が厳しい状況にありますが、こうした状況だからこそ、北方領土返還要求の機運を絶やさぬよう目に見える努力を続けることが大切であると考えております。国民の皆様におかれましては、強調月間のこの機会に、改めて北方領土問題への関心を深めていただくとともに、返還運動への一層の御理解、御協力を賜りたいと思います。強調月間の詳細については、北方対策本部までお問い合わせください。
最後に、消費者および食品安全担当大臣として報告します。本日、国立医薬品食品衛生研究所を訪問します。国立医薬品食品衛生研究所は、医薬品や食品などの品質や安全性などに関し、試験研究を行っている我が国の国立試験研究機関の中で最も長い歴史を持つ施設であります。今回の訪問では、最新の科学的研究の内容や、そうした研究がどのように食品規格基準の設定に役立てられ、食品の安全確保につながっているのかなどについて詳しく施設視察してまいりたいと考えております。担当大臣として、今回の訪問での知見を生かし、今後とも国民が安心して生活できるよう最新の科学的知見に基づき、食品の安全確保の取組をより一層推進してまいりたいと考えています。視察の行程等の詳細については、消費者庁までお尋ねください。以上でございます。
質疑応答
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問
冒頭にあった28日に発生した熊本地震について伺います。震度7の地震と今も続く余震について不安を感じているこどもたちも多いかと思います。また、夏休み中ということもありまして、いつもと違った環境で避難生活を送るなどストレスが溜まる時間が続いているかと思います。こども家庭庁として呼びかけがあれば伺います。
また、通告ではないのですが、今回の地震で車中泊が多くなっているというふうに総理がおっしゃっておりまして、生理だったりとか、子供の夜泣きを気にして車中泊を選んでいる方もいらっしゃるかと思うので、大臣として呼びかけがあればお願いします。 -
答
冒頭でも申し上げたとおり、大規模災害の発生は全ての人の生活を脅かす、とりわけこどもをはじめとする配慮を要する方々がより多くの影響を受けることが知られておりまして、こども家庭庁としてもしっかりと取り組んでいかなければならないと考えております。こどもたちにとっては夏休みが始まってすぐの地震でありまして、避難をしているこどもにとっては慣れない避難生活で不安も大きいと思います。どうか落ち着いて、身の安全を守ることを第一に考えて行動していただきたいと考えています。その上で、地震などの災害はこどもたちにとって不安や強いストレスをもたらすものでありまして、過去の事例では周囲の大人が忙しくしているため誰にも相談できなかったという声もございました。このようなときだからこそ、周りの大人の方々には是非ともこどもたちの心のケアの観点から、こどもたちの声に耳を傾け、不安に寄り添っていただくようお願いしたいと考えています。
また、こども家庭庁が令和7年5月に取りまとめた「災害時のこどもの居場所づくりの手引き」では、こどもにとって居場所はこどもの回復する力を引き出す重要な場でありまして、そうした居場所を開設するに当たっては、こどもの意見表明の機会やこどもが運営に参加する機会を保障することが重要であるとしています。今回の地震をきっかけに、避難所等でこどもの居場所を開設することになった自治体においては、ぜひ、こうした点に留意しながら対応を進めていただきたいと考えております。
そして、車内での避難ということでございますが、実態を掴むのがなかなか大変だというふうに聞いております。夜、明かりがついているから何かと思うと、車の中にいたということでございますけれども、まず、車の中ですと、知らないうちにガソリンが切れていて突然冷房が切れてしまったりとかすることもございますので、なるべく避難所を使用していただきたいと思います。また、避難所の方々には、こども、また女性に対する配慮も必要で、設置にあたってはその配慮をしていただきたいのと、そのために男女局の職員が派遣されて、そのあたりの設置の経験を生かした形でのアドバイスをしようというふうに考えております。また、こどもについても、こどもはなかなか我慢することができません。そのあたりの避難所の整理をする必要がありますが、大人の方にはどうぞ自分のことで大変だということもありますけれども、こどもにとって優しい視点で避難生活をしていただければというふうに思います。 -
問
昨日行われた青少年インターネット環境整備法検討のワーキンググループで示された中間整理報告書についてお伺いします。中間整理報告書の中で、諸外国で進む一定年齢未満のSNS利用を制限する制度の是非については、政府で引き続き、議論を重ねることが重要との見解が示されました。それに対する受け止めと、今後の政府としての議論の進め方についてお考えがあればお聞かせください。
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答
中間整理報告書に示されているとおり、諸外国において一部導入されております、一定年齢未満のSNS等の利用を制限する法的な制度の是非については、様々な観点を踏まえながら引き続き議論を重ね、我が国の実態に即したこどもの保護の在り方を構築していくことが重要であると考えております。
その上で、こどものSNS利用の規制の在り方を検討するに当たっては、制度の実効性やSNSがこどもの居場所になりえることなど、様々な観点について考慮しながら検討を進める必要があります。
青少年のインターネットの利用を巡る問題は国境を越えた課題であるため、引き続き、先般のG7の共通原則や諸外国の状況を踏まえつつ、年齢による一律の規制の在り方の是非についても、幅広く、かつ、丁寧に意見を聞きながら、関係府省庁も交えて議論を継続してまいりたいと考えております。以上でございます。 -
問
本日発表されましたこども家庭庁の幹部人事に関しまして、長らく準備室の段階からこども家庭庁を引っ張ってこられた渡辺長官がご退任されることが発表されました。渡辺長官に対するお言葉ですとか、新たな長官、藤原さんへの期待等があればお聞かせください。
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答
渡辺由美子長官には、こども家庭庁創設の準備段階から、こどもまんなか社会の実現に向けた新たな行政基盤の構築に御尽力いただき、初代長官として、異なる組織を一つにまとめながら、こども政策を力強く牽引してもらいました。
とりわけ、こども未来戦略の策定を主導し、こども政策の抜本的強化に向けた取組を進めるとともに、こども性暴力防止法の成立・施行に向けた取組など、こどもの安全・安心を守るための制度整備にも大きく尽力いただきました。また、保育政策の推進、児童虐待防止対策の強化、社会的養護の充実、困難を抱えるこども・若者への支援など、様々な政策の実行に先頭に立って取り組み、こどもまんなか社会の実現に向けて力を尽くしていただきました。
さらに、政策の推進のみならず、新しい組織にふさわしい職場環境作りにも力を注いで、業務の改革や人材育成を通じて職員の働き方改革と組織力の向上にも大きく貢献していただきました。
こども家庭庁という組織の礎を築くとともに、我が国のこども政策を大きく前進させた渡辺長官の功績は極めて大きいものであったと考えております。創設の準備の段階から今日に至るまで尽力された長官のリーダーシップと不断の努力に深く敬意を表するとともに、その多大な功績に心から感謝したいと思います。 - 問 特別国会で先週、副首都構想の関連法が成立しました。政府としては、大規模災害時の危機管理機能のバックアップだけではなく、多極分散型経済圏の形成に向けて取組を進めていくと官房長官が説明しており、経済的側面での意義も強調されていますが、地域未来戦略との関連性、親和性についてどのようにお考えかお聞かせいただけますでしょうか。
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答
質問の副首都法については、大規模災害時の危機管理機能のバックアップ体制を構築することや、多極分散型経済の形成に向けて取組を進める点で意義のあるものと認識しております。地域未来戦略では、強い地域経済の構築を目指し、「戦略産業クラスター計画」、「地域産業クラスター計画」、「地場産業成長プラン」の三つの類型の計画を推進してまいります。地域未来戦略において強い地域経済の構築を目指す点と、いわゆる副首都法において、人口、経済に関する機能が特定の圏域に過度に集中することなく国土全体に適正に配置されることを目指すことについては、その考え方が重なる部分もあると考えます。なお、副首都法に基づく施策については、今後、基本方針の策定を通じて具体化していくものでありまして、政府として必要な検討を行ってまいりたいと思います。