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伊藤消費者庁長官記者会見要旨
(2022年2月16日(水) 14:00~14:12 於:中央合同庁舎第4号館4階共用第4特別会議室)

発言要旨

冒頭に私から、令和4年2月物価モニター調査結果等について御報告をさせていただきます。
本日、令和4年2月の物価モニター調査結果を公表いたしました。お手元に資料を配付させていただいておりますが、今月も原材料価格の上昇や原油価格の動向等を背景として、前月比1%以上価格が上昇した品目数が先月より増加したほか、物価モニターが予想する1年後の物価上昇率についても2.43%と引き続き上昇傾向にあります。
また、今回の意識調査ではキャッシュレス決済に焦点を当てて調査をいたしました。全体の約9割の方がキャッシュレス決済を利用していると回答しており、比較的利用する頻度の高い決済手段として、PayPayやLINE Payなどのバーコード、QRコード決済と回答した方の割合が以前と比較して顕著に伸びていることがうかがえました。さらに、キャッシュレス決済のメリットとして、現金に触れることなく衛生的に支払ができることを選択する方がコロナ禍以降大幅に増加しておりますが、今回の調査結果でも引き続き同様の傾向が見られております。
なお、本年4月1日から成年年齢が18歳へ引き下げられ、18歳になれば保護者の同意なくクレジットカードを作ることができるようになります。先日、2月10日でございますが、国民生活センターからも注意喚起が行われたところです。クレジットカードを利用するに当たっては、しっかりと支払計画を立てることや、暗証番号を安易に他人に教えたりすることがないよう、くれぐれも御留意いただきたいと思います。

質疑応答

NHKの秋山です。
冒頭の物価モニターの意識調査のところで、今、長官もおっしゃったみたいに、クレジットカードを含めたキャッシュレスの利用が引き続き伸びているというのは、社会の状況とコロナの影響と、というところがあるのかなと思ったのですが、クレジットカードでいうと、若者が意識のところで、使い過ぎのおそれが心配だっていうところがですね、人数少ないとは思うのですけど、全世代で一番高かったり、やはり意識、若い人自身がやっぱり使い過ぎを懸念しているのかなというところが改めて意識調査で出てきたかと思うのですが、データの流出ですとか、契約というのはもちろんのことだと思うのですが、使い方みたいなところは金融庁も含めて引き続き強化していきたいというお考えはあるのでしょうか。

お手元の資料でも、あなたがキャッシュレス決済を利用するに当たって不便に感じていたり、懸念したりしていることは何ですかという質問に対して、先ほど御指摘のありました、個人情報の流出や不正使用等の被害の問題と併せて、お金を使っている感覚がせず、要は使い過ぎてしまうおそれがあるということがあります。国民生活センターの注意喚起においても、リボ払いとか、限度額いっぱい使っちゃったとか、あるいは複数のカードの管理が十分できていないとかですね、決済手段によって使い分けるのはいいけれど、トータル像がちゃんと見えていないといったようなことも言われているところです。これは、この間、消費者教育推進会議などでも、金融の問題も大事ではないかという御指摘を委員の方からも頂いているところでございますので、成年年齢の引下げについては関係省庁、金融庁も入っておりますので、金融庁とも連携して取組をしっかりやっていきたいと思っております。

朝日新聞の前田です。
アサリの関連でちょっと質問なのですが、先週、熊本県知事から要望活動があって、現状どのようなやり取りが熊本県とか農水省との間で消費者庁の方はされているのかという、進み具合をちょっと伺いたいのですが。

先週2月8日に、熊本県知事からアサリの産地偽装対策に関する要望書、農林水産省と私どもの若宮大臣に出されたところです。この間もそれは御報告したところですが、これが消費者の信頼を揺るがす極めて深刻な問題であるという認識は、熊本県知事も私どもの方も認識を共有しています。
現在、農林水産省の方で、一つは今の偽装の解明の問題と、それから、今後、表示違反をどういうふうに防ぐかという観点から、アサリがどういう形で流通しているかといった観点をお調べいただいているところでございますので、これを共有化して今後どうしていくかということを議論するということです。意見交換はしておりますが、まだ調査中のこともたくさんございますので、今この時点でここまでということについてのお答えがちょっとできる状況にはございません。スタンスが決まりましたら、農林水産省とともにこういう方向で行きたいということについてお話をさせていただきたいと思っております。

ありがとうございます。これもちょっと度々の質問で恐縮なのですが、その要望書の中で除外を求めていた、アサリについての長いところルールの除外ということも触れられていたと思うのですけれども、そもそも一般的に輸入元より国内での蓄養が長いということが、これはあり得るというふうに消費者庁としては考えているのでしょうか。

今、アサリについての実態を調べているということを御説明させていただいたところですが、そういったことも含めて、我々自体がそんなに詳細に業の状況を見知っているわけではございませんので、農林水産省の方と連携して、それも含めて把握をして、最終的にどうするかということを考えるということではないかと思っております。

分かりました。最後に、昨日も、国産のワカメだというふうに偽って中国産のワカメの加工品を販売していたということで逮捕者が出る事件が報道されましたけれども、アサリだけではなくてですね、この産地偽装全体を撲滅させるためにどんな仕組みづくりを消費者庁として今後していくのかということ、食品表示法の前提が正しい情報を表示するということ、表示されている情報は正しいものだということに基づいているのですけれども、こういうふうにアサリも大きな問題ですし、ほかにもいろいろとあるところを見ると、ある程度、事業者というのは産地偽装をするものなんだという前提に基づいて、強い態度で取締りをしていかざるを得ないのではないかとも思ってしまうのですけれども、いかがでしょうか。

食品表示、産地も含めてですね、消費者が食品を選ばれる際の大切な指標となっているということでございますので、これが誤ったものが記載されるということは本当にあってはならないことだと思っております。
先ほど御指摘いただいた件に関しても報道があったことは承知しておりますが、個別案件についてのお答えは差し控えたいと思います。
ただ、一般論でございますが、当然、外国産のものを国産、あるいは具体的などこどこ産と偽って販売する行為は食品表示違反となりますから、事実であれば当然消費者を欺く非常に残念な行為ということになります。食品表示法に基づく指示の状況でございますけれども、残念なことに、令和3年度において原産地等に係る食品表示違反について、これまで11件の指示・公表事案があります。その品目は、アサリを始め、ウナギ、牛肉、鶏卵となっておりまして、アサリ以外の食品についても食品表示法に基づく表示の是正等の指示を行っているところです。
これについては、ルールの問題というよりは厳正な法執行をするということに尽きると思っておりますので、農林水産省、それから都道府県、場合によったら警察等の関連機関と連携して、厳正な法執行に努めていきたいと思っております。

フリーの木村です。
昨日正式に公表されたアフィリエイト広告等の検討会の報告書について、改めてなのですが、今回の報告書のポイントを見る限り、もう本来やらなければ、やっていなければいけないようなことが中心で、夏、指針の改正、夏前まで待たずしても、消費者庁として業界に何か要望をしていくとか、そういうお考えはありますでしょうか。

昨日、御指摘のとおりアフィリエイトについての検討報告書を出させていただいたところです。その際、管理上の措置に関しての指針を消費者庁において夏頃をめどに成案を公表したいと思っております。
既に報告書を出したということで、かなり関係者の方々には、あるメッセージにはなっているのではないかと思っておりますが、基本的にあの報告書で書かれているような悪質事業者に対する厳正な法執行、それからもう一つは、一般のアフィリエイト広告においてもしっかりと管理をしていただくということは大変大事なことだと思っております。具体的にこんなことがあり得るのではないかということも報告書の方でお示ししているところでございますので、それぞれの事業者においては、是非取組について進めていただければと思っております。

関連ですが、報告書の中では今後の課題としてステマの対応というのが挙がっているのですが、詳細とかはこれから取組内容とか決めていくことかと思うのですが、何か今の段階でステマに対する対応方針、ちょっと大ざっぱなところで何かお考えがあればお聞かせください。

御指摘のとおり、検討会の報告書においてステルスマーケティングの実態把握を行い、その実態を踏まえ、一般消費者の誤認を排除する方策を検討することが求められていると認識しております。また、海外の事例等についても、学識経験者の方から御紹介いただいたところであります。ただ、そのためには、まず今の実態把握を我々としてしていく必要があると思っておりますので、今後そういう実態を把握した上で、具体的な方針やスケジュールについては決めていきたいと思っております。

読売新聞の松本と申します。
冒頭の物価モニター調査の意識調査のところでお伺いしたいことがあります。先ほど、バーコード決済のほうが以前より顕著に増えていたということですが、こちらは何か考えられる背景などありましたら教えてください。

ほかのクレジットカードなんかに比べると、このような決済手段というのが最近出てきているということはあろうかと思いますし、また、いろいろなキャンペーンなどがなされていた、いろいろ普及させるための取組は事業者の方でやられていたと思いますので、こういった影響かなと思っております。クレジットカードなどについては以前からあるので、そういう意味では伸び率が少なかったということではないかと思っております。