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伊藤消費者庁長官記者会見要旨
(2021年11月24日(水) 14:00~14:11 於:中央合同庁舎第4号館4階共用第4特別会議室)

発言要旨

私からは冒頭に2点申し上げさせていただきたいと思います。
1点目は、通信販売の申込み段階における表示についてのガイドライン案の意見募集開始についてです。
本日から、通信販売の申込み段階における表示についてのガイドラインの案について、意見募集を開始いたします。本年6月16日に公布された特定商取引法等の改正については、施行に当たって3段階に分かれて施行するということになっております。既に送り付け商法については施行しておりますが、第2段階である定期購入等の施行については公布後1年以内としております。この中で、主に詐欺的な定期購入商法への対策を念頭において、通信販売の最終的な申込み段階において一定事項の表示を義務付け、誤認させるような表示を禁止する規定を新設しておりますが、この規定に関する考え方などを示すガイドライン案を策定いたしました。今般、このガイドライン案について広く御意見を募集し、策定に当たっての参考とさせていただきたいと考えております。なお、本日16時半から、担当課による記者レクを予定しておりますので、詳細な内容については担当課にお尋ねいただきたいと思います。
2点目は、サステナブルファッションに関するイベントの開催についてです。
サステナブルファッションの推進に向けては、消費者庁としては、8月に経済産業省、環境省と共に関係省庁連携会議を立ち上げ、特設サイトやサポーター制度の創設による情報発信の強化を行うなど取組を進めております。この度、サステナブルファッションに関して更に理解を深めていただくことを目的として、この7月の「ファッションから考えるサステナブルファッションな未来」というイベントに次いで、第2弾として12月9日に「ファッションから考えるサステナブルな未来~わたしたちができること~」を、消費者庁主催で徳島県上勝町のゼロ・ウェイストセンターにて開催いたします。
本イベントでは、サステナブルファッションについて関係省庁の取組を御紹介するとともに、先進的に取り組まれている民間企業等の方々にお集まりいただきトークショーを開催するほか、大阪モード学園によるサステナブルファッションショーなどを実施する予定としております。本イベントは消費者庁ウェブサイトでオンライン配信をするほか、後日、消費者庁のYouTube公式チャンネルにて配信するので、御試聴いただき、この機会にサステナブルファッションに対して多くの方々に関心を持っていただきたいと思っております。

質疑応答

ニッポン消費者新聞の丸田です。
本日午前中の食品表示のことについて、長官御自身が実施されてきましたので、実証をですね、それで、その感想をお聞きしたいと思います。

本日、デジタルツールを活用した食品表示実証を有明のスーパーマーケットで行いまして、それに私も参加させていただきました。午前中に私が直接現地でアプリケーションを使って、実際に販売されている商品の食品表示を確認するとともに、実証の様子を確認いたしましたが、やはり容器包装だけではなくて、こういうデジタルを使うと、より一層分かりやすい部分があるなということで、消費者にとっての表示の見やすさの改善や、表示の活用にもつながるのではないかと思いまして、リアルとデジタルの融合の可能性というのを感じました。
ただ一方で、なかなか全てのデータがきちんと入っていないなど、インフラとして使うにはまだまだ不十分な部分があるなと思いましたので、関係省庁とも課題を是非共有化していきたいと思っております。
また、本日以降の試行を通じて、より消費者の方々に、見やすさなり使いやすさの観点から、どうやったら食品表示、活用されるようになるのかということについて、消費者の御意向を確認できればと、このように思っております。

今のと関連するのですが、これは物価モニターでも3年くらい前に指摘されてきましたけれども、食料品の高騰によって、現在、容器の中に入っている商品が、今までとは違う少ない分量で価格が同じだということで、単位価格のことについて、単位価格表示をしてほしいという要望もあったりして。
それともう一つが、今日、長官もおっしゃっていた、成分表示表の成分表示の単位について、100ミリリットルであるとか、100グラムであるとか、1包、1の囲みであるとか、要するにその単位について比較できるかどうかということについて、具体的な形でもう少し分かりやすい、そういう表示の見直しであるとかということは何かお考えないでしょうか。特に単位価格についてはどうでしょうか。

価格についてはいろいろな形で決められるものでございますので、私どもとしても、昨今のいろいろなことに伴う物価上昇の気配がございますので、これについてはしっかりと注視はしていきたいと思います。ただ、直ちに単位当たりの価格表示が妥当かどうかについては、やや慎重に議論する必要があろうかと思います。
その上で、もう一つの方の御指摘、いろいろな成分表示等について、単位をどうするかというお話ですけれども、私自身が思ったのは、自分が使うに当たっては、例えば1皿当たりだったり、そういったものが分かるといいなとは思いますけれども、それは表示としてやるというよりは、むしろアプリなど、手元でより理解を深めるというツールのときにはそういった形のものがいいなと。人によっては、当然分量も違うし、子供向けにどうだとかいろいろあると思いますので、そこの部分は使う人のニーズに応じたカスタマイズがされるという形でいいのではないか。要は表示そのものを変えるというのではなくて、そういうアプリを活用するに当たっての留意事項かなと思っております。

NHKの秋山です。
冒頭のガイドラインの件ですが、基本的には行政向けのガイドラインにはなるかなと、通知出される対象は行政官庁になるのかなと思っているのですけれども、多分、事業者や消費者にとってもすごい勉強になるというか、非常に参考になるガイドラインになっていると私は考えているのですけれども、長官としては、消費者とか事業者が、施行までにこういう動きをとらまえて、どのように理解を深めていってほしい、対応をより深化させていってほしいと感じていらっしゃいますでしょうか。

コロナ禍において、いわゆる詐欺的な定期購入商法の問題が非常に大きく、国民生活センターなどでも問合せが来ているということは皆さん御案内のとおりかと思います。そういったことを念頭に置いて、特定商取引法等の改正においては、消費者が申込みの意思表示を行う場面で、契約内容について一覧性をもって確認できるよう、申込みの最終段階における表示義務などを規定したということであります。
そういった最近の詐欺的な定期購入商法を要は防止するという観点から、定期購入の場合には、引き渡される商品の各回の分量や代金のほか、総分量や代金の総額についても表示するとか、あるいは、無期限や自動更新のある定期購入である場合にはその旨を表示するとか、解約について特段の制約等がある場合にはその旨を明確に表示することといったような内容について盛り込んでいます。
できるだけこういう形で改正し、消費者の方々が誤認しないように私どもとしてはガイドラインを作ろうとしているわけではございますが、一方で、やはり契約に当たっては、消費者側も最終のところで今一度十分確認をして、自分がどういう契約をしているのかということをよく納得した上で契約をしていただきたいと、このように思っております。