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井上内閣府特命担当大臣記者会見要旨
(2021年4月2日(金) 9:25~9:41 於:中央合同庁舎第4号館2階共用220会議室)

発言要旨

科学技術政策担当大臣として報告をします。
内閣府では基礎研究から実用化・事業化までの研究開発を一気通貫で行うSIPの課題の一つとして、「AIホスピタルによる高度診断・治療システム」に取り組んでおります。このAIホスピタルにおいて、「医療AIプラットフォーム」の構築に関する研究開発を進めています。このプラットフォームは、医療現場のデジタル化やAI技術の活用を促進し、医療の質の向上、医療従事者の負担軽減を図ることを目指し、医療AIサービスを一元的に提供するシステムです。
今般、この医療AIプラットフォームの研究開発を担う関係企業5社による技術研究組合について、経済産業大臣及び厚生労働大臣の認可を受けて昨日設立されました。この技術研究組合の設立は、AIホスピタルの構想からつくられるSIPの成果として、医療現場に社会実装していくための大きな一歩であります。
もう一件あります。
明日3日に、産業技術総合研究所(産総研)、宇宙航空研究開発機構(JAXA)、物質・材料研究機構(NIMS)を訪問します。
産総研では、超伝導量子コンピュータ研究を支える世界トップ級の技術力である回路製造の研究施設をはじめとした社会課題解決に取り組む研究現場を視察します。JAXAでは、国際宇宙ステーション日本実験棟「きぼう」や、わが国が誇る補給機「こうのとり」など、最先端の宇宙開発の取組状況を視察します。NIMSでは、世界最大級の材料データベースを有するプラットフォームの構築、AIを導入した最先端電池や高性能センサの開発等、Society5.0の実現に資する取組を視察します。
世界に誇る最先端の研究の現場を体感し、有意義な意見交換を行うことで、今後の政策に生かしてまいります。
最後にもう一件です。
日本学術会議を含むG7サミット参加各国の科学アカデミーの集合体である「Gサイエンス学術会議」が、6月のG7サミットに向けた共同声明を取りまとめ、3月31日に公表したとの報告を受けました。全ての温室効果ガスの排出量と吸収量を正味ゼロとすることを目的とする「ネットゼロ」など、3つの共同声明には国際社会が国境を越えて取り組むべき喫緊の課題に対応すべく、科学やイノベーションに関する取組などについての政策提言が盛り込まれております。世界各国の学術界が連携して、科学的見地から政策提言を行うことは非常に意義深く、関心を持って注視してまいります。日本学術会議には、よりよいやり方の検討を深め、実行可能な改革を積極的に進めることにより、今後このようなナショナルアカデミーとしての役割を果たしてもらいたいと思います。
以上です。

質疑応答

今のGサイエンス共同声明なんですけれども、政府としては、今回の共同声明をどういうふうに政策に生かしていくのか、具体的なスケジュール感なども含めて教えていただけると助かります。

これは、国際的な大きな枠組みの中での話でありますから、それをしっかり受け止めて、それぞれ様々な項目において、担当部局が考えていくということになると思います。

実は、学術会議、例えば2011年に、今問題になっているコロナとかの原因でもある公衆衛生学について、これは強化すべきだという提言を出して、コロナ禍においても、昨年の7月に感染症対策の常設組織の設置だとか、9月に今回のGサイエンス共同声明の公衆衛生上の緊急事態のためのデータにつながるような、感染症関連のデータの取扱いに関する提言も出しています。ただ、一方で井上大臣は、学術会議の機能を高めるべきだと。機能を高めても、結局政府の側がその提言を活用しなければ、機能を高めてもしょうがないわけですよね。そういった提言をどういうふうに、これからどうやってくみ取っていくのか。今までになされた提言の中でも、今のコロナの対策で使えるようなものもあれば、井上大臣の担当される科学技術だとか、健康・医療の研究開発とか、いろいろなものに使えるものもあると思うんですけれども、そういうものをどういうふうに掘り起こして活用していくのか、そこら辺について教えてください。

これは、学術会議においても今いろんな改革をやっていただいている中で、提言機能の強化といったこともあります。ですからそういう意味では、学術会議側もはっきり分かる形で効果的な提言をしてもらいたいと思っています。これは学術会議そのものの提言ではありませんけれども、学術会議が参加しているGサイエンス学術会議の共同声明ですから、そういった思いでしっかり提言をしてもらいたいと。
ちなみに、このGサイエンス学術会議の共同声明に関しては、例年、学術会議の会長が総理に直接手渡ししています。去年はコロナのことがあってそれは中止になりましたけれども、例えばそういう形でしっかり提言をしていただいて、そうすれば総理として受け取るということになりますから、受け取った政府側も真摯に対応していくといったことだと思います。

今回は手渡しの予定は、これから決まるのですか。

そうですね。まずは学術会議側がどうされたいかということを検討して、そしてお話があれば総理側にお願いしていくということになるかと思いますけれども、担当大臣としては、今、特に学術会議の提言機能の強化という課題もありますから、なるべくしっかりやっていただいたほうがいいかと思います。

今のお答えに関連するんですけれども、そうしますと、この提言を拝見しますと、共同声明のですね、とても重要なものがあって、消費者問題の中でも生物多様性であるとか、というのが出てきています。消費者問題の団体の中では、それが遺伝子組み換え技術であったりとかゲノム編集技術であったりとか、ということについてのいろんな議論があるんですけれども。そうしますと、今のお話だと、確認なんですけれども、まずは学術会議がこの提言に沿ってどういう施策なりを提言していくかということがまずあって、それに対して国とか省庁がそれを受けて何か検討していくという、こういうことで考えてよろしいんでしょうか。

いやいや、ちょっとそれは誤解なんですけれども。まずは、これはGサイエンス学術会議としての共同声明ですから、その扱いを参加団体である日本学術会議に考えていただくということだと思っています。それを政府にお渡しいただくのであれば、それは政府として当然受け止めて、そしてその共同声明の中にある内容に関しては、できるものは反映していくという形になります。
それだけではなくて、日本学術会議のあり方の見直しという文脈でいえば、この共同声明と別にいろいろな提言をより強化して、効果的に提言していってもらいたいということです。

もう一点なんですけれども、5月が消費者月間という位置付けであります。1カ月を切ったんですけれども、これまでの消費者行政、消費者庁も含めて、コロナ便乗商法の被害の防止キャンペーンであるとか、コロナワクチン詐欺の防止キャンペーンであるとか、つい先日、消費者教育の全力キャンペーンというのを各省庁で連携してやるということがちょうど5月に関わってくるわけですけれども。今のところ、まだ早いかもしれませんが、1カ月切っているので、5月の消費者月間について井上大臣としてどういう受止めで、どういうお気持ちで、どういう予定でやるかということを、何か分かることがあれば教えてください。

今おっしゃったように、消費者月間に限らず、今消費者行政にとって重要な課題がたくさんありますから、それはやはり常にしっかりと国民の皆さんに普及啓発活動などはやっていかなければいけないと思っています。その上で、せっかくの消費者月間ですから、今年は特に何に力を入れてやっていくかということは検討していきたいと思います。

少し話は変わるんですが、消費者担当大臣として伺いたいんですけれども。前回の会見でも少し質問が上がっていた、オンラインサロンについて少し伺いたいんですが。国民生活センターに伺ったところ、今年度少なくとも180件ほどの相談が寄せられているということで、中には悪質な商法と見られるような手口もあるというふうに伺っているんですけれども、新しい科学技術というかネット技術というところもあると思うんですが、こうした悪質商法の規制というか、どのように大臣は捉えていらっしゃるかということと、どういった対応が必要だというふうに、あくまでも現状で構わないんですが、教えていただけないでしょうか。

そうですね。このオンラインサロンについては、先日も御質問がありましたし、NHKでも番組を放送されたということで、私もいろいろ調べてみました。そして、サロン参加者などから、サロン主宰者や他のサロン参加者からいわゆるマルチ商法への参加や情報商材の購入などを勧められトラブルになった、といった消費生活相談が、2016年度以降年々増えており、コロナ禍の中で2020年度に入って160件と急増しています。今後、消費者トラブルの増加が懸念されることを踏まえて、事務方に消費生活相談の詳細な分析や、関連事業者に対するヒアリングなど、実態の把握を行うように指示をしました。詳細についてはこれから把握してまいりますけれども、マルチ商法などの事案が見られれば、特定商取引法違反がないか確認することになります。
今後、関係省庁とも連携をし、消費者に対する注意喚起を適時適切に実施するとともに、特商法等に違反する事実が認められた場合には、法と証拠に基づいて、迅速かつ厳正に対処していきたいと思います。消費者におかれましては、オンラインサロンにおいて、不審な勧誘などを受けた場合には、ひとりで悩まずに消費者ホットライン188まで御相談いただきたいと思っています。

宇宙政策について伺います。
アメリカのアルテミス計画で、米国人飛行士を2024年に月面着陸させるという目標がありますけれども、バイデン政権になってNASAの24年目標って、なかなか時間的にも予算的にもタイトで、現実的ではないのではないかという意見も出ているようです。日本については、この宇宙基本計画において、2024年の米国の月着陸を前提に様々な計画が立てられているわけですけれども、仮にNASAが目標を後ろ倒しに再設定した場合、日本の宇宙政策にどんな影響があるとお考えなのか、大臣のお考えを教えてください。

アルテミス計画に関して、NASAが2024年の着陸予定の延期を検討しているとの報道があったことについては承知をしています。一方で、米国大統領報道官よりアルテミス計画を通じて月面へ宇宙飛行士を送ることなどについて言及されるともに、先般NASAよりバイデン政権はアルテミス計画を支持しており、同計画に大きな変更が生じることはないとの説明を受けています。仮にゲートウェイに係る大きなスケジュールに変更がある場合には、昨年12月に日本政府とNASAとの間で締結したゲートウェイ了解覚書に基づいて、国際的な調整の場が持たれることになっております。そのような場合には、内容に応じて適切に対応してまいります。

現時点でアメリカ側からMOUの改定とか日本政府に何らかの打診というか、相談があったという事実はあるんでしょうか。

そうですね。現時点では特にないということです。