堀井消費者庁長官記者会見要旨
(2026年10月15日(木) 15:00~15:26 於:中央合同庁舎第4号館6階消費者庁記者会見室/オンライン開催)
発言要旨
冒頭、私から2点ございます。1点目は、今月、10月の「食品ロス削減月間」に合わせまして、昨年度に引き続き「食品ロス」に関する消費者の意識などを調査しましたので、その調査結果のポイントを公表したいと思います。まず、配布資料の1ページ目ですが、消費者の食品ロス問題の認知度で、これは昨年同様の結果が出ておりまして、約8割ということでございました。年代別で見ますと、70歳代以上の方々の認知度が約9割で高くなっています。20歳代から30歳代の若年層における認知度は低い傾向が見られたのですけれども、10歳代における認知度は約8割と高い結果になりました。これは昨年度も同様でございまして、学校教育などにおいてこのような問題を取り扱っていただく、そういう取組が影響していると考えています。配布資料の2ページですが、賞味期限と消費期限の違いを理解している消費者が約7割ということです。また、一方で約4割の消費者が「食品を購入する際、消費予定に関係なく、なるべく期限の長い商品を購入している」結果が出ています。続きまして3ページ、家庭で余った食品の寄附をより行うためにということで、約3割の消費者が「食中毒等が起こらないように、寄附先が食品の安全に配慮し、適切な温度管理や衛生管理をしている」ことが効果的だと思うと回答しています。また、各年代と比べまして70歳代以上は寄附に対して肯定的な傾向がうかがわれています。続きまして4ページ、飲食店で食べきれなかった際の対応と理由について聞いたところ、そもそも「食べきれなかったことはない」という回答が最も多かった一方で、「持ち帰るという発想自体がなかった」という回答も一定数見られています。食品ロス問題の認知度を上げていくということは持ち帰りという行動や発想、こういったことにつながるものではないかと考える次第です。5ページをご覧いただきますと、「食品ロスの削減の推進に関する基本的な方針」におきまして設定をされた「食品ロス問題を認知して削減に取り組む消費者の割合を80%とする」という目標があります。今回の調査におきましては、74.6%となっております。また、別途配布している調査結果の資料の9ページをご覧いただきますと、これも昨年もお伝えをさせていただいたところなのですが、ご家庭で捨ててしまいがちな食品、これは何だろうと。野菜類や日配品が多くなっているということが分かります。この中でも、例えば細かい品目、「もやし」や「キュウリ」、あるいはパン類や惣菜類が捨てられている頻度が高いという結果が出ておりまして、日常的に使うものをもうちょっと意識して効果的にご利用いただくということが大切だと思っています。食品ロスを削減するためにはまず認知をする、ただこれにとどまらないで、実際に食品ロス削減につながる消費行動を選択していただくことがとても重要だと考えております。例えば、「てまえどり」ですね。すぐ使う食品は商品棚の手前から取る行動、これはスーパーなどにおいて食品ロスの削減の効果が期待できます。ですので、消費者庁としましては昨年度に引き続き、今月の食品ロス削減月間に合わせまして全国のコンビニエンスストアにおきまして「てまえどり」の呼びかけを実施しております。直接的に明確な資料がついているわけではないですけれども、「てまえどり」を知っている割合、そして「てまえどり」を知っていて実践している割合、これについては18ページに書いてあると思うのですが、ちょっと中を詳細に見てみますと、実は知っている、そして実践している割合というのは各世代で伸びが見られています。特に10歳代の方で伸びが見られました。消費者の皆様方には、すぐ食べる食品の購入にあたって無理のない範囲でご協力をいただければと思います。また、賞味期限はおいしく食べることができる期限、「おいしいめやす」であるということをご理解いただいて、食品ロス削減に引き続き努めていただければと思います。また、メディアの皆様にもご協力をいただきながら、期限表示の正しい理解の促進をはじめとしまして、消費者がすぐ生活の中で実践できる取組、こういったものを周知啓発して、国民運動ということで食品ロスの削減を進めていきたいと考えております。最後に、10月30日(金)についての周知をしたいと思います。那須塩原市と全国おいしい食べきり運動ネットワーク協議会主催の「食品ロス削減全国大会」が栃木県那須塩原市で開催されます。ここで「食品ロス削減推進表彰」、こちらも合わせて実施をします。
そして2点目になりますが、徳島の新未来創造戦略本部が徳島県と連携して実施する「働く障がい者向けの消費者教育研修」についてです。消費者庁では、「消費者教育の推進に関する基本的な方針」に基づきまして、学校や地域、家庭、職域など、ライフステージに応じて様々な場を活用して消費者教育を進めているところです。今年度は、徳島の新未来創造戦略本部でモデルプロジェクトとして「職域」において従業員向けの研修、この充実に取り組んでいます。今回、その一環としてなのですが働く障がい者の消費者被害の未然防止と主体的な消費者力の向上を目的とした研修を、徳島県庁の消費者行政部局や福祉部局と連携して開始します。第一弾は、徳島市内の障がい者支援施設「眉山園」、「社会就労センターかもな」において、10月27日から11月21日にかけて、4回の研修を実施します。具体的には、全体研修と、個別の小規模研修とあるのですが、全体研修におきましてはワークシートを活用して計画的なお金の使い方を学ぶ、そしてクイズ形式で消費者トラブルについて理解を深める、トラブルに遭った際の相談先などについて学びます。また、障がいの特性に合わせた小規模研修を通じて被害に遭わないための知識を深めるものも考えております。詳細はプレスリリースをご覧いただければと思いますが、このような取組を通じまして、働く障がい者の方々に消費者教育研修、これを継続的かつ実装可能な研修実施体制の構築ということで取り組んで、モデルということで展開をしていきたいと考えております。この研修にご参加された方々が消費者トラブルの理解を深めて、困ったときには周囲の方ですとか、相談機関に相談をする力をつける、こういう機会となればと考えております。また、新未来創造戦略本部に関してもう1点ご紹介です。先日の長官会見でも発言させていただいたのですが、明後日の10月17日(土)に徳島県で国際シンポジウムが開催されます。これは、ありがたいことに会場申し込み、多くの方に登録をいただいてもう会場申し込みは締め切っているのですが、オンラインの傍聴は事前登録なく可能ですのでぜひご覧いただければと思います。よろしくお願いします。
質疑応答
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問
フリーの木村です。
冒頭のご発言とは別途で恐縮なのですけれども、インターネット通販で人に代わってAIエージェントが商品を購入する、いわゆるエージェンティックコマースと言われる取組が今、国内のECモールを中心に準備が進められていて、実際に日本国内でエージェンティックコマースを実施する上で、消費者庁が所管している特商法で何か問題点はあるかどうかという点についてまず教えてください。 -
答
まず、特商法の規定に照らして実際問題があるものについては特商法で対応していくということになるのですが、通信販売について販売業者等が守るべきルールが定められ、具体的には広告最終確認画面の表示義務ですとか、あとは誇大広告の禁止、解除妨害のための不実告知の禁止等、今でも様々なルール等が規定をされているわけです。今、木村記者からお尋ねのあったエージェンティックコマースに関しては、そもそもAIの提供主体ですとか、あるいはAIによる代行行為の範囲など、こういったものについていろいろな形があり得るのではないかと想像しています。したがって、現時点で個別の事案ではない一般的な話ということでもなかなか法的評価を行うのは難しいと考えています。ただ一方で、AIというのはいろいろな部分で、これは消費という分野以外にもいろいろな部分でかなり大きな影響があるということで、今、消費者委員会の専門調査会で議論がされていると。具体的には、「人工知能技術の利用と消費者問題に関する専門調査会」が開催されていまして、この中でも例えば対話型のAIですとか、エージェント型AIが消費者の意思決定のプロセスに与える影響、こういうことについても議論が行われていると承知しています。場合によっては、消費者の取引、消費者の契約、そういったことを超えたような部分の様々な議論も起こり得るのではないかと考えています。したがって、消費者庁としましては個別の事案に対して既存の所管法令に照らして適切に対応する場面が来ればそれはそういった形で対応しますし、併せて今ご紹介したような消費者委員会における議論等をはじめとした様々な状況、こういったことを注意しながら見て、AIエージェント等の新しい手法を用いた取引の状況の把握にまず努めていきたいと考えています。
- 問 長官がおっしゃったように通信販売の場合、特商法に基づく表示義務とか、最終確認画面の話とか、返品ルールなんていろいろあるのですけれども、AIエージェントを経由した取引にそれらをどう担保というか、生かしていくのか、その辺のイメージがちょっとよく分からないのですけれども、つまり現在、国内でエージェンティックコマースをスタートすることは可能なのかどうかという点はいかがでしょうか。
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答
まず、先ほどお話をしたように特商法上、販売業者あるいは役務提供事業者に課されている義務というのがあって、そこは明確に通信販売の世界の中で確認をしてちゃんと特商法に基づいた形で対応できているかどうか、そこを見ていくというのが第一義的にあると思います。ただ、おっしゃったようにエージェンティックコマースが入ることでそこの部分に何らかの影響があるのかどうか、あるいはそれを超えて新たに考えなければいけない考慮要素があるのかどうか、このあたりは先ほど申し上げたように現時点では未知数の部分があります。したがって、どのような事案があるか、こういったことをよく見てそれで判断をしていきたいと、そういう趣旨でございます。
- 問 ありがとうございます。
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問
NHKの神谷です。
2点ありまして、まず1点目なのですけれども、ここ最近、情報漏洩の問題がすごく話題になっていると思うのですけれども、所管される中で国センとか、何かそういった相談とかが増えているとか、そういった状況はありますでしょうか。 -
答
まず相談件数についてですが、全国の消費生活センター等に寄せられた個人情報に関する相談のうち、不正アクセスに関連する消費生活相談についての件数を確認してみました。今月の12日までに寄せられた今年度の相談件数、これは昨年度の同時期の相談件数と比較をしますといずれも約180件ございました。現時点の数字だけを見ると昨年度並みということにはなるのですが、ただPIO-NETに登録をされた情報ということですので若干タイムラグがある可能性がございます。ですので、直近で寄せられた相談というのが全てを計上できているわけではないと思っていまして、今後の相談件数についてはこれまで以上に注意をしていきたいと考えています。
- 問 反映されてくるとすれば、いつくらいになってくるのでしょうか。
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答
具体的な時期は、本当に各自治体の相談員さんの入力の状況などにもよってくることがありますので一概には申し上げられないというのが実情です。ただ、今寄せられている相談の内容を簡単に御紹介させていただきたいのですが、例えば不正アクセスによる相談者の個人情報の流出に関する不安や今後の対応に関する御相談などがあります。また、不正アクセスによる個人情報の漏洩があったとメールが届いたけれども、これは詐欺ではないかと、このような御相談もありました。また、不正アクセスにより個人情報が流出し不正利用をされてしまったという、こういう御相談もありました。ただ、今三つの御相談内容を御紹介させていただきましたが、印象としては一番多いのは一番最初に申し上げた流出に関する不安ですとか今後の対応についての御相談が今の時点では多いかなという、そういう状況でございます。
- 問 不正利用されたというのは、相談で止まっているということですか。
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答
消費生活センターに御相談をいただいて、その結果、消センのほうが様々な対応をしていますが、その対応でどのような扱いをしたかというところまでは把握をしていないのです。ただ、全国の消費生活センター等でこのような御相談をいただいた際には消費生活相談員が警察とか弁護士とか、あとは今回の事案ですと信用情報機関、こういった専門機関を紹介するなどして適切な助言等を通じた支援を行っています。ですので、不安を感じた、どうしたらいいかという相談をいただいた方々、そして実際漏洩して被害があった、不正利用されてしまったとか、そういった方々にはその状況に応じて色々な機関を御紹介しています。したがって、このような形で件数が増えている中で不安に思われることがあったら188に御相談をいただければと思っています。
また、改めて消費者の方々にもお伝えしたいことをいくつかここで述べさせていただきますと、まず流出した個人情報が悪用されることを防ぐための対策としてはIDやパスワードを変更するということが挙げられますし、今後の被害を防止する対策としては4点ほど、例えば同じID、パスワードの使い回しを避けるとか、あとはスマートフォンの認証やワンタイムパスワードなどの多要素認証を利用すること、クレジットカード、キャリア決済、インターネットバンキングの利用明細をこまめに確認して不審な利用がないかということに気をつけるということ、そして事業者や公的機関などのSNSやメールを見るときはフィッシングを疑って記載されているURLにはアクセスをせずに事前にブックマークをした正規のサイト、あるいは正規のアプリからアクセスする、そのようなことをぜひ改めてお願いできればと考えています。 - 問 ありがとうございます。もし分かればなのですけれども、件数は同じだったということなのですが、相談内容について先ほどおっしゃっていただいたような、今のまさに情報流出の関係に付随しているような具体的な内容だったと思うのですが、そういったものが増えているというか、前年度に比べてこういう相談があるという感じになっているということでしょうか。
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答
(消費者政策課)
昨今、様々報道されておりますので、今年度につきましては、「事業者から「不正アクセスによって個人情報が漏洩した」と連絡があった」、「今後の対処方法を聞きたい」、「心配だ」というような相談が寄せられています。昨年の今頃の時期では、必ずしも個別の業種について集中しているというものではないのですが、例えば「不正アクセスについてどうすればよいか」といった相談が寄せられております。質問内容としては「不安だ」とか「どう対応したらいいか」という共通点はあるものの、業種については最近のものと異なるところもあると思います。 - 問 分かりました。ありがとうございます。あと続けてで恐縮ですけれども、もう1点、奈良の認定こども園のほうで先月、凍らせたゼリーを喉に詰まらせて今月に入って亡くなられたという3歳児のクラスの男の子の話があるのですけれども、これについて長官としての所感と注意喚起等ございましたらお願いしたいと思います。
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答
お尋ねの事案については今後、事故の原因などの検証が進められることになるのではと考えていますけれども、大変痛ましい事故だと考えています。お亡くなりになられたお子様のご家族の方々など、関係者の方々に心よりお悔やみを申し上げたいと思います。一般的にお子さんについては噛み砕く力とか、飲み込む力というのが発達していないと、このようなことがありますので、今回は凍らせていたゼリーと承知をしていますけれども、凍っているかどうかということに関わらず、口の大きさよりも小さい、丸いもの、つるっとしたもの、あるいは硬くて噛み切りにくいようなもの、これらは丸ごと飲み込んでしまう可能性があるということで注意していただきたいと思っています。このようなことがありますので、こども家庭庁では以前より「教育・保育施設等における誤嚥事故防止のための食材整理表」というものを作成して、使用を避ける食材や調理を工夫する食材について示していると承知をしています。このようなものも参考になると考えています。
また、当然消費者庁としましてもこれまで注意喚起を行ってきたところでございまして、このような事故を二度と起こさないために、防止をするために気をつけていただきたいことということでは、食品の形状に応じてカットして用意をするということ、お子さんの姿勢にも気をつける、姿勢をよくした形で食べていただくということ、そしてお子さんの発達状況を見ながらどのような食品を食べさせるかというのを選んでいただく、それで食べさせる前にちょっと立ち止まって考えると、この大きさで大丈夫かなとか、そういったことをぜひお願いしたいと考えております。 - 問 ありがとうございます。具体例として挙げていただいたところでもありますけれども、ちょっと広くというところでこういった事故が絶えないというところでもあるかなと思うのですけれども、長官のお気持ちというところも含めて消費者の皆さんに対してどういうふうに心がけてほしいかというところをお願いできますでしょうか。
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答
繰り返しになりますけれども、お子さんの年齢など発達の状態によっても噛み砕いたり飲み込む力も変わりますし、あとはどのような食材、あるいは調理の仕方が適切かということもあります。ですので、お子さんにそういうお食事を与える際にはそのようなことを今一度考えていただいて、このような事故が二度と起きないようにぜひ注意をしていただきたいと思っています。
- 問 ありがとうございます。
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問
テレビ朝日の都築です。
先ほどの不正アクセスに関してなのですけれども、今年度で180件ほど相談が来ているということなのですけれども、この内訳みたいなのは今出ますか。 -
答
すみません。ちょっと細かい詳細な内訳は今すぐには出てきません。あと、相談の内容も微妙に違ったりして類型化が難しいという、これはいつもあることなのですが、ただ先ほどお話したようにやはり3類型ほど関連するお問い合わせがある中で、実際に不正利用をされてしまったとかそれに便乗した詐欺ではないかというお尋ねよりも、不安ですとか今後どうしたらいいのだろうかと、そのようなお尋ねが多かったです。そのようなことも踏まえまして、先ほどちょっとお話をしたように今後気をつけていただきたいことなどを伝えさせていただきました。
- 問 ありがとうございます。