堀井消費者庁長官記者会見要旨
(2026年8月6日(木) 14:00~14:33 於:中央合同庁舎第4号館6階消費者庁記者会見室/オンライン開催)
発言要旨
本日私から3点ございます。まず1点目ですが、令和8年熊本地震への対応に関してでございます。冒頭、お亡くなりになられた方のご冥福をお祈りするとともに、今回被害に遭われた方に心からお見舞いを申し上げたいと思います。自然災害に関連する消費者トラブルに関してお話をしたいと思います。一般的にはこのような場合に大きく二つございまして、まず被災地域を中心に発生するトラブル、住宅修理に関するものや被災地域への旅行のキャンセルなどのトラブルが代表的です。またもう一つ、被災地域の内外にかかわらず発生するものということで、例えば屋根ですとか分電盤の点検等、自然災害をきっかけとした勧誘トラブル、また義援金の詐欺、こういったものが挙げられます。7月28日以降、昨日(8月5日)までということになりますが、この期間に寄せられた地震に関する相談件数のうち、令和8年熊本地震に関する相談は約10件ございました。被災地域における住宅の修理や契約に関する問い合わせとかトラブル、また、数は少ないですが、被災地への寄付と称した詐欺など、詐欺や悪質商法の疑いがある相談も寄せられているところです。このような消費者トラブルにあった際の消費生活相談に関しましては、8月5日時点で熊本県内8自治体の消費生活センター等に関しまして、「消費者ホットライン」188の接続先を熊本県の消費生活センターに変更する対応をしています。このようなことで、熊本県内の相談機能の継続性を確保しておりますので、被災地の皆様方におかれましても、困ったことがございましたら、「188(いやや!)」にお尋ねをいただきたいと考えています。また、先ほどもお話ししましたが、過去の震災時におきましては、福祉団体や公的機関等を名乗って、義援金をだまし取ろうとする事例の情報も寄せられているところです。そのため、被災地以外の地域にお住まいの方等につきましても、義援金の寄付を行う際などに関しましては、いくつかご注意をいただきたいと思います。まず、そのような義援金を募っている団体等の活動状況や使途をよくご確認をいただきたいということ、また、自治体等の公的機関が各ご家庭に電話で義援金を求めるということは基本的には考えられません。したがって、そのような場合は、当該公的機関に確認することをお願いしたいと思います。また、口座に振り込む場合、振込先の名義をよく確認する、こういったことにご注意をいただければと思います。消費者庁では、ウェブサイトやSNSを通じまして、このような災害に便乗した義援金詐欺や悪質商法などについて、消費者の皆様に引き続き、注意喚起をしていきたいと考えています。また、消費生活相談情報などを踏まえまして、今後も必要な注意喚起等を行っていきたいと考えています。
2点目になりますが、パーソナルトレーニングでの注意喚起に関してでございます。今年5月に消費者安全調査委員会より公表された「パーソナルトレーニングでの事故」についての調査報告書がございました。この報告書に基づいて各省庁とも取組を様々行っているという状況だと思います。経済産業省でも、運動指導者団体連絡協議会が策定した安全基準等について、フィットネス関連団体を通じて関係事業者に周知をしていると承知しておりますが、今般、消費者庁におきましても、消費者の皆様方にご注意をいただきたいポイントをまとめております。それを本日、注意喚起資料ということで公表させていただきます。パーソナルトレーニングでは、トレーナーの指導がある場合でも、負荷が重すぎたり、体調が悪い中で無理に行ったりしたことなどが原因と考えられる事故が起きております。このようなことを防止するためには、消費者の皆様ご自身においてもご注意をいただきたいことがございます。例えば、資料の8ページから記載しているように、トレーナーの方が感じとれないような当日の体調など気になる点を伝えること、トレーニングの内容によってはなかなか声を出しづらいこともありますので、つらさを感じた時の伝え方をトレーナーと確認しておくこと、また、トレーニング中に不安や痛みを感じた場合は一旦やめること。こういったことが事故防止のためのポイントです。また、今回注意喚起をさせていただいた内容は、このパーソナルトレーニングについてのもののみならず、トレーニングジムで一人で行う場合についての事故事例や、事前に消費者自身で健康状態や器具・機器の使い方を確認するといった事故防止のためのポイントも入れております。トレーニングは、無理のない低めの負荷から始めて、安全を確かめながら不安なく行うことで継続することができますし、効果も高まるのではないかと思いますので、すでに日常的にトレーニングを行っている方、またこれから始める方も、このような事故防止のポイントを押さえていただいて、怪我なくトレーニングを行っていただきたいと思います。
3点目ですが、消費者志向経営優良事例表彰についてでございます。消費者庁では、事業活動にあたり消費者と共創・協働し、商品・サービスの改善などを通じて、消費者の行動変容を促し、社会価値の向上を目指す「消費者志向経営」を推進しております。この一環といたしまして、消費者志向経営に関する優れた取組を行う事業者の表彰を平成30年度から行っています。今回で9回目、これまで延べ79事業者が表彰を受けています。配布資料のとおり、8月4日(火)から募集を開始しておりまして、10月16日(金)までの約2か月間を募集期間としております。有識者からなる選考委員会で受賞者を決定して、2月に予定しております日経SDGsフォーラムで表彰式を開催する予定です。ぜひ事業者の皆様方にふるってご応募いただきまして、優れた取組の表彰を通じて、より消費者志向経営が広がっていくことを期待しております。
質疑応答
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問
朝日新聞の井上です。
震災の悪徳商法とか、そういったデータ、当該の問い合わせる課はどこになりますかね。ちょっと細かい数字とか聞きたいと思ってるんですけれども。 -
答
いくつかご紹介をさせていただきますと、まず消費者政策課を窓口として、全体の問い合わせについて対応させていただきます。また、消費者相談の関係などで地方の状況などをお尋ねいただく場合は、地方協力課にお尋ねいただければと思います。
- 問 先ほど10件ということだったんですけれども、地震発生の28日から8月5日までに10件でいいですか。
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答
はい、それで結構です。
- 問 これは全部、熊本県内からですか。それとも違うところからもありますか。
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答
熊本県外のものもございます。ただ、数は少ないです。熊本地震に関するものということで、今回相談件数をピックアップしたのです。井上記者よくご存知のように、PIO-NETの情報から、「地震」というキーワードでピックアップをしています。PIO-NETの情報というのは、基本的に相談員の方が、消費者の方から相談を受けた内容を入れていますので、事実関係を確認した上で掲載しているものばかりでもないということになっています。
- 問 わかりました。それで、その内容として、ちょっともう1回いいですかね、すみません。内容は。点検商法ってのがあるわけです。
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答
さっきお話ししたように、いくつかあるのですが、基本的には修理ですとか契約についてのご相談、例えばこういう場合はどうしたらいいかというご相談や、実際トラブルになったけどどうしたらいいか、そのようなことがございます。あとは消費者の方が、被災地に対して寄付をしたいと考えたのですけど、どうもその寄付先が疑わしいということでご相談を受けた。ですので、これは熊本県外、被災関係地域外からのお尋ねが現時点で含まれているということになります。
- 問 寄付先を疑わしいというのは、先ほどおっしゃっていたどこかから電話がかかってきたとかなんですか。
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答
これは電話ではなく、SNSでフォローしている店から、被災地の寄付のためにということで接触があったのですが、どうもDMというか、こちらの方に連絡が来た先が詐欺であったと、そのような相談者からのお問い合わせ内容になっています。これはそのまま相談者の方がおっしゃった中身ということなので、これ以上の情報はないのですが、ご自身が不安に考えられてお尋ねされたということで、1つ件数として挙げているということでございます。
- 問 消費者政策課の方に問い合わせると、修理とはどんな修理かとか、そういった細かいことでもお答えいただけるという考えでいいんですか。
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答
そうですね。程度問題にもよりますけれども、ある程度まとめた形であればお答えできると。なぜまとめた形と言うかと言いますと、さっきお話ししたように、一つ一つの事実関係をつまびらかに確認したものではないということがありますので、そのような形のお答えになろうかと考えています。ただ、ご不明な点ある場合については、担当課の方にいつでもお尋ねいただければと思います。
- 問 ありがとうございます。
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問
NHKの神谷と申します。
引き続きで熊本の件で恐縮なんですが、何か具体例とかを挙げていただくことって可能でしょうか。例えば修理に関してっていうところで、どういう状況で、言える範囲あると思うんですけれども、向こうからやってきてここを修理しますかなのか、お願いしてなのか、どういうふうな形の詐欺というか。 -
答
修理に関しては、相談と、実際のトラブルという内容が大きく二つあると思うのですが、実際、今回被災されてかなり壊れた箇所があり、それで修理をしたいとお尋ねをしようとした先との連絡がつかないとか、そういうトラブルに行く前のような相談という事案もあります。詳細はなかなかお答えしにくいのですけれども、保険の中身ですとか、あるいは修理の仕方とか金額とかについて、消費者の方の考えと一致しないことについてどう対応したらいいかとか、そのような種のものもあります。
- 問 中身を言いにくいかもしれないですけど、それっていうのはもうちょっと具体的に、何かこうこうしてほしいっていう話だったけど、それができなかったとか、そういう感じなんですか。
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答
そうですね。本当に個別のケースによっていろいろな相談の中身がありますので、従来契約をしていた中身と違う中身にしようということで発注したいけど、それができないとか、あるいは従来の契約をキャンセルしたいとか、今、約10件ということで申し上げましたけれども、それぞれ10件、本当にいろんなパターンがありますので、なかなか集約をしがたいということがあります。ただ、さっきお話ししたように、発災直後から約9日間の問合せということになります。今後、こういった問合せは、これまで他の震災の場合などでもそうですが、時間が経つにつれて増えてくるという可能性もあります。そうなってくると、ある程度お問い合わせですとか、相談の内容を類型化したり、まとめたりするということも可能になってくると考えていますので、そのあたりはまた随時、情報収集をきめ細やかにしながら、情報発信させていただきたいと思っています。
- 問 ありがとうございます。もう一点だけ、こういった事案についての、ちょっと重複する部分もあるかもしれないんですけれども、長官としましての所感というか、受け止めというところと、注意喚起というところを改めてお願いできますでしょうか。
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答
はい。自然災害が発生した際には、その被災地の中、そして被災地の外を含めて、様々なトラブルがこれまでの事案では寄せられています。例えば平成28年の熊本地震の時ですね。この時の状況も確認してみましたところ、発災1か月間で、平成28年の4月から5月の1か月間にかけて、28年熊本地震に関する相談というのが752件ございました。その中身は、知らない事業者の方が突然自宅を訪問してきて、屋根や住宅設備の修理・点検を勧誘されたとか、あとは被災地支援のための義援金、または不用品を集めているということで勧誘されたとか、このような事案が多く見られたと承知しています。今はまだ被災地の皆様方は非常に厳しい状況の中で、避難を続けておられる方も多くいらっしゃると思います。ただ、これから本格的に復旧というのが始まってきた時に、以前のような、28年の地震の時のような消費者被害が起きる可能性もあると考えておりまして、私ども消費者庁としましては、消費者庁の持っている様々なツール、例えばウェブサイトや公式Xなどで情報発信を密にやっていきたいと思いますし、災害に便乗したこのような悪質な商法ですとか義援金詐欺、これはあってはならないことだと考えております。したがって、消費者の皆様方も大変な状況であると思いますが、このような情報をなるべくチェックをして確認をしていただく。また、このような被災地に寄り添いたいという思いで、被災地の外から支援したいという方々も、その支援をする直前に、ちょっと確認をした上でやっていただいた方がいい可能性もあります。消費者庁が発信をする、また、国民生活センターが発信する情報に、引き続き注意していただきたいと思います。
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問
毎日新聞の阿部です。
熊本地震に関する消費者トラブルの相談内容についてお聞きしたいのですが、問い合わせ先はどこになるでしょうか。先ほど音声が途切れてしまって聞こえませんでしたので、改めて教えていただきたいです。 -
答
消費者政策課にまずお尋ねをいただければと思います。あと、消センについては地方協力課と先ほどもお答えしていますので、よろしくお願いします。
- 問 ありがとうございます。
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問
ウェルネスニュースグループの田代です。
消費者支援機構関西(KC's)が、株式会社ノコトを巡る返金未済などの問題について、特定商取引法第60条に基づく申出書を消費者庁長官宛てに提出しています。この申出について、消費者庁としては受理しているのでしょうか。また現在、どのような対応状況にありますでしょうか。特定商取引法第60条第2項では、「必要な調査を行い、その申出の内容が事実であると認めるときは、この法律に基づく措置その他適当な措置をとらなければならない」と規定されています。この規定に基づく調査や措置について、一般論で結構ですが、消費者庁はどのような考え方で運用しているのでしょうか。 -
答
まず、個別の事案については私のほうからお答えすることは控えたいと思います。ただ、一方で一般論としてというお尋ねがございましたので、特定商取引法におきましてはご指摘のような形で申出制度というのが設けられています。そのような形で届け出られたものについては所管課のほうにおきまして、内容を精査して必要な対応をとるということになっておりますので、どのような事案であっても同様の対応をとるということでございます。
- 問 ありがとうございます。
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問
フリーの相川です。
8つの消費生活センターの相談が県につながっているということですが、職員さんや相談員さんの人的被害や、建物の甚大な被害はあるのでしょうか。 -
答
消費生活センターの被害状況等ということで、細かい内容については省略させていただきますが、発災直後から消費者庁の中でも体制を組んで、様々な消費者庁関連についての情報収集をしているところです。具体的には例えば震度5強以上を記録した自治体に所在する21センター等に状況確認をして、個別に、特に3県に関して状況確認をしていまして、ご指摘のとおり、熊本県に関しては県の消費生活センターについてはハード面での被害はないと承知していますが、一部の相談員さんに出勤困難が生じているので、現在は通常運用に戻っているようですが、回線を縮小して対応していた時期があったことも把握しておりますし、県内の消センの状況についても熊本県を通じて、熊本県のほうからもヒアリングをしているということで把握しておりますので、そういったことを確認した上で必要な対応を取っていくということをしております。相談員の方々の被災状況につきましても把握していまして、具体的にどこの相談員さんというのは控えさせていただきますが、消費生活センターの中では、実際に相談員さんが被災をされたという事例を把握しております。
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問
被災された相談員さん、お大事にしていただき、早く回復することを願っています。
パーソナルジムやスポーツジムで数十万円もの前払い契約で、予約が取れない、解約ができないというトラブルが増えていると聞いています。消費生活相談件数の動向と主な相談内容についてお教えください。 -
答
スポーツジムですとかフィットネスクラブやパーソナルジム、ヨガ教室などの「スポーツジム等」に関するトラブルの相談件数を申し上げますと、令和7年度で7187件寄せられているところです。主な相談事例といたしましては、予約制のトレーニングジムの予約が取れず利用できないので契約をやめたいという内容ですとか、割引や特典の付くキャンペーンを契約したが解約を申し出ると違約金を請求されたというもの、また、解約手続きをしたはずが料金の引落としが続いていたなどの解約についてのご相談というのがまず大きな柱としてあります。あとは、体験やお試しプランの終了後に、通常プランに自動更新をされていたと、このようなお尋ねもあります。また、最近は、店舗でスタッフとかトレーナーと対面することのない無人のスポーツジム、オンラインレッスン等、新しいサービスに関する相談も寄せられていると承知しています。こういったことに関しましては、国民生活センターでもこれまで呼びかけをしていたと思います。契約をする前に、例えば解約時の連絡先とか精算方法とかプランについての期間ですとか、特に体験とかお試しプランの場合、自動更新の有無等についてどうか、あとは解約の際の手続きについてのお尋ねで手続き方法とか申出期間、こういったものも多くございますので、こういったことの確認ですとか、事業者との連絡が取れない場合は、複数の連絡手段で問い合わせる、このようなことがこれまでの事案から呼びかけられていると、そういう状況でございます。
- 問 特定商取引法で規制対象になっている英会話やエステと同様のトラブルが増えている現状があり、英会話やエステはクーリングオフや中途解約ができ、スポーツジムやパーソナルジムはできないという問題があります。ケガを防ぐためにトレーナー等の質を確保することと合わせて、消費者トラブルへの対応策も検討する必要があるのではないでしょうか。
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答
今の相川記者からのご質問はまさに制度論、現行制度の対象となるものかどうかというところについてのご質問ですので、ここは一般論としてのお答えになりますが、様々な状況ですとか立法事実を踏まえた上で、必要に応じて不断に制度を見直していくということだと思います。その上で、現行制度で対象となっているものについては対象にしたときのいろいろ被害状況ですとか相談件数とか、そういったいわゆる立法事実を踏まえた形での対応ということになっていると理解しております。
- 問 承知いたしました。