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堀井消費者庁長官記者会見要旨
(2026年7月23日(木) 14:00~14:24 於:中央合同庁舎第4号館6階消費者庁記者会見室/オンライン開催)

発言要旨

冒頭、私から2件、発言をさせていただきます。まず、夏休み期間の消費者トラブルに関する注意喚起と消費者ホットライン「188」の周知啓発の実施についてでございます。夏休みに入っている学校が多いと思います。また、社会人の皆様の中でも、夏季休暇を取得して、旅行や帰省などをされる方も多いのではないかと思います。普段とは異なる消費の機会が増える一方、こうした機会に伴う消費者トラブルも増えるという傾向にあります。ちょっと不安だなと思われる場合や、身に覚えのない請求、しつこい勧誘などでお困りの際には、お一人で悩まずに、まずは消費者ホットライン「188」にご相談をいただきたいと思います。また、例えばふるさとに帰るなどの場合に、普段離れて暮らしているご家族が、思いもよらない消費者トラブルに巻き込まれているということに気付くきっかけになることがあるかもしれません。帰省された際などに、例えば次のような点がないか確認をしていただければありがたいと思っています。家の屋根とか外壁に不審な工事の形跡が見られないか、必要以上に例えば布団ですとか大量のサプリメントなど不審な荷物が積まれていないか、ご家族にお金に困っているご様子や不安そうなご様子がないか、こういったことに注意をしていただければと思います。消費者ホットライン「188」は、ご本人からだけではなくて、ご家族からのご相談も受け付けています。ですので、少しでも気になることがありましたら「188」をご利用いただければと思います。なお、消費者庁といたしましても、政府広報におきまして、消費者ホットライン「188」のインターネット広告を展開して、周知啓発を強化する予定です。日程は7月27日から8月9日までを予定をしておりますので、ぜひご覧をいただければと思います。
2点目でございますが、今年の1月から消費者教育推進会議の下で開催してきた地域における消費者教育の推進に向けた地域ネットワークの構築・強化に関する分科会について、本日、その取りまとめを公表しましたのでお知らせいたします。デジタル技術の飛躍や社会構造の変化等に伴いまして、消費者の取引環境が大きく変化しています。このような中、消費者教育に求められる役割は大きく拡大しています。幼児期から高齢期までの「全世代」を対象とする消費者教育の機会を充実させていくためには、地域における教育資源を積極的かつ有効に活用するための地域ネットワークの構築・強化が課題です。この分科会におきましては、そのために必要な方策についてご議論いただいたものでございます。推進会議の委員の皆様方による熱心なご議論を踏まえたこの取りまとめでございますが、地方公共団体の消費生活部局を中心に、各地で取組をさらにバージョンアップしていくための指針としていただければと考えております。消費者庁でも、この取りまとめにおいて整理をされた「国に求められる取組」について、順次対応を進めていきたいと考えております。具体的には、各地で配置が進められてきた消費者教育コーディネーターがその役割を十分に発揮できるように、ある意味、後方支援をするような追い風を作るという考え方で、実務に資する手引きや研修等の充実、先進事例や使いやすい教材等の情報提供、そして文部科学省やJ-FLECと連携した全国版ネットワークの構築・強化等に取り組んでまいりたいと思います。なお、この取りまとめによっても指摘されておりますが、消費者教育の裾野を広げるということは、地道な取組の積み重ねである上に成果が見えづらい、そして各地の消費者教育コーディネーター等が抱える課題も個別性が高いという困難性があると考えております。そのような中、これまで、各地域の消費者生活センター等の拠点で積み重ねられてきた、地域の様々な主体による試行錯誤やご尽力があるだろうと思っておりまして、この場を借りて敬意を表したいと思っています。また、引き続き、消費者庁としましても、消費者教育に関わり得る様々な立場の皆様方と、消費者教育の意義と重要性についての認識を共有して、繋がりを「連携」というところから「協働」というところに強めていくと、そういったことを取り組んでいきたいと思っております。

質疑応答

日本消費者新聞の渡瀬です。
この7月に長官の就任から1年を迎えたということで、まずその振り返りをいただきたいのと、就任時に掲げた課題についての評価、具体的に言いますと、地方消費者行政の強化、パラダイムシフトへの対応、また消費者への分かりやすい情報提供などを掲げておられましたが、その取組状況や評価についてお聞かせ願いたいと思います。あと、併せまして、今後の重点的に取り組みたい課題についてもコメントをいただけますでしょうか。よろしくお願いします。

去年の7月1日付で着任をいたしまして約1年経過をしたということでございますが、就任時にいくつか重点的に取り組みたい内容などについてお話をさせていただきました。関係する担当部局と共に、またこの間、伊東前大臣、黄川田大臣はじめ政務三役の皆様方のご指導をいただきながら進めてきた現在地という印象を持っています。特に、まず第1点目、地方消費者行政についてですが、これは本当に重要な課題で、地方消費者行政強化交付金を抜本的に今年度から見直したということがあると思います。この見直しの中身も、今の地方消費者行政が抱える課題に活用できるようにということで、具体的には見守り活動の強化ですとか、相談員の担い手の確保や、広域連携による消費生活センターの運営等の支援、相談員の待遇改善にも資する新たなメニューということで創設したところです。これを今後いかにして実際に活用していただくかというのが今後の取組で重要な点と思っています。また、そのためには、自治事務ということで各自治体がやっている事務ではありながら、そこで集める情報というのは消費者庁としても非常に重要でございますし、自治事務だからということで自治体に任せるということだけではなく、いろいろな形でご相談に乗ったり、あと冒頭ご説明させていただいた消費者教育に関することも参考にしていただくものの一例だと思います。こういういろいろなアプローチの仕方でまた引き続き進めていくべき課題と思っています。
また、パラダイムシフトについてのご指摘、そしてこれも重点的に取り組むということで昨年お話をした中の一つだと思いますが、高齢化、デジタル化の進展など、今の消費者を取り巻く状況に鑑みて、検討会を二つ開催しています。「現代社会における消費者取引の在り方を踏まえた消費者契約法検討会」と、あと「デジタル取引・特定商取引法等検討会」という、この二つの検討会です。それぞれ非常に毎回長時間にわたり非常に熱心なご議論を展開していただいておりますので、引き続き私たち消費者庁としてはこの議論がいい形でまとまるようにということで、事務局として力を尽くしていくことかと思っています。また、他にも分かりやすいコミュニケーションというご指摘もいただきましたが、この記者会見の場もそうですが、それ以外の広報というのも積極的に進めたいということで取り組んでまいりました。例を挙げるといろいろあるのですが、例えばリチウムイオン電池の製品に関して、これも非常にあらゆる機会を捉えてお伝えをし、また特に若者に向けて分かりやすいようにということで、全国大学生協連と連携をした周知啓発をさせていただいたり、また特に分かりにくいというご指摘もあった原料原産地表示について、アニメーションで紹介させていただいて、会見でも皆さんご覧いただいたりしたものもございますけれども、消費者の方、いろいろなお立場の方がいますけれども、とっつきやすい、分かりやすい、そういったことは引き続き心がけていきたいと思っています。また、これ以外にもいろいろ消費者庁が進めている法律、制度の着実、適切な執行と、必要に応じてのいろいろな見直しに対応していく、このような趣旨のこともお話をさせていただいたように思うのですが、特に食品安全という関連で申し上げますと、サプリメントの規制の在り方について、ちょうど消費者庁における審議会の議論を経てサプリメントの定義、そして製造管理の在り方について中間取りまとめが公表され、そして昨日、厚生労働省の審議会におきましても部会長一任という形で一定の取りまとめがなされたという状況もございます。また、それ以外にも日本版包装前面栄養表示のガイドラインの策定ですとか、また新たに今年度からフードバンク認証制度の創設、これも第1号の認証に向けて今、鋭意作業を進めておりますので、引き続きこのような取組、1年間の取組を踏まえてさらに発展をさせていくと。また、併せて徳島の新未来創造戦略本部におきましても、いろいろな形で先駆的な取組や興味深い研究などをしております。こういったものも分かりやすく機会を捉えて周知をしていく、こういうことを進めていきたいと考えております。これ以外にも、本当に枚挙にいとまがないのですが、今年も改正公益通報者保護法の施行を控えておりますし、またちょうど昨年、2年後の見直しを迎えた不当寄附勧誘防止法、この周知も引き続き力を入れてやっていきたいと思っております。消費者被害の未然防止、拡大を図るための様々な施策の充実や不断の検討、こういったことも努めていきたいと思っておりますし、この一連の消費者庁の取組を進めていくためには、日頃からの様々な形でのコミュニケーションがとても大事だと思っています。メディアの方々は当然そうですが、消費者団体の方々、そして現場の一線で頑張っておられる消費生活相談員の方々ですとか自治体の方々、そして事業者団体の方々ともコミュニケーションを取りながら、消費者庁として引き続き力を尽くしていくということを考えている次第でございます。

ご丁寧にありがとうございました。
フリーの木村です。
今、長官からのお話にも出てきましたけれども、消費者庁と厚労省で連携して検討していたサプリメントの規制について、昨日、厚労の委員会でも取りまとめられて、全てサプリ関係は出揃ったというところかと思うのですけれども、そのうち消費者庁が今後行う、例えば省令とか通知などへの落とし込み作業とか、その辺の手続きの内容とスケジュールについてまず教えてください。

今、木村記者からご指摘があったように、昨日の厚生労働省の食品衛生監視部会、こちらで部会長一任という形になり、その全体の中に消費者庁の審議会からの中間取りまとめの内容も含まれた形で全体像が一つ示されたということはご指摘のとおりと認識をしています。ただ1点、表示に関して指摘をされたということもあります。取りまとめ全体像の中で示された方針や課題については、技術的にどういった形で落とし込んでいくかというのはこれから検討していくということになりますので、現時点で具体的な確定日付的なスケジュールということでは申し上げられないという状況ではございます。ただ、これも昨日の厚生労働省の審議会の中の取りまとめ案の中にあった話ですが、営業者や地方自治体職員が対応できるようにするため十分な周知期間を設けることが指摘をされていたと考えておりますので、そういったことも含めて厚労省あるいは自治体とのコミュニケーションを取りながら、実効性が上がる形で施行するためにはどういう形にするか、そこから逆算していつの時点で具体的な落とし込みをしたものを関係審議会等にまた具体的な法令等の形で諮問等をする必要も出てくると考えておりますので、そういう作業をしていくということになろうかと思います。いずれにしても、そのあたりが動き出すのは、今もう既に7月下旬に近く8月ということになりますので、秋からかなと考えておりますけれども、また状況等につきましては適宜お伝えできるタイミングになりましたら皆様にもお伝えをしていきたいと考えています。

今少しお話出ましたサプリメントの表示規制については、どういう点が論点になりそうなのでしょうか。

こちらについても、具体的にはこれからということなのですが、消費者庁の審議会、新開発食品調査部会において中間取りまとめがなされたときに食品表示についても関係省庁の連携のもと対応していくことが望まれるとされていまして、そのとき医薬品のように用法・用量、これは例えば摂取の方法ですとか1日の摂取目安量、こういったことですとか、あとは、基本はバランスの取れた食生活が大事なのだというふうなこと、そういったことが議論としてなされたと承知しています。したがって、こういったことを参考にしながら具体的に全体のサプリメント規制の在り方の実効性が上がるような形にどういうふうな表示があればいいのかということを今後検討していきたいと考えています。

ありがとうございます。
朝日新聞の井上です。
1年の振り返りの中でもお話がありましたけれども、今、デジタル社会のほうでいろいろな問題が起きていて、二つの検討会が開かれていていろいろな方策を検討されているようなのですけれども、特にダークパターンについて最近騒がれるというか問題になっているケースが多いのですけれども、例えばの例で言うと、意図せず定期購入になっていたとかサブスクになっていたとか、そういうことについてもこちらの二つの件とかでいろいろお話にはなっているのですけれども、長官として今、このダークパターンに対してどういう手当てが必要なのか、ちょっと問題意識も含めて方向性、今の時点でざくっと教えていただければと思うのですけれども。

なかなかお答えしがたいタイミングかなと思っています。先ほどもお話をしましたように毎回、2~3時間ぐらいの時間をかけて関係者の方々がご議論をされていると。ダークパターンもそうですが、それ以外についても多くの論点があって、いろいろその場で出された各委員の方々の意見を後ほど私も拝見をしているのですが、これだけいろいろな形でのデジタル取引が増えている中で、しかも消費者もいわゆる消費者の脆弱性ということが一つ指摘をされている中で、大きなやはり制度の見直しが必要なのではないかという、そのような意見も多数見られる、一方で実効性のある制度にしようと思うからのご意見だと思うのですが、どういう場合にそういうことが該当するのかとか、どういう場合にどういうふうに対応したらいいのか、そういった具体的な要件、そういったことについて求めるお声というのも検討会の場で見られるというのが印象としてあります。したがいまして、今後、そういったことを踏まえて座長を中心にどういう形でまとめていただくかということにもなるわけですが、今の私の立場から先取りして結論を申し上げるというのはなかなかしにくいのですけれども、ただやはりこれまでこの会見の場ですとかいろいろな消費者庁の発表などでもご案内のとおり、やはりそういういわゆるダークパターン、ダークコマーシャルパターンと言われるようなものがあるというのを認識して、自分自身でもそういう前提で消費生活を行っていくということがまず第1段階として非常に重要だなと思う、そういう局面が多くございます。特に徳島のお話を先ほど申しましたが、徳島でもそこに着目した研究というのをここのところ続けてやっているということもあります。ですので、デジタル取引が当たり前になって、その利便性から私たちの生活に不可欠なものになったということを前提に、あとそれから消費者月間のテーマもAIということではございましたけれども、そういうことを問題意識に置いた形でのテーマ設定でありました。したがいまして、どういうアプローチ、どういう成果、制度として決するかというところはあるにせよ、いずれにしても私たちが普段やはり避けることができない、そしてきちんと認識をしておく、その重要な内容だと思っていますので、引き続きいろいろな形で消費者庁としても周知を図っていき、検討会の場の議論の結果も見た上で必要に応じた形での制度、そういったものの具体化を検討していくということかと考えています。

NHKの佐々木です。
冒頭のご発言で、夏休みは普段とは異なる消費が行われるということで注意喚起をいただいたのですけれども、こういう長期休みとかになると起きやすいというか、トラブルが多くなるものとかというのはどういった消費者トラブルになるのかとか、もしあれば教えていただきたいのですけれども。

先ほどお話をしたのは、普段の日常生活と違うパターンの生活、行動パターンになる、そういったときに着目した消費生活トラブルという、そのような趣旨で申し上げました。ですので、ちょっと考えてみると、例えば旅行に行くとか、あるいは帰省をする、そういったことでいろいろな予約をするとか、そういったことに伴うことも考えられますし、あるいは日頃なかなか馴染みがない場所に行って、そこで消費を行う、普段だったらよく知っている場所で注意するべきことが分かっているところがなかなか分からないとか、あとはちょっとユニークなこと、経験をしてみたいということで注意しなければいけないこととか、そういう意味で普段の生活とは異なるパターンというのは考えられると思います。また、これは今の文脈とはちょっと違いますが、熱中症対策ですとか様々な形で注意をしていただきながら、外出を控えた方がいいようなときもありますけれども、外出する場合には水分の補給ですとかそういったことに注意をしていただく、エアコンとか、そういったことに伴うトラブル、国民生活センターでも公表しているようなものもあります。いろいろなことがこの時期、このタイミングということであると思いますので、引き続きご留意いただければありがたいと思います。

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