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堀井消費者庁長官記者会見要旨
(2026年4月2日(木) 14:00~14:21 於:中央合同庁舎第4号館6階消費者庁記者会見室/オンライン開催)

発言要旨

私から昨年改正をいたしました公益通報者保護法に関して、冒頭ご報告をさせていただきます。消費者庁では、本年12月1日に施行を予定しています改正法の準備を進めているところでございますが、今般、「事業者による適切かつ有効な公益通報対応の実施を図るため、事業者がとるべき措置」として内閣府告示で定めている指針の改正を行いまして、3月31日に告示いたしました。この「改正指針」の主な内容は、次の4点を柱としています。具体的には、まず1点目、事業者が労働者等に対して周知すべき、公益通報の対応体制の具体的事項の明確化、2点目が公益通報者の範囲にフリーランスが追加をされたことに伴います所要の対応を追加、3点目、事業者が取るべき措置として、通報妨害行為を防ぐための措置と通報者探索を防ぐための措置を追加、そして4点目ですが、解雇や懲戒に加え、法で禁止される、公益通報を理由とする不利益な取扱いについて例示により明確化、これらを中心的な内容としています。また、「改正指針」の告示と同日、3月31日になりますが、事業者が指針に沿った対応をとるにあたって参考となる考え方や具体例を示した指針の解説も改正をし、公表をしたところでございます。この「改正指針」についてなのですが、これは民間事業者はもちろん、国の行政機関や地方公共団体にも適用されるものでございます。改正法の施行まで約8か月となりますが、事業者の皆様方におかれましては、「我が事」として、内容をご確認いただき、対応いただきたいと考えています。そして、本法についての理解、取組促進のため、消費者庁として、これまでやってきたことということで、小規模な事業者をはじめとする方々を支援する「内部通報制度導入支援キット」がございます。こちら、作成して公表していましたが、これも内部規程等のサンプルを更新いたしました。これに加えまして新たにですが、研修動画や周知用のポスターを作成・公表したところでございまして、事業者の皆様方にはこれらを活用して体制整備を図っていただきたいと考えています。また、ご覧になった方もいらっしゃるかもしれないのですが、消費者庁が作成したYouTubeの解説動画がございます。これは、1か月で合計100万回を超す視聴がなされるなど、分かりやすく制作をしているのではないかと考えておりますので、ぜひご覧をいただきたいと考えております。消費者庁におきましては、引き続き、改正法の円滑な施行に向けて準備に万全を期してまいりたいと考えております。

質疑応答

中国新聞の堀と申します。
今ご説明のあった公益通報のことに関してなのですけれども、消費者庁さんは2026年度に公益通報制度について全国で実態調査をされるということですけれども、この調査の内容であるとか狙いをお聞かせください。
そしてもう1点が、ちょっと地方の話になるのですけれども、広島県の話で、広島県は4月1日に公益通報の要綱を改訂して新たな運用スタートしております。これの背景というのが、県が虚偽公文書によって国から補助金を得たという事案に絡んで元々、公益通報を実施した職員がいたにも関わらずそれが機能しなかったということが発端にあります。ご存じだと思うのですけれども、この公益通報をめぐっては県が再調査をして、関係者が当初から虚偽を認識していた点や、調査員に通報者の上司を当てた点、通報者だけが虚偽公文書作成で違法認定された点など、国の指針や公益通報者保護法に反するとみられる事案が相次いで明らかになっております。広島県の一連の対応であるとか再調査への受け止め、県の新体制についての所感や求めることなどをお聞かせください。

まず1点目、調査に関してでございます。消費者庁はこれまでも、行政機関における公益通報者保護法の施行状況調査を定点的に行ってまいりました。通報窓口設置の有無でございますとか体制整備状況等に関する調査でございます。ご指摘がございました、今年度に実施を予定している実態調査についてですが、これは実施時期や対象項目等について現在検討中ということでございます。いずれにしましても、このような調査、そして調査の結果の公表などを通しまして、公益通報者保護制度についての周知が図られてより実効性が高まるように引き続き行政機関に対してきめ細やかな情報提供を行うなど、制度の普及に努めてまいりたいと考えています。
そして、2点目のお尋ねでございますけれども、個別の事案について私のほうからコメントということは差し控えたいと考えております。ただ、その上でということでお伝えをしておこうと思いますのが、公益通報者の保護、そして公益通報に対する適切な対応を図るためには、地方公共団体におきまして公益通報者保護法や体制整備に関する法定指針、そして地方公共団体向けのガイドライン、これらに基づく取組を行うことが大変重要であると考えています。公益通報者保護制度の実効性の確保・向上を図っていただくために各自治体においても改正法の対応も含めて遺漏なきように努めていただきたいと考えております。

NHKの佐々木です。
冒頭発言に関連しての質問をさせていただくのですが、公益通報者保護法の改正で今回、指針の改定というのはされましたけれども、これの周知だったりとかというところでは具体的に今までいろいろ浸透していなくていろいろな問題が起きている部分もあるかと思います。いろいろホームページでのご紹介等もやっているかとは思うのですが、例えば現地で直接ご教示されたりとかという機会はあったりしますでしょうか。

この法律が昨年の6月に成立をしてから、私ども消費者庁の担当者が全国の自治体のご協力もいただきながら47都道府県全てにおきまして現地で説明会(※後段で補足説明)を開催したという状況でございます。その上で今回、指針等が改定をされたということもありますので、引き続き概要についての説明会を実施していきたいと思っておりまして、例えば事業者団体の方などからご協力依頼があればそのような対応ということも考えております。いずれにしましても、いろいろな形で複層的に周知をしていくということが必要でございますので、そのような取組は鋭意進めていきたいと考えております。

ありがとうございます。冒頭発言からちょっと外れる質問をさせていただくのですけれども、食品表示基準の改正の関係なのですけれども、4月1日で施行されたというところで今回、カシューナッツが特定原材料に追加されたりとかしていると思うのですが、このアレルギー表示の義務をめぐっては、外食産業だったりとか中食産業では表示義務の対象外となっていまして、事業者の自主的な協力に委ねられているかと思います。消費者庁さんのほうでは日頃から周知啓発の動画とかを制作されているかとは思うのですが、昨年の報告書でもいろいろ現場での取組状況について課題が報告されています。こうしたことを踏まえて、改めて事業者への呼びかけだったりとか、今後どのように表示の協力を求めていくのか、具体的に取組を教えてください。

今までの消費者庁の取組ということで今、佐々木記者からもお話がありましたが、具体的にご紹介をさせていただきますと、事業者向けに、食物アレルギー表示の基礎や実際に取り組む際のポイント、食物アレルギーの患者の方向けに、店舗利用の際に気を付けるポイントなどの、パンフレットや動画を作成し、事業者団体への講習会等を通じて普及啓発を行っているのが現状です。まさに本年4月1日の「カシューナッツ」の食物アレルギー表示の義務化に当たりまして、まず外食等の事業者の方にお知らせをした際に、パンフレット・動画についても改めて周知を行うということをいたしました。そしてあともう一つ、実は昨年度、令和7年度になりますが、患者にとって有益な情報提供がどのようなものか把握する調査を行ったところでございます。今その内容の公表に向けて最終的に整理をしている段階でございまして、そうした結果も踏まえて外食等における食物アレルギーの情報提供が促進されるように進めていきたいと考えているところでございます。

ありがとうございます。改めて、まだ外食産業などは義務などではないですけれども、今回、表示が新たに追加されたという点を踏まえて、事業者の方々に協力をもし求められるようなお言葉をいただけましたら幸いです。

アレルギーに関しては、中食あるいは外食については、様々な規模ですとか営業形態があると、そしてまた原材料の調達経路等も多様であると、そしてさらには提供される商品内容、処理が多岐にわたっているなどの様々な事情がありまして、一律にルールを作るということはしていないという状況ではございます。しかしながら、一方でアレルギーに苦しむ患者の方からするとそういった方々が中食・外食を楽しめる形になるというのは、それは患者の方のみならず事業者の方にとってもある意味そういったことをPRするということは有益なことになると思っております。したがいまして、我々消費者庁としましては、両サイドにこれまでも情報提供してきたところですが、引き続き先ほど申し上げたように、昨年度実施した実態調査の結果なども踏まえながら、関係者の方々に周知して、取組が進んでいくようになればいいと考えております。

(参事官(公益通報・協働担当)室)
先ほどNHKの佐々木記者からいただいた一つ目のご質問について、長官から説明させていただいたところに1点だけ補足させていただきます。都道府県全てで説明会をしたということは、これは間違いございません。その上で、現地でと申し上げたのですが、現地で行っているのが大宗なのですけれども、都道府県の方と調整するに当たって、県内はちょっと広くて市区町村の方々も集まってきていただけるので、広いので、先方のご希望で、例えばオンラインでというところもあったので、一部そういったところもありますので、補足までですけれども、よろしくお願いします。

フリーの相川です。
公益通報者保護法の、改正法定指針について質問させてください。解雇・懲戒以外の罰則、今回の改正で罰則の改正から外れた「不利益な取扱い」の明確化が国会から要請されていました。今回、指針では4項目、地位の得喪に関すること、人事上の取扱いに関すること、経済待遇上の取扱いに関すること、精神上・生活上の取扱いに関すること、4項目で具体例が挙げられています。過去に取材させていただいた公益通報者が受けた嫌がらせの中に、「仕事を与えない、仕事干しによるもの」がありましたが、指針が挙げた「不利益な取扱い」の具体例の中のどの項目に該当するか、お教えください。

今、相川記者からご紹介をいただきました四つの項目というのは、改正された指針の第2の「用語の説明」と書かれている中に四つ書かれているものをご紹介いただきました。ご質問のあった「仕事を与えない、仕事を干しによるもの」、このような状況が公益通報をしたことを理由とするものでありましたら、一般論としてですが、この法定指針に掲げている「精神上・生活上の取扱いに関すること(事実上の嫌がらせ等)」、そこの「不利益な取扱い」に該当し得るものと考えています。さらにここの部分に関しましては、指針の解説の中におきまして事実上の嫌がらせとして、業務に従事させないこと、専ら雑務に従事させること、これらを例示しているところでございます。

精神上・生活上の取扱いに関すること(事実上の嫌がらせ等)というのには、本当に誹謗中傷をはじめ様々なものが想定されると思います。具体例で今一つ挙げていただいたのですが、解説にはどのように記載されたのかを含め、大体どのようなものを想定されているか、お教えください。

まさに今ご紹介をさせていただいた指針の解説において、事実上の嫌がらせとして、業務に従事をさせないこと、専ら雑務に従事させることなどを例示しているところですが、これ以外にも例示をされている点についてのご質問があるということであれば、担当のほうからご紹介をさせていただきたいと思います。

(参事官(公益通報・協働担当)室)
相川記者からご質問いただいた点ですけれども、今、長官から申し上げたとおり、指針の解説において、事実上の嫌がらせ等の例示としては申し上げました、業務に従事させないこと、専ら雑務に従事させることということを例示させていただいております。こちらもあくまで例示ではございますけれども、我々消費者庁としては「不利益な取扱い」の事例を具体的に記載させていただくことによりまして、事業者に対する抑止力が働くほか、民事裁判において事例として参照され得ることなど、公益通報者の保護につながるものと考えてございます。

パブリックコメントでは、「他の職員からの分断と孤立化」「過重業務の付加」「力量に見合わない業務への担当替え」、様々なことを書いてほしいというような要望があり、どのぐらい反映されたのかというのも気になっていたところなのですが、もう少し書いていただいたほうがよかったのかなと実は思っています。
それから、パブリックコメントに寄せられた意見の中に、兵庫県知事について告発した職員が退職を取り消された行為を「不利益な取扱い」に含めてほしいという意見に対して、これが対象になり得ると読めるような消費者庁のコメントが書かれているのですが、これについて明確にお教えください。

まず、今二つご指摘があったと思います。2点目のほうについては後ほど担当のほうからご説明をしたいと思うのですが、1点目のところにつきましては、これは先ほども言及がありましたが、基本的には例示ということで考えております。したがいまして、個別の事案について総合的に判断をした上で「不利益な取扱い」の対象となる行為だと考えられるものが他にもあり得るということは全く否定をするものではありません。ただ一方で、指針あるいは解説を書く際にどのような事項をピックアップするかということについては、公益通報者保護法あるいは今の指針ですとか、それから労働関係法令におきまして「不利益な取扱い」の禁止をしている、そのような類似の指針等を総合的に勘案して代表的なものを例示したということで記載させていただいているところでございます。
そして、パブリックコメントの具体的な回答の関連については担当のほうからお願いします。

(参事官(公益通報・協働担当)室)
今ご質問いただきました退職の関係のパブリックコメントに限りませんけれども、「不利益な取扱い」について指針等に掲げていないものについてどうかというQ&A、パブリックコメントをいただきました部分につきましては、先ほど貴社のほうで読める、読めないというお話がありましたが、我々、一律同じような回答をしてございまして、まず指針で掲げさせていただいているのは例示でございますというところと、先ほど長官のほうから申し上げましたとおり、「不利益な取扱い」の例示につきましては、法で例示されているものですとか、労働法令での関係で掲げられているもの、そういったものを総合的に整理して記載しているものですというふうにお答えをしておりますので、個別個別の事案につきまして、もしくはご想定でクエスチョンをいただいた事例について当たり得るかというのはそれに応じた判断になるということになると思っております。

ありがとうございます。今回の罰則、立証責任の転換から「不利益な取扱い」が外れていますので、現実的には日本の社会では「不利益な取扱い」がほとんどということがあるので、できるだけ多くのものが対象になるように広く書いていただきたいと、広く解釈していただきたいと皆さん思っていると思いますので、そこのところは今後よろしくお願いします。

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