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堀井消費者庁長官記者会見要旨
(2026年3月5日(木) 14:00~14:22 於:中央合同庁舎第4号館6階消費者庁記者会見室/オンライン開催)

発言要旨

私から毎年実施をしております風評に関する消費者意識の実態調査の結果について、まずお知らせをしたいと思います。来週の3月11日、東日本大震災の発生から15年を迎えるところでございます。そして、これに先立ちまして消費者庁では、19回目となる消費者の意識調査を実施して本日、公表をいたしました。今回の調査結果によりますと、普段の買物において産地を気にする理由として、放射性物質の含まれていない食品を買いたいからと回答した方の割合が過去最少の8.6%となりました。一方で、リスクを受け止められるかどうかということに関して、「十分な情報がないため、リスクを考えられない」と回答した方の割合が約2ポイント上昇して36.5%となっております。他の調査結果もございます。これは、公表資料等をご参照いただければと思いますが、これらの調査結果の傾向につきましては、発災から15年を経過しまして、食品中の放射性物質に関する情報が不足をしている可能性も示唆しているとも考えられる、したがいまして、今後とも放射性物質に関するリスクコミュニケーションを推進していくとともに、科学的根拠に基づく情報の効果的な発信に、関係省庁等と連携をして努めていきたいと考えております。

質疑応答

NHKの佐々木です。
昨日、旧統一教会の高額献金や霊感商法の問題を巡る解散命令の請求について、東京高等裁判所が、東京地裁に続いて、教団に解散の命令の決定をしました。この解散命令につきまして、不当寄附勧誘防止法を所管する消費者庁として、受け止めをお聞かせください。また、この解散命令についてですね、消費者庁などの相談窓口への相談状況について、把握されていることがあれば教えてください。今後、この相談というのが増えることも考えられると思うのですが、相談体制の支援等について、ご予定があればお聞かせください。最後に、現状の被害者救済制度の見直しを求める声も寄せられていると思うのですが、検討の予定などあればお聞かせください。

大きく3点、今お話があったと思います。まず1点目、受け止めということに関してです。すでにみなさんご案内の内容になると思いますが、昨日「『旧統一教会』問題に係る被害者等への支援に関する関係閣僚会議幹事会」が開催されました。この中では、今般の東京高裁の決定を受けまして、清算手続における被害者支援を含めた「清算手続開始後の『旧統一教会』問題の被害者等支援策」が取りまとめられたところでございます。消費者庁におきましては、この被害者等支援策に基づいて、関係府省庁と引き続き連携をして、必要な支援を進めていくということで考えております。
そして、2点目、相談等についてのお尋ねがありました。解散命令を受けての相談という、そういったデータは把握をしておりませんが、例えば、消費生活相談の件数という観点で把握をしているもので、前の数値も含めてご紹介させていただきますと、旧統一教会に関する相談件数、2023年度は118件、2024年度は54件という状況になっています。また、いわゆる霊感商法(開運商法)に関する相談件数は、2023年度が1,415件、そして2024年度が1,162件ということになっています。以前の会見の場でもご紹介をさせていただいたのですが、如何にしてご相談いただきやすくするかというのは非常に重要だと考えておりまして、最近の取り組みとしてはまずひとつ、消費者庁に対する情報提供フォームの改善を図り、またご指摘をいただいておりましたので、ホームページの中でより見やすいところにこれを掲載するといった対応をしています。また、併せまして、同時並行で進んでいるものがありますが、法の周知啓発を以前にも増して積極的に行うということをしています。いろいろなところにご協力をいただきまして、東京メトロや郵便局でのポスター掲示、東京メトロ・JR西日本・Osaka Metroの車内サイネージ、これ以外にも様々な形でPRをし、また、より情報が身近に届くように、というご指摘もありましたので、全国の高校や病院にポスター等を配布するなどにも取り組んでいるところでございます。引き続きこういった取組を進めて、まずは相談に来ていただくという素地を整えていく、ということで相談の充実を図っていきたいと考えています。
最後にいただいたお尋ねの中で、不当寄附勧誘防止法の見直しについてのお尋ねがありました。すでにご案内のとおり、昨年9月になりますが、「法人等による寄附の不当な勧誘の防止等に関する法律附則第5条に係る不当寄附勧誘防止法執行アドバイザー会議」における有識者の議論を経て、消費者庁の中で検討した結果、現時点で法の見直しという結論には至っていないと。その背景として、アドバイザー会議の中でも指摘をされた点でもあるのですが、この法律自体が、施行されてまだ2年という新しい法律である中で、周知啓発もして消費者庁がこういう対策をしているという認知もいただいて、抑止力が働いているというご意見もいただいています。ただ一方で、行政措置を要する案件がこの2年間で0件であったということもあり、この結論だけで具体的にどう、ということではありませんが、法と証拠に基づいて運用した結果ではあるものの、もっと相談をしやすくするための周知がされていないのではないか、といったことについてのご指摘をいただいています。したがいまして、さきほどご紹介した周知についての対応をしているということもございますので、まずはこの取組を引き続き続けて、更なる具体的な取組につなげるための事案の蓄積を図っていくということだと思っています。

ありがとうございます。1点目に質問をした関係閣僚会議幹事会を受けてのことなのですが、被害者等支援策に基づいた支援を進めていくということで、消費者庁としては具体的にどういった支援とか周知啓発をするのか、具体的に踏み込んでいただけますでしょうか。

分かりました。まず支援策の中に、消費者庁で取り組もうと考えているメニューがいくつかあるのですが、今回、清算手続が始まるということがございます。そして、清算人の取組の周知、これが非常に重要であると考えておりまして、被害者が清算人から確実に弁済を受けることができるように、関係機関の相談窓口に問合せをした相談者等に、清算人の取組を周知する、といったことが記載されています。このようなことから、消費者庁としましては、消費者の相談窓口に、こういった関連のお尋ねがあった場合には、きちんと清算人の方につながるようにということで、具体的にはこれから清算人の情報が明らかになっていくと思いますので、そういったことを随時、適切に、関係する方々にお伝えして対応していくということがあると思います。また、それ以外にも、先ほどお伝えしたように、我々がすでに講じている対策を通じて、相談をしやすくする、こういったことが考えられると思います。

フリーの木村です。
3月3日の景表法の処分で、確約手続が9例目になったのですけれども、消費者庁のほうでは確約手続に入る直前の説明では、措置命令とするか、確約手続にするか、その判断基準を詰めているところですというような説明があったのですけれども、9例課された現時点で、判断基準というのは出来上がったのかどうかという点について教えてください。

まず、確約手続の趣旨も合わせてご紹介をさせていただきたいと思います。景表法に基づく確約手続は、優良誤認表示等の疑いのある表示をした事業者が、表示の是正や再発を防止する措置などの計画を自主的に申請する、そして消費者庁長官から認定を受けたときは、事業者はまず計画に基づく措置を実施する義務が生じます。そして、事業者の表示について、措置命令や課徴金納付命令を行わないという手続きです。この意図する趣旨は、違反被疑行為を事業者が早期に是正することで、一般消費者の自主的かつ合理的な選択を迅速に確保する、そして消費者庁と事業者が協調的に問題解決を行う領域を拡大していこうと、このような趣旨でございます。基本的には個々の事案に応じて個別具体的に対応を検討していくというのが通常なのですが、今、木村記者からご質問のあった点に関しては、運用基準というものを令和6年4月に決定をしております。その内容も含めてこれからご紹介をしたいと思うのですが、まず消費者庁は、確約手続通知を事業主にするに当たっては、個別具体的な事案ごとに、確約手続により問題を解決することが一般消費者による自主的かつ合理的な商品及び役務の選択を確保する上で必要であるかどうかということを判断するということにしています。具体的にどういうことかと言いますと、確約手続の趣旨を踏まえて、個別具体的な事案に応じて、違反被疑行為等を迅速に是正する必要性、あるいは、違反被疑行為者の提案に基づいたほうがより実態に即した効果的な措置となる可能性、こういったことを判断の根拠ということにしているという状況になっています。ただ一方で、例えば同様の優良誤認表示を繰り返して行っている場合ですとか、あとは違反被疑行為者が違反被疑行為とされた表示について根拠がないことも当初から認識をしているにもかかわらず、あえてその表示を行っているなど、悪質かつ重大な違反被疑行為と考えられる場合、こういったものについては違反被疑行為等の迅速な是正という本来の確約のときに関するそういったことが期待をできないということになりますので、違反行為を認定して法的措置をとると、そういった形での厳正な対処が必要だろうということで確約手続の対象としないと、そのような運用にしています。

あともう1点なのですけれども、2月27日に「景品表示法に基づく法的措置件数の推移及び措置事件の概要」というのが公表されていて、まだ1月末時点ではあるのですけれども、2025年度の措置命令の件数が10件にとどまっていて、確約手続が導入される以前は大体40件台で推移していたと思うのですけれども、大きく減少した背景というか、理由というのを教えていただけませんでしょうか。

まず、前提として、確約計画の認定という行為ですが、これは措置命令と同様に景品表示法に基づく行政処分になります。行政指導ではなくて行政処分ということになります。今、件数についての考え方、背景についてのお尋ねがありましたけれども、景品表示法の行政処分については、一つの公表事案について1本行政処分を行う場合と、複数の処分を行う場合があります。1年当たりの処分件数を見たときに、これは関係する事業者数など、事案の内容と行政処分の内容、数の内容等で年度ごとに異なってくるので、一律に年度の比較ができるかというとやや難しいところがあるかなと思っています。今、木村記者からご指摘のあった件数、1月末時点での2025年度の措置命令が10件であったというご指摘ですが、この2025年度の同時点での確約の件数が8件ございましたので、トータルで言うと18件という形になると。同様な形で、その前の年は措置命令が26件で確約が1件、確約は6年度、2024年度からカウントを始めているので確約が1件ということで、トータルで言うと27件ということになっていると。その前も40件台の措置命令というご指摘もあったのですが、年度によっては30件台だったりとか、ばらつきがあります。ただ、やはり何が大事かと考えているかと言いますと、確約という手続もでき、それで先ほど申し上げたように確約をやる場合、そして措置命令をやる場合、それぞれの性質というものがありますので、具体的な事案の内容に応じて両手続を適切に運用することが大事だと思っています。その上で表示の適正化をいかに効果的かつ効率的にやっていくかということだと考えておりますので、引き続き、そういった観点で執行力を高め、そして表示の適正化ということを実現していくということと考えています。

確約手続を導入する前は、あくまでもイメージなのですけれども、確約手続の件数が上乗せされて、全体的に行政処分件数が増えていくのかなというイメージだったのですけれども、かなり縮小しているので、これは何か確約手続を導入したことで影響があったのかどうかという、その点も気になったのです。

導入するときのイメージというところについてはお答えする立場にもないとも思うのですが、ただ一方でこれはよく指摘をされることでもあるのですけれども、やはり職員の数というのは有限です。そういった中でいろいろいただいた貴重な情報を精査をしていて、法律に基づいて様々な対応を取る必要があるという、そういう情報になるとさらに限られてくると。ただ、その情報をベースにしていかに適切に対応していくかという、有限な職員の数と資源を考えたときに、それは効果的にそれぞれの趣旨に踏まえてやっていくということに尽きると思っていますので、新たな確約手続ができたからこちらのほうがとか、そういう関係性とは考えてはいません。

共同通信の山本です。
先ほどの旧統一教会関係のお話の中で、例えばメトロのポスター掲示なんかで法の周知啓発をしているというふうにおっしゃいましたが、念のため、この法律というのは不当寄附勧誘防止法のことなのか、それだけではなくて他にも何かあるのかというのを教えていただけますでしょうか。

基本的には、不当寄附勧誘防止法の周知を行っております。

ウェルネスニュースグループの藤田です。
いくつかあるので1質問ずついきます。日本学術会議が先日、サプリメントをめぐる法制度について提言を公表しました。現在、紅麹サプリメントによる健康被害を受けて、消費者庁と厚労省でサプリメントの規制の在り方検討が進められているところですけれども、この提言に対する長官の受け止めをお聞かせください。

まず、ご指摘のあった学術会議の提言については拝見をしております。ただ、現在、今ご指摘があったように厚生労働省、そして消費者庁の関係審議会等の場で関係者がご議論していただいている段階ということもあり、私から具体的にその提言の内容についてコメントをするということは控えたいと思います。やはりいろいろなご意見があります。国民の方々の関心が高いテーマだと思いますので、幅広くいろいろな方々のご意見を参考にしながら検討を進めていきたいと考えています。

だとしても、サプリメントに関する提言の議論、担当の消費者庁としてその提言に何か参考にする考えというのはあるのでしょうか。

具体的にこれを参考にするということについても、お答えは控えたいと思っています。ただ、審議会の方々も含めて、いろいろなヒアリングということで関係者の方々の意見を聞かれて、そういったことも含めて、またこれから議論が深まっていくことになると思っております。

その提言に挙げられたのがサプリメント法の制定なのですけれども、消費者庁、厚労省、今の規制の在り方検討の中で、法制化を検討する可能性というのはありますか。

可能性についても、私の立場で、今ここで言及することは控えたいと思います。

もう1点、サプリメントの安全性や品質表示、販売、いろいろカテゴリーがあるわけですけれども、それぞれ規制が複数の制度にまたがっておりますが、今後、実行していく規制において、消費者庁としてどういった役割を果たしていく考えがありますでしょうか。

どういう形での在り方について考えるというお題ですから、在り方がどういう形にするかということがまだ決まっていない時点ではなかなか申し上げにくいご質問かなというふうに受け止めました。ただ一方で、これは申し上げられると思いますのが、厚生労働省から食品衛生基準の策定・改定、そういった事務が移ってきて、一方で監視行政というのは厚労省に残っていると。両省庁の連携というのは大変重要だと思っています。ですので、実行可能性、フィージビリティも含め、いろいろな形でご議論をいただいた結果出たものについては両省庁で連携して取り組んでいくと、そういう心構えで今も両省庁で連携して検討しているという段階です。

最後です。2024年に起きました紅麹サプリメント問題を受けて、サプリメントに関する制度全体を見直す必要性が指摘されていますけれども、今回の提言が、消費者庁が所管する保健機能食品にどういった影響を与えるとお考えですか。

それは学術会議の提言ということでよろしいのでしょうか。その点についても、最初にお答えした内容と同様でございますので、具体的なお答えというのは差し控えたいと思います。ただ、いろいろご関心のある点についてご議論をして提言をされたという関係者のご労苦に対しては敬意を表したいと思います。

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