堀井消費者庁長官記者会見要旨
(2026年2月5日(木) 14:00~14:13 於:中央合同庁舎第4号館6階消費者庁記者会見室/オンライン開催)
発言要旨
冒頭、私から1件ございます。令和7年度第4回消費生活意識調査の結果についてでございます。去年12月に「消費者教育」をテーマに、消費生活に関する知識や消費者トラブルに遭った場合の行動等を把握するためのアンケート調査を行いました。主な調査結果のポイントのみご紹介させていただきたいと思います。配布資料の2ページで、「消費生活に関する知識」の正誤問題を7問お伺いしたところ、全設問の正答率の平均が38.3%となっておりました。また、7つ設問がある中で最も基本的な知識の一つである「契約の成立時期」について、全体の正答率を見てみますと33.5%という状況です。ただ、これを年齢別に見てみますと15~17歳が47.3%、そして18~19歳が45.6%ということで全体より高くなっているという結果になっています。なお、全設問の正答率の平均を年代別に見ますと、20歳代が31.7%と最も低くなっておりました。また、次に配布資料の3ページですが、これは過去1年間に消費者トラブルに遭ったと回答した方の割合、これは20.1%、大体2割の方がトラブルに遭ったということになっています。あと、その次の4ページをご覧いただきますと、「消費者トラブルに遭った際の相談先」について、どこかに相談した人が71.9%となっているのですが、この相談先の中で最も多かったのは「地方自治体の消費生活センター・相談窓口」で、これが31.9%という結果になっています。以上が今回の調査結果のポイントになりますが、昨年も調査を行っておりまして、その結果と比べても大きな傾向に変わりはないという状況になっています。消費者教育を進めていくということが重要であり、学校を卒業した後も継続・反復して行うことが大変重要だと考えています。例えば、事業者における若手の方を中心とした社会人向け研修プログラムでございますとか、消費者トラブルを疑似体験できる体験型教材等も作っておりますので、これらをご活用いただいて、学校、職場、地域における消費者教育の一層の推進に取り組んでいきたいと考えています。調査結果の詳細等につきましては、担当課にお尋ねいただければ幸いです。私からは以上です。
質疑応答
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問
フリーの木村です。
別件なのですけれども、食品ロスの削減で4月1日にスタートする「フードバンク認証制度」の詳細が先日固まった感じなのですけれども、改めて長官のほうから、全国の食品企業とフードバンクに向けて、このフードバンク認証制度を活用するメリット・意義について呼びかけていただけますでしょうか。 -
答
まず、今お尋ねのありましたフードバンク認証制度ですが、これは「食品寄附等に関する官民協議会」において制度設計がされたものでございます。その趣旨は、一定の管理責任を果たすことができるフードバンクを、フードバンク認証事務局を担う消費者庁が認証することによりまして、食品寄附の社会的な信頼を高める、そして企業等からフードバンクへの食品寄附活動の拡大につなげることを目的としているところでございます。それで、今、木村記者からお話のあった、まず食品寄附者である企業に対してのメッセージということなのですが、これは第三者に認証された団体に対して寄附ができるので、安心して食の支援活動に取り組むことができるというところが大きいと考えています。また、フードバンクに対してということになりますけれども、トレーサビリティですとか品質・衛生の適正管理が徹底されているフードバンクであると、このようなことが第三者に認証されることによって、企業からの食品寄附が促進されて、提供先への安定した食品の供給が可能になるというメリットがあると考えています。食品ロスの削減、そして食品寄附のより一層の促進のため、新たなフードバンク認証制度をご活用いただきたいと考えております。
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問
フリーの相川です。
この消費者教育の質問、大変面白くてよくできていると思います。クーリング・オフは結構若者を中心に、通販ではクーリング・オフができないということは結構高くなっていたと思うのですが、今回、大変クーリング・オフのところも低いのですが、これは何が一番できていないのでしょうか。 -
答
何がというところまでの細かい分析というところは難しいと思いますが、そういう分析という趣旨ではなくてのご質問ですか。
- 問 いえ、どういう教育に力を入れていかないといけないのかというところだと思っていて、意外とやはり成年年齢が引き下げられて学校教育で力を入れてきたことの効果は出てきているのだと思います。長官がおっしゃったとおり、20代の正答率が一番低いというところなのですが、確かに地域で教育をするときに誰がするのかというときに、相談員さんは元々足りていないと、地域で教育はできないと。この辺はどのように考えていらっしゃるのでしょうか。
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答
そういうご趣旨ですね。先ほど冒頭にお話をしたときにもちょっとお伝えをしたのですけれども、例えば資料の2ページの結果などについては、全体の正答率と比較をして比較的若い世代の方が高かったり、そういったものも一部にはあります。それで、項目によってご関心が高かったり、あるいは何らかの形で知る機会があったものについて高くなったり、そういったことがいろいろあり得るので、細かい分析みたいなところができていないというところは先ほどお話ししたとおりなのですが、今ご質問であったように各地方の相談の現場、あるいは相談員の方の状況、そういったことなどもご指摘のような形で我々としては改善をしていくという施策は一方でやりながら、ただ先ほどお話ししたように教育ということに関してはいろいろなツール、いろいろな場、いろいろなことが利用できる可能性はあるかと思っています。一つには、先ほどお話をしたように、例えば職域においてご協力をいただき、社会人として知っておいたほうがいい研修のプログラムなどに入れ込んでいただくことも有用であると思いますし、あとはあらゆる機会を捉えて、ある消費者問題、消費者庁関係の施策のテーマに絡めていろいろな情報を付随的に出していくといったこともあります。あとは、やはり年齢層、置かれている状況でどういう広報なり情報が個人の行動変容を促すまでに影響があるのか、そのあたりについても本当でしたらもうちょっときめ細やかにやっていけるといいと思っていますので、ありとあらゆる機会を捉えて、手法を使ってやっていきたいと、そういうふうに考えております。
- 問 よろしくお願いします。それから、設問10についてなのですが、消費者契約法、結構これは高齢者の方たちが4割正解はしているのですが、現実問題として例えば(2)のデート商法ですよね。「SNSで知り合って何度か連絡して好きになり、宝石展示場に誘われて行ったところ、『宝石を買ってくれないと関係を続けられない』と言われてした契約」、これは3つ揃わないと取り消しができないのですよね。3つ全部揃ったものが出てきているのですが、実際のところは「宝石を買ってくれないと関係を続けられない」と言われないという事例がほとんどなので、結局これはあまり使えていないのですよね。この辺をもうちょっと、本当に3つ全部揃っているものを選択肢として書いてくれているのですが、これは全部なかなか立証できないものばかりなのですよね。この辺も本当はもうちょっと、今の段階ではなかなか、これさえ正解できないのでなかなか難しいとは思うのですけれども、もうちょっと何パターンかで質問をしてみるとかいうことになると、消費者の意識も変わってくるのかなとか思いますので、ご検討いただければと思います。
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答
今のご指摘のところについては、お手元の資料の11ページのところですね。この11ページのところで言及のある質問10についてのお尋ねでした。それで、お尋ねの中身はどちらかというとアンケートの設定というよりは、現在の消費者契約法における取消しの要件についてのご要望かと承りました。ただ、ご案内のように今、消費者契約法における取消しという非常に効力としては強い、一方で強い効力を有する取消しだからこそ要件が設定されているという部分もありまして、問題提起ということでは理解をいたしますし、また消費者契約法についてはご案内のようにいろいろな観点からの議論が検討会でされているという状況になっています。またもう1つ、この3要件全部揃った形の選択肢ではなく、もうちょっと例えば1つ1つに要件を切り分けるとか、あとはちょっといろいろな形での質問の設定の仕方とか、そういった工夫でもうちょっと分かりやすくなるのではないかという、そういうお尋ねだったのではないかと思います。ちょっとそのあたりは、消費生活意識調査としては、全体の調査の分量ですとか物理的なそういった制約と合わせて、工夫ができるところについては、この調査かあるいは違う形かですけれども、工夫をしながら先ほどお話ししたように分かりやすく、あるいは人々の行動変容とか理解になるべく資するような形での周知というのは心がけていきたいと思います。
- 問 大変面白い質問だったと思います。よくできていると思います。これはアンケートをした人たちだけではなくて、もうちょっとチャレンジして面白い、この前みたいなサイトか何かを作るといいのかもしれないのですけれども、確かになかなか本当に集まってもらって教育を受けてもらうみたいなことがなかなか難しいようになっているので、本当に長官のおっしゃるとおり、いろいろ工夫して発信していかれることが期待されているのかもしれません。ありがとうございました。