堀井消費者庁長官記者会見要旨
(2026年1月15日(木) 14:00~14:24 於:中央合同庁舎第4号館6階消費者庁記者会見室/オンライン開催)
発言要旨
冒頭、私から3点ございます。まず1点目は、消費者庁職員を騙る不審な電話についてです。今般、一般の方から消費者庁に対しまして、「消費者庁職員を名乗る人物から電話があって、個人情報の提供を求められた」という情報提供が複数寄せられております。具体例を一部ご紹介させていただきますと、「消費者庁苦情ホットラインの担当者」を名乗る人物から電話があったが本当か、また、自動音声の後に消費者庁職員を名乗る人物から電話があり、氏名や住所を問われた、さらには、消費者庁職員を名乗る人物から国際電話があり、フリマサイトにおける身に覚えのないトラブルについて言われた、このような情報が寄せられたところです。これは、1月5日から14日までの期間で一般の方から消費者庁に直接寄せられた情報ということで、件数は10件となっております。これを踏まえまして、消費者庁としては先週9日になりますが、消費者庁ウェブサイト、公式SNSにおいて注意喚起を実施するとともに、全国の自治体に対しても周知を行いました。ここで改めて皆様にお願いをしたい、お伝えしたいことですが、消費者庁から消費者の皆様に対して、電話やメール、はがき等で個人情報の提供や金銭の支払いを求めることは一切ございませんので注意をしてください。また、困ったとき、不安なときは、お一人で悩まずに消費者ホットライン188にご相談をいただきたいと思います。これが1点目です。
続きまして2点目ですが、デジタル取引・特定商取引法等検討会の立ち上げについてです。これは昨年11月になりますけれども、消費者取引をめぐる環境変化に対応するために具体的な制度検討のための2つの検討会を開催することを公表させていただいています。1つ目のほうの「現代社会における消費者取引の在り方を踏まえた消費者契約法検討会」につきましては、昨年11月の第1回以降、現在検討を重ねています。この度、2つ目の「デジタル取引・特定商取引法等検討会」を立ち上げまして、今月22日から学識経験者・消費者団体・事業者団体等の委員の下で議論を開始します。本検討会の座長につきましては、慶応義塾大学教授の大屋先生を指名させていただく予定です。この検討会におきましては、デジタル取引の普及に伴って、ネット上の悪質な勧誘やユーザーインターフェース等を用いて消費者の意思形成を歪めることによる消費者被害への対応や、悪質なレスキューサービス、マルチ商法等の特定商取引に関する分野における最近の消費者被害への対応等について議論を行っていく予定でございます。先ほどお話した2つの検討会についてですが、両検討会につきましては、以前公表させていただいたとおり、今年の夏頃までを目途にそれぞれの検討会としての「中間取りまとめ」を行いました後に、合同検討会の開催も含めて、さらに検討を進めていきたいと考えております。
そして、3点目になります。食品安全に関する意見交換会の開催についてでございます。消費者庁では例年、関係府省庁と連携をして、食品中の放射性物質について、東京都及び大阪府において意見交換を実施してきたところでございます。令和6年に食品衛生基準行政が厚生労働省から消費者庁に移管されたということもございますので、今回、新たに食品添加物及び農薬をテーマとして加えまして、本年2月から3月にかけて、さらに開催地も従来の東京と大阪に加えまして宮城県及び福岡県を加えた4都市で意見交換会を開催したいと考えています。取材を希望される方については、プレスリリースあるいは担当課、こういったことをご参照いただければと思いますが、今日ご紹介させていただいた意見交換会の他にも、今後さらに健康食品の適正な使用を促す情報発信でございますとか、食品安全の基礎となる考え方をお伝えする番組配信等も予定しているところでございます。詳細は決まり次第、随時ご紹介をしていきたいと考えております。引き続き消費者庁としましては、食品安全に関する積極的な情報提供に努めていきたいと考えています。私からは以上です。
質疑応答
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問
フリーの木村です。
冒頭発言の特商法の検討会なのですけれども、まずは開催頻度、どのぐらいのペースで開くのかということを教えてください。 -
答
具体的には今後ということになると思います。以前、11月に今後の進め方のイメージでご紹介をさせていただいたものにおいても、令和8年の初めに立ち上げをして夏頃の取りまとめという形でご紹介をさせていただいておりまして、具体的なテーマ、議論の深まり度合い、進捗度合いに応じながら、座長や委員とご相談をしながら決めていくということになろうかと思います。ただ、いずれにしましてもテーマとしては非常に中身が多い検討会になっておりますので、ある程度コンスタントに開催していくことになるのではないかと考えております。
- 問 あと、消費者の意思形成を歪めるユーザーインターフェース、これはつまり、ダークパターンの対策を考えるという理解でよろしいですか。
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答
まず、基本的に今ご指摘のあった部分については、夏までに開催をしておりました研究会におきましても、デジタル取引に伴う課題ということで、例えば広告勧誘ですとかSNS・チャットによる悪質な勧誘とか、契約に関しては意思形成を歪めるユーザーインターフェースによる誘導、このようなことが指摘をされていまして、このようなことを念頭に置いて先ほどお話ししたようなテーマ設定についてお話をしていたところでございます。一方で、ダークパターンという言葉については非常に多義的な観点もあり、法令上の定義ということでしっかり決まったものがございませんので、そういうことを踏まえると、全てダークパターンが入ってくるかどうかというところについては、そうだというお答えもなかなかできかねるのですが、ただ先ほど冒頭からお話ししているような形での中身は、デジタル取引の研究会のときに指摘をされたものということになりますので、一部かぶってくるものもあり得ると考えております。
- 問 あともう1点なのですけれども、昨日の国民生活センターでも発表があったのですけれども、インターネット上の定期購入トラブルというのがなかなか減少せずに高止まりまたは一部増加しているということなのですけれども、今回の特商法の検討会の中でも悪質な定期購入トラブル対策の検討をしていくというような方向でしょうか。
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答
先ほど申し上げたように、消費者トラブルが目下生じているもの、それで特定商取引に関連する消費者被害への方策、こういったことが射程に入ってくると考えています。そういう意味で我々も被害件数等をウォッチしておりますし、ご指摘があったように国センなども注意喚起をしているのですが、件数増加ということになると悪質なレスキューサービスやマルチ商法が非常に顕著かなと考えております。こういったことに加えてどのようなところまで議論するかというのは、先ほども申し上げたように座長、そして委員も含めてご議論を深めていただき決定していくということになろうかと考えています。
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問
フリーの相川です。
木村記者の質問に関連して、消費者契約法検討会の中で委員を務められている大屋教授もご指摘されているのですけれども、例えばサブスクリプションのやめにくさ、悪質な定期購入も含めてオンラインで簡単に契約したにも関わらず、解約のメニューを奥深くに隠したり、非常に煩雑で分かりにくい手続きをしなければ解約ができない、電話でしか解約ができず電話が繋がらないことなどが指摘され、具体的な対策の必要性が指摘されています。ただ、会議を拝見していてデジタル取引分野で検討したほうがいいような内容が含まれているのではないかと受け止めたのですが、この辺についてはどのように整理をして検討を進められていくのでしょうか。 -
答
まさに今のようなご指摘もあるのではということが想定をされましたので、11月に2つの検討会は立ち上げをし、ただ、議論の進捗に応じて両者の有機的な関連性を保った形で検討していきたいと。場合によっては一定のタイミングで合同みたいな形もあり得ると、そのような仕立てを考えたというところがございます。消費者契約法の検討会は今、ワーキングで非常に熱心にご議論していただいておりまして、基本的に私の立場で議論中のものについてのコメントはしないということで決めております。今、相川記者からご指摘があったような点もあるかもしれませんし、それ以外の点もあるかもしれませんが、両方の検討会で整理をして、あるいは一緒に議論したほうがいいのではないかというテーマが出てきましたらそれぞれの検討会の座長あるいは委員の方々とご相談しながら運び、運営を考えていくということになろうかと考えています。
- 問 消費者契約法のワーキングでは非常に短期間のうちに集中的に議論を進めていらっしゃるのですけれども、こちらの検討会のほうも開催頻度というのはあれと同じぐらいのかなり頻繁な回数になるのでしょうか。
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答
先ほどの木村記者からのご質問と重複をするご質問だと思います。そういう意味では、お答えとしては同じになるのですが、基本的に委員の方々と開催が可能な日に設定をするということです。ただ一方でテーマも非常に広うございますし、議論をするべき項目もあると思いますので、その両点を調整しながらセッティングをし、委員の方々には、非常にそういう意味ではお時間をお取りいただくことになるのですけれども、熱心に議論を進めていただくということになろうかとは考えております。
- 問 今回、年明け初めての会見ということで、予算での会見がなかったので、一旦予算に関連して少し質問をさせていただきたいのですが、地方消費者行政を支援する交付金が大変画期的な見直しをしてくださって高く評価しているところです。ですが、実は残念ながらその当初予算が15億円に、5,000万円減額されています。消費者問題特別委員会の地方消費者行政の充実・強化を求める決議というのが消費者庁創設以外初めて出されている、そういう決議がある中で、この機に増やさないでいつ増やせるのだという思いがずっとありましたので、非常にちょっと残念に思っています。これに関して、長官をはじめ幹部の方たちはご尽力をいただけたのかと、ちょっと失礼な質問かもしれないのですが、でしょうか。
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答
令和8年度の当初予算案に盛り込まれた金額については、今ご指摘のあったとおりです。実際のところ、これは前の大臣のときから、前の長官のときから、そして担当者たちも含めて、地方に対していろいろな形でご説明をし、さらにはキャラバンということで実際足を運んで地方消費者行政の必要性などを訴えかけ、具体的にいろいろな相談にも乗らせていただく、そういった形で進め、併せて、査定当局に対しても必要性を訴えてきたところです。当初予算の減額について力不足というご指摘があるとすれば、我々としても受け止めて、それを踏まえて今後どうするかということを考えていかなくてはならないとは思うのですが、ただ一方で極めて我が国の財政状況は厳しいところです。そのような中で、補正予算も含めた自治体に対する支援の総額ということでご覧いただきますと、前年度を上回る規模の32.6億円ということで、対前年度比で言いますとプラスの1.1億円になっているということでございます。地方消費者行政の充実・強化に向けた新たな枠組みの初年度ということでは、この予算が成立しましたら、必要な予算が確保できたという評価になるのではないかと思っています。特に、今ご指摘もいただきましたが、国会における決議もあったということも踏まえまして、新たな仕組みを作ったということでございます。推進事業と同様の定額の支援というのを継続する、また見守り活動の活性化に取り組む自治体を支援する新たなメニューを作る、そして地方消費者行政、今後も維持・拡充できるようにという、そこに着目して交付金の仕組みを見直したということでございますので、まず消費者庁としましては、令和8年度予算が成立しましたら、この予算の執行を着実にするように進めていくということかと思っています。そのときにやはり地方自治体の担当者も非常に少ない人数で頑張ってやっているとか、そういうお声も聞きますので、この交付金の見直しの内容と考え方を自治体に対してきちんとご説明をすると。併せて、できれば、ご相談を待つだけではなくてこちらのほうからプッシュ型で支援をしていく、そのような形で企画・提案をする、こういったことができないかと考えているところでございます。いずれにしましても、関係する皆様方から応援をいただいて予算案ということでまとめさせていただきましたので、円滑かつ着実な執行、これを視野にまた引き続き検討していきたいと考えています。
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問
ありがとうございます。よろしくお願いします。安定的・継続的に使えるというところが当初予算の強みでして、補正は、来年どうなるか分からないということがあって、国の姿勢を明確に示すという意味でせめて減らさないでほしかったなという思いがすごく強いですので、またそれは引き続きよろしくお願いいたします。
それから、機構定員で地方協力課に地方を支援するための企画官が1人配置され、あと地方消費者行政の充実・強化に向けた支援体制の強化で4人の増員が認められています。このことからも消費者庁の姿勢、意気込みとかは見て取れると思うのですが、具体的に地方にどのような恩恵が出てくるのか、具体的にどういう支援が強化されていくのかお教えください。 -
答
今回の我々の要求の背景というか思いなのですけれども、地方の職員の方々とお話をしていますと、物事を決めるにあたって担当者も非常に重要ですが、やはり担当者のみならずその上の方、ハイレベルな方々との間の意見交換や要請というのも大変重要であると感じたところでございます。そのようなこともあって前体制では新井長官がいろいろ地方に行かれたりとか、そういったこともされたりしておったわけですが、地方消費者行政の充実・強化の後押しをすることから企画官というレベルの職員を置いて折衝・交渉・やり取り・コミュニケーションができるような形にしたいと。併せて、地方協力課に置く企画官を支える、課長や企画官を支えるという意味合いで職員の増員もしようと、そのような形でさせていただいているところでございます。
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問
NHKの佐々木です。
冒頭1つ目にあった消費者庁への不審電話の件なのですが、これは昨日までの件数も出していただきましたが、今日まで不審な電話というのは、まだ電話が相次いで広がっていっている状況なのかどうかというのをちょっと確認させてもらいたいのと、あとは実際、被害という面では、ないということでよかったのかというのを確認させてください。 -
答
まず、1月5日から14日までの間の件数等については先ほどお伝えをしたとおりです。消費者庁に直接寄せられた情報の中で、求めに応じて個人情報を提供してしまったという事例は、私どもは把握をしておりません。最近の傾向というところもなかなか難しいのですが、ものすごくワッと広がっているというふうな状況とは認識をしていません。ただ、これは9日に注意喚起をさせていただき、自治体にもご連絡をさせていただいたところ、リツイートと言うのですか、それに対する反応を積極的にしていただいたりして、なるべく早くそういった対応を取るということが必要なので、1回やって終わりということでもないと思いますので、消費者庁を騙るそういう電話等に注意をしてくださいということをまた改めてお伝えをしたいということで今回公表をさせていただきました。この件がということではないのですが、一般的な消費者被害や悪質な事案もそうなのですけれども、これに注意しましょうということで言うと、ちょっとやり方を変えたりとか、ちょっと言い方を変えたりとか、そういったことでいろいろな新たな手口が出てくることもございます。ですので、今回、先ほど冒頭お話をしたように電話、メール、はがき、いろいろなパターン、そして個人情報の提供、あとは金銭の支払いですね。例えば消費者庁が金銭を払わなければいけないと騙るパターンもあり得るかなということで、今、具体的に相談が来ているものというわけではないのですけれども、なるべく前広に皆さんにご理解をしていただければありがたいなということで注意喚起をさせていただいたところです。
- 問 ありがとうございます。もう1点、デジタルの関係で検討会のことで、必要に応じて横断的に合同検討会をやるということでしたけれども、中間取りまとめとかというのは検討会ごとにまとめられるという認識で良いのか、それとも必要性に応じて、もしかしたら1つの大きな取りまとめになるという可能性もあるのか伺えますか。
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答
今のところは、昨年11月に公表させていただいたように、それぞれの検討会で中間取りまとめをする予定ということで考えております。ただ、今後の議論に応じて、先ほど申し上げたように座長や委員の方々のご意見を伺いながらどうなっていくかという可能性はないわけではないですが、一応事務局としてはそのような形で考えております。
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問
フリーの木村です。
今の関連の質問なのですけれども、消費者契約法の検討会のほうはそもそも消費者契約法を抜本改正するというようなところが明確になっていたかと思うのですけれども、ニュアンス的にはですね。ただ、特商法のほうは研究会の報告書も含めてその辺がぼやっとしていて、つまり今回の特商法の検討会というのは、ゴールは特商法の改正というのを念頭に置いているのかどうか、その辺はいかがでしょうか。 -
答
まず、結論等については先ほどのお答えとも重複をしますが、私からはお答えをすることは控えたいと思っています。ただ一方で、お配りさせていただいた今回の検討会の開催について、開催趣旨のところにも書かせていただいておりますが、関連する法律ですとか、あるいは射程に入ってくるような消費者問題、そういったことが縷々ありますのでこういったことを踏まえた形で何をするのか。ですので一番大事なのは何法を改正するということというよりも、むしろこういった課題についてどういう対応が実は求められているのか、そこではないかとも思っています。今後の検討会の委員の方々の議論次第ですが、今のところ何法をという形ではなく、ここの資料に書かせていただいているような、そのような課題設定をさせていただいております。