堀井消費者庁長官記者会見要旨
(2025年11月6日(木) 14:00~14:21 於:中央合同庁舎第4号館6階消費者庁記者会見室/オンライン開催)
発言要旨
本日、冒頭2件ご報告がございます。まず1件目は、機能性表示食品の自己点検等報告に関する説明会の開催についてでございます。機能性表示食品につきましては、昨年8月に食品表示基準の一部改正、そして本年4月に機能性表示食品の届出等に係る告示を施行いたしました。そして、機能性表示食品の届出事業者に対して、届出後の製造・品質の管理等に関する遵守状況について自己点検と評価を行い、その結果を消費者庁へ報告するように義務付けをしたということでございます。この改正に伴いまして、令和7年3月31日までに公表された機能性表示食品については、令和8年3月31日までに届出後における遵守状況の自己点検結果等を報告する必要があります。そこで、届出事業者の方々がこの自己点検等報告を適切に実施していただけるように、この届出事業者の方々を主な対象としまして、来たる11月26日水曜日の10時からオンライン形式により説明会を開催したいと思います。この説明会の中におきましては、自己点検等報告をどのように行えばよいのかという具体的な方法を中心に、報告に係る様式でございますとかGMP(適正製造規範)基準の遵守の確認方法等についても説明を行う予定でございます。そして、この説明会ですが、届出事業者の方を対象とするものではございますが、どなたでも参加できるようにということで、事前の参加登録を要しないオンライン形式で実施したいと考えております。本日、この説明会の開催についての公表も行いましたので、販売を継続する事業者の皆様方、円滑な報告に向けてこの説明会にぜひご参加をいただきたいと思います。
2件目ですが、令和7年度第2回消費生活意識調査の結果についてでございます。今回の調査は、令和7年10月に「エシカル消費」をテーマとして行ったものでございます。簡単にポイントをご説明したいと思いますが、こちらの配布資料に沿ってお話をしますと、まず1ページ目のところで「エシカル消費」の認知度ということで、この言葉についての認知度を調べたところ27.1%でございまして、昨年度と同水準でございました。年代別では10歳代の認知度が最も高いという結果になっております。そして2ページ目になりますが、これは「エシカル消費」の言葉や内容の情報源について聞いたものです。「新聞記事、テレビ・ラジオ番組(CMを除く)」を挙げた方の割合が33.3%と最も高く、10歳代では「学校での学習」を挙げた人の割合が45.6%と最も高くなりました。次の3ページ目に関してでございますが、これは「エシカル消費」の実践度についてです。実践度は26.1%ということで、昨年度から減少しています。年代別では、70歳台以上の方が36.5%、60歳代30.6%、この順に実践度が高くなっているという状況になっています。「エシカル消費」を実践した方に尋ねた次の4ページの調査ですが、なぜ「エシカル消費」に取り組むかという理由を伺ったものです。これをご覧いただきますと、「同じようなものを購入するなら環境や社会に貢献できるものを選びたい」という割合が57.5%、次いで「節約につながる(50.9%)」が上位となっています。また、年代別にご覧いただきますと、10歳代~30歳代は、「環境や社会に貢献した満足感や心理的充足感が得られる」、「ストーリー性に共感する」、「家族や友人等が取り組んでいる」、このような回答の割合が全体に比べて高い結果が出ているという状況でございました。続きまして5ページでございますが、これは逆に「エシカル消費」を実践していないと回答した方にその理由を尋ねたところ、「どれがエシカル消費につながる商品やサービスか分からない」というのが24.9%、次いで「経済的余裕がない」が20.9%、そして「参加方法が分からない」が16.3%、これが上位となっていて、これは大体昨年度と同様の傾向と考えております。配布資料6ページ、「エシカル消費」を実践したい又はもっと実践したいという、そういう条件を尋ねたものでございます。これをご覧いただきますと、「同種の商品・サービスと価格が同程度であったら」実践したいという方が40.6%で最も高い割合になっています。次いで「品質・機能が良かったら」が35.3%、そして、「節約につながることが分かったら」というのが32.1%ということになっています。こちらが今回の調査結果の概要ということになりますが、エシカル消費の認知度、実践度ともに高いとは言えない状況だと考えています。消費者庁としては、引き続き、エシカル消費の普及啓発を進めていきたいと考えているのですが、具体的にどういうふうにやったらいいか、どういうふうに進めていくかという観点から、本日、資料をお配りさせていただいております。まず、調査の中にも「どれがエシカル消費につながる商品か分からない」というお声もありました。その参考として、例えばですがこちらの資料にお配りさせていただいております、いろいろなマークがございます。例えば有機JASマークですとかフェアトレード認証などの、実施主体は様々ですが、認証ラベル・マークの付いた商品を選択していただくというのも一つの案ではないかと考えています。こういった認証ラベル・マークにも着目をしていただければということで今回配らせていただいております。また、もう一つのアイデアとして、これは今年度の5月の消費者月間のときにも周知させていただいているかと思うのですが、エシカル消費の中でも特に環境分野に着目をした「グリーン志向消費」というものがありまして、これをテーマに掲げ、5月にその促進に向けた取組を集中的に実施しました。その一環で、消費者の方々が身近なところからグリーン志向消費を実践していただけるよう「行動チェックリスト」を作成して公表したところでございます。こういったことも一つ参考にしていただきながら、それぞれいろいろな形で取組を進めていただければいいのではないかということで、改めて周知をさせていただきました。引き続き、エシカル消費に関する多様な情報発信に努め、消費者の方々が行動変容をしやすいように取組を促していきたいと考えております。
質疑応答
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問
フリーの木村です。
冒頭発言の機能性表示食品の自己点検報告の説明会についてなのですけれども、こちらの今、開催する理由としては、問い合わせが殺到しているとか、そういう背景があるのでしょうか。 -
答
本件につきましては、これまでも様々な形で呼び掛けていましたが、まず先ほど冒頭発言の中でも申し上げたように、令和7年3月31日までに公表したものについては令和8年3月31日までにまず自主点検等の報告を出していただくということになります。そのようなスケジュールを考えますと、3月31日までということなのでご案内のように既に報告を出していただいているところもあるのですが、まだのところについてはそういったデッドラインなども睨んでいただきながら準備期間、そういったものを勘案して周知をしたいと、そのような思いからでございます。
- 問 既に提出済みのところは、遵守状況とかはどんな感じでしょうか。
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答
詳細についてはデータベースでもオープンにしております。今、正確な資料が手元にないのですが、大体150前後ぐらいの報告があったという状況でございます。ですので、内容についてはご関心がある場合はデータベースなども参照いただき、そしてまだのところについては引き続きこういった形で取組を促していくと、そのようなことを考えております。
- 問 あともう1点だけなのですけれども、準守状況が良くない場合、守られていない場合というのはどう対応するのですか。それは食品表示基準違反になって何らかのペナルティがあるということになるのでしょうか。
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答
この自己点検等報告というのは、機能性表示食品の遵守要件ということで昨年9月の制度見直しで導入・施行されたということになっています。食品表示基準は年に1回の遵守状況等の報告が義務付けられて、届出状況の報告をホームページで確認できるようになっているのですが、所定の期日までに自己点検等の報告がないという場合は、これは機能性表示食品としての要件を欠くということになります。したがって、要件を欠いたものですので本来、機能性の表示ができなくなるということになると考えています。
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問
日本消費経済新聞の相川です。
機能性表示食品、いわゆる健康食品を含む全てのサプリメント規制の在り方について質問させてください。厚生労働省で10月23日から厚生科学審議会食品衛生部会で検討が始まりました。現時点での検討課題にサプリメントの定義、製造管理等の在り方、事業者による健康被害情報の報告を上げており、消費者庁と連携して検討すると話されています。消費者庁のほうではいつから、どの検討会で、どのような検討課題について検討されるのかをお教えください。 -
答
今ご指摘ございましたように10月23日、厚生労働省の厚生科学審議会の中の部会で、まず平成30年食品衛生法改正の施行状況等を踏まえた課題等についての議論の開始ということがあったと承知しています。この中でサプリメントに関する規制の在り方も議論が開始をされたというのはご指摘のとおりでございます。消費者庁としましてもサプリメントに対する規制の在り方というのは、厚生労働省が所管している食品衛生行政、監視行政と一緒に、一体的に整理する必要があると認識していますので、これまでもご質問などをいただいたところですけれども、厚生労働省と連携をして対応をしていきたいと。そして、消費者庁サイドの検討としましては、こちらの準備が整い次第、ご質問にもありましたが、どのような場でというご質問ですけれども、食品衛生基準審議会の新開発食品調査部会、こちらで検討を進めていくということを現在考えています。今、関係者の方々ともご相談をして日程調整等を行っている段階でございますので、またその日時等が決まりましたら事前にプレスリリースをしたいと考えています。
- 問 厚生労働省と検討課題について住み分けのようなものはあるのでしょうか。
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答
まず、サプリ規制に関してどのような形でというところですが、厚生労働省においても、また消費者庁においても具体的な検討はこれからでございますし、それぞれの検討の場で様々なご意見は出てくるだろうと思います。そういったことがありつつもという前提ですが、10月23日の厚生労働省の審議会の部会で配布をされた資料の中にも議論を行うべき事項ということでいくつか挙げられています。具体的には、サプリメントの定義、そして製造管理等の在り方、また事業者による健康被害情報の報告などが挙がっています。このような主な論点のうち、消費者庁に関連する項目については当然、消費者庁でも議論をするということを考えています。いずれにしましても、どのような課題も食品衛生行政として基準策定、そして監視、そういったことを含めて一体的に整理をしていく必要があると考えておりますので、議論をする場、そして具体的な検討、こういったことにおいて厚生労働省と密接に連携を図っていきたいと考えています。
- 問 会議はいつ頃になりそうですか。初回は。
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答
先ほどお話ししたように、今、鋭意調整中ということでございますので、そんなに遠くないタイミングで開催をしたいと考えております。関係者の方々にもそのような方で調整をお願いしますが、もう少々お待ちくださいという、そういう段階でございます。
- 問 月内ということでしょうか。
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答
そうですね。まだ確定日付のほうは申し上げられないのですが、期待してお待ちくださいということでご理解いただければと思います。
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問
フリーの木村です。
今の相川記者と同じ質問ですけれども、一般的なサプリメントの営業許可または届出のどちらかになるかと思うのですけれども、先ほど長官がおっしゃった定義、GMP報告が論点ということで、そうすると消費者庁のやらなければいけないというのは定義とGMPで、報告のほうはどちらかというと厚労省かなと思うのですけれども、そういう住み分けでよろしいでしょうか。 -
答
具体的にこの論点についてどういう住み分けかなどについては厚生労働省、そして消費者庁それぞれの議論の場でまだ本格的な議論がはじまっていませんので、私のほうからのコメントは控えさせていただきたいと思います。ただ、サプリ規制に関しては紅麹の関連製品に関する事案を受けた機能性表示食品の制度等に関する今後の対応という決定の中で、このような形でさらなる検討課題ということで挙げられています。木村記者、皆さんご案内だと思いますけれども、改めてご紹介させていただきますと、食品業界の実態を踏まえつつ、サプリメントに関する規制の在り方、許可業種や営業許可施設の基準の在り方などについて必要に応じて検討を進めると。このようなことがございますので、このような点を踏まえてどういう形でそれぞれの議論の場でこれを具体化していくかということだと考えています。あとはこれから議論を重ねるに連れていろいろな形で具体化してくると思っております。
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問
朝日新聞の井上です。
機能性表示食品の自己点検なのですけれども、令和7年3月31日までに公表されたものについては報告義務があるという話だったのですけれども、これは数にしたらどれぐらいあるのでしょうか。 -
答
今、正確な数が手元にないのですが、大体7,000ぐらいですかね。今のこの時点で。ただ、取り下げみたいなものもあり、いろいろ数が動きますので、ただ今の公表届出数は大体7,000ぐらいあるというふうになった場合に、逆に令和7年4月1日以降に公表されたものについては令和8年3月31日までの義務にかからない、その後になるということになります。したがって、担当に正確な数のほうがありましたら、また後ほどご確認をいただいて、数が正確にカウントできるかどうかというところなのですけれども、結構な数が令和7年3月31日までに届け出られたという感じで見ていただいてもいいのかなと思います。7,000ではない、それよりは少ないのですけれども、大体のものは7年3月31日までに届け出られたものが多いのではないかと考えています。
- 問 これは、消費者庁のホームページに検索機能がありますよね。あれでソートすると現在販売中のものという引き方があったと思うのですけれども、販売中のものの他に停止している分も、つまり廃業ではなくて自分たちでもう売っていませんと言っていない部分については現在販売中ではなくても届出する義務はあるのですか。
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答
(食品表示課保健表示室)
現在販売休止中のものにつきましても、遵守事項は遵守していただく必要がございます。 - 問 あともう一つ、サプリメントのほうの準備が整い次第という話だったのですけれども、ちょっと長官に説明していただいて聞き取れなかったので。何課が担当になるのですかね。
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答
消費者庁のほうの担当課は、食品衛生基準審査課にお尋ねいただければと思います。