堀井消費者庁長官記者会見要旨
(2025年10月2日(木) 14:00~14:11 於:中央合同庁舎第4号館6階消費者庁記者会見室/オンライン開催)
発言要旨
初めにリチウムイオンの電池の使用製品に関する注意喚起について申し上げたいと思います。消費者庁では、これまでもリチウムイオン電池について注意喚起を行っておりまして、また私からもモバイルバッテリーが発火する事故等に関連して、取扱い上の注意ポイントなどをお伝えをさせていただいてきたところでございます。本日、消費者の皆様に対しまして消費者庁、総務省消防庁、経済産業省、環境省が連携をしましてリチウムイオン電池使用製品に関する注意喚起を公表することを予定をしております。今回の注意喚起の中におきましては、日常生活で持ち歩いたり身につけるリチウムイオン電池の使用製品の例としまして、特にワイヤレスイヤホンや携帯用扇風機の事故の事例等を取り上げ、安全に使用するためのポイントを紹介をしています。また、今回取り上げる製品も含めてでございますが、リチウムイオン電池は廃棄方法を誤るとゴミ収集車やゴミ処理場での火災につながることもございます。ですので、廃棄をする際のポイント、こういったことについても取り上げております。消費者の皆様方におかれましては、改めて身の回りにあるリチウムイオン電池の使用製品に目を向けて、安全に使用、廃棄をしていただくようにお願いをします。なお、詳細につきましては、後ほど事務方からご説明をさせていただきたいと思います。
質疑応答
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問
朝日新聞の井上です。
先月、アメリカのアマゾン社をめぐって米連邦取引委員会がアマゾンプライムの入退会をめぐって非常に分かりにくい仕組みであるということを理由に訴訟を起こして、その際は和解になりました。25億ドルというかなり高額な額をアマゾン側が支払うことで和解したということなのですけれども、日本でもネットとかを見ていると非常にプライム会員になる方法というか、プライム会員を巡って私も勝手に会員にさせられていたとか、そういった書き込みが結構多いのです。画面を確認しましても、確かに一般的に考えると分かりにくい構造になっていて、これはいわゆるダークパターンに当たるのではないかという気がするのです。日本で一体、アマゾンに対してどういう考えをお持ちかという、まずアマゾンに特化したお話をお聞きしたいのが1。2は、最近は通販、インターネット通販の取引がものすごく増えているので、ダークパターンについて消費者庁がどのような取組をしているのか、また今後どのような対策を講じていくのかということをお聞きできればと思います。 -
答
まず、1点目のお尋ねですけれども、FTC、米国の連邦取引委員会とアマゾン・ドット・コムとの間で和解が成立したというケースにつきましては報道で承知をしています。ただ、お尋ねの点は個別事案ということになりますのでコメントについては差し控えたいと思っています。それで、2点目にございました消費者庁としていわゆるダークパターンに関する事案についてどのように対策をとるか、講じるかという点についてでございます。消費者庁としては、まず諸外国の関連でOECD、こちらにおける議論に参画をして国際的な動向の把握に努めているというところがございます。いわゆるダークパターンというものについては様々な形態のものが指摘をされていると承知をしていますが、具体的に法令上の明確な定義があるとか、そういったものではないという状況です。ただ、その上で特定商取引法に関しましては令和3年に改正をしました。その中で、最終確認画面における誤認表示、この禁止規定や取消権を創設したところでございます。それで、この改正法の施行が令和4年6月1日になるのですが、この施行日以降最終確認画面の表示義務違反についての処分を行うということをしております。このような特定商取引法あるいは景品表示法といった消費者庁所管の現行の法令で規制をしうるものについては引き続き厳正に対処していきたいと考えております。これが大きな2点目、国際的なそういう対応と現行法令による対応です。それから、周知啓発というところも大切だというふうに考えておりまして、商品を購入をする際のスクリーンショットの保存、そして実際の事例を参考にしてイラストを用いた形でダークパターン事例イラスト集というのを作成をしております。この周知を広く行い、最終確認画面の重要性の認識向上等に資するよう取り組んでいきたいと考えておりまして、引き続き消費者被害の未然防止、法律に基づく対処と併せまして注意喚起等も含めて進めていきたいというふうに考えています。
- 問 イラスト集というのは、4月に出た、徳島の方で研究結果がまとまったときの資料のことを指しているということでいいですね。
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答
新未来創造戦略本部のほうでリサーチ・ディスカッション・ペーパーでやったときの取りまとめをイラスト集という形で出しているものです。
- 問 あとは、スクリーンショットの保存というのは分かりやすく言うと、どうしてこれを保存しておいてほしいという呼びかけなのか、そのどうしての部分をどう説明しておけばいいですか。
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答
チラシなども用意をしているので、後ほどご参考にしていただければと思いますが、要は最終確認画面で表示をされる契約条件が非常に重要で、こういったことがきちんと表示されていないもの、あるいは消費者に誤解を与えた場合、誤解をして申し込みした消費者については契約の申し込みの意思表示を取り消せる場合があるという大変重要性を持つものということがあります。ですので、スクリーンショットというふうな形で保存しておくということが大切だと。今申し上げたようなことは、分かりやすいチラシのようなものも作成をしておりますので、ぜひこういったものもご参照いただければというふうに思います。
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問
共同通信の山本です。
冒頭発言をいただいたリチウムイオン電池の廃棄の注意喚起の件なのですけれども、消費者庁として今までどこまでやってきたか、世間的にはそういうものは全くなかったわけではないと思うのですけれども、今回、その注意喚起というものはどういう点に力を入れたとか、何か画期的みたいなところがあるのかとか、そういったことがあれば教えていただけないでしょうか。 -
答
そもそもリチウムイオン電池については様々な事故が発生をしています。一旦事故になりますと消費者の方々の生命、身体の危険に及ぶということもございますので、こういったことについては地道に継続的に周知をしていく必要があると個人的に考えています。今回一つのポイントとして、このような事故の背景、問題としまして。製品の安全という部分、それから火災が発生するその予防をするという部分、そして先ほどお話をしたような廃棄、そういったいろいろな論点、観点があるというふうに考えています。非常に夏が暑かったので携帯用の扇風機などを使っておられた方も多いと思うのですが、これから季節が涼しくなっていくとそのようなものも廃棄という局面が出てくる可能性があります。パーツパーツでいろいろ周知をするよりもやはり一連のものということできっちり周知をすると。特に、本当にリチウムイオン電池は便利なものですのでいろいろな製品に利用されています。ですから、消費者の方々の身近な製品を改めてお示しするとともに、事故の状況でございますとか事例、あとはそもそもどういう構造になっていて、発火というのはどういうふうにして起こるのか、そういったことを合わせて使用と、それから廃棄、そういった注意事項をワンセットで関係省庁が連携して示すということ、そして関係省庁が一緒になって関係するところに周知をするということで、より周知の効果が期待できるのではないかということも期待をしております。都度、いろいろな形で報道の皆様にも取り上げていただいて非常にありがたいのですが、やはり先ほど今回のご質問の回答の冒頭で申し上げたように、周知というのは本当に継続的にやって皆さんに届けていくというのが大事だと思っておりますので、どうぞまた改めて周知についてのご協力をお願いできればというふうに考えています。
- 問 いろいろな省庁で連携してということですけれども、音頭を取ったのがどこみたいなのとか、もし何かあれば教えていただけますか。
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答
そもそも夏から環境省からこういった形で関係省庁連携してやっていきましょうというふうなお話もあったのですが、今回の注意喚起に関しては消費者庁のほうから連携を呼び掛けてこういう形で資料をまとめて提供させていただくという形にしております。