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堀井消費者庁長官記者会見要旨
(2025年9月18日(木) 14:00~14:33 於:中央合同庁舎第4号館6階消費者庁記者会見室/オンライン開催)

発言要旨

それでは、私から2点お話をさせていただきたいと思います。まず1点目は、不当寄附勧誘防止法の施行2年後検討の結果についてでございます。お手元に資料も配布をさせていただいています。法人等による寄附の不当な勧誘の防止等に関する法律、この附則第5条に基づきまして検討を進めてまいりました。この法律の目的でございますけれども、そもそも法人等からの寄附の勧誘を受ける方の保護を図るということを目的といたしまして、令和4年12月10日に成立をいたしました。そして、令和5年1月5日から順次施行されておりまして、令和5年6月1日に全面施行ということになっております。消費者庁におきましては令和5年4月1日に行政措置の規定の施行に合わせまして担当室を設置をしております。消費者政策課に寄附勧誘対策室を設置をいたしました。そして、日々この法律の運用を厳正に行ってきたところでございます。この法律の附則の第5条におきましては、「政府は、この法律の施行後2年を目途として、この法律の規定の施行の状況及び経済社会情勢の変化を勘案し、この法律の規定について検討を加え、その結果に基づいて必要な措置を講ずるものとする。」、このように規定されています。そして、令和7年6月1日をもってこの法の全面施行から2年が経過をしたということになりますので、消費者庁におきまして同規定に係る検討を行ってきたところでございます。検討過程と内容について記載した報告書を本日付で公表をしております。それで、この報告書の概要資料を今皆様方のお手元に簡潔にまとめたものを配らせていただいています。では、消費者庁で具体的にどのような検討を進めてきたかということでございますが、まず法施行から2年間の施行状況、これは具体的には情報の受付、嫌疑情報の調査、周知啓発、こういったことについてでございますが、この内容について網羅的かつ詳細にまとめております。併せて、経済社会情勢の変化を把握するためにですが、裁判例の調査及び違法と寄附勧誘に関する消費者の意識調査を行ったところでございます。また、この法律が成立するにあたりましては参議院の付帯決議がございまして、この付帯決議に基づきまして不当な勧誘行為による被害者の方、被害対策に携わる弁護士等関係者を含む多様な方々から意見聴取を行ったところでございます。具体的にどのような団体から意見聴取を行ったかということについては、お手元に配らせていただいている概要のところにも記載をさせていただいているところでございます。その上で、寄附の勧誘等に関する優れた知見を有する有識者、これらの方々からなる会議におきまして検討に係る助言を受けるべく、不当寄附勧誘防止法執行アドバイザー会議を開催をいたしました。そこで法の施行状況や経済社会情勢の変化、意見聴取に係る資料をお示しをさせていただきながらご議論をいただき、ご意見をいただいたということでございます。その検討の結果でございますが、法の全面施行から2年を経過した現時点において、直ちに法改正すべき立法事実は認められないという状況でございました。今後、相当程度の期間における事案の蓄積状況を注視をして、その内容によって必要に応じて検討していくということにしております。また、法の執行及び周知啓発に関して更なる充実を図っていくこととしております。この後、担当者から報告書、これは300ページを超える報告書なのですが、この報告書につきましてご説明をさせていただく場を設けております。このことを併せてお伝えをしたいと思います。
また、2点目になります。こちらは資料の配布はございませんが、本日、伊東大臣とマグラー欧州委員との面会がございました。本日午前中に行われました伊東大臣とマイケル・マグラー欧州委員、民主主義、司法、法の支配、消費者保護担当の方でいらっしゃいますが、面会の概要についてお知らせをしたいと思います。面会におきましては、デジタル化への対応、消費者政策に関する計画、OECDにおける連携などにつきまして意見交換が行われたものと聞いております。また、日本そしてEU双方が直面している喫緊の課題に対する政策アプローチやグッドプラクティスを共有する場として、事務レベルの非公式対話、これは実務者協議ということで実施をしておりますが、この有効性が確認されまして、今後も継続、強化をするということがコミットされたところでございます。以上の内容につきまして、共同声明として取りまとめられましたのでこの後、公表されることになります。詳細につきましては、担当部局の調査研究・国際担当参事官にお尋ねをいただければと考えております。EU諸国におきましては、皆さんにもご案内のように消費者政策におきまして先進的な取組を実施しております。我が国も学べるところが多いと考えています。今後一層、日EU間の連携の強化、これを進めていくことで双方の消費者の安心、安全や豊かな消費社会の実現につなげてまいりたいと考えております。私からは以上でございます。

質疑応答

日本消費者新聞社の渡瀬です。
ちょっと突発的で申し訳ないのですけれども、マグラー委員との会談がありまして、共同声明が発表されることとなると思うのですが、消費者庁として今後、実務に落とし込むことになると思うのですが、この意義と期待というか、そういったものをコメントいただけたらと思います。

今のお尋ねに関してですが、先ほど冒頭お伝えしたことと若干重複する部分もございますけれども、面会でいろいろな形で意見交換をされたテーマについて、実務者協議の中でも意見交換を続けているということがあり、その上で今回、共同声明として、大臣とマグラー委員の面会の成果が取りまとめられるということです。共同声明の内容はまたご覧いただければと思うのですが、個別の課題のみならず両者の関係強化、今後の有意義な交流について盛り込まれていますので、こういったことは大切にしながら今後も続けていきたいというふうに考えております。

日本消費経済新聞の相川です。
不当寄附勧誘防止法の見直しを行う必要がないという結論を出して、2枚紙の資料を今頂戴したのですが、報告書はまだホームページには出ていないようなのですが、今日、報告書が出るということですか。

(寄附勧誘対策室)
既に掲載されております。

アドバイザー会合の2回の会合の資料しか今のところ見つからないのですが。

(寄附勧誘対策室)
寄附法のページの一番下に掲載されております。

資料の一番下に出ているということですか。

(寄附勧誘対策室)
そうです。更新していただけるとその下に出てくるのではないかなと思います。

ただ、これはたった2回で具体的な内容とかが全く分からないままなので、今まで前例がないですよね。こういう検討会を公開で開かずにたった2回で決めてしまうというのは、これはやはり問題ではないのですかね。あれほどやはり国会で審議をしていて、確かに国会のときも一部の政党が非常に反対してなかなか前に進まなかったという現状はあるのですけれども、一部の被害者の方からはやはり改正を求める、要件を見直すこととかを求めているような意見があるようですがその辺については、全く執行件数も0ですし、今、本当に不当な寄附が全く行われていないとはちょっと思えないのですけれども、その辺についてはどういう認識になっているのでしょうか。

まず、報告書の内容につきましてはこれからご説明の機会というふうに先ほど申し上げましたけれども、かなり大部なものを掲載をさせていただくことになっています。大部のものを掲載させていただくことになったという点については申し訳ないと思っています。一方で、この報告書をご覧いただければお分かりいただける部分もあるのですが、先ほど申し上げたとおり、2年間の施行状況、様々な裁判例の調査や、消費者に対する調査、そして関係者の方々のヒアリングの結果、そういったことを盛り込んでおります。具体的に被害者の方や被害対策に携わる弁護士等の関係者を含む多様な方からいろいろなことをお伺いした結果は、全てご本人にも確認を取った上でこの報告書の中に掲載をさせていただき、紹介をさせていただいております。そして、この報告書の中に記載されている資料も含めてアドバイザーの方々にご覧をいただきまして議論をしていただき、ご意見をいただいた、その結果についても報告書の中には記載をさせていただいております。そして、今ご質問をいただいた直ちに改正をしないということに関する内容でございますが、そもそも不当寄附勧誘防止法の目的、この目的は法人等による不当な寄附の勧誘を禁止する、そして当該勧誘を行う法人等に対する行政上の措置等を定める、そして法人等からの寄附の勧誘を受ける方の保護を図る、こういったことを目的とした法律でございます。施行されて2年、まだある意味新しい法律でございます。それで、関係者にもご協力をいただきながら消費者庁も周知啓発を行ったという状況の中で、アドバイザーの方からご意見をいただいた中では消費者庁において不当な寄附勧誘への対策がされているという、この調査結果も約3割ぐらいあり、一定の認知もいただいて抑止力が働いている、このようなご意見もありました。一方で、行政措置を要する案件というのはこの2年間の間で0だったということについては、これは法と証拠に基づく運用の結果ではありますが、不当寄附勧誘事実が認められた案件がなかったということでございまして、この中身を見ていただくと法律上の要件が厳しいから勧告命令がなかったということでは必ずしもなかったというふうに考えています。アドバイザーの方々からのご意見でもあったのですが、現時点では直ちに法改正の立法事実となり得るような事案の蓄積というのは認められなかった、ただ一方で今後時間が経過をしていくことで法制定に伴ったインパクトというのが弱まっていく可能性もある、そして様々な状況の変化もあるだろう、こういったことに注意を払いながらやはり相当程度の期間の事案の蓄積状況を見て、内容を踏まえて必要に応じて検討していくということが必要だろうということが一つあります。また、これは概要資料の中にも書かせていただいているのですが、1ページ目のところの上から大きな二つ目の段落のところの情報の受付調査というところで、これは幅広く情報を寄せていただいておりますので、いろいろな情報があります。この中で、この法律の調査対象として受理をした件数、これが令和5年度と6年度、97件、44件ということで件数を書かせていただいております。この中で、具体的にどうだったかという内訳を、ちょっと小さい字で恐縮なのですが書かせていただいています。そもそも寄附の不当勧誘の事実が認められないものというものの下のところで匿名または連絡が不能によって調査ができなかったもの、これが一定程度の件数があるという状況がございました。この背景について、明確には分からないのですが、例えば情報提供することによって不利益を被るのではないかという不安やためらいがあるのではないかというご意見もいただいたところでございます。このような不安があるとしたら、こういった不安を払拭していくため、また引き続き法律による抑止効果を発揮をし続けるためには、法の周知啓発をさらに充実させていくことが重要なのではないか、それとともに併せてですが、当然のことながら不当な寄附勧誘と疑われる事案があった場合は適正な法の執行に努めていくことが重要なのではないかと考えています。またもう一つ、今、相川記者からいただいたご質問の中で被害者の方の言及があったというふうに思います。その関係で申し上げたいと思うのですが、今回、こちらの概要のペーパーにも書かせていただいておるのですが、青い色で塗ってある1ページ目のところです。今回は、被害対策に携わる弁護団の方々からご紹介をいただいて実際に不当寄附勧誘の被害に遭われたという当事者の方、そして被害者の家族の方々からもお話を伺いました。それ以外にも団体、団体名はこちらに書かせていただいておりますが、このような団体からもお話を伺ったところでございます。その結果については、それぞれ個人情報等に当たらず、先方に全てご覧いただきましてご了解いただいたもの、こういったものについては報告書の中に全て記載をしております。その結果、一定の抑止力が働いているというご意見や消費者庁の法運用についてはやるべきことは果たされていて妥当である、このようなご意見をいただきました。一方で、実効的な被害救済のための法検討が必要ではないかというご意見、さらには周知啓発はよりもっと工夫をしながら継続して行うべきだ、このようなご意見もいただきました。このようなご意見について、アドバイザーの方々に全てお見せをし、その上でご議論をいただいたという状況です。このアドバイザー会議の公開についてはこれまでもご指摘、ご意見をいただいたところでございまして、結局、議論の中身がやはり個人や法人等に関する機微な情報等が取り扱われるということと、そして自由闊達なご議論をいただくという観点から会議自体は非公開にさせていただいたという状況です。ただ、前にご質問いただいたときにもお答えをした中身と一部被るのですが、今回このような形で取りまとめということになりましたので、会議の議事要旨、ご議論いただいた資料のWebサイトの公開に加えて、報告書にも同様の内容を全て記載をさせていただいております。具体的な中身につきましては、これからご説明させていただく時間を設けさせていただいておりますし、その後もご覧いただいてお尋ねをいただければご回答させていただきたいと思いますが、そのような形で進めてきたということについてご理解をいただければというふうに考えております。

今アップされましたけれども、これ182ページあるのですかね。資料とかを除いて。資料を入れると353ページで、対策室がまとめていると。こういういろいろな意見のやり取りを公の場で戦わせるべきで、今までは検討会が設置されてきました。それに対してどういう方々がどういう意見を言ってきたかというのをリアルタイムで伺うことができ、どういう問題があるかというのも記者も分かるような過程がありました。このような報告書を対策室が出すということは最初から結論ありきだったのではないかと。この膨大な資料を読んで私たちが記事を書くというのは大変至難なことだと思います。これはやはりそういう批判が出ても仕方がないと。私は途中で一度ちゃんと検討会をやるべきだというふうに意見を申し上げましたが、これに関してはやはりきちんと対応していく、今後のこともありますのでこういうことをやってはいけないと私は思いますので、これは意見として申し上げておきます。報告書もまだ読めていない段階でこんな200ページのものを突然出されて理解しろというのは無理ですので、それについてはとりあえずここで一応、おかしいということだけ申し上げます。
別の質問に行かせてください。9月12日に消費者庁が「ジャパネットたかた」に対して景表法で措置命令を出した件について質問させてください。「ジャパネットたかた」は有利誤認に該当しないというふうには反論しています。この措置命令は、天変や感染症の流行など、事業者の責に帰することができない特段な事情がないにも関わらず将来の予定価格で販売していない場合は原則、表示開始時点から有利誤認表示と取り扱うとする2020年12月に出された将来の販売価格を比較対象価格とする二重価格表示に対する執行方針が初めて適用されたものと認識しております。この中で二つ要件があって、特段の事情があることを示す資料と比較した将来の販売価格で販売できる合理的な、事業者が合理的、確実に実施される販売計画を提出する必要があるのですが、これに対して、提出されたものに対しては販売計画には該当しないというふうに認定されたのだと思います。ここの部分について、理由についてご説明ください。

いただいたご質問に答える前に、先ほどの件で1点だけ補足をさせていただいてもいいですか。報告書につきましては、確かにちょっと大部なものになっています。クレジットが消費者庁の消費者政策課の寄附勧誘対策室になっています。ただ、これは寄附勧誘対策室がまとめたので名前は書いてありますが、この報告書の構成自体、後ほどご説明させていただくとお分かりいただけるように、そこのところは客観的にこのアドバイザー会議についてはこういう会議で、ここではこういう議論があった、開催状況はどうであったとか、あとはいただいたご意見はこうであった、それでそれ以外の調査結果はこうであった、そういった形でまとめています。したがって、作成担当の部局が表に書いてありますが、中身自体はご覧いただけると分かるようにそれぞれの方々のお考えや意見が分かるような形でまとまっているということでございます。また、資料が大部なものが急にというところは、そこは本当にご指摘のとおりだと思います。そのようなことも踏まえまして、この後ご説明させていただく機会も設けさせていただきたいと思いますし、これ以降もご質問がありましたらということでございます。その上でいただいたご質問についてでございます。将来の販売価格を比較対象価格とする二重価格表示に対する執行方針、これに基づきまして9月に出された個別の案件についてのお尋ねということでございます。具体的な社名を挙げていただいた上で販売計画の詳細に係るようなご質問の内容もあるのですが、詳細については回答を控えさせていただきたいと思います。ただ一方で、今回の対象とした事案について適用した執行方針の中身については、将来の販売価格について表示時点で現実のものとなっておらず、将来の需給状況等の不確定な事情に応じて変動し得るものであり、その表示方法自体に表示と実際の販売価格が異なることにつながる恐れが内在していると言わざるを得ず、将来の販売価格を用いた比較について基本的に行うべきでないという、その考え方のベースを踏まえた上で、将来の販売価格を比較対象とする場合、その二重価格の表示を行う場合には一般消費者の方がセール期間経過後に当該商品等が比較対象価格とされた価格で販売されることが予定されており、かつ予定通り販売されることが確実であると認識すると考えられるため、事業者は表示をした将来の販売価格で販売する確実な予定を有している必要があるという考え方を示しています。そして当該確実な予定を有しているかどうか認められるためには、セール期間経過後に将来の販売価格で販売するための合理的かつ確実に実施される販売計画をセール期間を通じて有している必要があるとしておりますので、本件はこのような考え方に基づいて本件に係る事実関係等を検討した結果、セール期間経過後に将来の販売価格で販売するための合理的かつ確実に実施される販売計画を有していたとは認められないと認定をしたということでございます。

このガイドライン、不当な価格表示についての景品表示法上の考え方を補足する意味で追加的に出されているのですが、これが2020年12月に追加されたときの背景とか理由とかが分かるようでしたらお教えください。

まず、そもそも平成12年6月に「不当な価格表示についての景品表示法上の考え方」が策定をされていました。ただ、その後いろいろな状況が変化をして、例えばインターネット通販ですとかテレビ通販がかなり普及をしてきたという状況があったように記憶をしています。それで、価格表示の方法とか実態等も多様化をしていたという状況がございます。そういう状況の中で将来の販売価格を比較対象価格として用いた二重価格の表示に関して、そのときに景品表示法に基づく措置命令が行われたことなどがあったのですが、事業者等の方からより具体的な考え方を示してほしいと、このようなご意見も寄せられたと。そういう状況に鑑みて、学識経験者との意見交換会を開催する等してお尋ねの執行方針ができたというふうに承知をしております。

共同通信の山本です。
先ほどの不当寄附勧誘防止法関係の問答で長官がおっしゃったコメントのニュアンスの確認なのですけれども、いただいた資料だと勧告命令件数は令和5年度0件、令和6年度0件とあって、この数字だけが一人歩きすると日本に今、不当寄附勧誘というのは存在しないのかという印象を読者は受けるかもしれないのですが、先ほどの長官のおっしゃりようですと、匿名または連絡不通等により調査不能なものというのがあって、そこに情報提供をためらわせるような要因があるのではないかと。そこがアドバイザーの意見なのかもしれないのですけれども、長官ご自身としてもそのような問題意識とか課題感を持っていらっしゃるというようなニュアンスなのかなと私は思ったのですが、その辺については改めていかがでしょうか。

この法律、先ほど冒頭発言の中でも目的ですとか対象というのをちょっと長めに申し上げましたのは、やはりあくまでこの法律はどういう事象に対して適用されるか、特に行政措置の発動の要件、それはどういう場合なのか、どのようなことが定められているかということを改めてご理解いただきたいという趣旨で申し上げたということがあります。法律を作るときも本当に様々な方々のご議論があった上でこの法律の今の要件という形で出来上がったということについて認識をしております。この勧告命令等の行政措置に関しては、こちらにも書いてあるようにきちんと1件1件中身を精査をして法律、そして証拠、そういったことに基づいて運用した結果、このような形になってはおります。ただ、これも報告書の中に記載があると思いますが、アドバイザーの方々は本当にいろいろなご意見をくださいました。それで、今時点はこうだけれども、将来的にこういうことがあるかもしれないとか、諸外国の状況はこういう状況があるとか、様々な有益なアドバイスをいただいたのですが、そういうご意見の中で先ほどご紹介をさせていただいたようなご意見もありました。ここに書いてある件数、個々の事案について全て一つずつ追跡をしてどういう事情だったとか、細かいところまで把握をしているということではないのですが、ただ一方でそのようなアドバイザーの方からいただいたご意見も踏まえると、やはりここのところの件数をもうちょっと減らしていくための方法が消費者庁として取りうる方法が何かあるかというのを考えたときに、それはやはり法律の周知ですとか、この法律に基づいてどういったことができるのかというのをきちんとお伝えをしていくことだと思います。先ほど冒頭の発言のときにちょっと申し上げましたが、消費者の方々の意識についてアンケート調査をした中で、こういう法律があって消費者庁が運用しているということをご存知でしたかということを聞いたら約3割の方が知っていますよというふうにおっしゃった、2年間の間でこの3割というのをどう考えるかということなのですが、一方で7割の方はまだそこまでは知らないということなのだろうと思います。この法律で対応できることについてはきちんと周知をしてこの法律をさらに活用していくということは重要だというふうに思っております。また、併せていろいろな形で被害を受けておられた方々がいて、そういう方々に対しては、この法律はあくまでこの法律の施行後、不当な寄附がされた場合、しかも法人というのは要件を満たせばいろいろな法人が対象になり得ます。そういったことで、今お配りをさせていただいた概要の意見聴取をした対象の法人の方々、こちらに名前を記載させていただいておりますが、こういう寄附勧誘を行う可能性のある法人というのは全て対象になり得る、そういう広いものということになっています。したがって、寄附を適切な形でやる、ただ一方で今回の法律を制定したときの経緯にもなった非常に不当な寄附によって被害を受けた方々、こういった方々に対してはこの法律だけではなくて政府全体としていろいろなメニューを用意して対応しているという状況があります。引き続きそういう対応は継続をしつつ、この法律の目的に従って今回様々な手法を、調査ですとか、あとヒアリングですとか、そういった結果を踏まえて検討した結果はこういう形になっていると。ただ、引き続きやるべきこともあるだろうというふうに個人的には考えております。

件数を減らしていくのが大事とおっしゃったのは、匿名または連絡不通により調査が不能なものの件数をできるだけ出していくのが大事という意味でおっしゃったという理解でいいのですか。

この匿名または連絡ができない中で、もしかしたらこの法律が適用できたような事案があったのかもしれない、そこのところは分からないのですが、仮にそうだとするとそういう件数はやはり減らしていく必要があるだろうというふうに思っています。したがって、この法律の趣旨、目的、そしてどういう効果があるかということをきっちり引き続き周知をしていく、それが重要だろうと考えています。

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