堀井消費者庁長官記者会見要旨
(2025年7月17日(木) 14:01~14:11 於:中央合同庁舎第4号館6階消費者庁記者会見室/オンライン開催)
発言要旨
私から本日1点ご報告がございます。先週になりますけれども、着任後初めて徳島県訪問をしてまいりました。まず、消費者庁新未来創造戦略本部におきまして、本部長として職員に対して訓示を行いました。そして徳島県の方から消費者行政の取組のご説明をいただきまして、後藤田正純徳島県知事とも面会をしてまいりました。また、徳島県上勝町の中でエシカル消費に関してゼロ・ウェイストセンターという施設を設けて取組をされていることも視察させていただいたところでございます。後藤田知事との面会の中におきましては、私の方から徳島県の未来本部に対する日頃からの御支援について、知事に感謝をお伝えいたしました。そして、徳島県の関係者の皆様と連携しながら、引き続き、徳島を実証フィールドとする先進的なモデルプロジェクト、政策研究、国際交流等を推進してまいりたい、このようなことを申し上げた次第でございます。
せっかくの機会ですので、未来本部の取組を簡単にご紹介させていただきたいと思います。未来本部におきましては、先駆的な取組の試行・検証のためのモデルプロジェクトや、デジタル化・高齢化などの社会情勢の変化による新たな課題に関する調査研究などを行っているところでございます。未来本部に設置をされている国際消費者政策研究センターがございますが、この中での最近の取組を紹介させていただきたいと思います。いわゆる「ダークパターン」という、具体的には消費者を特定の意思決定に誘導するウェブサイトの表示やデザイン、こういったものを想定しておりますが、この「いわゆる『ダークパターン』に関する取引の実態調査」というものを行いました。具体的には、消費者庁職員や研究者が102のウェブサイトを一つ一つ確認をしまして実態調査の結果をまとめた報告書を公表しています。これは、徳島の未来本部のウェブサイトの中に掲載をされていまして、この中の参考資料で、事例をイラスト等で分かりやすく解説をしたものも併せてお示しをさせていただいているところでございます。また、少し前にはなるのですけれども「高齢者の認知機能障害に応じた消費者トラブルと対応策の検討に関する研究」も実施しておりまして、消費生活センター等での相談対応や企業での認知症等の消費者への対応の向上、こういったことを目指してガイドブックを公表しております。具体的には「認知症の人にやさしい対応のためのガイドブック」、こういったものを現場でご活用いただくようにということでPRをしているところでございます。この徳島の未来本部におきましては、引き続き、このような様々な形での取組を進めていきたい、そしてこの場を活用していろいろな形で消費者行政の推進に努めていきたいと考えております。未来本部につきましては本格的な設置から5年ほど経っています。皆様の中には未来本部についてよくご存じの方もいらっしゃるかもしれませんが、あまりよくご存じではないという方はウェブサイトなどをご覧いただくか、未来本部の担当者などにお尋ねいただければありがたいと考えております。
質疑応答
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問
フリーの木村です。
消費者委員会の方で消費者法制度のパラダイムシフトに関する専門調査会からの答申を受けて、また、報告書もあがっていますけれども、先ほどの徳島の話もからむ、ダークパターンとか高齢者の認知機能のトラブルとか、その辺も直接関わってくる話ですけれども、まずはこの前の、先日の答申及び報告書の受け止めをお聞かせください。 -
答
消費者委員会の本会議が先週7月9日に開催されまして、令和5年11月に内閣総理大臣から諮問をし、それに対する答申がありました。具体的には、消費者が関わる取引を幅広く規律する消費者法制度のパラダイムシフトについて、検討を求めていたということでございます。答申の具体的な内容をかいつまんでご紹介をさせていただきますと、「消費者法制度のパラダイムシフトに関する専門調査会報告書」の内容を踏まえまして、まず消費者であれば誰もが多様な脆弱性を有すると、このような認識をまず消費者法制度の基礎に置くと。その上で、既存の枠組みに捉われない抜本的かつ網羅的なルール設定に向けて、種々の規律手法を目的に応じて有効かつ適切に組み合わせて実効性の高い消費者法制度を整備すべく更なる具体的な検討を行うなど、必要な取組を進めることが適当であるということが示されたと考えています。内容は非常に多岐にわたる中身でございまして、初めのところから読み進めていただきますと、現在のこのような問題意識に至った背景事情ですとか、そもそも消費者の変化、そして社会の変化、消費のツールと言いますか、そういった変化、こういったことが裏打ちされた上でこのような形に至っているというのが大変よく分かる中身になっていると思います。したがいまして、消費者庁といたしましてはこの答申の内容を十分に踏まえまして、どのような制度をどう作ればどのような課題が解決されていくのか、具体的にはどのような規律の手法を組み合わせることが適切かというのをこれから具体的に議論していく、落とし込んでいくということが重要だと思っています。極めて重要なことですが、非常に大きな課題であるとも考えておりますので、そこのところについては丁寧に関係者の方々のご意見を聞いて進めていきたいと考えております。
- 問 検討はいつ頃から始めてどういう場所で行うのかというような、そういう方向性というのはまだ決まっていないのでしょうか。
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答
今日この時点で具体的にお伝えする中身はまだ決まっておりませんが、消費者委員会から答申いただいたということもありまして、当庁内では具体的にどういった形でどういう中身をということの検討に着手しているところでございますので、もうしばらくお待ちくださいという状況でございます。
- 問 分かりました。