文字サイズ
標準
メニュー

新井消費者庁長官記者会見要旨
(2024年11月28日(木) 14:00~14:32 於:中央合同庁舎第4号館6階消費者庁記者会見室/オンライン開催)

発言要旨

冒頭、2点お話をさせていただきます。1点目は、食品表示の年末一斉取締りについてです。消費者庁は、食品の流通量が増加し、食品衛生の監視指導の強化が求められる年末において、毎年、食品表示の適正化に向けた取組を実施しております。今年度は、12月1日から12月31日までの間、全国157の地方自治体と連携し、食品表示の取締り強化を全国一斉に実施いたします。今年度は、食品表示基準に基づくアレルゲン、期限表示等の表示事項に加えて、本年8月に食品表示基準が改正され、機能性表示食品制度等の見直しが行われたところでありまして、引き続き、いわゆる「健康食品」について、食品表示基準第9条および第23条の表示禁止事項に特に留意の上、食品関連事業者等に対する監視指導を徹底すること。特定原材料として追加された「くるみ」を表示することの徹底、また、カシューナッツは令和6年度の全国実態調査においても症例数の増加が認められたこと、及びマカダミアナッツは令和6年3月28日付けで新たに特定原材料に準ずるものに追加されたことから、アレルギー表示をしていない食品関連事業者等に対して、可能な限り表示することを促すこと。また、「経口補水液」について、令和5年5月に特別用途食品の許可区分が新設されたところですが、経過措置期限の令和7年5月までの間に、必要な許可を取得するなどの対応を終えるよう、食品関連事業者等に対する周知を図ること、などを重点事項として、監視指導および啓発活動を実施することとしております。これらの食品表示の適正化に向けた取組の周知にご協力をお願いしたいと思っています。
2点目です。お手元に資料を配布しておりますが、「おいしい食べきり」全国共同キャンペーンの実施についてです。消費者庁では、農林水産省、環境省、及び全国おいしい食べきり運動ネットワーク協議会と連携をして、令和6年12月から令和7年1月まで、外食時の「おいしい食べきり」全国共同キャンペーンを実施いたします。本キャンペーンは、12月から1月という忘年会や新年会シーズンに「30・10運動」による料理の食べきりを普及する自治体が中心となった取組でありますが、消費者庁においてもウェブサイトやSNS等で情報発信や普及啓発の資材の提供を実施いたします。「30・10運動」というのは、宴会等で、最初の30分間と最後の10分間は料理を楽しみ、食べ残しを減らす運動であります。また、デリバリーやテイクアウトによる家庭での食事の機会も増えていることから、適量購入や家庭での食べきりについても啓発を実施いたします。消費者の皆様におかれましては、年末・年始の各種イベント等があると思いますけれども、食品ロスの削減にご協力いただきますようお願い申し上げます。

質疑応答

フリーの木村です。
冒頭発言の食品表示の取締りで確認ですけれども、「くるみ」はまだ経過措置期間で、「経口補水液」も経過措置期間だったと思うのですが、この場合、取締りというか、徹底を要請するという意味合いでしょうか。

「くるみ」などには可能な限り表示をしていただくということ。「経口補水液」も令和7年5月までの間に必要な許可を取得するような対応を促すということであります。

別件ですが、教えていただきたいんですけれども、消費者庁の方で5月ぐらいから開いている「デジタル社会における消費取引研究会」についてですけれども、こちらはこの5カ月から半年ぐらいの間で、論点とか方向性とか、何か見えてきたような部分はあるのでしょうか。

「デジタル社会における消費取引研究会」をやっております。専門家の方々のヒアリング、あるいは消費者庁からの報告などを交えてやっているということでございまして、主要な議事録については公開しています。しかるべき時期に論点をまとめて提示するということを考えています。

これは開催の終了とか設定なしに議論されるということだったんですけれども、論点整理がいつごろとか、そういうのはあるのでしょうか。

また座長ともご相談いたしますが、非常に広範に議論しているということと、事業者と消費者の意識はだいぶずれていると。今回、あえてデジタルの専門家を多く招いているということもありますので、そこに結構な隔たりがあるなということも私たちは分かってきました。そういう中において、いわゆる悪質事業者の不公正な取引の仕方、慣行というのをどういうふうに見ていくのかということで、これから少し具体的な話を詰めていく、その上で皆さんに論点なりのまとめという形で提示できるのではないかと考えております。

読売新聞の糸井です。
昨日、事故調が報告書をまとめた木造立体迷路についてです。今回の事故調の報告書を受けて、消費者庁長官として、改めて事故の再発防止に向けて訴えたいこと、遊園地の運営者も行政も含めて、全ての関係者にリスクの認識が十分でなかったという報告書になっていたと思うのですが、改めて呼び掛けをお願いします。

昨日、消費者安全調査委員会から、「木造立体迷路における事故」についての調査報告書を公表していただきました。これは2022年が調査開始ということでありますので、だいぶ時間がかかったということでございますが、非常に詳細な調査をしていただきまして、経済産業大臣に対する安全基準の策定及び遵守、それから、経済産業大臣及び国土交通大臣に対する専門家による調査等の要請についての意見が盛り込まれたと承知しております。いわばこの立体迷路も屋根がないということにおきまして、建築基準法の対象にならない、いわゆる消費者庁が設立の時に大きな責務を負ったすき間事案というものの一つだと考えておりますし、そういう中で、関係省庁の大臣に策定の要請をしていただいたということは、非常に重要なことだと思っています。全般的に遊園地に設置されたものは、管理や安全基準があまり明確ではない遊具もございます。特にこどもの安全・安心を守っていくということが重要だと思っておりますので、消費者庁もこの辺に意を用いていきたいと考えています。

日本消費経済新聞の相川です。
11月28日に開催された第4回「第5期消費者基本計画の策定に向けた有識者懇談会」で、消費者基本計画素案の修正案が提示されました。以前にも長官会見で質問させていただいているのですが、詐欺的定期購入商法に対応する表現に関しては何ら変更がありません。「デジタル技術の飛躍への対応」というところで、調査、法執行、スクリーン・ショット保存呼び掛けの取組の記載しかないという状況です。先ほど木村記者から質問があったデジタルの研究会で報告がされた、長官が参加して閣僚宣言が採択されたOECDの閣僚会合で採択された文書の内容では、「デジタル市場で進行中及び新たに発生する消費者被害を特定し、対策を講じる」とあります。この表現ではやはり不十分なのではないでしょうか。ダーク・コマーシャル・パターンを防止するために必要な措置は記載されているのですが、このダーク・コマーシャル・パターンは何を想定されているのでしょうか。

質問が複層的になっていると思いますので、私からまず答えられる範囲について回答させていただきたいと思います。11月26日に基本計画の素案ということで有識者会議に提示させていただきました。この中で大きく取り巻く状況から、消費者政策の基本的に目指すべき方向、それから多様な主体が連携して行うもの、あとは具体的にやるものという形で、書き下ろしさせていただいておりますけれども、今回の基本計画の大きな枠組みは、デジタルの飛躍的な発展、それから、知らずに、知っている場合もありますが、海外事業者と取引をしていくところ、取引の環境のグローバル化、それから高齢化にどう対応していくかということで、大きな軸として設定をさせていただいております。この中でお話がありましたように、デジタル取引についてどう立ち向かっていくのかということで、具体的には第4章の1の(1)のところで、いわゆるダークパターンというのは不公正な取引慣行ということに分類されるのだと思いますが、そのダークパターンをどう見ていくか。今、お話ありました、ダークパターンとは何なのか。ダークパターンというのは実は明確に定義したものはありません。それぞれの中で不公正な取引慣行とは何なのかということで、今のところこうしたデジタル社会における不公正な取引慣行を規制する法律として明確になっているのはイギリスの法律であるということを「デジタル社会における消費取引研究会」の場でご報告いたしましたし、EUはさらに消費者関係のいくつかの指令について、デジタル時代に適応しているかどうなのかをチェックしている段階であります。いずれにいたしましても、消費者がデジタルの世界で不公正な取引慣行に遭わないように、不公正な取引慣行をどうやって防止していくかという観点から、各国、今いろいろな対応を取っていると理解しています。その中で日本においても、諸外国の取組を踏まえながら、次の基本計画の期間内には必要な対応を取っていくということを記載させていただいています。そういう意味では、私も会見の場でデジタルに対応するものが特商法という法律の枠組みなのかどうなのかということを従来申し上げておりますが、デジタルに対応した法制度は再編して見直していかなきゃいけないということも併せて、この基本計画に書かせていただいているということであります。それから、デジタルの取引に関して、できるだけスクリーン・ショットを残してくださいということを、この会見でも呼び掛けをしております。この前、ある中核的な市町村の相談員の方と意見交換をした時も、その方が相談対応した中でスクリーン・ショットを残していた方々は実は2名しかいませんでしたということでした。契約条件がわからないと、実はなかなか対応ができないんですというお話もありまして、相談員の方々も問題を解決するためにはスクリーン・ショットを残していただきたいということであります。また、お話を聞きますと高齢者だけというわけでもなくて、頻繁に取引をしている若年層、それから中堅層の方もスクリーン・ショットをまだまだ残していないという状況でありますので、やはり問題を解決するためにもスクリーン・ショットを残して、契約条件を再確認できるようにしておくということが、まずこの問題の出発点だと思っています。それによりまして、問題解決を促進していくというのが、被害回復に対しては非常に重要な場面だと思います。それ以前に、今申し上げました、不公正な取引を誘引するようなデジタルの設計でありますとか、消費者へのアピールの仕方をどういうふうに規制していくのかということは、この基本計画の中に書いてあるような手順を踏みながら進めていきたいと考えています。

定期購入、現在の法執行では、アップセルという手口、定期購入ではないというところで契約した後に、いろんな条件が出てきて、そこをクリックしてしまって強制的に定期購入になっているようなものには処分が及んでいません。確かにスクリーン・ショットを撮ってくださいと相談現場でも国民生活センターでも何度も呼び掛けていますが、それを撮っていないので相談現場ではあっせんもできない、処分にも至らないという状況がもうずっと続いています。それがずっと続いていて、消費者側にそれだけを求めるというのが消費者庁の在り方なのでしょうか。ダーク・コマーシャル・パターンについて、確かにOECDでもいろいろ実験はされてくださっているようですが、実証実験、サブスクであるとか、カウントダウンであるとか、ポップアップとかもあるのですが、この対策を取ったからって定期購入の対策になるのでしょうか。それは想定されているのですか。もうこういう段階になっていて、通信販売にクーリング・オフを入れるぐらいの措置は、さっさと特商法を改正してやるべきなんじゃないですか。そういうことが基本計画の案に全く入っていないというのは意味が分からないんですけれども。具体的に想定されているのですか。

今、具体的なご意見をいただきました。この分野でのクーリング・オフをどうしていくか。実際に今、検討しております法体系の全体の見直しの中で議論すべき論点というのもあります。従いまして全体として検討していくということでありまして、現段階で必ずやると言うこともできませんし、当然ながらやらないと言うこともできません。それはクーリング・オフ自体の法的な性格、消費者の契約、それから全体の民法の仕組みの中でやはり議論していかなければならない、実は大きな問題を含んでいると思っていますので、その辺を念頭において議論していきます。この問題は決して放置しているわけではありませんし、それについての各方面の対策は講じていくということでありますので、今申し上げたのは、まずは自衛策としてスクリーン・ショットを撮っていただくということが問題解決につながっていく。そこを出発点にしてやっていくところも必要ですし、全体的な法の仕組みを改正していくということも当然必要だということであります。この基本計画につきましては、来月中にはパブリック・コメントにかけて最終案にしていくということでありますので、そこについては皆さんの意見をさらに聞いていくということであります。

最終確認画面での表示義務違反とか、誤認させるような表示を禁止して取消権が入っていますが、今の法執行では取消権の認定ができるような違反の認定がされていませんので、使えていないということです。取り消しはできないんです。誇大広告の違反認定だけではどういう救済ができますか。現実に何か使えますか。今の特商法で消費者の被害回復につながるんですか。

(取引対策課)
現状、取消権の使用がないとおっしゃっていましたが、幾つか相談いただくような事例も確認させていただいている中で、実際、地域の消費生活センターにご相談いただくような例で、取消をしておられる例も幾つかあると思っていまして、従って現状、令和3年改正で入れた取消権が全く使われていないということは必ずしも当たらないのかなと思っています。それ以外にも先ほどもおっしゃっておられたような、いわゆる定期購入の案件についても、これまで、まさに7事案22件、同じような処分をしているわけですが、これらは基本的に全てが定期購入の案件です。今、目の前の問題に向き合って、そういうところを重点的に実際に処分しているということでありますので、まずは引続き執行を厳正に対処していくということをやらせていただきたいと考えてございます。

解約条件を適切に書いていなかったということで違反が認定されているものもあります。ただ、私が言っているのは、新たなアップセルで、一番今問題になっているものには手が出せていませんよねということを言っています。その部分に対しては現行法で対処できるんですか。皆さん、同じように定期購入に誘導されている、結局どこか小さなところに書いていたり、見えないけれどもどこかに書いているというようなことで認定ができないのではないですか。それはダークパターンの一つだとは思うんですけれども、消費者庁が検討するダークパターンの中で定期購入は網羅されるのですか。今回、もう一つ聞きたいのですが、工程表は示されるのでしょうか、工程表が示されなくて3年めどの中間点検しか行わないのであれば、一体いつごろにダーク・コマーシャル・パターンへの対応を行われるのでしょうか。

全体にお答えをいたします。この基本計画は3年をめどに中間点検を行うということにしておりまして、取組については不断の見直しを行うということであります。工程表というか、1年ごとのチェックはしていかないということを念頭に置いています。1年ごとのチェックというのは現状との差を確認するということにしかならないということでありまして、今、民間会社におきましても中期目標のチェックの仕方をどんどん変えているということもあります。やはり一定の期間をもって、社会の情勢の中でチェックしていくというのが基本計画のあるべき姿だと思っておりますので、その旨を書かせていただきたいと思っております。その中で、この基本計画に書いていないからといって仕事をしないというわけではありません。当然でありますけれども、社会事象の大きな変化がこの数年間の間でも当然想定されるということであります。その中の時間軸の中で何をどういう順番でやっていくのかということは、おっしゃったとおり、消費者問題の中の重要性、それから法的な枠組みを見直す、進度の違いもあると思いますが、この問題について私たちが放置しているということではありませんので、そのような言を広げていただくのは非常に私たちとしては心苦しいということであります。執行の部隊もここ1~2年、デジタルに特化していますが、非常にデジタルは解析が難しいです。事業者の方々が途中でいなくなってしまうということも往々にございますし、証拠を押さえるのも非常に苦労しております。その中でも執行することによって、事業者に対して特商法の違反になる事例を見せていくということをやっておりますので、そこについてはしっかり評価をしていただき、そのような販売方法なり注記に消費者が注意をしてくださいということで、国民生活センターと、それから消費者安全法第38条を使った注意喚起もやっているということでございますので、それが多くの方々の目に届き、非常にお得な条件とかお得なクーポンが出てきたとしても、そこでいったん立ち止まっていただくということが消費者にとっても必要だと思いますし、事業者のそういう行動に関して注意を促していく。双方でやっていくべき案件だと考えています。

注意喚起ばかりしてるのは消費者庁ではないということはずっと言っています。同じことをやっていても被害が減らない実態はきちんと把握していただきたいと思いますが、毎年毎年、去年と同じことを継続して実施するみたいな工程表の評価・検証は確かに無駄だと思います。ですが、この問題について、いつごろまでに検討会を開いて、結論をいつごろまでに得るぐらいのものは示さなければ基本計画にはならないのではないですか。全く時期も示さないというのはおかしくないですか。

基本計画全体を見ていただきますと、基本計画の中に、これから5年間でございますが、いつまでにやると実は明確な期限を打った形にはしておりません。これは基本計画の性格上、5年間という決められた中でやるべきこと、ということですので、しかも閣議決定をするというものですから、その大枠を示すというのが基本計画だと思っていますので、基本計画の例えば3年目に実施するとか、2年目に実施するということは、全ての事項について書いていないということであります。

あともう1点、見出しに「法令による強制力に伴う直接介入」というものが入った点は一定評価ができると思うのですが、本文では本当に刑事罰を含む法整備を新たにやっていくのかどうかが読めませんし、悪質かつ深刻な消費者被害が発生し、拡大する恐れがある場合等については、委員の方からもいろんなご意見が出ているので、そこはもう少し明確になるように書いていただき、ある程度期限を切って、このくらいまでにはこうしたいというようなことをきちんと盛り込むべきだと思います。いくら工程表を全く作らないと言っても、一定程度のものは示すべきだと思いますのでよろしくお願いします。

ご意見として賜っておきます。

時事通信の池畑です。
昨日、消費者安全調査委員会で立体迷路の報告書が出ましたけれども、長官がおっしゃったとおり、屋根がないから建築基準法に適用されなかったということですけれども、調査委員会としての結論が適用される法令がなかったということですが、むしろ長官がおっしゃったように、ある意味、脱法的にわざとそういった法令に適用されないために屋根を取り付けなかったと考えるのが自然かと思うんですけれども、そういう建築を商売に使ってこどもたちを呼び寄せている施設がまだ全国に40ぐらいあるという中で、調査委員会がこれだけ時間をかけて出した報告書が、点検が必要じゃないかというのと、法令が必要かどうかも含めて検討してほしいという結論だったんですけれども、そういったことを何年もかけて、税金をかけてやっていた調査委員会の在り方として、それが適切だったのかどうか、お考えを伺いたいです。

消費者安全調査委員会は、一定の間に中間的な取りまとめなどもやっていたと承知しておりますし、調査委員会としての、各関係者のヒアリングなども非常に綿密に行っていただいたと思っています。1点、訂正をしておきますと、屋根がないから建築基準法の対象になっていないということではなくて、建築基準法は屋根がないものも対象になっているものもありますので、今回はこういう形のもので屋根になっていないものは対象にはなっていないということは所管省庁に確認したということであります。それから、あえて屋根を付けずに脱法していたのか。これは事業者には確認しておりませんが、これは海外で同様の遊具を日本に持ってきたものと聞いておりまして、そのような意図があったものということは事故調の調査の中でも確認していないと聞いているところであります。事業者の人がそのように悪意を持ってやったという場合もあるかもしれませんが、多くは、分からないですが、各国の法制度なり、守備範囲が違うということも影響しておりますので、海外からいろいろなものを持ってきてやる場合には、国内においてそれがどういう規制のもとにあるのかないのかということは、やはりきちんと確認していただく必要があるのではないかなと思います。この木造施設の方が今おっしゃったような趣旨でやっていたということは、事実は確認しておりませんので、確認をしていないという旨はここで発言させていただきます。

悪意があったとは思いませんけれども、屋根がない木造の建築が雨ざらしになっていれば腐るというのは、昨日、委員長が、木材リテラシー、とおっしゃっていましたけれども、誰もが分かることなので、そういった建築に適用される法令がないということを調査委員会が公に示したということで、こうすれば建築基準法などにやはり触れてこないんだということを、むしろお墨付きを与えてしまったような報告書になってはいないかと心配していますけれども。

どう読まれるかは個人の読み方の問題ですので否定できないかもしれませんが、消費者安全調査委員会はそういうことではなくて、このようなものについては、先ほどもお話ししましたが、きちんとした安全基準を作ってもらうということでお話をしているということであります。木材リテラシーという形で昨日委員長が発言されたと聞いておりますが、木材も十分な防腐剤を定期的に塗布していれば腐朽を免れるということもありますので、木材が全て雨ざらしにしておくと問題が発生するということではないと思います。それは他の金属などの場合でも同じでありますので、やはりきちんと定期点検をしていただく、その仕組みがなかったということも大きな問題ではないかと思っていますので、報告書をそのような脱法行為を促すようなものとして読んでもらうという趣旨では全くありませんので、そこもご質問に対しては否定をさせていただきたいと思います。

全国に40あるということで、母数が少ないと見るのか、多いと見るか分かりませんけれども、また放置すると同じようなことが起きるのではないかと、老朽化がさらに進んでいくのかなと思いますので、もうちょっと何か緊急的な対策をするべきだったんじゃないかと思いますが、それは委員会の判断だと。

委員会の判断です。

注目情報・キーワード