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新井消費者庁長官記者会見要旨
(2024年5月23日(木) 14:00~14:23 於:中央合同庁舎第4号館6階消費者庁記者会見室/オンライン開催)

発言要旨

「PIO-NETデータを用いた消費生活相談の地域傾向分析」についてお知らせします。お手元の資料を見ていただきたいと思います。消費者庁新未来創造戦略本部では、全国消費生活情報ネットワークシステム(PIO-NET)に登録された相談情報について、テキストマイニング技術を用いた傾向分析研究を行ってまいりました。その結果を踏まえまして、全国の相談情報の契約当事者の居住地域別及び年齢層別の傾向分析を行っております。新型コロナウイルス感染症関連の相談傾向の分析について、令和4年4月及び令和5年9月にウェブサイトにて公表済みですけれども、今回、全国を年代別等に分けて分析を行ったということです。具体的に見ていただきますと、全国を9つの地域に分けた上で、各地域の消費生活相談データについて分析を行っております。相談におけるトピックの代表的なキーワードを地域ごとに20単語ずつ抽出いたしまして、出現率がより高いキーワードが大きくなるように処理をした上で日本地図に表示をしています。また、近年はスマートフォンやSNSの普及に伴いインターネットやオンラインに関わる消費者トラブルが目立つようになったことを踏まえまして、インターネットやオンライン取引に関する消費生活相談についての分析も行っております。見ていただきますと、年代別に非常に顕著な結果が出ていると考えておりまして、1ページを見ていただきますと、19歳以下ではゲーム、課金といったものが非常に特徴的な単語として大きく出ておりますし、20~39歳では契約あるいは電話、サイトといった、いろいろな相談がわりと広めに出ていると。顕著なものが、40~64、65歳以上というところになりますが、電話、解約ということで、電話に関する、これは携帯電話の契約とか、それからインターネット回線といったものも含みますけれども、電話の契約とか、あるいは電話相談、電話による勧誘と、電話という単語でいろいろなキーワードに引っ掛かってくるものですが、年代別にだいぶ特徴があるということが分かったと考えております。これを踏まえまして、これからの情報提供の在り方、あるいは相談体制に役立つようにしていくとともに、継続的に分析することが必要だと考えておりますので、今後、消費者庁で定期的に結果を公表していきたいと考えております。

質疑応答

NHKの絹川です。
冒頭発言に関連してですけれども、不勉強で申し訳ないんですが、こういうテキストマイニングといいますか、こういうタイプの分析はこれまでもされていたのでしょうか。

これは消費者庁と未来本部としてはやっておりませんが、未来本部の先例的な研究の中で、ある大学の先生にもやっていただきまして、それをやはり本部としてこれからしっかりやっていこうということで、本部としては初めての公表になります。

これからは毎年こういうふうに傾向を分析してやっていこうと。

はい。

別件ですが、連休明けに最終的に報告がまとまると言っていた総点検の話ですけれども、その後、5月の中旬、終わりのほうですので、めどを教えていただければと思います。

今、お話がありました、届出後の機能性表示食品の健康被害情報の収集、評価、報告につきましての実態調査でございます。経緯を改めて申し上げますと、3月28日に消費者庁から、機能性表示食品6,795製品の届け出者、1,693事業者に調査を発出いたしました。その中におきまして、22届出事業者からの35製品について、健康被害147件が得られたところであります。その後、4月18日にこの147件について追加の情報提供ということで調査を行いまして、今、分析をしているということであります。これに関しましては、これまでも会見お話をしておりますけれども、医学及び薬学の専門家にガイドラインに沿って分析していただく必要があるだろうということで、医薬及び薬学の専門家7名に分析をしていただきました。ガイドラインに沿ってということでございますので、それぞれの症例につきまして、重篤度、因果関係についてそれぞれ分析をいただいたということでございます。5月上中旬に発表ということを予定しておりますので、近日中に発表するということでございます。ちなみにということでありますが、本日17時から「機能性表示食品を巡る検討会」を開くことにしておりまして、その議題について16時に皆さまにお知らせをするということです。

ありがとうございます。今日の議論に出てきそうというふうに思っていていいんでしょうか。

はい。

念のための確認ですが、消費者庁として急きょ追加調査した結果、何か急ぎで対応しなきゃいけないような事案は今のところ出てきていないという認識で間違いないでしょうか。

はい。皆さまへのご報告の中で、詳細についてはお話をさせていただこうと思います。

朝日新聞の井上です。
検討会は今日が最終回になりますよね。最終回で検討会から報告書案のようなものを受け取って、消費者庁はその後、この前おっしゃっていた自民党とかいろんな案を受け止めた上で、それを関係閣僚会議に提出するということでいいのでしょうか。

まず検討会についてです。検討会の第6回目を本日午後5時から予定しているところであります。ここにおきましては、今まで議論が一巡いたしましたので、検討会の取りまとめに向けての議論がされると聞いておりますが、これが最後になるかどうかというのは本日の議論次第だと考えております。しかしながら、だいぶ意見は精力的にまとめていただいたと承知をしております。これに加えまして、いろいろな方々から提言をいただいております。それらを踏まえまして、これは5月末までに消費者庁及び厚生労働省が検討した上で閣僚会合に報告をするということでまとめられておりますので、その閣僚会合にしっかり報告して、その後、実施に移していくということです。

言葉的には、関係閣僚会議で承認を受けて、その後、消費者庁と厚労省も関係するのかもしれませんけれども、再度検討するということになるんですかね。

報告ということだと思います。

報告した上で。

実施に移していくと。

実施に移すべき準備を進めていくというような表現でいいんですね。そうすると、その案についての、全部の案を受け止めた上での、何かペーパーみたいなものを作って持っていくわけですよね、当然。

閣僚会合は閣僚会合としての報告の紙ができると思います。

そうですよね。閣僚会議の紙ができて、その段階で長官のほうから何か発表とかはあるのでしょうか。

発表というか、閣僚会合は官房長官主宰でありますので、官房長官からメッセージがいただけると理解しています。

マスコミ向けの対応も、長官ではなくて官房長官側になるのですか。

閣僚会合の仕切りの中でプレスの場所があると理解しています。

今後、今のところですが、長官が何か私たちに向かって、今回の報告書案はこうでした、ああでした、今後こうなりますというような発表は予定されていますか。

今のところ予定しておりません。

(日本消費経済新聞:相川)
PIO-NETデータを活用した消費生活相談の分析は大変興味深いもので、今後、PIO-NETが刷新された時に同じような分析ができていくのか、その機能が維持されるのかがずっと心配しております。そこで、新システムで何がどう変わって、どういうメリットを享受できるのか。音声入力、キーワードの自動付与、相談概要の作成等はできるようになるのでしょうか。その辺について分かりやすくお教えください。

まず第1点目であります。今回の分析、PIO-NETからキーワードを検索して、それをテキストマイニングで分析するという形にしております。今もPIO-NETはキーワードで入れていただいております。新機能になりましても当然キーワードでこれらを検索するということが可能ですし、恐らくキーワードの検索の仕方は新機能のほうがやりやすくなるのではないかと考えております。今回、テキストマイニングの分析は初めてでございますけれども、継続的にやることによって皆さまの困っている状況が、特に地域的な偏りなどもあるということも分かってきましたので、これらをしっかり分析することによって、どういうふうに注意喚起をしていくかなど、政策に生かしていきたいと考えています。それから、相談のDXは、2026年度、PIO-NETの刷新に向けて具体的な手順を皆さまにお話する段階になっていると理解をしております。そもそもDXは消費者の利便性、それから相談対応の質の向上、相談員の負担軽減というものを目的にしているということでありますので、機能を維持、充実した上で、これらの機能で十分に力を発揮できる環境をつくっていくということが必要だと考えております。幾つかお話をさせていただきますと、まずは相談する消費者の利便性の向上の観点では、自己解決支援のためのFAQ、あるいは消費者向けのポータルサイトを充実していく、ウェブ相談のフォームなどを整備していくということで、気軽に相談できるような体制にしていこうということが一つございます。それから、相談員の負担の軽減の観点では、具体的な機能の付与については今、検討しておりますし、実際に相談に携わる皆さまには、2026年の春をめどにデモ機をつくるということにしております。その時点での機能についてご理解いただいた上で、試していただける期間を半年程度取ろうと考えております。デジタルの世界でいろいろ発展途上ということでありますので、それぞれの機能がどの程度盛り込めるかというのは、今、模索をしながらやっているということでありますが、幾つかのものをここで示させていただきますと、事業者情報や類似事案、それから助言すべき内容を提案してくれるような形のものができないかということ。それから、音声認識による自動文字起こし、あるいはキーワードを探しやすくするなどの機能を充実する方向ということであります。いずれにいたしましても、相談員の皆さまにはその機能を実感、体験していただくというステージを2026年にはつくろうと考えております。

今まで公表されていた内容ばかりなのですが、この中でやはり今、非常に費用が足りないということで、音声入力もできないのではないか、キーワードの自動付与もできないのではないか、今のAIの機能では相談に必要な概要の作成もできないのではないかと。では、一体どこにDXのメリットがあるのかというような声が聞こえてこざるを得ないような状況があるのではないかと思います。この辺について、今は明確に言えないということですか。

今お話があった指摘は当たらないと考えております。確かに今、機能を充実させるべくいろいろ取り組んでいるところです。いろいろなご心配はあるということは承知をしております。それから、各自治体においてシステムが一様ではないということで、このウェブシステムにつなぐ時のいろいろな利便性も異なっているというのも私たちは聞いております。そういう中で、幾つかの県では既にシステム上のフォームを始め、システム担当者と個別相談を始めております。これを時間の枠の中でしっかりやっていくということです。いずれにしても今の段階でそのような心配をしていただくという時期ではないと考えています。

2025年の予算編成を自治体がしなければならない状況の中で、DX化に向け、何のための費用をどのくらい確保するかがまだ伝えられていません。それは一体いつごろになる見通しでしょうか。それから、さっき長官がおっしゃられた、本当に検索しやすくなるのかについてはもう少し長官もきちっと見ていただきたい。今まではスクラッチで本当に必要なものを独自に設定できてきたけれども、これからは民間のものを使って対応するしかないと。今までとはちょっとやり方も変わらざるを得ないというような話も聞こえてきますので、その辺もご確認をきちっとお願いします。取りあえず予算についてお答えください。

予算につきましては、3月の消費生活相談デジタル化アドバイザリーボードでお伝えしたところでありまして、各自治体で準備を進めていただいている段階と承知をしております。どのような準備をするか、なかなか分からないという市町村がありましたら、私たちにお知らせをいただきたいと思います。個別に対応させていただきます。

どこも分かっていないと思いますので、明確に伝えていただきたいと思います。それから、地方消費者行政強化作戦2025に向けた検討はいつごろからどのような形で行われるのでしょうか。従来どおり公表して行っていただきたいと思いますが、いかがでしょうか。

地方消費者行政強化作戦2020では、どこに住んでいても質の高い相談、救済を受けられ、消費者の安全・安心が確保される体制を維持していくというのが基本的な眼目というふうに聞いております。今、DXに取り組んでおりますし、次の消費者基本計画の検討も進んでいるということであります。そうした準備に目途をつけながら、これから訪れる人口減少、高齢化、特に基礎自治体の体力もなかなか弱っていくというのは現実だと考えております。そういうことも念頭に入れた上で今後の検討をしていくということで、基本計画と併せながら構想を練っていきたいと考えています。

基本計画はほとんど水面下で、私たちには何も見えないところで行われています。何が行われているかも分かりません。これと併せて、地方消費者行政強化作戦2025も水面下で分からないところで検討されて公表されるということですか。

基本計画は有識者懇談会でも検討しておりますし、この夏秋に向けて素案を出して、いろいろな場で議論いただくということでございます。誤解のないように申し上げておきますと、基本計画の有識者の懇談会も開いているということでありますし、県の担当者の会議でも、基本計画の今の検討状況、それから案についてお示しをして意見をいただくようにしております。水面下で基本計画を進めているということもございませんし、当然ながらオープンな議論をしていくということであります。それから、消費生活相談のDXに限って申しますと、DXというのはシステムの改修ということでありますので、相談員の方々が不安に思われるという状況も理解はできますけれども、システムの担当者の認識と、実際のシステムに齟齬のないようにやっていくということが非常に重要だと考えていますので、システムの担当者の方々との連携を密にしていくという形で今後進めていきたいと考えています。

地方自治体の方々はほとんど入っていませんし、地方自治体からの生の声など一回も出ていません。前回はオープンで何回も検討会を重ねて報告書をまとめた上で作りました。今の地方消費者行政強化作戦については、相応の検討会を地方の代表とかを交えて検討した結果、作成されています。その辺も踏まえて、きちっと地方から不満が出ないような対応の仕方をしていただきたいと思いますが、いかがでしょうか。

お話の趣旨はよく分かりますし、私たちもそれに向けてやっておりますし、今、DXも多くの方の意見を聞いて、昨年から取り組んでいると考えております。基礎自治体はこれから体力が弱っていくと、総務省も全体として国と地方の考え方を見直すというような話も聞いておりますので、そういう流れも踏まえていかないといけないと思っています。自治事務として消費者行政をどう維持していくのか、全体の中で考えていくということが重要だと考えております。

ぜひ意見を聞いて進めていただければと思いますので、よろしくお願いします。
フリーの木村です。
「機能性表示食品を巡る検討会」が今日で終わりで、その後、5月末に関係閣僚会議に提出するということですけれども、その後、消費者庁では内閣府令の改正など作業に入るかと思うんですけれども、実施の見通しといいますか、実施の時期のイメージと、あと前回の検討会でパッケージの表示の方法なども改正するというような話が出ていますけれども、そうすると猶予期間なども必要かと思うのですが、その2点についてどのような感じで進められるのかについて教えてください。

まだ方針が明確に決まったわけではありませんので、なかなか先のご質問だと理解をしております。閣僚会合に検討会の報告自体を報告するということではなく、趣旨を踏まえて政府としてのやるべきことを示していくというのが閣僚会合のステージだと理解をしております。それから今お話がありましたように、手順を踏まなければならないものもあります。なお、一言付言をさせていただきますと、今の食品表示基準、それからガイドラインでやっていたものをこの検討会の中ではできるだけ法令にしていくべきというお話が出てきたと思います。したがいまして、細かなところまで内閣府令に書き込まなければいけないということで、事務的には準備を進めております。

消費者委員会には諮問答申みたいな形になるのでしょうか。

ほかの食品表示基準と同様に、消費者委員会に諮る事項ということになります。

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