新井消費者庁長官記者会見要旨
(2023年9月7日(木) 14:00~14:10 於:中央合同庁舎第4号館6階消費者庁記者会見室/オンライン開催)
発言要旨
冒頭ビッグモーターの不正事案に対する消費者庁の対応について発言をさせていただきます。まず、ビッグモーターに対する報告徴収についてのご報告であります。8月3日にビッグモーターに対し公益通報者保護法に基づく報告を求めていたところ、9月4日に同社より報告がございました。消費者庁においては報告の内容について、具体的には、公益通報者保護法の法定指針と呼んでおりますけれども、令和3年の内閣府告示に基づきまして、とるべき措置がとられているかどうかという報告の内容を精査しているところであります。その結果を踏まえて、近々公益通報者保護法の規定に基づき適切に対処して参りたいと考えております。
それから2点目でございます。先日9月5日に公表いたしましたとおり、ビッグモーターに関する消費生活相談の状況について精査したところ、中古車の購入・売却等に関する消費者トラブルが引き続き大半を占めているということが確認されました。消費者庁から改めて注意喚起をしたところであります。具体的には、査定の場では契約をしない、事前に契約書を確認する、トラブルになった時は消費生活センター等や業会団体の相談窓口に相談することが重要であるということであります。消費者の皆様におかれましてはご注意いただくとともに、困った時には、一人で悩まずに消費者ホットライン188にご相談をしていただきたいというふうに思います。いずれにいたしましても、中古車市場の信頼を回復していくということが重要でありますので、所管省庁であります経済産業省とも連携して参りたいというふうに考えております。
質疑応答
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問
読売新聞の糸井です。
今のビッグモーターの件についてなんですけれども、9月4日に報告が来たということは、これから精査していくということで時間はかかると、近々ということなんですけれどもそれなりに時間はかかるとみてよろしいでしょうか。 -
答
今回の報告で確認すべき事項というのはそう多くはございません。従いまして、近々ということはそんなに遠くない時期ということであります。
- 問 今のに関係してなんですけど、調べるべきところそんなに多くはないということなんですけど、主にどのあたりを注視するのか、重視するのか教えてください。
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答
これは先ほど申し上げました法定の指針に書いてございますけれども、例えば、まず公益通報の窓口が設置をされているかどうか、それから、社内の従事者という方を指定していただかなければならないということになっていますのでそれが指定されているかどうか、それから内部規定が整理されているかどうか、それから通報を受けた場合の対応がどうなっているか、あと社員にしっかり周知されているかどうかといったことがあります。
- 問 あと、消費生活相談についても出していただいていて、1491件ということで9月5日に公表されたんですけど、これは昨年までのもので、今年度がやはり気になるかなと。今年7月以降に保険の問題が起きてからどれぐらいなのか、これを公表する予定とかはあるんでしょうか。
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答
9月5日に公表いたしましたビッグモーターに関する消費生活相談の件数、1400と数十件というものは、全体といたしますと中古車に対するトラブルというのが7000件以上ありまして、それがやはり減っていないということに基づいて、国民生活センターの注意喚起というのが行われたという理解でございます。それからお話がありましたとおり、ビッグモーターの件が世の中に明らかになってから各地の消費生活センターにいろんな相談が寄せられております。それにつきましては然るべき時期に集計をして皆様に公表する形にしたいと思います。
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問
(日本消費経済新聞:相川)
ビッグモーターの内部通報の件で質問させてください。この改正法で内部通報の体制整備、窓口を作ること、あと従業員が301人以上の事業者には公益通報対応業務従事者を定めることとかが規定されていますが、これについてはなんの罰則もありません。この従事者が守秘義務を守らなかった場合は30万円以下の罰金が規定されていますけれども、第三者の報告書でもほとんどこの従事者も置かれていないし体制もできていないということがもうすでに報告されていると思うんですが、これがなかった場合に消費者庁はどういうことができるんでしょうか。 -
答
なかった場合というのは、従事者が指定されていなかった場合、あるいは窓口がなかった場合ということですか。
- 問 窓口についてはあるけれども元々ハラスメントのものしか対応されていないというようなことがもうすでに第三者の報告書に書かれているんですが、どういう対応をとられるのか教えてください。
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答
まず、それぞれ今申し上げました法定の指針に基づいて、事業者に課されている義務が果たされているかどうかということを確認しているということでございますので、窓口がない場合は窓口を設置していただく、従事者が指定されていない場合には従事者を指定していただくということをまずは確認をする、それからその運用状況について確認をするということです。
- 問 確認をするということですね。改善に向けた取り組みがなされているか確認をするというような対応がとられるということですね。
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答
はい。
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問
フジテレビの木沢と申します。
今ほどおっしゃっていた、冒頭に適切に対処されるという話と、今罰則というかどういったことをされるかという質問に対してのお答えが、多分、窓口がなかったら窓口を設置してもらう、従事者がいなかったら従事者を指定してもらうということが適切に対処してもらうということなのでしょうか。 -
答
はい、今回の報告徴収の契機となった外部の委員会の調査におきまして、窓口がなかったということが記載されておりました。従いまして、窓口がまずあるかないかということを確認する。それからその後一定の時間をおいておりますので、その間に法令に定められた義務が果たされているかどうかというご報告をまずいただくということだと思います。それをいただいた上でその報告書にあります設置義務を果たしているというものが十分にこれから機能するのかどうなのか、法の目的に従って機能するのかどうなのかということを必要な指導なり助言はできるということですので、それが法律に基づいた消費者庁としての責務だと思います。
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問
時事通信の清水です。
基本的なところで恐縮なんですが、今、長官がおっしゃっていた窓口であったりが設置されているか、設置されていない場合はしてもらってというくだりが、これがいわゆる指導とか助言にあたるという理解でいいのかというところを確認したいのと、あと9月4日の報告はどういう形で、文書なのかなんなのかとそういうところももし差し支えなければ教えてください。 -
答
9月4日の報告は文書でいただいています。それから今申し上げましたとおり、8月3日に報告徴収をしてから9月4日までの間には一定の期間があります。その間にまず事業者がなにをしていただいたかということがまず一つ出発点になります。その上でその事業者がやった行為が法の目的に従ってきちんと動くようなものになっているか、従業員の保護にしっかり資するようなものになっているかというのが指導・助言及び消費者庁として見るべき視点です。