文字サイズ
標準
メニュー

新井消費者庁長官記者会見要旨
(2023年5月18日(木) 14:00~14:20 於:中央合同庁舎第4号館4階共用第4特別会議室/オンライン開催)

発言要旨

私から本日冒頭で3件お話をさせていただきたいと思います。
一つはマグネットセットに係る法規制でございます。一昨日、「消費生活用製品安全法施行令の一部を改正する政令」が閣議決定され、マグネットセット(磁石製娯楽用品)について同法が規定する特定製品に指定をされることになりました。これは経済産業省の所管法令でございますけれども、本製品については子どもが誤飲することによる重篤な事故も発生したということでございますので、2021年から消費者安全調査委員会で調査を行い、昨年3月に経済産業省に対し本製品の製造・販売・輸入について法令による規制を求める旨の意見を出していたものでございます。今回このような意見も受けてということだと思いますけれども経済産業省が適切に対応いただいたことをまず歓迎をしたいと思います。
2点目でございます。先般、国民生活センターが、ステロイドが検出された健康茶に関する注意喚起をしていますが、類似品でもステロイドが検出されたということで、昨日、国民生活センターが記者発表をしています。これに関連いたしまして、同日、厚生労働省が既にプレスリリースをしておりますけれども、この国民生活センターの記者発表を受けまして、本事案については、医薬品医療機器等法、いわゆる薬機法に違反しているおそれがあることから、当該製品の加工者を所管する大阪市に情報提供し、事業者への調査指導等を依頼しているということでございます。この調査指導が迅速に行われ、薬機法上の措置が適切にとられることを期待しているところでございます。
3点目でございます。前回の記者会見におきまして、昨年成立し、本年1月5日から施行いたしました改正消費者契約法の取消権についてご質問がありました。事務的にお答えさせていただきましたけれども、ここでもお答えさせていただきたいと思います。ご質問の取消権の行使期間の伸長については、改正前の霊感等による知見を用いた告知による勧誘に関する取消権についても、時効が成立していないものには適用されます。例えば、改正消費者契約法の施行(令和5年1月5日)時に追認することができるときから11か月の状態にあった場合、これは旧取消権の(行使期間である)1年の範囲内ということですけれども、11か月経過している状態にあった場合でも、改正前の内容ということではありますが、さらに2年1か月の間は取消権の行使が可能となるということでございます。これら消費者契約法の改正についてはパンフレット等もありますので、疑義がある場合には消費者庁にもお問い合わせいただければというふうに思います。

質疑応答

フリーの木村です。
冒頭のステロイドが含有されていた健康茶についてなんですけれども、厚生労働省の取組以外で、消費者庁として何か独自に注意喚起するとか、何らかの消費者に対する周知とかそういうアクション等予定がありましたら教えてください。

今お話しいたしましたとおり、薬機法違反の疑いが強いということですので、薬機法でまず然るべき対応を迅速に行っていただきたいというのがまず前提でございます。それから、いわゆる健康食品、いろんな効果を狙って皆さんがお食べになったり飲んだりするものというものは既にパンフレット等でお話をしておりますし、この場でもお話をさせていただきましたが、病気を治したりする効果が期待できるものではない、それから食品表示法や健康増進法に基づく保健機能食品、すなわち、特定保健用食品、機能性表示食品、栄養機能食品という表示があるものを除きまして販売前に安全性や有効性がほとんど確認されていないということでございます。医薬品であれば当然医薬品である旨の表示があるということです。従いまして、そういうことを前提でお買い上げいただくということになると思いますが、そういう表示があるものを一定の効果効能を期待する場合でもそういうものを選んでいただきたいということ。それから体調不良を覚えたらすぐに使用を停止し、医師に相談をするということでこれを発信しておりますので、今回もリツイートするなり、発信をさせていただきたいと思います。それから今回はステロイドという特殊な物質が入っていたということですので、これはステロイドを含有しているものを継続的に摂取される方が急に摂取を止めると身体への影響が出るおそれもあるため、当該製品を摂取している方は医師に相談をしてくださいというふうに厚生労働省もプレスリリースしておりますので、そのような形での対応を皆さんにお願いしたいと思います。

あと関連で、今回の件は大手のデジタルショッピングモールで販売されていたということで、消費者庁からショッピングモールに対して何らかの指導なり要望なり、そういう予定はありますでしょうか。

国民生活センターの情報提供先としてオンラインマーケットプレイス協議会があり、一定のサイトの方にはお伝えをしているということでございますので、そこにおいてしっかり対応を行っていただきたいと思います。

朝日新聞の寺田です。
冒頭のマグネットセットに係る法規制について質問です。今回はおもちゃに関しての規制があって第一歩だとは思うんですけれども、消費者の家の中には冷蔵庫に貼るような強い磁気のマグネットもありまして、これ、経済産業省としては子どもが触ることを想定していないので規制対象外というふうにされていますけど、家の中の実態としては子どもが触れるものでもあります。消費者行政を担う消費者庁として、家にあることが想定される強い磁気の小さな磁石について、より一層の規制の必要性を求めるなどは考えているのでしょうか。

(消費者安全課)安全課から補足させていただきます。まずこの事故調の提言も、まずおもちゃという子どもが扱うことを前提とした製品に関して規制をかけるということになっていて、冷蔵庫に置くような、例えばホワイトボードに置くような磁石というのは、子どもが触ることを想定している用途ではないということになっておりまして、これをこういう玩具とみなすのか、みなさないかによって規制が全く変わってくるということでございます。事故調の提言においても、その玩具となるものについては規制をすると、一方で磁石に関してはその他のものもあるので、それについては我々消費者庁なり国民生活センターなりで、まず消費者の側から見て注意を促すと、これは包丁でも、子どもが使う用の包丁と一般用の包丁が扱い違ってくるということがございますので、この点に関しましては用途も見ながら我々として十分な情報を出していきたいというのが今の現状の考え方になります。

日本消費者新聞の丸田です。
国民生活センターの昨日の発表の中のもう一つの発表なんですけれども、学生の就活の不安につけ込んだトラブルということが増えて深刻化していると。被害が50万円とか100万円の間で3割あると。これはSNSの広告を通してウェブ会議に誘導してウェブ会議から電話勧誘に誘導するということで、これは2年前とは比べて苦情内容に変化があるということで、電話勧誘のところで特徴があると報告されているんですけれども、本日、ついさっきの消費者委員会の中でもこういう例が出てきていて、それで消費者庁としては基本的に事業者の方に対して、決済のことであるとかクレジットとか決済代行業者とかに関しても電話勧誘の解釈の周知をするとかそういうことをやっていらっしゃるということなんですけれども、お聞きしたいのは、国センの発表の中では、消費者に対してどういうふうな情報提供をされるのかとても気になりましたので、消費者庁としてはどういう対応を今後取られようとしているか教えてください。

昨日、国民生活センターが学生の就活の不安につけ込むトラブルということで注意喚起をいたしました。まさに就活生の足元を見るような形でいろいろな講座をやるということで、実際にお金を振り込ませたり使わせているということで、是非こういう被害に就活前に遭わないようにしていただきたいと思います。国民生活センターの注意喚起の中で就活生のアドバイスということで6点ほど提示をされています。これは非常に重要なポイントだと思っているとともに、消費者庁としては、消費者庁の持っております18歳から大人というTwitterがあります。特に若年層の方が見ていただくもので情報提供しておりますので、そこで発信をするとともに、従来から大学生協と情報共有をしておりますので、大学生協に情報提供し学生に注意喚起をしていただくようにということで昨日対応したところでございます。いずれにしても現場で決めずに、あるいは振り込まずに、一旦立ち止まって、親御さん、親族でありますとか188にご相談をいただきたいということで、せっかくの就活のシーズンに嫌な思いをしないということで対応していただきたいと思います。

大学生協は昨日対応されたんですか。

そうです。

日本消費経済新聞の相川です。
マグネットセットと水で膨らむボールが消費生活用製品安全法の特定製品に追加されるということなのですが、6月19日の施行から半年間は在庫品に関してはPSCマークがないものが混在してくるという状況になると思うんですが、消費者庁はこれについてやはり周知の点で何か協力をするというようなことをされるんでしょうか。

特段想定をしておりませんが、マグネットセットについての危険性は事故調が発表を行った時から私たちも周知をしております。

その期間は注意が必要だと思いますので、もう少し丁寧に対応する必要があるのではないかと思いました。

(消費者安全課)子ども安全メールとか子どもTwitterのような簡単に発信できることがございますので、そういったところでご指摘踏まえてアシストを考えたいと思います。

はい。よろしくお願いします。それから電気代、規制料金の値上げ申請について少しお教えください。今回、長官のお名前で資源エネルギー庁長官に出された文書の中に、カルテルと不正閲覧の影響があったのではないかと、高コスト体質であるということも分かったということで指摘をされたのですが、結局、査定方針というのは4月26日のものがそのまま了承されているということでした。消費者からするとカルテルの影響があったのであれば、カルテルの影響があった分さらに今回圧縮して欲しいと考えるのではないかと思ったのですが、今回圧縮に関して消費者庁はどのような貢献をされたというふうにご認識をされていますでしょうか。改定率の圧縮に対してどのような貢献をされているというふうに認識されていらっしゃいますでしょうか。

今回の電気の規制料金の値上げ申請、今お話がありましたとおり、それぞれの電力会社から出された料金改定のものということに加えまして、お話がありましたカルテルでありますとか不正閲覧ということで相次いだ不祥事がどのように影響があるのかないのかということも含めて経済産業省とお話をさせていただきました。それから4月27日が正式な協議ということですけれども、この協議に先立って経済産業省の会合にも消費者庁が参加をし、消費者庁という立場から申し上げてきたということでございます。それから協議を受けてからも消費者庁の電気料金アドバイザーと経済産業省の議論を公開の場でやってきましたので、そこでは透明性のある形で議論を行えたと思っております。いろんな意味で結果ということで、電気料金の幅の結果ということで申し上げますと、いろいろな折衝の中で燃料価格が下落傾向にあったことから申請時点からの時点補正が行われて、結果的に値上げ幅が圧縮されたということ、それから効率化係数の深掘り、最大で23%の深掘りが行われたということ、それから一つ大きな成果は消費者庁の参画のもとに各電力会社のコスト効率化の取組をフォローアップする枠組みを新たに設けることになったということでございます。今回のように消費者庁は今までは電気料金の申請があった場合に受け身でいろいろ消費者の擁護の立場でいろいろなものを申し上げるということだったんですけれども、このフォローアップの枠組みというのは消費者庁がフォローアップするその間にも参加をするということで、電力会社のコスト効率化についていろいろ意見を申し上げるということでございますので、そこはやはり大きな成果があったというふうに思っています。

日本消費者新聞の丸田です。
明日は消費者月間シンポジウムがあります。

そうです。

それで、今日は「188の日」です。明日の消費者月間シンポジウムなんですけれども、「イヤヤン」は出てきますか。ちょうど2019年だったと思います、日本記念日協会に「消費者ホットライン188の日」ということで登録されて、泣き寝入りはしない、泣き寝入りは超いやや、というのが口癖ということで、特徴的なことでプッシュされたんですけど、新型コロナがあってなかなか出てこられなくて、人形は出てきますけど、あれはジェンダーフリーの方ですから、だからそういうことで、そういうきっかけがあればどんどん出てもらって泣き寝入りはしないと、消費者被害は必ず防止して救済するとかということの一つの象徴的なことですし、ということでぜひ出てきていただきたいというふうに思います。これ意見ですけど。

私も実は本日ですね、5月18日が消費者ホットライン188の日ということで、本日ここに登場してくださいとお願いしたんですけど、ちょっとご機嫌がよろしくないということで本日登場しておりません。記念日は記念日なんですけど、この日に限らずしっかり皆さんにアピールしていくことが重要だと思います。アピールというか知っていただくことが重要だと思っていますので、先ほどの就活生の時にも、ご親族であるとか周りの人が188に電話をしてくださると適切な助言を受けられますよということでいつも繰り返しお話をするようにしておりました。