「第9回食品ロス削減全国大会in千代田」における大臣ビデオメッセージ (令和7年10月30日)
「第9回食品ロス削減全国大会in千代田」における大臣ビデオメッセージ
(挨拶全文)
本日は、千代田区において、「第9回食品ロス削減全国大会」が開催されますことを大変喜ばしく思っております。また、主催者である千代田区、全国食べきり運動ネットワーク協議会の皆様には、大会開催に当たり御尽力いただきましたことに感謝申し上げます。
食品ロスの削減は、SDGsの目標である「つくる責任つかう責任」に含まれる国際的な課題です。
政府では、食品ロスを取り巻く状況の変化等を踏まえ、今年3月に、「食品ロスの削減の推進に関する基本的な方針」の見直しを行い、新たな削減目標として、2030年度までに2000年度と比べて、事業系食品ロス量を60%削減、家庭系食品ロス量を早期に50%削減させることとしたところです。
今年6月に公表した2023年度の食品ロス量は 464万トンで、このうち、事業系は231万トン、家庭系は233万トンとなっており、削減目標を達成するためには、それぞれ、あと10万トン以上削減する必要があります。
更なる食品ロス削減に向け、新たな基本方針には、食品事業者の3分の1ルールなどの商慣習の見直しに加え、食品寄附の促進や食べ残し持ち帰りの促進などの対策が盛り込まれたところです。
食品寄附量が欧米諸国と比較して著しく低い我が国においては、まだ食べることができる食品を、必要な方々へ寄附する取組を推進することにより、食品ロス削減とともに、生活困窮者対策にもつなげていくことが期待されています。
また、飲食店では、外食時の食べ残しが問題になっており、食べきることを前提としつつ、やむを得ず食べ残した場合には、安全に配慮した形で、食べ残しの持ち帰りをすることを、食品ロス削減対策として推奨しています。
政府においては、関係省庁が一体となって、これらの施策の推進を図っているところです。
一方、千代田区におかれては、6万8千人の区民に対し、昼間の人口は90万人となっており、区内には飲食店やホテルに加え、食品販売店など食品関連産業も多く集積していることから、食品ロス量の約96%が事業系と推計されていると伺っております。
こうした実態を踏まえ、「千代田区食品ロス削減推進計画」を策定し、地域の特性にあった食品ロスの発生抑制、普及啓発等の取組が進められていると承知しております。
このように、食品ロス削減に熱心に取り組んでおられる千代田区において全国大会が開催されることは、とても意義のあることだと思っております。
本日御参加いただきました皆様にとって、この大会が有意義なものとなることを祈念し、簡単ではございますが、私からの御挨拶とさせていただきます。