第二百十六回国会 衆議院消費者問題に関する特別委員会における伊東内閣府特命担当大臣(消費者及び食品安全)発言
消費者及び食品安全担当大臣として、御挨拶を申し上げます。
消費者行政の司令塔として、関係省庁と連携し、常に消費者目線で様々な課題に向き合い、施策の推進に取り組んでまいります。
第一に、消費者を取り巻く環境の変化に適切に対応いたします。
令和七年度からを計画期間とする第五期消費者基本計画については、今年度内の閣議決定に向け、消費者政策の基本的な方向性やそれを踏まえた施策の検討を行います。
また、高齢化やデジタル化の進展を踏まえ、消費者法制度の考え方の転換に向けた議論を進めるとともに、持続可能な社会の形成に向け、環境に配慮したグリーン志向の消費行動を促進します。
第二に、地方の消費者行政の充実・強化により一層取り組みます。
担当大臣就任直後の十月に、地方創生に向けた政府関係機関の地方移転の一環として徳島に設置した「新未来創造戦略本部」や県庁を訪問しました。本部視察を通じ、引き続き徳島県と連携し、新たな課題への対応策を試行・検証し、その全国発信を目指す必要性を再認識しました。また、地方消費者行政に携わる方々とお話をする中で、消費生活における安心と安全の確保のため、地方消費者行政が重要であるとの思いを新たにしました。
このため、消費生活相談について、DXによる相談者の利便性向上や相談員の負担軽減に向け、まずは、消費生活相談情報の集約システムであるパイオネットの新システムへの円滑な移行に取り組みます。
加えて、地方消費者行政強化交付金を通じた地方公共団体の取組支援、消費者ホットライン「一八八(いちはちはち、いやや)」の更なる周知を行います。
また、消費生活センターと地域の多様な見守りの担い手をつなぐ「見守りネットワーク」の設置を促進し、活動を充実・強化します。
第三に、消費者の安心、安全の確保に万全を期してまいります。
科学的知見に基づき食品衛生基準を策定し、食品の安全性に関するリスクコミュニケーションについても、科学的根拠に基づく正確で分かりやすい情報発信を行います。
また、本年五月に取りまとめられた「紅麹関連製品に係る事案を受けた機能性表示食品制度に関する今後の対応」に基づき見直した機能性表示食品制度を含め、食品表示制度の適切な運用に努めます。
第四に、公正で信頼のある消費者取引の実現等に努めます。
特定商取引法、景品表示法、不当寄附勧誘防止法等の所管法令について、厳正かつ適切に運用します。また、消費者取引のデジタル化を踏まえ、通信販売取引の適正化や紛争解決の促進等に取り組みます。
消費者被害の未然防止に向けて「消費者力」を高めるため、消費者教育の推進を図ります。
第五に、消費者、事業者が連携した豊かな消費社会の形成に向けて取組を進めます。
食品ロスの削減については、「食品寄附ガイドライン」の作成等に取り組み、今年度内に行う「食品ロスの削減の推進に関する基本的な方針」の変更に反映します。
最後に、公益通報者保護制度については、有識者検討会における年内の取りまとめ結果を踏まえ、適切に対応してまいります。
以上の施策の実施に当たっては、消費者庁、消費者委員会、国民生活センターの緊密な連携を図り、消費者の利益の擁護及び増進に関する施策の推進に全力を尽くします。
浦野委員長を始め、理事、委員各位の御理解と御協力を賜りますよう、お願い申し上げます。
令和六年十二月十九日