消費者法制度のパラダイムシフトに向けた検討
消費者法制度のパラダイムシフトに向けた検討の必要性
- 1高齢化の進展により認知機能が不十分な消費者の割合が拡大しています。また、デジタル化の進展等により限定合理性や認知バイアス等が利用され消費者に不利益・不公正な取引が生じやすい状況が生じるとともに、消費者取引の国際化も急速に普遍化しています。
- 2デジタル化と情報過剰社会の進展は、消費者が情報、時間、関心・アテンションを提供する新たな消費者取引を拡大させるとともに、デジタル技術がこれらを含むデジタル消費者取引の在り方を規律しています。

消費者を取り巻く環境が日々変化している現代においては、個別課題ごとに都度対応すべく法制度の改正を行っていくことには限界があります。
そこで、消費者法制度について、既存の枠組みに捉われない抜本的かつ網羅的なルール設定の在り方について検討していく必要があります。
消費者法の現状を検証し将来の在り方を考える有識者懇談会(令和4年~令和5年)
消費者庁では、消費者法を理念から見直し、その在り方を再編し拡充するため、「消費者法の現状を検証し将来の在り方を考える有識者懇談会」を開催しました。
議論のポイント

消費者委員会への諮問と現在の検討状況(令和5年~)
消費者庁は、より具体的な検討を行うため、令和5年11月に消費者委員会へ諮問を行いました。これを受けて、消費者委員会において「消費者法制度のパラダイムシフトに関する専門調査会」が設置されました。
専門調査会においては、
- 消費者が関わる取引を幅広く規律する消費者取引全体の法制度の在り方
- デジタル化による技術の進展が消費者の関わる取引環境に与える影響についての基本的な考え方
- ハードロー的手法とソフトロー的手法、民事・行政・刑事法規定など種々の手法をコーディネートした実効性の高い規律の在り方
などについて、より具体的な検討を進めています。
また、パラダイムシフトに向けた検討とあわせて、消費者契約の解除に伴う解約料などについて検討を進めています。