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岡村消費者庁長官記者会見要旨(平成30年5月16日(水))

日時:平成30年5月16日(水)14:00~14:24  於:中央合同庁舎第4号館6階消費者庁記者会見室

1.発言要旨

皆様、こんにちは。
まず、池袋保健所での子どもの事故防止の呼び掛けなどについてご報告申し上げます。
今年度の子どもの事故防止週間は5月21日から27日まででございますが、関連いたしまして、5月22日火曜日に池袋保健所で乳幼児健診の保護者を対象とした「子どもの事故防止」についての周知・啓発活動を行います。
当日は、山下政務官にご出席いただき、「子どもの事故防止ハンドブック」の配布や、子ども安全メールやツイッターへの登録など、子どもの事故を防ぐための注意を呼び掛けていただく予定です。その際、全国でも数少ない子どもの事故防止のためのモデルルーム仕様の体験型施設を備えた「池袋保健所子ども事故予防センターKidsafe(キッズセーフ)」をご視察いただく予定です。
今後も機会を捉えて、「子どもの事故防止」に関する周知・啓発活動等を行ってまいりますので、報道各位におかれましても、子どもの事故防止のための周知に引き続きのご協力を何とぞよろしくお願い申し上げます。
次に、「知って安心。食品の注意点」と題して行う食品に関する定期的な注意喚起について申し上げます。
先月は、この場で有毒植物に関して注意喚起させていただきました。記者の皆様方にも周知のご協力をいただき、誠にありがとうございました。しかしながら、大変残念なことではございますが、4月24日にギョウジャニンニクと間違えてイヌサフランを食べた方が亡くなられたという痛ましい事例が発生しております。
そこで、消費者庁は、食品の安全について時節に合わせた注意喚起や消費者の方々に知っておいていただきたい注意点の発信を定期的に行うことといたしました。情報発信は、「消費者庁ツイッター」及び「消費者庁 子どもを事故から守る!ツイッター」にて行います。記者の皆様におかれましては、記事を執筆される際のご参考として活用いただければ幸いです。
5月は、妊婦の方々に知っておいていただきたい注意点をテーマとして、本日13時にツイッターで発信しております。母子手帳等にも載っていることが多いと思いますが、妊婦の方は加熱殺菌されていない食品、例えば生ハムやナチュラルチーズなどには注意が必要です。健康な方では影響がないリステリアやトキソプラズマなどの病原体が付着している可能性があるからです。これらは、妊婦の方が感染すると、髄膜炎や流産を起こすことがある病原体として知られています。
なお、妊婦の方々だけでなく、高齢者や免疫機能が低下している方も注意が必要です。
こちら(の画像)は、東京都のご好意により掲載させていただきました。リステリアとトキソプラズマについてまとめたものでございます。詳細は消費者安全課の担当者にお問い合わせいただきたいと思います。
リステリアとトキソプラズマの、国内の食中毒報告例は、現時点ではほとんどない状況ですが、国際的にも注意が必要な細菌、寄生虫として知られていますので、やはり注意が必要です。
最後になりますが、生ハムやナチュラルチーズなどが危険ということではなく、注意が必要な方がいるということを強調するために情報発信をしております。記者の皆様におかれましては、記事の掲載の際には、風評被害が起こらぬよう十分なご配慮をお願いいたします。
科学的根拠に基づかない情報に惑わされず、正しい知識のもとに食を楽しむことが重要と考えております。今後も消費者庁は、安心・安全な生活に向けて正確な情報発信を行ってまいります。
正確な情報発信の一つとして、消費者庁では、消費者の方々向けに食品中の放射性物質に関する冊子を製作しております。このたび、「食品と放射能Q&A ミニ」の外国語版、(英語版、中国語版、韓国語版)を作成し、ホームページに公表いたしました。昨今、増加している訪日外国人の皆様にも、日本の食品と放射性物質について最新情報などをお伝えできるものとなっています。機会がありましたらご紹介いただけますと幸いです。
私からのご報告、ご説明は以上です。

2.質疑応答

ニッポン消費者新聞の丸田です。
ご発言の中で池袋の子ども事故防止を池袋でやるというのは、全国的なモデル事業としてやっている子どもの事故予防センターがあるということなのでしょうか。ほかに何か理由はありますか。

全国各地で子どもの事故を予防するために、関係各所ではそれぞれのご尽力を続けてくださっております。その中でも池袋保健所では、体験型の施設として、「池袋保健所子ども事故予防センターKidsafe(キッズセーフ)」という名称のもとに、地元の方々に評価されている子ども事故予防センターを、既に平成8年にプロジェクトチームを設置して、その年の11月に開設して、様々な企画を続けているということでございます。今般、国としてもこういった地域での取組を全国に紹介させていただくよい機会と思い、全国に向けての子ども事故防止についての周知・啓発の一環として、その場に来てくださいましたお母様方に、いろいろなことを学んでいただくきっかけになればと思い、今回の活動を準備いたしております。

ニッポン消費者新聞の丸田でございます。
2点あります。今の消費者月間のことで、消費者庁のホームページを拝見すると、よしもと芸人さんたちがいろいろと発言するということで、特に賑わっていると感じます。新たな広報活動の一環で、今までにないような広報活動ではないかと私は思ったのですが、その反響が何かあれば教えてください。
もう一つが、6月が消費者行政関連の連携調整についてお聞きしたいのですが、6月にクレジット関連の問題を規制している割販法が改正、施行されるということです。それと医療機関のホームページの規制を盛り込んだ医療法の改正があるとも聞いております。これは経産省であったり厚生労働省であったりするのですが、今の国会では食品の自主リコールの情報や、特定成分の食品の事故の報告義務などを盛り込んだ食品衛生法の改正の検討が進んでいると。これらはいずれも消費者行政、消費者政策ではないかと思っておりますが、そういうものの消費者政策に対して、定期的な場があるのかどうか。子どもの事故防止や、テーマごとに関係行政機関の会合はあるかと思うのですが、定期的なものとして何かそういうものがあるのか確認を込めてお聞きしたいと思いました。

まず、ご質問の1点目ですが、消費者庁の新しい広報について。
今年度の消費者月間に関する試みにつきましては、これまで私どものメッセージが届いていない年代層にもお届けしたいということで、若者との接点のある吉本興業様と連携いたしまして、芸人の方たちの、ほぼボランティアでもあります、大変熱のこもったご協力・応援を得て動画も作成され、現在、YouTubeでもアップされているところです。
消費者庁の日頃の活動を知っていてくださっている丸田記者のような方々からは、消費者庁として新しいことをやっていることは評価するというお言葉をいただいております。
ただ、肝心の若い人たちがどのような印象を受け止めているかにつきましては、まだまだ消費者庁の取組自体が知られていないという印象を受けましたのが、先週末の聖心女子大学でのエシカル消費に関する勉強会でございました。ですから、まだ5月も半ばでございますので、引き続き消費者庁のこういった新しい取組を全国に、あらゆる機会を捉えて紹介していきたいと思っています。そして、月間が終わってからも、全国の地方での動きにつきましては、消費者庁の地方協力課において、日常的に地方で消費者行政に頑張っていてくださる方々との接点がございますので、そういったところから情報をいただきましたら、またご報告させていただければと思います。

消費者教育・地方協力課

今、丸田記者から、今年度の新しい取組ということですが、例えば消費者月間のプレ企画として、沖縄国際映画祭で吉本興業様と連携して、レッドカーペットを歩きながら主に「188 消費者ホットライン」のPRをする企画は、消費生活センターの認知度がそれほど高くない若い人たちにとっては、そういう機会を捉まえて初めて知っていただいた方も多かったと思います。参加した職員からは、そういうインパクトはあったと報告は受けております。
また、背後のボードでございます。これまでは内閣府と、それから消費者委員会という文字が入っておりましたところを、5月の「消費者月間」を捉まえて「188 消費者ホットライン」へ変更させていただき、正に消費者行政の現場である消費者ホットラインということを知ってもらうこととし、できる限り多くの方、特にこれまで知らなかった人たちに知っていただくような取組を、庁内全体の広報というものの中で取り組んでいきたいところでございます。

ご質問及びご指摘の第2点ですが、様々な省庁と連携することにより、消費者庁の取組がより強力に行われ得る課題が、ご指摘のとおり、複数ございます。
特に、この6月からは改正割販法、そして改正医療法の施行が予定されておりますので、私どもは、その施行の準備のため、担当の省庁と緊密な、実務的な打合せをしているところです。
また、食品につきましても、食品衛生法に関しては恒常的に、リコール情報に関連することのみならず、消費者庁と厚生労働省、農林水産省との打合せもいたしております。
様々な例がございますが、ご指摘のありました改正医療法の施行に向けて、多少詳しくご報告いたしますと、この改正医療法は昨年6月に公布されておりまして、本年の6月1日が施行予定でございます。これからは、医療機関のウェブサイトなどについても、医療に関する広告規制の対象として、信頼できる広告をしていただきたいということになっております。具体的には、優良誤認、誇大広告、公序良俗に反するものの禁止、さらには、患者の主観又は伝聞に基づく治療の体験談の広告の禁止、治療等の内容又は効果について患者等を誤認させるおそれがある治療等の前又は後の写真等の広告の禁止。ガイドラインにより明確化されることとなっておりますが、ビフォー・アンド・アフターというような写真は皆様方もよく目にするところかと思います。
消費者庁においては、改正法の施行を踏まえて、昨日付で、厚生労働省と連携した上、医療機関などのウェブサイトに関する、規制の運用をまとめたガイドライン等を地方公共団体の消費者行政担当部局に周知し、自治体内での連携を要請したところでございます。やはり、地域で目に触れる機会がないと、患者さんたちに届きにくいところがございます。こういった地方自治体での広報につきましても消費者庁は、消費者庁が持っております自治体とのネットワークを活用しているところですので、厚生労働省のネットワークにプラスして消費者庁のネットワークが機能することで、消費者被害防止が図られると期待しております。こういった形で厚生労働省との具体的な課題についての連携は進めておりますので、今報告させていただきました。
丸田記者からのご指摘は、定期的にこういった連携の取組があるかということですが、現在のところはテーマごとに連携を積み重ねている状況ですので、今後も、必要とされることだけでなく、前もって幅広く協力関係をつくるためには定期的な会合が必要ではないかというご指摘と捉えましたので、そういったことも、関係の深い役所とは打ち合わせてまいりたいと思います。
政策課から関係省庁との連携について補足してご説明いたします。

消費者政策課

今、お尋ねをいただいた件ですが、ご案内については、消費者政策全体について、いわゆる閣議決定計画である消費者基本計画がございまして、その下に各省・各庁の施策を取りまとめる工程表をつくらせていただいて、1年に1回更新をしていくという取組ということはご案内かと思うのですが、実際その工程表作成というところがある程度メーンにはなるのですが、いかなるものを重点的に取り込んでいくかというようなところを、毎年、作業のキックオフをする段階で関係省庁連絡会議を設ける形にしております。そして、消費者委員会の意見を伺い、素案についてお示しをしてご意見を頂戴します。それから、パブリックコメント等を踏まえて、更新したものについて諮問・答申をいただくという形の手順を踏む中で、不断に各省とコミュニケーションをとっているところでございまして、既に今回、最新の更新をすべく、諮問・答申、経させていただいたところでございますけれども、その中でもお尋ねいただいたような辺りは主要事項として、かなり紙幅を割いて整理をさせていただいたつもりでもございますので、今後も工程表を使った、消費者庁として司令塔機能を果たすための実務的な取組については不断に意を用いていきたいと考えております。

不断に継続的に連携しておりますが、それに加えて、さらに大きな会合があった方がいいのかというご指導でしょうか。

ご指導ではなくて、そうあった方がいいのではないかと。

1年に1度ではありますが、工程表が正式にできましたときには、消費者政策会議を開いた上で、閣僚レベルまで確認しています。ご指摘のとおり、様々なレベルでの連携を進めるために、具体案な各省庁との協力関係、協働関係については、工夫しながら行っていきたいと思いますので、機会を捉えて発表していければと思います。