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岡村消費者庁長官記者会見要旨(平成28年11月30日(水))

日時:平成28年11月30日(水)14:00~14:21  於:中央合同庁舎第4号館6階消費者庁記者会見室

1.発言要旨

皆様こんにちは。家庭用品品質表示法で表示が義務付けられている洗濯表示が、明日12月1日から新しい洗濯記号に変わります。国際規格に合わせた新しい洗濯表示では、新しい洗濯記号が採用されたことなどにより、記号の種類が22種類から41種類に増え、きめ細やかな情報が提供できるようになります。例えばドラム式洗濯乾燥機などによるタンブル乾燥の記号が新しく追加され、ドラム式の洗濯乾燥機などによる乾燥の可否がはっきり分かるようになります。また、色柄物の衣料品等の漂白に適している酸素系の漂白剤の記号が新しく追加され、色柄物の衣料品等それぞれの衣類に合わせた適切な漂白剤を選択できることとなります。こういった工夫により、洗濯によって衣類などが縮む、また色落ちするなどといった洗濯トラブルの減少が期待されます。この新しい洗濯表示が消費者の皆様にご活用いただけるよう消費者庁のみならず経済産業省、地方自治体、あるいは関係事業者、事業者団体とも連携して普及活動に努めてきておりますが、これからも引き続き広報活動を行ってまいります。
以上です。

2.質疑応答

日本消費経済新聞、相川です。
トクホについて。特定保健用食品の関与成分に関する調査結果を受けた対応についてというものが11月29日に発表されまして、この中で、新たな科学的知見を入手した場合は消費者庁への報告を義務化するという対応策が出たのですが、これに関連して質問させてください。
過去に新たな科学的知見というのは1件も出ていなくて再審査が一度も行われていないという認識を持っているのですが、それで間違いがないでしょうか。
食品表示企画課

代わりに回答させていただきます。
再審査の新たな科学的知見というのは1件報告されております。それについて再審査を行うというところの手続を行いましたけれども、事業者がその申請の取消し、取下げを行いましたので、実際の再審査の審議というのは行われておりません。

それに関しては、どのようなものか教えてください。
食品表示企画課

花王のエコナです。

エコナですね、了解です。
エコナ以外は実は1件も出ておらず、今回義務付けに当たって、なぜ出ていないのか。この20年間トクホの関与成分に関する新しい科学的知見が出ているのか、出ていないのか消費者庁は調査をされたのでしょうか。

事実としてはエコナ以外出ていないと、今、ご回答申し上げましたが、ご質問の趣旨は本来出すべきであったのに出していない事業者さんがあるかどうかということですか。

そういう科学的知見が今は事業者任せの制度です。新しい知見が出たら事業者が出しなさいということを言ってきました。でも、社会的な問題になったエコナ以外は何も出ていないと。この20年間、関与成分に関する科学的知見が1件も出ていないとは考え難いのですが、消費者庁はその辺は調査されたのでしょうか。

申し訳ありません。私自身は明確に存じませんので、担当課が返答できるようでしたらお願いします。そうでなければ、また過去にさかのぼってのご質問ですので、できる限りの調査をした上でのご返答ということになるかと思います。ちなみに消費者庁は7年前に設立されましたので、7年間のことしか調査もできないと思いますが。

ちょっと調べていただきたいと。現実的には調べていないと思うのです。

はい。

現実的には調べていなくて、今回もともと条件として、そういうものは報告しなさいということを次長を通じて出ているんですが、それを今回義務化するということなんですが、義務化して何が変わるのかと思うのです。消費者庁がそういう科学的知見がどこにあるのかというようなことを調査をして、あなたたち、出していないのはおかしいじゃないかというようなことが言えて初めてこの義務化が生きてきたり、義務化に対する罰則ができて初めて生きてくるんですけれども、この義務化について何の意味があるのかがよく分からないと。

ご指摘のご意見は承りました。しかしながら、消費者庁の責任と権限は食品の表示のことでございますので、全世界の全知見を確認するというところまで期待していただけるのはあまりに有り難いご期待だと思いますが。

そうではなく、これは4月に出た消費者委員会の建議の内容に沿った内容だと私は認識しているので質問させていただいています。ここをきちっと精査して、そういう環境を整えるとかそういうことを消費者委員会は求めたのではないかと思っていて、その更新制に代わる再審制の条件に対する建議には何も答えていないのではないかという質問です。

建議については別途返答しておりますので、この場でこれ以上お答え申し上げることは差し控えさせていただきます。

それから、どうもトクホができたのは平成8年という20年前なのですが、そのときと実は試験の内容のレベルがかなり変わっているということのようなのです。それは一体いつ変わったのか教えていただきたいんですが。

試験の内容ですか。もちろん申請する食品ですから、その時々で。

許可をするときに求める水準が変わっているということのようなのです。査読付き論文を当初は求めていなかったということですが、査読付き論文を求めているということと、ヒト試験の水準も変わっているということで次長通知が変えられているようなのですが、それはいつ変わったという認識をすればよろしいでしょうか。事業者の中にもあるんですが、要するに初めのころに受けたトクホと、今受けているトクホでは不公平感があるということのようなのです。私が知りたいのは、その水準がいつ変わったのかと。その水準前にトクホを許可したものが何製品あるか後で教えていただきたい。

それでは、調べられる範囲でということにさせていただきまして、別途相川記者にご報告させていただきますので、広報室、しかるべき手配をよろしくお願いします。

共同通信、平田です。
今の関連なんですけど、昨日、再発防止策で新たな科学的知見を入手した場合に報告を義務付けるということだったんですけど、てっきり記事を書くとき、これは日本サプリメントみたいに関与成分の含有量が少なかったりだとか、全く別のものだったりということが新たに分かった場合に報告義務が課されるのかなと思ったら、必ずしもそうでないということで、そうなると再発防止策になり得ていないということに気付いて、てっきり改めて第三者機関とかに調査を依頼して、分析を依頼して、そのときに新たな状況の変化があった場合に報告を義務付けるのかなと思ったら、必ずしもそうではないということだったので。そうなるとあの対策を打ち出したところで、日本サプリメントは今回善意で自ら消費者庁に申告したというところも半ばあるので、そうなると悪意のある場合は拾い切れないんじゃないかという疑問があって、その点はいかがでしょうか。

義務付けは内閣府令の改正できちんとした文章に書くことになりますが、同時にこれだけではなくて買上げ調査などもするわけですから、事後チェックという形では複数の角度から検討できますので、事後チェックをした後で知見を入手していたのに報告していなかったという残念な事態はあり得るとは思います。しかしながら、まずこういった明文をきちんと用意して制度として周知を図っていき、事業者の方のご協力も得て、また我々も関与しながらということになりますので、すぐには平田記者のご懸念について返答はできないかもしれませんが、ご指摘を踏まえて、これから制度をきちんと考えていきたいと思います。

食品表示企画課

今、長官から申し上げたとおりなんですけれども、そもそも新たな科学的知見、実際に今回のものであればトリスという成分が別な成分であったというのは、新たな科学的知見になりますので、それは速やかに報告するということが義務付けられるということになります。ですので、全く日本サプリメントの事案を鑑みた再発防止策でないというご指摘には当たらないかと思われますし、あと万が一、関与成分の量が少ないとか、そのほか何か製品に不都合があったという場合については、当然ながら品質の安全性、それからトクホで言うんであれば有効性ということになると思うんですが、そこら辺に何か不都合が生じた場合は、製造者の責任としてきちっと監督省庁、トクホの場合であれば消費者庁になりますけれども、そこに報告を頂いて改善をするというのが企業の責任というふうに考えております。

若干少なかった場合というのは、全く入っていなかった場合はそうだと思うんですけれども、少し許可条件よりも少ない場合は、今回義務付けになるんですか、この昨日打ち出した再発防止策で。
食品表示企画課

それが要するに新たな科学的知見に該当するかどうかということですよね。ですから当然ながらトクホの場合は、関与成分量というのは下限値担保になりますので、例えば関与成分が5グラムというのであれば5グラムは、ずっとその賞味期限内若しくは消費期限内は担保されていなければいけませんので、それを満たさなければ当然、トクホとして販売すること自体ができなくなります。ですので、それが新たな科学的知見か否かの以前の問題です。もしそういった商品を販売しているという事実が分かり次第、報告を頂かなければならない問題ですので、今回の新たな科学的知見について把握した時点で報告を義務付けるというところとは、全く別な次元になるかと思いますので、そこは分けて考えていただければ良いと思います。

その部分は、でも、義務付けられているわけではないんですか。以前の問題のところは義務付けられていないんですか。
食品表示企画課

義務付けが必要というところですか。要するに、もしそれ自体がトクホとして販売できるようなものでないと思うんですけれども、それについて義務付けが必要だというご指摘ですか。

そうですね。だって満たしていないんですよね。
食品表示企画課

そもそもそういったものはつくらないという前提になるんですが。当然、変な話ですけれども、食品衛生法の規格を満たしていないものをつくって販売した場合に、報告の義務がないというふうにおっしゃっているのと同じなんですが。トクホであれば関与成分量を満たして販売するというのが大前提になるんですね。ですから、そもそもそんなことがあってはいけないわけなんです。実は関与成分量は少なかったです、というところで、ごめんなさいというところで報告を義務付けるというご指摘ですか。

そうです。だってそもそも販売してはいけないものが売られていて、それを新たに調査してみて、やっぱりちょっと少ないですとなったら報告義務、昨日会見を聞いたときに始めはそういうことなのかと思って、でも許可を得たときと違う点があったら報告を義務付けるのかなと思って、そう書こうかなと思ったんですが、そうではないということだったので、それはそれ以前の問題だということだったんですけれども。

販売してはいけないわけですよね、含まれていなかったら。

だけど、販売してはいけないけれども、これは完全に性善説だからなのかもしれないですけれども、何て言うんですかね、それを報告しなくていいやと思う業者はいると思うんです。

つまり販売中止にすればそれで良いと思って当局には言わない。

そうです。ちょっと僕も整理します。
日本消費経済新聞の相川です。
平田さんの関連なんですが、日本サプリメントは、要するに入っている関与成分が少なくなっていたと、欠けていたという話をしているんですが、欠けていても効果はあったと言っていて、それは標準指標を変えているんだと、それが欠けていても効果があったと言うには標準指標を示すはずで、その新たに標準指標を変えたというところは新たな科学的な知見になると私は思うのですが、いかがでしょうか。

申し訳ありません、個別のことについては別の機会ということでよろしいでしょうか。今回は制度一般についての調査結果を受けた対応についてのご報告の機会とさせていただいています。

ちょっと細かいのですが、実は大きな問題なので、要するに科学的知見に義務付けしか対策は示されなかったということなんです、更新制に関する。これは196、失効予定のものに対しては、課長で失効届を出すように依頼文を出したということなんですが、今、35品目は出たと、出なかったものに対して何らかの措置は考えるんでしょうか。

今すぐのご返答は差し控えさせていただきます。

903も売られていない商品があって、そのうちの196は失効予定があるということなんですが、あとの残りは何の対応策もとられないままいつでも販売できる状況が続いています。これに対してこの義務付けだけで対応として有効でしょうか。

販売するかどうかは企業の判断になりますので、行政がそこまで企業の営業について……

失効前の時点でそのまま売られることに対して問題はないんでしょうか。

売られるかどうかも分からないわけですから、消費者庁としては、現在販売されているものについて問題はなかったということのご報告、そして今後も将来的にも販売する予定がなければ、実態との整合性の観点から失効に向けて企業に失効届の提出などを働き掛けるというところまではお約束させていただきます。

フジテレビの細田ですけれども、明日からの洗濯表示が変わる関係で、今回表示の数も倍になったり、今までとは記号が少し変わったりして、消費者にとってメリットが多い反面、覚えるのにちょっと時間がかかるかなというところもあると思うんですけれども、消費者に向けて改めて一言短めにメッセージがあればお願いします。

新しい表示は国際的に統一されたものでございます。今まで慣れ親しんだものから変わるということは、ここしばらくは大変かもしれませんが、記号自体は基本の記号と付加記号、数字の組合せで構成されておりますから、まず基本的な記号を覚えていただければ、その記号同士の組合せで意味が分かってきますので、消費者庁としても、早く消費者の方々が新しい洗濯表示になじんでいただけるように、いろいろな形で周知活動に努めてまいります。
40種類を超えると多過ぎるというのではなく、基本は非常にシンプルな構成になっております。シンプルな基本記号と、それに比べて情報量を増やす形の付加記号となっていますから、記号同士の組合せで分かりやすい意味になるということはご報告しておきたいと思います。