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伊藤消費者庁長官記者会見要旨
(2022年6月8日(水) 14:00~14:11 於:中央合同庁舎第4号館11階共用第1特別会議室)

発言要旨

私からは冒頭に3点申し上げます。
1点目は、消費者白書についてです。昨日6月7日、令和4年版消費者白書を公表いたしました。早速メディアでも取り上げていただいており感謝申し上げます。
今回は特集として、本年4月からの成年年齢引下げを踏まえ、若者に焦点を当て、その意識や行動について分析するとともに、「消費者トラブルの未然防止」と「持続可能な社会の実現」に向けた消費者行政の取組と展望を示しております。
メディアの皆様におかれましては、消費者問題・消費者政策に関する基礎的資料として、引き続き白書を御活用いただきたいと思います。
2点目は、梅雨の時期における食中毒予防及び食品ロス削減のための呼び掛けについてです。
沖縄や奄美に次いで、この6日(月)には関東甲信地方も梅雨入りをいたしました。今後、順次全国的に梅雨入りすると思われますが、梅雨の時期に入ると、気温と湿度が高くなって食品が傷みやすくなることから、食中毒に注意をする必要があります。
食中毒を予防するためには、食べる前の手洗いのほか(細菌を「つけない」)、購入した食品を長時間持ち歩かないこと(細菌を「ふやさない」)、調理する際や再加熱するときはしっかりと加熱すること(細菌を「やっつける」)の「食中毒予防の3原則」を徹底いただくようお願いいたします。
なお、この後に説明いたしますが、本年7月から、食品衛生の観点から、食品表示の夏期一斉取締りを行うことを予定しております。
また、6月21日は、冷蔵庫が最も活躍する梅雨から夏への節目の夏至の日であることから、日本電機工業会が「冷蔵庫の日」と制定しており、冷蔵庫の整理等を呼び掛けております。
冷蔵庫の整理は、冷蔵庫内を清潔に保ち、かつ、食品を無駄にしないという観点から、食中毒予防及び食品ロスの削減につながる取組であると考えております。消費者庁は、日本電機工業会と連携してSNS等を通じた情報発信を行うこととしております。
また、電力需給の見通しが厳しいということが指摘されておりますが、冷蔵庫に食品を詰め込み過ぎず、設定を強から中に下げるなど、できる限りの節電・省エネにも御協力いただきたいと思います。
御家庭では、この機会に冷蔵庫を整理し、食中毒予防、食品ロスの削減、節電・省エネに取り組んでいただきたいと思います。
3番目は、食品表示の夏期一斉取締りについてです。消費者庁は、食中毒など、食品衛生の監視指導の強化が求められる夏期において、毎年、食品表示の適正化に向けた取組を実施しております。
コロナ禍により、令和2年度、3年度、この2年間は国が重点項目を示した形では行っていませんでしたが、今年度においては、7月1日から7月31日までの間、全国157の地方自治体と連携し、食品表示の取締り強化を全国一斉に実施いたします。
主な監視指導事項及び重点事項としては、別紙でお示ししているとおりでありますが、特に今年度においては、鶏肉によるカンピロバクター食中毒予防を重点事項としております。これは、近年日本で発生している細菌性食中毒の中で、この発生件数が最も多いこと、内閣府食品安全委員会から「加熱用」等の表示に関する情報伝達が重要であるとの指摘がなされていることなどによります。
公益社団法人日本食品衛生協会とも連携し、カンピロバクター食中毒予防対策の啓発について、パンフレット等を活用した食品関連事業者等への周知啓発を行うこととしております。
なお、消費者におかれましても、カンピロバクター食中毒対策として、鶏肉は十分に加熱するよう心掛けていただきたいと思います。報道各位におかれては、これら食品表示の適正化に向けた取組の周知に引き続き御協力をお願いしたいと思います。

質疑応答

ニッポン消費者新聞の丸田です。
最初に御説明があった消費者白書なのですが、どこかで発言されているかとも思いますが、これは一般の方々が手に入る、要するにインターネット上のホームページでダウンロードということなのでしょうけれども、政府刊行物センター等から、物として入手できるのはいつ頃のことなのでしょうか。

消費者白書は、昨日、消費者庁ウェブサイトに全文を掲載いたしました。今回はQRコードを掲載して、詳しい内容をリンク先で確認できるようにしております。消費者白書を読まれる際には、是非インターネットも活用してください。
なお、市販版はこの夏、出版社から発売予定です。全国官報販売協同組合、政府刊行物センターに問合せ、申込み、又は官報取扱書店、最寄りの書店に注文していただいて入手可能となる予定としています。

もう一つは食中毒の件なのですが、今回はカンピロバクターを対象にされているということなのですけれども、先ほど説明の中でも、よく加熱をしてほしいと、消費者に対してはですね。前に発表された中にも、芽胞といいますか、要するに加熱してもなかなか死なないもの、ウエルシュ菌であるとかというものがあるということもあって、となると、食中毒の注意点ということについては、もう一歩何かあればいいなと思ったのですけれども、ありますでしょうか。

まず、食中毒の予防は、初め申し上げましたとおり、いわゆる3原則、とにかく細菌を「つけない」、細菌を「ふやさない」、細菌を「やっつける」ということがまず大事ですので、とにかく食べる前の手洗いですとか、先ほど申し上げたとおり、長時間持ち歩かないといったことも加熱と同様に大事だと思います。
なお、カンピロバクターに関して言えば、しっかりと加熱すれば大丈夫ということでございます。今回、カンピロバクターをメインにしましたのは、とにかく食中毒の中で、必ずしも重篤なところまで至るものは少ないとはいえ、非常に感染する数が多いということがございますので、取り上げさせていただいたということです。

フリーの木村です。
今日、消費者庁のホームページで公表されていました、トクホの通知改正の意見募集の件なのですが、まず、改めてお聞きしたいのは、今回の改正でトクホのテコ入れという意味では、どのような期待感をお持ちでしょうか。

今回は比較的技術的な観点のところ、例えば二つのものを一つにまとめてあるとかですね、そういった技術的な観点がメインだったと思います。
トクホそのものに関してはかねてから申し上げているとおり、全体としてもうちょっとどういうふうにやっていったらいいかと、疾病予防を始め、また別に是非議論をしたいと思っております。今回のは、現在のところ早めにやれることをまずやったというふうに御理解いただければと思います。

今後、全般見直していくというお話ですけれども、今の段階でお話しいただけるとすれば、今後はどういう方向性で、スケジュール的にどういう感じで進めていくということになりそうでしょうか。

まだ準備をしているところなので、それぞれ調査をした上で、発表をさせていただくということになろうかと思います。時期については、まだめどをいつというふうに申し上げられる状況ではございませんので、時期が来たらお話をさせていただきます。

NHKの秋山です。
先ほどあった省エネ・節電の話で、今夏ちょっと逼迫の懸念が出されていますけれども、過去に中央省庁でクールビズを推進されたり、ウォームビズを推進されたり、あと、エアコンの設定とかというのは取り組まれていたというふうに理解しているのですけれども、何か今のところ、今夏、消費者庁として取り組みたいなというふうに思っている節電や省エネ対策などは何か検討されているのでしょうか。

まず、いわゆる今のクールビズとかなんかは、殊更言わなくても、もう定着している話でございますので、そういったことをやっていくとか、あるいは、既にコロナ禍で定着した、テレワークを始めとする働き方改革というのも大きいのではないかと思います。
さらに、今日たまたま冷蔵庫のお話をさせていただきましたけれども、消費者庁など役所の取組と併せて、それぞれが生活者の一人として、節電なり省エネにどういったことができるかと、こまめに電気を消すとか、今の冷蔵庫の話なんかもそうだと思いますが、そういった細々としたことについての取組も進めていく必要があろうかと思っております。