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伊藤消費者庁長官記者会見要旨
(2022年3月9日(水) 11:00~11:12 於:中央合同庁舎第4号館11階共用第1特別会議室)

発言要旨

私から冒頭に2点申し上げます。
まず一つ目は、景品表示法検討会の開催についてです。表示は、消費者が商品やサービスを選択する上で極めて重要なものだと認識しています。消費者庁ではこれまで、コロナ禍における不当表示に対する積極的かつ厳正な法執行、アフィリエイト広告に関する検討会報告書の取りまとめなど、景品表示法に関する新たな課題に対しても取組を進めてまいりました。そのような中、平成26年の景品表示法改正から一定期間がたったこと、それから、デジタル化の進展など、昨今の景品表示法を取り巻く社会環境の変化があることなども踏まえまして、総合的な検討を行うため、有識者等からなる景品表示法検討会を開催することといたしました。3月16日に第1回検討会を開催し、令和4年中を目途に取りまとめを行う予定です。
それから2点目は、消費者基本計画工程表改定素案のパブリックコメントの開始についてです。消費者基本計画は、消費者基本法に基づき5か年を計画期間として策定され、具体的な施策は工程表として定め、毎年度これを改定することで、消費者政策を検証、評価するといった仕組みとなっております。現在の消費者基本計画は令和2年度から6年度の5か年の計画となっておりますが、今般、工程表の改定素案を策定したので、本日よりパブリックコメントを開始いたします。今後、この改定素案に対するパブリックコメントによる御意見や消費者委員会の御意見を広く求めつつ、コロナ等緊急時対応、デジタル、SDGs、成年年齢引下げなどといった直近の消費者行政の課題への対応に関する記述を充実させていきたいと考えております。是非、関係の皆様方には御意見を広くお寄せいただければと思っております。

質疑応答

読売新聞の松本と申します。
冒頭にありました景品表示法検討会の開催につきましてお尋ねしたいことがあります。長官からもコロナなどの話もございましたが、改めてで恐縮ですが、今回のこの検討会を開催する狙いですとか、取り巻く環境の背景など教えていただけたら幸いです。

景品表示法を取り巻く社会環境の変化としては、例えば最近ではコロナ禍の影響などもありまして、デジタル化の急速な進展、それから、その中でもインターネット上の広告手法が多様化、高度化しているといったことがあります。こういったことは結果的に見て、海外の事業者と取引する機会も増えているという状況にまずあろうかと思います。あとは、一般的には、孤独・孤立だとか、高齢化とか、成年年齢引下げとか、あるいは緊急時における消費者の状況など、消費者そのものもいろいろ変わっているという状況がございますので、こういったことも踏まえながら景品表示法上の議論をしていきたいと思っております。

NHKの秋山です。
今のに関連してなのですが、この5年間の見直し、附則にもあって、定期的な見直しの一環かなと思うのですが、やはりデジタル化の進展がかなり速度がどんどん増してきていて、スピードアップも求められているのかなという気がするところでして、今年中の取りまとめということですけれども、急ぎ、長官としては対応されたいのかというところが1点と、アフィリエイト検討会の中長期の議論の課題として、ステルスマーケティングについても検討が必要だというような有識者の御意見も出ていましたけれども、ステルスマーケティングについてはどのように考えていかれる御予定なのでしょうか。

景品表示法を改正して以降、例えば機能性表示食品に対する食品表示の事後規制のチェックの指針を作ったり、あるいは、将来の販売価格を比較対象価格とする二重価格表示に対する執行方針を出したり、あるいは御案内のとおり、今御指摘いただいたアフィリエイト広告等に関する検討会をやったりと、適時やってきたわけでございますが、この際、網羅的に整理をしていくというのが一つであります。それからもう一つは、今御指摘ございましたように、アフィリエイト広告等に関する検討会の報告書においても、ステルスマーケティングは今後の対応として指摘を頂いているところですので、これについても、当然、議論の対象にしていくということはあり得ると考えております。

通販新聞の佐藤です。
関連してなのですが、報告書でも規制対象みたいな、供給主体性とかですね、表示主体性の考え方についても触れられていたと思うのですが、その点についてはどういうふうにお考えでしょうか。

これから議論を始めていただくところですので、余り私の方からこの範囲でやりますということを申し上げるつもりはございません。いろいろな先生方の御意見を伺いたいと思っております。もちろん、それから、できることからやっていくということではないかと思っております。

機能性の届出の連絡協議会についてなのですが、0日という話、されているのですけれども、これはもともと届出制というのは基本的に0日というのが基本になってくるようにも思うのですが、その点はどういうふうにお考えなのかをお聞きしたいです。

もともと届出制ですので、当然、届け出るだけですから。ただ、余りに書類の不備等があるということで、結果的に確認の時間が掛かっているということになっているということですので、そういう意味でいうと本来に返すということなのかもしれません。今、0日と申し上げたのは、最終的には直ちに受け取れるようなものにする形に業界団体等と連携してやっていきたいと、こういうことであります。

そうすると、不備がないものについては、もう既に0日というものも事例としてはあるのですか。

不備がないかどうかを見なくてはいけませんので、結果的に0日になっていないものもあるのではないかと思いますが、そこは申し訳ありませんが事務方に聞いてください。

分かりました。あともう1点だけ。0日というのが基本だとすると、事業者として、わざわざ費用を払ってこれを達成するというメリットというのが、行政サービス上でいうとどうなのかなというふうにも考えるのですけれども、その辺についてのお考えもお聞きしたいのですが。

それはそれぞれの事業者が0日になるものをお出しいただくということに尽きるのではないでしょうか。それは、行政の問題だと言われるのはちょっと違うのではないかと思いますけれども。

ニッポン消費者新聞の丸田です。
冒頭の発言の景表法のことです。景表法については、活発な運用というのはされていると思うのですけれども、消費者団体とか、弁護士会とか、適格団体とか、相談員の方々から幾つかの課題も、これまでずっと出てきていると。課徴金の算定率であるとか、返金制度であるとか、申告制度の復活であるとか、ステマ広告、ステマ表示についても、いろいろこれまで出てきました。検討会は1年間の検討ということのようなのですけれども、今おっしゃった課題の範囲であるとか、見直しの範囲であるとかということについての視点は示されているのですが、そういう消費者団体のヒアリングであるとか、そういうことも予定されているのかどうかということを、ちょっとお聞きしたいと思います。

会議の中では関係者のヒアリングもさせていただきたいと思っております。

通販新聞の佐藤です。
適格消費者団体の消費者被害防止ネットワーク東海という団体なのですが、そちらでファビウスという会社の差止め訴訟があってですね、これは高裁の判決が昨年行われているのですが、それ以降、半年近くまだ公表されていないのですけれども、これについては、適格団体側から報告がないのか、それとも、消費者庁側が公表が遅れているのか、どちらになるのでしょうか。

すみませんが、個別のことに関しては、ここでのお答えは差し控えさせていただきます。事務方に聞いていただければと思います。

であれば、一般論としてなのですが、これは公表というのは速やかに行うというふうになっていると思うのですけれども、この速やかにというのは、どのくらいのタームというふうに考えておられるのでしょうか。

個別の話に関わる話についてですので、申し訳ありませんがお答えは控えさせていただきます。

ニッポン消費者新聞の丸田です。
基本計画の工程表のことなのですが、パブリックコメントが3月からということになっておりますが、これは、もう始まっているのでしょうか。これからでしょうか。

本日から始めるということが今日の会見の趣旨です。

そうですか。ということは、素案ですよね。

はい。現在は改定素案という形になります。

素案ということですね。発表されていますか。

改定素案を本日公表し、それに基づいてパブリックコメントをするということになります。

NHKの秋山です。
前回も伺っていて、多分状況は変わっていないかなとは思うのですが、ウクライナ情勢を受けて、本当にいろいろな各商品の物価がどんどん上がってきていると思うのですが、それについては引き続き注視されているという理解でよろしいのでしょうか。

はい。引き続き注視するというお答えになります。消費者庁だけではなくて、関係の省庁いろいろございますので、連携してしっかりと見ていくということだと思っております。

朝日新聞の前田です。
今のウクライナ情勢に関連してなのですが、いろいろなところで寄附の呼び掛けだったり、募金の呼び掛けだったり、関連商品を買って応援しようというような動きがあって、それ自体はとてもいいことだと思うのですけれども、こういうふうに注目が集まると、悪いことを考える人が必ず出てくるもので、何かこれに関しての詐欺だとか、トラブルだとかですね、というのも今後もしかしたら出てくるかもしれないと勝手に心配しているのですが、何かその辺り、消費生活センターに御指示だったりとか、ちょっと気を付けて対応するようにだったりとか、何かお考えがありましたらお願いします。

今のところ、私のところにそういう情報は届いておりませんけれども、今御指摘いただきましたので、国民生活センターとも情報を共有化したいと思います。