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伊藤消費者庁長官記者会見要旨
(2022年1月26日(水) 14:00~14:20 於:中央合同庁舎第4号館11階共用第1特別会議室)

発言要旨

私からは冒頭2点、お願いいたします。
一つは、消費者安全調査委員会の今後に関する検討の開始についてです。
消費者庁に設置された消費者安全調査委員会は、本年10月で10周年を迎えます。10周年を契機として、消費者安全調査委員会において、個別の事故調査とは別に、これまでの調査活動を総括するとともに、消費者を取り巻く時流の変化や技術進歩も踏まえながら、今後取り組むことが期待される新たな課題についての検討を開始していただくことといたしました。明日27日の調査委員会から議論が開始される予定となっております。詳細については事務局にお尋ねください。
2点目は、お手元にお配りさせていただきましたが、令和3年度消費者志向経営優良事例表彰の表彰式の開催についてです。
令和3年度消費者志向経営優良事例表彰受賞者については、1月18日に大臣から既に発表させていただいたところです。これについて、3月9日に表彰式を開催することといたしましたのでお知らせいたします。なお、当日は併せて、消費者志向経営の進化に向けたトークセッションも予定しております。申込み等の詳細については今月中に公表予定です。

質疑応答

通販新聞の佐藤と申します。
機能性表示食品についてお伺いしたいのですが、処理の業務が大変な状況になっているということで、関係団体の事前点検を促すという仕組みについて、いつぐらいをめどに構築されているかというのをお伺いしたいのですが。

御指摘のとおり、巣ごもり消費なども受けて、機能性表示食品の届出件数、大変伸びている状況にあります。そうした中で、大変業務がひっ迫している状況でございますので、そうしますと、どうしてもその確認の期間が延びるということはございますので、それは行政にとっても恐らく、届出事業者にとっても余りよくない状況ではないかというふうに思っております。そうした観点から、民間のお力をお借りして事前の確認をやっていただけるような仕組みができないかということを、業界の関係者などとも御相談しているところです。
スケジュールについては、まだ少し今後の方向の整理をしていかなくてはいけないので、今の段階で確定的にいつまでと言える状況ではないのですけれども、今の業務の大変さの状況を考えると、できるだけ早い時期にやりたいと思っています。
なお、やるに当たっては、当然その中立性とか、そういったものは当然ある程度確保していかなくてはいけない部分もございますので、業務のその内容そのもの、チェックの仕方そのものもありますし、体制そのものをどのように考えていくかということもありますので、その両方から整理を進めたいと思っております。

その活用を促す上で、今ちょっと僕も調べてみたのですが、大体月に1件とか2件ぐらいしかないのですけれども、事業者にとって活用を促す上でメリットとしてどういうものを示していこうと思われているかというのを伺いたいのですが。

今、届出の確認に当たっての期間、50日間が目標だったかと思いますけれども、それについて可能な限り短縮をしていく、最終的にはゼロ日を目指したいというふうに思っております。

先日の大幸薬品に対する措置命令についてなのですが、相手方が即時抗告している段階での公表ということで、その理由についてお伺いしたいのですが。

個別の案件についてのお答えは控えさせていただきます。

フリーの木村です。
21日に業界団体のトップセミナーが開かれて、長官、お話しされて、ちょっと1、2点確認なのですけれども、トクホは許可制とか、ヒト試験とかあるので信頼できる制度という、そういうお話があったのですけれども、改めてお聞きしたいのは、なぜ許可制とか、ヒト試験などが信頼できる要因になるのかという点について、改めてお聞きできればと思います。

誤解を招くといけないのであれですけど、トクホだけが信頼できる制度であるというふうに申し上げたつもりは全くありません。御指摘の話は、1月21日に特定保健用食品制度の30周年の記念講演ということで、トクホの今後の在り方についてお話をさせていただいたという内容かというふうに思います。
どちらにしろ、こういった保健用の食品等々については、消費者の方の知りたいという権利を考えますと、きちんとしたエビデンスがあるということが当然望ましいという観点で申し上げたということであります。

一応確認ですが、トクホと機能性表示食品を比べて、どっちが優れている、優れていない、上か下かというようなことはないということでよろしいでしょうか。

上とか下とかではなくて、制度のチェックの仕方が違うということを申し上げたつもりでございます。

ウェルネスニュースグループの石川と申します。
先ほどの機能性表示食品制度の質問の関連で御質問を申し上げます。民間による事前確認の届出、届出確認の仕組みを今後検討するということですが、そのやり方について、今の食品表示企画課で行っている届出確認を、例えばまるっと外部の民間の団体に委託する、委任すると、そういうものをお考えなのでしょうか。

いいえ、届出を受けるのは飽くまでも消費者庁でございますので、それをまるっと民間にするということはございません。その届出の確認の作業を今私どもでやらせていただいているところですけれども、ややもう少し事前にチェックをしていただいた方がいいのではないかと思われるところがございますので、そうしたところについて民間のお力をお借りすることによってチェックする期間を短くしたいと、こういう趣旨であります。飽くまでも届出を受けるのは消費者庁でございますので、それを委託するとか、そういったつもりはございません。

続けてなんですが、去年の8月からその事前確認の仕組みが、ひとまず2団体、日健栄協と日本抗加齢協会で進んでいると思うのですが、これとはまた違う意味合いの事前確認というものをお考えなのでしょうか。

あの事前確認は制度的にまだきちんと整理をされている状況ではない、試行的にやっているというふうに私どもの方としては考えておりますので、それをもうちょっと本格的にきちんとした形でやりたいと、このように思っているということであります。

ニッポン消費者新聞の丸田です。
冒頭発言の中での消費者安全調査委員会の件です。明日から始まると言われる検討なのですけれども、確認なのですが、今後取り組むべき、期待されることであるとかということですが、これは消費者庁から消費者安全調査委員会に働き掛けたことなのか、それとも、調査会の方から独自に、その御自身の方で検討するということにしたのか、10周年を契機ということですけれども、この指図をちょっとお願いしたいです。

消費者安全調査委員会というのは、この令和4年9月末で活動10周年の節目を迎えるということでございますので、この際、今までを当然総括して、今後どう考えるかというのは、調査会自体の中でも、委員長のお考えもございますし、私ども自体もそういうことを思っているということであります。どちらがどっちで指図する、もともと指図するという性格の委員会ではございませんので、御相談してそういうことをしていただくこととなったということでございます。

そうすると、何年か前に消費者安全課の中にある消費者安全調査委員会をサポートする事務局というか、ありますよね。そこのところが6周年だったか何か、そういうところを振り返って、課題はこうだと。今までのような個別案件ではなくて、テーマ性を持った事故調査をしようとか、あと、事務局の体制を整えようとかということを、報告書、されたわけなのですけれども、10周年を契機ということなので、新しいことが盛り込まれるんじゃないかと思うのですけれども、ということは、消費者安全調査委員会と消費者庁の事務局ですかね、というところの連携でやるというふうに考えていいのでしょうか。

消費者安全調査委員会は飽くまでも公正な事故調査のために独立した組織として設置されているものでございますので、消費者庁の方がこういうことをやれとか言うような性格の組織ではないというふうに思ってはおります。飽くまでも消費者安全調査委員会のお考えを尊重したいと思っております。新たな議論を現段階では開始をする段階でございますので、庁としてこうだ、ああだということを申し上げるというのは差し控えさせていただきたいと思います。
ただ、あえて申し上げれば、令和2年の12月に、当時の井上大臣から発信力を強化すべきというような示唆があり、調査委員会としての機能強化や会議の公開等についての考え方を整理したということもございます。また、消費者を取り巻く時流も変化していて、新たな課題への対応、あるいは未来につながる視点というのも当然必要だというふうに思っておりますので、是非私どもとしては、今後参考となる論点について様々な角度から御議論いただければと思っている次第です。

もう一つ、冒頭発言の中の消費者志向経営の優良事例表彰の件です。これは3月9日に、ハイブリッド方式、併用ということで、ウェブ配信ということですが、ここで表彰される事業者は、基本的にはそこに参加されるということになりますか。

はい。表彰式及びその表彰された事業者に具体的に自らが行われている取組についても御紹介いただく予定としております。

国会民放クラブ所属で、名古屋のCBCテレビの木下と申します。
先週土曜日にTBSの「報道特集」という番組で放送いたしました、当社取材のアサリの産地偽装の実態というものがありまして、こちらは長官、御覧になられましたでしょうか。

報道そのものは直は見ておりませんけれども、報道があったことは承知しております。

これに関連して、長官に3点お尋ねいたします。この複数の加工業者から、全国に流通する熊本県産のアサリのほぼ100%がいわゆる偽装ものだということの証言をこちらで得ました。実際に熊本の天然アサリの水揚げ量というのがほぼゼロに近いという状態までが、こちらの取材で分かっているのですけれども、この件、消費者庁としましては、この偽装の今の現状について把握というのはされていらっしゃいますでしょうか。

3点あるとおっしゃったんですが、まとめてよろしいですか。

1点目が、もう一回すみません、復唱なんですけども、まずこの実態についての把握というのをされていらっしゃいますかということと、この問題についてどう受け止めていらっしゃるかということ、これ、すみません、3点と申し上げたのですが、4点に変えさせてもらっていいですか。2点目が、この問題についての受け止めについて、長官の受け止めをお願いいたします。3点目が、今後の対策を講じる予定というものがありますでしょうかということ、例えば産地証明書とか、アサリの生育期間など、いろいろ行政管理の仕方があると思うのですけれども、まず、今後の対策について。4点目が、蓄養、育てられたこの水産物をめぐって、その生育期間、育った期間が長い場所を産地とみなすというこの食品表示法について、これ、限界があるとはお考えでしょうかね。以上のこの4点をお願いいたします。

まず、偽装の実態等々について知っているかとか、あるいはこの問題についての受け止めということでございますが、個別の案件については、私ども、意見は差し控えさせていただきます。
なお、一般論として言えば、産地偽装等、食品表示基準に違反する行為については、食品表示法に基づき、事業者に対して表示の是正等の必要な事項を指示、公表するなどの措置ができることとされておりまして、農林水産省も含めた、国及び都道府県等において厳正な法執行に努めたいと思っております。
原産地等に係る食品表示違反については、別にアサリに限るわけではありませんが、令和3年度においても10件の指示公表事案があるので、大変これは誠に残念なことだと思っております。引き続き、国と地方公共団体が連携して、法と証拠に基づいてきちんと対処をしていきたいと考えております。
それから、今の産地に関する表示についてのルールというお話が最後あったかと思いますが、今お話しいただいたとおり、水産物の原産地については、国産品にあっては水域又は地域名を、それから、輸入品にあっては原産国名を表示することとされています。また、2か所以上の養殖場、養殖した場合の主たる養殖場というのは、最も養殖期間が長い期間ということで、養殖期間が長い養殖場が属する都道府県を表示するということになっています。ただし、貝類の原産地の取扱いについては、輸入後、出荷調整や砂抜きのため国内で一時的に浜に置くということがありますが、この場合は貝類の原産地はその輸出国が産地となり、このため、一時的に輸入したアサリを浜に放流して掘り上げたことで、産地が国産となるわけではないということになっております。
今の御指摘は、何かルールを変えるつもりはあるのかという、最後の御指摘だと思いますが、これはルールの問題というよりは、取扱いそのものの問題でございますので、ルールがおかしいからそうなるという話ではないのではないかと思っておりますので、特段、表示ルールの見直しをしなくてはいけないというふうには思っておりません。

朝日新聞の前田です。
今の質問に関連してなのですが、私、当日ちょうど放送を見ていて、かなりショッキングな内容で、消費者庁のコメントはいつ出てくるのかなと思っていたら、農水省しか出てこなかったので、残念だなと思いながら見ていたのですけれども、今、長官がおっしゃったみたいに、食品表示法の行政措置というのは、国もできる、消費者庁もできる、農水省もできる、各都道府県もできるということで、かなり食品の産地偽装ということについては許さないという体制自体はあると思うのですが、それが逆に、どこが音頭をとって、こうした、かなり報道の内容を見ますと、大がかりなというか、ほとんどが偽装だという指摘をされていたと思うのですけれども、そこまで大きな話になっているものに誰が立ち向かっていくのかというところを、もう一度、ちょっと考えどころだなというふうに思ったのですけれども、この点については、長官、何か所感ありますでしょうか。

今御指摘のように、広域の場合ですと、今の食品全般については、広域の場合は制度上は消費者庁、それから農林水産省、これは本省、それから地方農政局等ということになります。また、県域であれば都道府県だと、こういう役割分担になっております。
今の御指摘の案件については、農林水産省とも情報共有をしておりますので、隙間で何かが落ちているとか、そういった案件だというふうには当然思っておりませんので、そこはよく連携して、しっかり具体的な事実に基づいて対応していきたいと思っております。

全然別の話で、今年も節分が近づいてまいりましたけれども、去年の12月に、地方議員の連盟である、子どもの事故予防地方議員連盟さんというところが、去年の節分事情を、東京都を中心に、保育園、幼稚園で聞いたところ、園によってはいまだに3歳、4歳児に乾いた豆を提供しているところがあると。消費者庁は5歳以下には与えないでくださいというような注意喚起を去年からかなり情報発信されていると思うのですけれども、なかなか施設ごとに対応がばらばらで行き届いてないのではないか、実態調査の必要があるのではないかという御指摘、要望があったところです。
今年の注意喚起に関しては、何か消費者庁として新たな取組を考えてらしたりとか、実態把握のための調査について動きがありましたら教えてください。

御指摘のとおり、節分豆やピーナッツは、かみ砕く力や飲み込む力が十分でない子供は、喉や気管に詰まらせて窒息するとか、あるいは、気管支炎、肺炎を起こすリスクがあるということで、昨年12月にも各省と協力して注意喚起を実施しており、また、節分を控えた今週の1月28日にも子ども安全メールにて注意を呼び掛ける予定です。
その際は、昨年も実は12月には、内閣府、要はこども園の担当とか、あるいは幼稚園の担当であるところの文部科学省、それから保育園を担当されている厚生労働省と当方の連名で、食品の窒息・誤嚥(ごえん)事故の予防に向けた注意喚起を都道府県等に周知はしたところですが、また、今回の子ども安全メールについても、今申し上げたような省庁と共有して周知はしたいと、このように思っております。
引き続き、関係府省庁とも連携して、しっかりと対応していきたいと思っております。