文字サイズ
標準
メニュー

伊藤消費者庁長官記者会見要旨
(2021年12月8日(水) 14:00~14:11 於:中央合同庁舎第4号館4階共用第4特別会議室)

発言要旨

年末年始に向けた高齢者に関する注意喚起を行いたいと思います。
今年も残り3週間ほどとなってきたので、年末年始に向けて、高齢者に関する注意喚起を行います。一つ目は、年末年始など冬のこの時期に起こりやすい高齢者の事故についてです。二つ目は、帰省の際にむしろ高齢者の生活を御確認いただいて、高齢者に多い消費者トラブルを防止していただくという、この二つです。
まず、一つ目の年末年始の高齢者の事故に関する注意喚起ですが、お手元の資料を御覧いただきますとおり、年末年始は帰省対応や会食など、高齢者がいつもと異なった行動を取る時期であります。これを踏まえて、冬に起こりやすい高齢者の事故を防ぐためのポイントとして3点を挙げ、注意を呼び掛けます。
まず、主なポイントでございますが、一つは餅による窒息対応ということです。餅は食べやすい大きさにして、よく噛んでから飲み込むということです。二つ目は、入浴中に溺れることの対策です。入浴前は脱衣所や浴室を暖め、部屋間の温度差を小さくし、食後すぐや飲食後の入浴はお避けください。三つ目は、大掃除などの掃除中の転落等に対することです。脚立やはしごを使用した高所作業は極力控え、行う場合はバランスを取りやすい用具を用い、安定した場所で無理なく行っていただきたいと思います。こういったことについて御注意いただきたいと思います。
二つ目は、高齢者に多い消費者トラブルに関する注意喚起です。この年末年始は、新型コロナウイルス感染症の防止対策を取りながら、数年ぶりに帰省するという方もいらっしゃると思います。帰省の際は、高齢者に多い消費者トラブルが起きていないか、実家等の様子を御確認いただければと思っております。
お手元のチラシは高齢者に多い消費者トラブルを端的に示しています。これを帰省した際にスマホ上で参照いただけるよう、Twitter等により展開することを考えております。例えばで言いますと、請求書等で架空請求が分かるとか、荷物等で定期購入、送り付け商法などが分かるとか、モデム、パソコンなどでインターネット回線や偽サイト・不審サイトについて見ていただく。住宅等の関係で言うと、不要なリフォームや点検商法といったものに気を付けていただくといったことであります。
不審・不安に思ったら、一人で悩まず、消費者ホットライン188に御相談いただきたいと思っています。

質疑応答

読売新聞の松本と申します。
先日行われた日中韓の消費者政策協議会についてお尋ねしたいと思います。前半部分の非公開のところで協議会が開催されたかと思いますが、各国のwithコロナ時代の課題ですとか、越境のトラブル解決のための考えなど、どんな意見が出されたか教えていただけますでしょうか。

12月6日(月)に開催された日中韓消費者政策協議会では、オンライン取引における消費者トラブルへの対応をテーマに公開シンポジウムを開催したほか、越境取引トラブルに対する実務面の協力などについても意見交換を行いました。意見交換は非公開で行ったので、詳細な説明は控えさせていただきますが、内容としては、やはりコロナ禍において共通の悩み、例えば、コロナにこういうのが効きますよといった不当表示の問題に皆さん悩まれていたり、あるいは、非常にオンライン取引が増えているために、これに伴う消費者被害の増加といったことへの対応についての御指摘がございました。また、こういったオンライン取引や、それに伴う今御指摘の越境取引トラブルの解決に向けて、連携の枠組みを強化するという必要性については、3国間で認識を共有することができたと思っております。
なお、我が国から具体的な取組として、協力協定の締結を呼び掛けました。韓国はオンライン取引の新たな規制の導入も進めているということで、相談機関間の協力を更に深めていきたいというふうな考えが示されました。
他方、中国ですが、消費者保護制度の違い、言葉の壁等々、様々な理由から、やや慎重な検討が必要という立場をお示しになる場面も見られたと、そういう印象を持っております。
ただ、今後も越境取引トラブルが発生する可能性は非常に高く、今回の会合の結果も踏まえ、また来年に韓国で3国間、やるということになっておりますので、また更なる情報交換を通じて3国間の連携強化を図るとともに、将来的にはどういった格好で協力協定が結べるかということについても議論していきたいと思っております。

シンポジウムの中で各国の取組を御紹介されたかと思いますが、その中で、これはちょっと日本の政策に生かせるのではないかと長官御自身が思ったものなどありましたら教えてください。

中国は制度や考え方が違うところもあると思いますが、韓国に関して言うと、デジタルプラットフォームに関することについては、数次にわたっていろいろと改正もされていると承知しておりますので、今回ちょっと詳細な中身がお尋ねできなかったので、またお尋ねをして、今回、私どもの方も取引デジタルプラットフォーム消費者保護法施行に向けて準備をしているところでございますので、また参考になることがあれば勉強をしていきたいと思っております。

ニッポン消費者新聞の丸田です。
今の話の関連なのですが、先ほどの協力協定というのは、国民生活センターが運営している越境消費者センターとの連携協定ということなのでしょうか。それとも、それを含めた何か別の協力協定ということなのでしょうか。

協力自体は、この越境だけではなくて、特商法等の改正においてもいろいろな事業執行間においての情報共有化等々のこともございますので、幅広く消費者問題についての協力をするということで、CCJも含めてお話をさせていただいたところ、先ほど申し上げたような反応があったということであります。

冒頭の御発言の中の高齢者の事故のことですが、餅というのはすごく多いというのはよく分かりました。経済産業省の方では、高齢者の製品事故についてのガイドラインを作っていたりとか、高齢者に特有の事故ということでしたけれども、作っているのですが、消費者庁の場合は、子どもの事故防止へ向けたハンドブックを作っていたりとかしています。
これを例えば、餅であるとか、入浴中の事故、掃除中の転落ということに加えて、例えば年末年始であれば、暖房器具であるとかというのも当然出てくるかと思いますけれども、消費者庁としては、高齢者への事故防止に向けて、子どもの事故ハンドブックみたいな、つまり高齢者を一つセットにしたような、製品事故は経産省ですけれども、そうではないものも含めた、そういうものを何か作られる、あるいは啓発される御予定とか計画はあるかどうかお聞きしたいです。

今回、高齢者の事故と、それから、高齢者に多い消費者トラブルについてまとめさせていただきました。ハンドブックという形がいいのか、こういった随時の時期に合わせたチラシがいいのかというのはあると思いますけれども、それぞれの年代、あるいはそういった消費者の特性に応じて起こりやすい消費者事故なり、消費者トラブルはございますので、そういったことに対してどうやったらうまく伝わるかということについては、また考えていきたいと思っています。
なお、この高齢者の事故等につきましては、見守りネットワークなどを含めて、そうした高齢者に接する機会の多い方々に対しても、また伝わるようにしていきたいと思います。
なお、本日三つを挙げさせていただきましたが、御指摘のように、衣服への着火の問題ですとか、雪が降りますと除雪機の問題とか、雪下ろしですとか、そういういろいろなことがございますので、そういったことについてはまた随時注意喚起をさせていただきたいと思っております。

前にも長官から御説明がありました消費者志向経営優良事例表彰のことです。応募がもう締め切られていて、現在は検討されているのではないかと思います。でも今年の場合は複数事業者の協力であるとか、表彰対象は拡大されています。これは年度内の表彰ということで考えていらっしゃると思いますけれども、発表であるとか、何かスケジュールは具体的になっているか、お聞きしたいと思います。

審査自体は年内に是非したいと思っていますが、発表自体のスケジュールは、まだ調整中ですので、また決まったら御説明したいと思います。なお、表彰式は、去年も3月にやらせていただいたかと思いますが、3月にする方向で調整中です。