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伊藤消費者庁長官記者会見要旨
(2021年12月1日(水) 14:00~14:13 於:中央合同庁舎第4号館4階共用第4特別会議室)

発言要旨

冒頭発言なし

質疑応答

朝日新聞の前田です。
先週の金曜日にアフィリエイト検討会の論点整理が行われて、それぞれの委員の、その立場の委員から多くの意見が出ていましたけれども、長官の御感想を教えてください。

アフィリエイト広告についてでございますが、アフィリエイト広告そのものが悪いというわけではないのですが、一部に非常に悪質な人がいるということは事実だと思います。
先日行ったアフィリエイト広告の会議では、実態調査と、それから、論点の整理をさせていただいたところです。最後、座長の中川先生からも取りまとめいただきましたが、広告主に一定の管理責任があるということに関しては、総論としては、皆さん合意されたという理解だと思います。ただ、どの程度のことをやったら広告主が管理責任を果たしたことになるかということについては、恐らくいろいろな議論があるというふうに思いますので、次のアフィリエイトの会議に向けて、関係者の調整をして、報告書の取りまとめをしていきたいと思っております。

それで、アフィリエイト広告に関しては、この検討会の割と最初の方から、広告のその特性上、広告主の管理が行き届きづらいという問題点はあったと思うのですが、それとは別に、景品表示法は広告主がたとえノーチェックでその広告を出していたとしても、契約状況があったりとか、金銭を支払って広告の作成を依頼していれば、当然それは内容の決定に関わったものとして広告の表示内容について責任を負うという考えは、1回目から割とクリアだったと思うのですけれども、一方で、消費者庁の行政処分を見ると、今年の3月に育毛剤のアフィリエイト広告で、アフィリエイト広告の内容で違反があったとして、景表法で初のアフィリエイト広告がらみでの広告主の責任を問う行政処分が今年の3月に初めて行われたと。10年くらい前からアフィリエイト広告の問題点はいろいろなところで指摘されていたと思うのですが、法律上の考えも割とクリアだったと思うのですけれども、消費者庁の行政処分が今年3月になるまで行われなかったその背景、何か難しさがあったのか、それとも別の理由があったのか、そこがちょっと気になったのですが。

確かに、アフィリエイト広告、最近非常に増えていることは事実ですけれども、以前から全くなかったかというと、御指摘のところはあるかと思います。ただ、個別案件の執行に当たって何かやりにくいことがあったからとか、そういう事情は全然ないと思っています。個別の案件についてどういうやり方をするかについてはお答えを差し控えさせていただきますけれども、何か特段ネックがあってとか、そういうようには私自身は理解しておりません。

であるならば、その10年間放置してきたんじゃないかというような指摘を、そうした印象を抱く人もいると思うのですけれども、そういうことじゃない別の理由があるのか何なのか、前から指摘されていた問題点を今になって、ここに至るまで行政処分が取れなかった、取らなかった、それはどういう背景があるのでしょうか。

個々個別、アフィリエイト広告であるか否かにかかわらず、表示について誤認をさせるとか、そういった問題のある不当なものに関してはしっかりやっていくというのが基本的なスタンスですから、アフィリエイト広告であるからといってやるとかやらないとか、そういう性格のものではないということは申し上げさせていただきたいと思います。最近たまたまそういうふうになったのは、そうはいっても数が増えてきていて、非常に問題になるものがあって、それで対応したということではないかと思っております。
なお、先ほどおっしゃったアフィリエイト広告の問題、先ほど御指摘があったように、アフィリエーターがたくさんいらっしゃる中において、広告主が全く知らないで、どの程度広告主が責任を取ったらいいのかという議論は、議論としてはあり得る。もちろん総論としては広告主の責任であるとはいえ、広告主はどういう責任の持ち方があるのかということについて、今一度整理する方が実際に実効性のあることになりますので、個別の処分をするということももちろん大事なことではありますけれども、予防していくということは大変大事なことですから、広告主がどういうことをやっていけばいい、少なくともこういうことぐらいは考えていただきたいということについては、行政としてのスタンスははっきりさせる必要があろうかと思っておりまして、それが今回の検討会の趣旨であると思っております。

フリーの木村です。
今の前田さんの質問に関連してですが、検討会の論点整理、前回の会合の様子だと、アフィリエーター自体とか、ASP自体を景表法に加えるという法改正が必要なところまでは、ちょっと踏み込みにくいのかなというような印象を受けたのですが、そうすると、その後、予防で、その広告主の責任を明確化するということなんですけど、業界団体に入らないアウトサイダーへの対応というのがいまいちよく見えなかったのですが、その辺はどのような印象を受けたのでしょうか。

制度改正をどの程度どういう形でやるかについては、検討会の議論が今されているところなので、私が現時点でお話をするというものではないかなと思いますが、業界に入っているか否かということで整理が出されるという問題ではないとは思います。
ただ、業界で自主ルールに従う方はいいけれども、業界に入られないで自主ルールに従わない人をどうするかという御指摘だと思いますが、自主的にやるか否かにかかわらず、こういうことをやる必要があるといったことについては整理をしていきたいと思っております。

読売新聞の松本と申します。
今日からコロナの3回目のワクチンも始まって、オミクロン株という、また新しい変異株も出てきて、コロナをめぐる状況もまたちょっと変わってきたのかなと思います。消費者庁の方で、改めて消費者の皆さんに注意喚起をすることなどありましたら教えてください。

まず、御指摘のとおり、コロナに関していうと下火になっていて、経済活動も再開できたという状況の中で、新しい変異株のお話があったというのは、それに対する対策をまた考えていかなくてはいけないというのはあると思います。
これは、政府全体で必要な感染対策は引き続きやっていただくということだと思います。御自身でできるマスク着用、換気、手洗いなど、こういったことをやっていく必要があろうかと思います。
消費者庁としても、更に啓発するべきことがあるかどうか、従来から、いわゆるコロナに効くといったものについての注意喚起をさせていただいているところでありますが、更に注意喚起をする必要があるかについては、また検討したいと思っております。

ニッポン消費者新聞の丸田です。
先週、補正予算が計上されました。それで、閣議決定されたのですが、18億円だということで、それで、緊急性を要する施策に対するメリハリある予算要求だということと、そういう意見とですね、やっぱりこれは高齢者・若者被害とかということを考えると、もう少しあったらいいんじゃないかという意見もあったりします。それで、長官としては今回の補正について、どういう受け止めをされていらっしゃるのかということをお聞きしたいです。
もう一つが、日中韓の国際的な政策協議会、消費者政策の協議会がこれから徳島の方で開催されるということのようなのですが、ネット取引のことが課題だということを聞いておりますが、国センの越境消費者センター、CCJとの連携、調印ということを中国側にずっと求めてきたのですけれども、これが今回も要求される場、機会でもあるような気がするのですが、消費者庁としてはどういう対応で取り組まれようとしているのかということをお聞きしたいです。

先週、補正予算案が閣議決定されて、消費者庁からは18億円を計上させていただいております。御案内のとおり、交付金を通じた、孤独・孤立しがちな消費者、デジタル化に取り残されがちな消費者への見守り支援等、それから、若者のデジタル関連被害への対応や、新型コロナウイルスに関する不当表示の取締りなどを強化するといった内容になっております。
補正予算は、特にコロナ対策を中心とした緊急性の高いものということでございますが、通常の当初予算も同時に議論させていただいているところでありますので、こうしたものを合わせて、消費者庁として、コロナ対策や、新しい生活様式、デジタル対応、SDGsを始めとする協働型の社会、それを消費者教育なり、地方消費者行政で支えていくといった全体が実現できることが大切だと思っていて、早めに必要なものについては補正で確保させていただいたかなと思っています。引き続き当初予算の確保に向けて、しっかりと対応していきたいと思っております。
それから、二つ目の日中韓の話です。日中韓については、事務的な政策協議の話と、それからシンポジウムと、2段構えになっておりまして、事務的な政策協議は非公開、徳島の方を中心としてやらせていただくシンポジウムが公開となっております。
政策協議ではデジタルを始めとする話をしますが、最近のお互いの課題について共通のすり合わせをしたいと思っております。特にデジタル化になりますと、当然、越境取引というのが多くなりますので、CCJの役割というのは大変大事だと思います。
前回も次長が出席したときに、中国に対して、CCJについての呼び掛けをさせていただいておりますが、なかなかうまく協定をするというところまで至ってない状況にございます。引き続き、今回の会議においても私どもから働き掛けをさせていただきたいと思っております。