伊藤消費者庁長官記者会見要旨
(2021年11月17日(水) 14:00~14:19 於:中央合同庁舎第4号館4階共用第4特別会議室)
発言要旨
私からは2点、冒頭に申し上げさせていただきます。
一つ目は、令和4年度消費者月間統一テーマの決定及び同ポスターデザインコンテスト募集開始についてです。
この度、令和4年度の消費者月間の統一テーマを決めたので、本日お知らせいたします。テーマは「考えよう!大人になるとできること、気を付けること~18歳から大人に~」であります。来年4月1日から成年年齢が18歳になることを踏まえ、だまされない消費者になること、それから、自分で考える消費者になることが大変大事になると思っております。消費者月間をきっかけに、周囲の大人も含めて自分事として捉え、実践につなげることを期待し、このテーマといたしました。
また、消費者月間のポスターについて、より多くの皆様に関心を持っていただけるよう、ポスターのデザイン案を公募することにいたしました。本日から募集を開始し、締切りは来年1月28日までとしております。採用された作品については、令和4年5月の消費者月間のポスターとして印刷し、広く活用させていただく予定でございますので、プロ・アマ問わず、幅広く多くの方に御応募いただきたいと思っております。
その他、消費者月間に関連する取組については、内容が決定次第、随時お知らせすることにしたいと思っております。
二つ目は、東京ガールズコレクションの「TGC teen 2021 Winter」成年年齢引下げに関する啓発ステージの実施についてです。
消費者庁では、関係省庁とも連携し、「成年年齢引下げに伴う消費者教育全力」キャンペーンに基づき、若年者に対する様々な取組を重層的に行っているところです。今回、その一環として、ティーン世代に影響力のあるイベント「TGC teen 2021 Winter」と連携し、11月20日(土)に開催されるイベントの中で、成年年齢引下げをテーマにしたステージを実施いたします。
当日は、主催者側のデジタルツールである、TGC teen 公式LINEアカウントやYouTubeチャンネル、いずれも無料でございますが、これを介してリアルタイムでオンライン配信される予定です。また、開催後においては、主催者側のデジタルツール及び消費者庁ウェブサイトでも閲覧いただける予定としております。
この取組を通じて、多くの若者に成年年齢引下げの意義や消費者被害の防止について改めて考えていただきたいと考えております。報道各位におかれましても、これを含めまして、引き続き成年年齢の引下げに伴います周知・啓発に御協力いただければと思っております。
質疑応答
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問
読売新聞の松本と申します。
今、冒頭で御紹介いただいた東京ガールズコレクションの啓発ステージなのですが、今回、消費者庁さんとして、このガールズコレクションのステージに参加するのは初めてでしょうか。 -
答
はい。TGC teenと本格的に連携するのは初めてです。
- 問 ステージの内容ですとか、出演者については実施まで非公表ということなのですが、あえてお伺いしてすみませんが、どんな感じの訴えをする予定ですか。
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答
テーマである成年年齢引下げについて、若者の人に理解していただくという内容にしてはおりますが、出演者や内容についてはこの場では控えさせていただきます。
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問
NHKの秋山です。
冒頭、発言があった消費者月間のことなのですが、テーマは成年年齢引下げということで、分かりやすいテーマかなと思ったのですけれども、ポスターデザイン公募というのは今回初めてなのではと思うのですが、長官としてはどういう思いで公募に踏み切られたのでしょうか。 -
答
ポスターデザインについても初めてです。今回のテーマも含めて考えますと、私どもの方がデザインして単にお配りするというよりは、このテーマについてできるだけ幅広い人たちに考えていただくという機会が必要なのではないかと思いまして、このポスター、少なくとも作られる間は、これってどういうことかなってお考えいただけるのではないかなと思っているものですから、できるだけこういった巻き込み型のイベントの仕方、要は一方通行ではなくて双方向になるような工夫をできるだけしていきたいと思って、こういうことを企画させていただいております。是非たくさんの方から御応募いただければと思っております。
- 問 ちなみに過去のを見ると、かなりプロ仕様、プロの方が考えていらっしゃるので、かなりすばらしいポスターだと思うのですが、実際の18歳、19歳とか、若い人からのポスター案みたいなのも、投稿というのは、長官としては是非参加してもらいたいという思いはあるのでしょうか。
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答
若い人にも是非参加してもらいですし、もちろんその若い人の周りにいる大人の人たちについても興味を持っていただければと思っております。また、恐らくデザインに興味のある方、例えば学生さんなどにも、こういうことについて応募しませんかという働き掛けをしていきたいと思っております。
- 問 今日発表されたモニター調査の結果のことで伺います。緊急事態宣言が明けても、多くの方が、いわゆる宣言下の行動を維持されているというような印象を受けたのですが、これについては長官としてはどのように捉えていらっしゃるのでしょうか。
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答
これはまだ推測ではございますが、例えば夜の会食についても、まだ完全に前のとおりという形になっていないといった形で、従来の緊急事態宣言下での行動を引きずっている状況にある時期での調査ということにもなりますし、ある程度長い期間、そういった緊急事態宣言下などでの生活をされていた結果、それが一種定着したものも幾らかあるかなというふうに思っております。
恐らく、外食の機会は戻ったりするのでしょうけど、家の中でテレワークをするだとか、あるいは、テイクアウトをするという習慣というのは、新しくできた生活習慣で、やってみると意外といいじゃないかという方々もいらしている面もあるかと思います。またしばらくしたら皆さんどういうふうにお考えが変わるかについても、是非ウォッチしていきたいなと思っております。 - 問 継続して調査いただいて、発信いただければと思いますが、逆に定着したことの良さですとか、あと、逆に今後変わってくることで、消費者への情報発信ですとか、啓発とかで何か考えていくべきことがあるとしたら、長官はどのようなことを考えていらっしゃるのでしょうか。
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答
引き続き気を付けていただかなくてはいけないことと、それから、新しい生活様式の中で、例えばインターネット通販もそうですが、加速したものに関する消費者被害防止についてどのように啓発していくかということが主には大事なのではないかと思っておりまして、後者については、今、アフィリエイト広告を始めとして、いろいろなこともやらせていただいているのですが、新しいビジネスモデルが出てきて、結果的に見ると、新しい消費者被害も出てくるということもございますので、しっかりとこれは対応していきたいと思っております。
また、前者の方は、冬に向けてまた次の感染拡大にならないように、それぞれが気を付けるべきこともあろうかと思いますが、それは政府全体の中での取組を見ながら、必要な発信をしていきたいと思っております。 -
問
朝日新聞の前田です。
消費者安全法が定めている重大事故等の情報収集の体制について、ちょっとお伺いしたくての質問です。
先月、国民生活センターの方で注意喚起があった、乳幼児向けのパンによる窒息死亡事故の情報は、第1報がドクターメール箱で国民生活センターに寄せられたというような経緯がありました。これは消費者安全法が定める通報義務がかかっている方以外からの通報で、そういう自発的な通報があったこと自体は、ドクターメール箱を設置した意義がすごくあるなと思うのですけれども、一方で、死亡事故が起こってから7か月後の通報だった。どうして7か月掛かったのかも行政の方では把握ができないし、もしドクターメール箱にこの情報が来なかったら、重大な消費者死亡事故だったと思うのですけれども、この情報を把握できなかった可能性もあるということで、もちろん全ての事故を漏らさずに収集するというのはなかなか難しいとは思うのですが、せめて死亡事故はというような思いも一方でちょっとあります。この消費者事故の情報収集体制の課題はずっと指摘され続けているとは思うのですけれども、改めて今回のことを機に、どういう改善方法が考えられるのか、長官の考えをお伺いしたいと思います。 -
答
乳幼児向けの大変痛ましい事故が起きて、御指摘のような、そういったことが拡大しないように調査体制を強化するというのは大変大事な話だと思っております。
今回の乳幼児向けの食品に関する窒息や誤嚥(ごえん)の情報収集に関しては、消費生活センターに対しては、消費生活相談事例において、食品の大きさや固さなどの聞き取れた具体的な情報があれば是非通知をということは11月4日付けで依頼しました。御指摘のように、医療機関については、できるだけ医療情報を頂けるようにということで御協力は呼び掛けているところですが、それ以外で言いますと、緊急搬送を担っていただいている消防とかとの連携も大変大事だと思っております。消防などについても、重大事故については通知していただくということに制度的になっていますが、まず助けることが大事だということで、なかなかそこまで情報提供に至っていないであろう事案もあると思います。
そうした観点から、今回、より一層消費者事故通知をしていただくようにできないか、関係のところと調整をしているところでございます。関係行政機関との連携を強化していくということを、より積極的にできるよう働き掛けをしていきたいと思っております。 - 問 正に今回のケースに限って言うと、救急搬送されているので、消防の現場の方はもしかしたら気付く機会があったのかもしれないなと思いました。一方で、このケースでは、入院してからお亡くなりになるまで12日間あったということで、救急搬送して病院に収容された先がどうなったかというのは、なかなか日々の仕事の中で消防の方も把握しきれないのかなというケースでもあったなと思って、そこが難しいなと思ったのですけど、逆にちょっと提案なのですけれども、例えば救急隊員の方とかって毎日日報とか書かれると思うのですが、つまり、今日どんな救急搬送があったかということは、お仕事のデータとしてきちんとまとめていらっしゃると思うのですが、そこに例えばチェックボックスを作って、消費者事故だったかみたいなのを報告の中で意識してもらうとかですね、働き掛けるだけじゃなくて何かを変えないと抜本的な情報の集まりにはつながらないかなと思うのですが、その辺の具体的なお話は何か今されているのでしょうか。
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答
今の御指摘のようなやり方がいいかどうかも含めて、消防の現場の方は現場の方で、なかなかお仕事が大変だということもございますので、その中でどういったことができるかということもあろうかと思いますので、御提案の話も含めて、相談をさせていただきたいと思っております。
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問
ニッポン消費者新聞の丸田です。
今の事故の御発言のことなのですが、関係行政機関に対して働き掛けていらっしゃるということですが、関係行政機関というのはどういうところになりますか。 -
答
公表できるようになったら公表させていただきたいと思います。
- 問 つまり、これは医師には事故情報の報告義務はありませんけれども。
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答
できるだけ協力をしていただくように依頼はしておりますが、とはいえ、全ての機関がいろいろな細かい情報を渡すとなると、それだけ負担にもなりますので、そういったことについても改めて見直しということも考えていくということはあるとは思いますが、今回の件に関連しては今調整中でございますので、また御報告をさせていただきたいと思っております。
- 問 13時に発表されました、着衣着火に御用心という、これについてですが、これは事例を見ますと、以前、国民生活センターが、表面フラッシュ現象ということで注意喚起をしたことがあったということですが、それ以降も事故は続いているということで、見ますと、高齢者がとても多いと、65歳以上がですね。高齢者が多いということで、この注意喚起について、高齢者に情報が届くような形での提供ということになると、どういうところに、資料の後ろの方では防炎協会と出ていますけれども、消費者庁としてはどういうところに発信されていきますか。
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答
これは公共団体、それから、当然、消費生活センターにはお伝えすることになりますので、消費生活センターが参加されている見守りネットワークの方々には是非伝わるようにしていきたいと思っております。
御指摘のように、今回の総務省の消防庁によれば、平成27年から令和2年までの6年間で着衣着火により亡くなっている方の8割が65歳以上となっておりますので、高齢者はなかなかすばやく消火ができず重症化していく場合もあるということも、東京消防庁の方から伺っておりますので、高齢者にできるだけ伝わるようにしていきたいと思っております。 -
問
NHKの秋山です。
先週金曜日に、ジャパンサステナブルファッションアライアンス、企業がサステナブルファッションについての方向を示されて、実質的なファッションロスゼロを、2050年ですかね、目指すと大きく掲げられて、消費者庁の方も協力されていたと思うのですけれども、企業がかなり、やはり前向きに進めていくテーマかなとは思うのですが、実質ゼロと大きく掲げられたことに対して、長官としては、大きな期待感が高まっていらっしゃるのか、それとも、一緒にやっていきたいなというふうに感じていらっしゃるのか、どのような受け止めをされていらっしゃるのでしょうか。 -
答
環境省、経済産業省、消費者庁で、サステナブルファッションについての会合を持たせていただいたのは御報告したとおりかと思います。その際も、事業者に対する取組と、それから、消費者の行動変容と、両方必要だろうという議論をさせていただいておりまして、消費者側の方では、私どもの方で気付きのようなものをお作りしてホームページで発表させていただいたことは御案内のとおりだと思います。
今回、事業者側がアライアンスを作られたということは大変大きな前進だというふうに思っておりますが、消費者側と事業者側が両方頑張らなくてはいけない、例えば衣類の回収ということを考えても、消費者側の方も努力しなくてはいけないし、事業者側などで回収の準備をしてくれないと回収もできませんので、互いにやっていく部分があると思いますので、引き続き関係省庁とも連携して、この問題に取り組んでいきたいと思っております。