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伊藤消費者庁長官記者会見要旨
(2021年10月6日(水) 14:00~14:20 於:中央合同庁舎第4号館4階共用第4特別会議室)

発言要旨

私からは、今日は4点お話をさせていただきたいと思います。
1点目は、高齢者の転倒予防に関する注意喚起です。10日10日は転倒予防の日です。高齢者の転倒・転落等による死亡者数は交通事故の約4倍で、転倒は介護が必要となる主な要因にもなっております。緊急事態宣言が解除され、外出の機会が増えることが予想されることから、外出時や家の中での転倒予防のポイントをまとめたチラシを作成し、このタイミングで注意を呼び掛けるものです。主なポイントですが、当然、適度に運動をする。それから、部屋の整理をする。それから、危ないところがちゃんと分かるようにする、見える化をする。といったことに御注意いただきたいと思っております。
2点目は、消費者裁判手続特例法等に関する検討会報告書の意見募集についてです。先日9月28日、消費者裁判手続特例法等に関する検討会において取りまとめがなされ、近日、報告書の公表を予定しております。今後、報告書を踏まえ、法案化に向けた作業を進めていくに当たり、関係各所の御意見を幅広く伺うことが重要だと思っており、こうした観点から、報告書の公表と合わせて意見募集を開始する予定です。これは早ければ8日(金)となる見込みでありまして、これとともに、事業者団体、消費者団体等との意見交換も実施したいと考えています。こうして頂いた御意見を踏まえた上で、今後の法制化に向けた作業を進めていきたいと思っております。
3点目は、特定商取引法における通信販売事業者の広告表示についてです。10月1日(金)に、通信販売事業者が広告を行うに当たっての特商法上必要となる表示事項に関し、ウェブサイトのQ&Aを改定したのでお知らせをいたします。
通信販売については、広告上、事業者の氏名、住所、電話番号の表示義務が課されております。一方で、個人事業者については、住所や電話番号を公開するに当たって心理的負担があるといった御意見も承っております。個人事業者の住所や電話番号については、確実に事業者への連絡が取れること等を条件に、従前から個人の現住所や自宅の電話番号に変えて、バーチャルオフィスやプラットフォーマーの住所、電話番号の表示が認められております。今回、この条件をQ&Aにおいて改めて明確化しております。
他方、個人事業者の氏名については、契約の相手方を明確にする観点から表示することが不可欠であるということにしておりますので、これについては十分御注意をいただきたいと思っております。
今回の対応が事業者に対する法令の予見可能性・透明性向上に資するとともに、引き続き法令にのっとった表示が行われることを期待しております。
4点目は、食品中の放射性物質等に関するリスクコミュニケーションの実施についてです。消費者庁では、食品の安全性に関し、消費者の皆さんに正しく理解していただくため、関係府省庁と連携して意見交換会等を行っております。この取組の一環として、11月3日(水)祝日に、「おいしいにっぽんフェス2021」に出展し、食品安全の考え方や食中毒予防、食品中の放射性物質等について親子で一緒に楽しく学べるワークショップ等を行うことといたしました。この行事は実開催に加え、オンラインでも配信される予定となっております。本日プレスリリースを行い、10月3日よりオレンジページのWebサイトにて参加者の募集が行われておりますので、奮って御参加をいただければと思っております。

質疑応答

NHKの秋山です。
特例法の意見募集についてですが、公表されて意見募集ということで、おおむねどれくらいの期間を想定されているかというところと、特例法をなかなか御存じない方も多いとは思うのですが、消費者保護の観点からするととても重要な制度だと思うので、長官から、改めて多くの方に関心を持っていただきたいという意味で、何かメッセージがあればお願いします。

まず、報告書は早ければ8日に公表しようと思っていますが、意見募集の期間としては30日間を念頭に置いて進めさせていただいております。消費者裁判手続特例法は、御案内のとおり消費者団体訴訟制度という形で、少額で多数の方々の被害に対して、一人一人がなかなか裁判を起こすことは大変だということから、消費者団体が代わりに訴訟なり、差止めなりをやるといった、いわば社会的インフラの一つだというふうに考えております。
東京医大裁判等々の実績も出ておりますので、この際、この制度が消費者にとってより利用しやすくなるということ、消費者被害の救済を更に推し進めるものとなるということ、制度を担う団体の活動を支える環境整備をするということ、こういった観点から報告書で道筋をお示しいただいたと考えております。今御指摘のように、余り自分が直に対象にならないと、恐らくこういったことをお考えになられる機会はないかもしれませんけれども、消費者被害の防止という観点では大変大切な法律だと我々としては思っております。是非御関心を持っていただければと思っております。

特商法のQ&Aの件ですが、やはり個人情報を開示するということに抵抗感を示されたり、個人で出品されている方が電話を開示して、迷惑電話がたくさんかかってきてしまって困っているという声も少なからず聞いてはいるのですけれども、一方で、消費者のトラブルを守る、保護という観点も大変重要だと思うのですが、DPFの新法はできましたが、改めてこの特商法の運用に関して長官が考えていらっしゃることがあれば教えてください。

通信販売が増える中において、必ずしも大規模な事業者ではなくて、個人事業者が容易にいろいろな事業を始めることができると、これは決して悪いことではないと思っております。
そうした中で、今御指摘いただいたように、通信販売を受ける個人事業者の住所、電話番号の表記について、こういう個人情報を出すことで、関係のない話をいろいろ言われる可能性があるなど、心理的に大きなハードルになるというような御指摘を頂いております。一方で、消費者が何かトラブルがあったときに着実に事業者に連絡が取れるということは大変大事な話でございますので、ここをどう両立させるかということだと思います。
それで、かねてから、必ずしも自宅とかではなくて、ちゃんと連絡が取れる場所であればバーチャルオフィス等であったとしても構わないということを言ってきたところではありますが、改めて、プラットフォーム事業者の場合はいかがだろうかというお話もございましたので、Q&Aという形で再度明確にさせていただきました。
これは連絡が取れなくていいということではなくて、確実に連絡が取れるということを前提に、個人の現住所や自宅の電話番号でなくてもいいということを申し上げているだけですので、これは消費者保護の観点からもしっかりとやるべきことはやって、御懸念がないようにしていくということかと思います。
なお、氏名については、先ほど申し上げましたけれども、誰と取引しているかということがはっきり確実にならなくてはいけないものですから、契約の相手方を明確にする観点から表示することは不可欠ということとさせていただいております。
これからデジタル化が進むに当たって、こういった形で新しく起業をされる方はたくさんあろうかと思いますけれども、消費者保護と、それから、きちんとした取引がされる環境を整備するということが両立できるように、消費者庁としてもしっかりと取り組んでいきたいと思っております。

やはり起業されたり、個人で何か物だったりサービスを提供するのは、ある意味で今後当たり前になっていくというのは、デジタル化の進展から考えられることだと思うのですが、恐らく個人事業主が守るべき消費者保護の考え方だったり、ルールというのが、なかなか勉強しないと身に付かないというのが実際のところ、という受け止めもしておりまして、そういう方々が学べる機会というのは、長官としては、やはり今後より必要になってくるというような受け止めだったりされるのでしょうか。

今回も、クリエイターエコノミー協会というところから実はお尋ねがあったということでありますけれども、こういった個人事業主を支えるようないろいろな取組が進んでおりますので、そういったところとも連携していきながらやっていく必要があろうかと思います。
個人事業主とはいえ事業主ですので、飽くまでも取引として必要なことというのは当然法令遵守を含めてやっていただく必要はあろうかと思いますが、なかなか個々の人で全てのことを一通りやるというのは大変なことでありますので、こういった様々な、シェアリングエコノミー協会ですとか、いろいろな形でこういった事業主を助けるようなことをされている方がいらっしゃいますので、こういうところと連携していきながら、私どもとしてもしっかりと取組を進めていきたいと思っております。

フジテレビの井出と申します。
岸田内閣がスタートして、大臣も変わりまして、消費者庁の行政として何か変わる点ですとか、力を入れていく点などありますでしょうか。

消費者行政、あまねく政権がどういうふうになろうが、消費者がきちんと保護されて、あるいは消費者と事業者が協働していい消費生活社会をつくるということにおいては変わりがないと思うので、どの政権でもそんなに変わりがあるとは思っておりません。
岸田総理は、消費者庁をつくるときの担当の大臣をしていただいておりまして、消費者行政に関しても、例えば公益通報者保護法の取りまとめや、遺伝子組換えの表示の話も関わっていただいているとか、消費者行政に関しては関わりが深い方ですので、大変私どもとしても心強く思っております。引き続きしっかりとやっていきたいと思っております。

読売新聞の松本と申します。
冒頭にありました転倒予防の日の件でお尋ねなのですが、毎年、転倒予防の日に合わせて注意喚起されていると思います。昨年は新型コロナの影響で自宅で過ごす時間が長くなっているので、事故が増えるおそれもあるというふうにお知らせいただきましたが、今年は特にこういった背景で事故の増加が考えられるということがありましたら教えてください。

今年は自宅もそうですけれども、去年も同様かもしれませんが、先ほど申し上げましたように、コロナ禍で割と皆さん外出をされる機会がなかったのに対して、外出される機会が要はあるということが一つと、それから、お家にいらっしゃる機会が非常に長かったので、余り運動されてないということがあろうかと思います。そうしますと、急に動くということになるので、転倒の可能性が高まるというふうに思っておりまして、そうした観点から、今回こういった注意喚起をさせていただいているということであります。
引き続き、皆さん、先ほどちょっと申し上げたように、外出時においての床がぬれて滑りやすくなるといった、家の中だけではないことについても十分気を付けていただければと思っております。

ニッポン消費者新聞の丸田です。
この転倒予防の日の、これは注意喚起はどういうところに出していらっしゃいますか。これを読んだ高齢者は分かるんですけれども、見守りであるとかということについては、どうでしょうか。

寄せる先として、厚生労働省の関係のところもですが、実は10月14日に、高齢消費者・障がい消費者見守りネットワーク連絡協議会というのを開催する予定になっておりますので、その方々にちょうどお伝えすると非常に広がりやすいかと思っておりますので、そうしたところを中心にお伝えしたいと思っております。

消費者志向経営の表彰のことで、もう既に提示されているのであれば改めてお聞きしたいのですが、10月1日がたしか応募の締切りだったような記憶があるのですけれども、その後の発表であるとか、表彰であるとか、そういうところのスケジュールが分かっていればお聞かせ願いたいのですが。

これからまた審査をして発表するということになりますので、ちょっとお待ちをいただければと思います。

年内発表ですか。

できれば年内にしたいと思いますが、年が明けるかもしれません。これから調整です。

朝日新聞の前田です。
冒頭にあった、特商法のQ&Aを改定したことに関連してなのですが、かねてから、このデジタル化の進展に伴って、個人が簡単に商売ができるようになるにつれて、個人事業主なのか、それともただの個人なのかというところの線引きが非常に難しくなっているという課題があったと思うのですけれども、そのことについてもいずれかの段階で何か見解を出すというような方向性もあったと思うのですけど、その後、その課題については、進捗というか、いかがですか。

もともとは特商法上でも頭の整理はされているところでありますが、改めてデジタルプラットフォーム上の取引に関する法律、新法を出した際、BtoCを対象にするということになりました。隠れBもやっぱりいるじゃないかという話が今御指摘のようにありましたので、Bとはどういうものかについて整理をしてお出しをするということにしております。5月に法律ができており、1年以内施行ということでありますので、それと合わせて出せるように準備をしているところでありますので、少しお待ちいただければと思います。

NHKの秋山です。
冒頭にリスコミの話もあったと思いますが、コロナ禍で、リスコミに関するイベントもかなり予定をしていたものが開けない状況で、多分従来よりも機会が減ってしまっていたかと思います。本来であれば原発事故から10年という大きな節目のタイミングであったと思うのですが、まだコロナ禍なので難しい状況は続くかと思いますけれども、やはりこういう機会の重要性というのは、改めて長官はどのように感じていらっしゃいますでしょうか。

御指摘いただいたとおり、消費者庁が毎年実施している風評被害に関する消費者意識の実態調査ですと、これは令和3年の2月に公表しておりますが、放射性物質を理由に福島県産の食品の購入をためらう消費者がいまだ8.1%いらっしゃるという結果であります。やはり正しく理解をしていただいて選択していただくということが大変大事だということで、リスクコミュニケーションの機会というのは大変大事だというふうに思っております。
ところが、御指摘のとおり、昨年などはこういったイベントがなかなかできなかったという状態にあります。やっと今回、緊急事態宣言も解けましたので、今回こういう企画をさせていただいたということであります。
ほかにも、今後、オンラインも含め、できるだけいろいろな機会を、例えばエシカル消費に関する取組や、今後、消費者月間を含めていろいろなことが動き出すと思いますので、そういった機会を捉えて、できるだけこういったリスクコミュニケーションの機会も設けていきたいと思っております。