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伊藤消費者庁長官記者会見要旨
(2021年9月29日(水) 14:00~14:17 於:中央合同庁舎第4号館4階共用第4特別会議室)

発言要旨

私から、冒頭に3点申し上げたいと思います。
1点目は、令和3年度食品ロス削減月間についてです。
「食品ロスの削減の推進に関する法律」において、毎年10月は食品ロス削減月間、10月30日が食品ロス削減の日とされています。これに先立ちまして、昨日、食品ロスの削減の推進に関する基本的な方針に基づく施策について、各省庁の進捗状況等を共有化する、食品ロス削減推進会議を開催したところです。
消費者庁では、この10月に関係省庁と連携して、食品ロスの削減に関する情報発信等を強化することとしております。その内容についてはニュースリリースを見ていただければと思いますが、食品ロス削減月間の主なイベントとして、食品ロス削減の日である10月30日に愛知県豊田市にて、消費者庁、農林水産省、環境省共催で、食品ロス削減全国大会を開催いたします。
二つ目に、食品ロス削減推進アンバサダーに、料理好きとして著名なタレントのロバート馬場氏に就任いただきました。馬場さんには食品ロス削減レシピ等の普及啓発のほか、食品ロス削減推進大賞の審査員もお願いしております。その食品ロス削減推進大賞ですが、10月下旬に結果を公表し、10月30日の豊田市の全国大会で表彰式をする予定です。
また、初の試みとして、「めざせ!食品ロス・ゼロ」川柳コンテストの募集を10月1日から開始いたします。審査員には一般社団法人全日本川柳協会副理事長の江畑哲男様のほか、川柳番組にも出演されているタレントの柳原可奈子さんに御就任いただく予定です。
食品ロス削減月間をきっかけに、幅広い世代の機運を盛り上げ、消費者、事業者との協働を進め、政府一丸となって更なる結果を出していきたいと思っております。
2点目は、消費者裁判手続特例法等に関する検討会の取りまとめについてです。
昨日、第11回の消費者裁判手続特例法等に関する検討会が開催され、取りまとめがされたので御報告させていただきます。取りまとめの詳細は近日公表予定の報告書を御覧いただきたいと思いますが、消費者団体訴訟制度は、いわば社会インフラの一つとも言えるという、制度自体の意義を改めて明らかにしていただきました。そしてこの制度が、消費者にとって利用しやすく、また、消費者被害の救済を更に推し進めるものとなるとともに、制度を担う団体の活動を支える環境整備を行うという観点から、今後の見直しの道筋をお示しいただいたということは、非常に意義が深いものであったと考えております。
消費者庁といたしましては、この取りまとめをしっかりと受け止め、今後、意見募集の実施を含め、関係各所の意見を幅広く伺いながら、法制的な検討を進めていきたいと思っております。
3点目は、社会生活基本調査を装った「かたり調査」に関する注意喚起についてです。
個人の1日の時間の使い方等を調査する、5年に一度の社会生活基本調査が実施されます。これは全国約9万世帯を対象として、10月中に調査員が訪問して調査書類を配布し、インターネット又は調査員に調査票を手渡しして回答するものです。
昨年の国勢調査と同様、本調査を装った「かたり調査」が懸念されますが、調査員が金銭を要求すること、あるいは銀行口座やクレジットカード番号を聞くことは絶対にございません。また、インターネットで回答する場合は、偽サイト等に御注意いただきたいと思います。詳細については、お手元に配布のチラシを御参照いただければと思っております。

質疑応答

NHKの秋山です。
冒頭の社会生活基本調査に関してですが、5年に一度の調査ということですが、コロナの影響等で何か少しやり方を変えているのか。特に、この偽サイトってネットの活用が広がっていたりして、5年前と違うんだけれども、ある意味で正しい変更要素。逆に、変更していないけれどもより注意すべき点、もう一度あれば教えていただけないでしょうか。

コロナの影響もあり、この間の国勢調査もそうだったかと思いますが、調査員に直接手渡しするというよりは、インターネットをお使いになられる方も多いのではないかと思います。調査を装った不審なメールやウェブサイト、あるいは、調査書類に記載のあるURLとか、QRコードではない形でやられると、別の形に誘導されることがございますので、この点に十分注意していただければと思っております。

基本的には、配布された書類に基づいて手続を取ってもらうということが基本と?

はい。必ず調査書類の方にURLなりがきちんと書いてありますので、そちらからやっていただければと思っております。

朝日新聞の杉浦です。
この「かたり調査」なんですけども、過去に具体的にどういう被害があったかって分かりますでしょうか。

1年前に国勢調査がございまして、その国勢調査に関する消費生活相談ということでお答えをさせていただきたいと思いますが、昨年の国勢調査、これは全世帯が対象ですので、この9万件よりももちろん多いということを前提でお考えいただきたいのですけれども、昨年の国勢調査に関する消費生活相談は百数十件あって、調査の信用に関する相談とか、クレームもあったのですが、具体的に言いますと、調査員をかたって個人情報を聞き出そうとする電話があったりとか、あるいは、市役所の職員をかたって1万円で国勢調査の代行をしてくれるというような話があった、といったものを聞いております。この社会生活基本調査も非常に似た調査の形でございますので、同じようなことが起こるのではないかということで、この際、注意喚起をするものです。

国勢調査もかなりいろいろ踏み込んで聞かれますけど、この社会生活基本調査だと、テレビ見ていますかとか、ネットどれぐらい見ていますかとか、よりその嗜好に関わるようなところが特徴になるのかなと、素人考えで思うのですけれども。それで、5年前の時はコロナでもなかったですし、状況は違うと思うのですが、何か気になる、特に心配な点とかがもしあったら。

すみませんが、5年前のものを手元に持っていないので、後ほど担当の方に聞いていただければと思います。

フリーの木村です。
別件ですが、アフィリエイト広告の実態調査って夏頃にまとめるという話があったと思うのですが、今は検討会を開いていますけれども、どのタイミングで我々が見られる状況になるのか、表に出てくるのかという、その辺のタイミングを教えていただければと思います。

もともと年内を目途に取りまとめを行うというふうに言っておりまして、今見えないとおっしゃっているのは、個別のヒアリングをするに当たって、具体的ないろいろな名前が出てくるものですから、会議を公開していないためだと思います。ちょっと今はまだヒアリングを重ねているところでして、構造が見えてきましたら、できるだけ早く整理をして御報告をしたいと思います。

読売新聞の松本と申します。
冒頭にありました食品ロス削減月間の取組につきまして、消費者庁、環境省、農林水産省の3省庁で行うということですが、特に消費者庁が果たす役割ですとか、特に力を入れていきたい取組の分野がありましたら教えてください。

農林水産省なり、ほかの経済産業省なり、業行政をお持ちのところというのは、業界の方に対する働き掛けが中心になると思いますし、環境省はごみだとか、そういった観点から、地方公共団体も含めてですね、やられているというふうに思っておりますし、また、文部科学省は学校教育の現場でとか、それぞれの持っている所管に応じた形での対応をしているかと思います。
消費者庁の方は、特に消費者の行動変容ということが非常に大事なものですから、消費者の行動変容を中心に、一方で食品表示の関係も幾らか関係ありますので、その観点で取組を進めているところです。特に行動変容に関しては、例えばで言いますと、「おいしいめやす」、賞味期限と消費期限の違いですとか、あるいは、「てまえどり」をしてもらうとか、そういった家庭での食品ロスの削減を行うという観点からの消費者行動を促すという観点での働き掛けをしていくということです。今回の食品ロス・ゼロの川柳コンテストなどについても、そういった身近な取組を、個人でできることを一生懸命拾って、いい取組の方を広げていく、あるいは気付きを増やしていくということに取り組んでいきたいと思っております。

今回、アンバサダーにロバートの馬場さんが就任されるということですが、御披露目式といいますか、就任式みたいなものは、今のところ予定はありますか。

実はもう既に就いていただいておりまして、活動としては、先ほどちょっと申し上げましたけど、食品ロス削減推進大賞の審査も実は既にやっていていただいていたりしていますし、また、非常にお料理がお上手なので、食品ロス削減レシピみたいなものを実践して、それでそういうことの普及啓発をしたいというようなことをお伺いしております。
また何かの機会に、大臣のところに来ていただくなり何なりという形で意見交換を直接できる場ができれば、皆さんの方にも御報告をしたいと思っております。

NHKの秋山です。
冒頭の特例法の関係なのですが、既に消契法の検討会等も終わっていて、消契法は来年の国会を目指すという大臣の御発言があったかと思うのですけれども、特例法は国会の附則で3年めどの検討ということで、既に少し時間が掛かっている印象もあるのですが、来年の国会を今直近目指すようなお考えでいらっしゃるのでしょうか。

今後は検討会の報告を踏まえて、次期通常国会を見据えて法制的な検討を進めていきたいと思っております。
報告書をおまとめいただいたので、消費者契約法と同様に、これについても報告書の内容について意見募集を実施して、いろいろな関係各所の御意見も幅広く伺って、また、事業者団体、消費者団体等いろいろと御意見を頂いていますので、そういったことも踏まえた上で法制化に向けた作業を進めていきたいと思っております。

今週27日からコロナの抗原検査キットが、ドラッグストアとかの一般のところでも販売が解禁されたという報道もあって、基本、厚労省の動きだとは思うのですが、従前、一般のところで抗原検査キットは認められたものはないですよというような注意喚起も厚労省と消費者庁と同時に行われてきたと思うのですけれども、またちょっと状況が変わったかと思うので、改めて消費者の理解というか、何か情報発信というか、お考えがあれば教えていただけないでしょうか。

以前に情報発信をさせていただいたときは、今御指摘いただいたとおり、厚生労働省の方で承認したものではない形のものが要は流通しているということで、薬機法上もどうなのかと議論になるようなものも見受けられたということで注意喚起をさせていただいたところです。
今回、厚生労働省の方が、医療施設だけではなくて、一般のところでも求められるような形でやられるということですので、それがちゃんとその承認を受けたものかどうかということを確認していただいた方がいいかと思います。
そうじゃないものと紛れるといけないということ、今の御指摘も踏まえた上で、厚生労働省とそういったことについて何か一緒にやった方がいいかどうかについては相談をしてみたいと思っております。

現状としては、従前以来の、その注意していただきたいというのは変わらずという理解でよろしいのでしょうか。

従前は、承認されたものが一般の薬局とかでは売っていないので、それは全て承認されていないものということですので、それはお控えいただきたいというのが従前のスタンスです。
今回は、承認されたものが市場に出るということですので、それについては積極的にお使いいただいたらどうかと。
一方で、承認されていないものも場合によっては以前と同じような格好で流通している可能性があります。どういうふうに見分けたらいいかということについては、ちゃんと承認されているかどうか記載されているとは思いますが、どこを見ればいいという辺りを、必要であれば厚生労働省とも相談して、発信をしたいと思っております。