伊藤消費者庁長官記者会見要旨
(2021年9月22日(水) 14:00~14:17 於:中央合同庁舎第4号館4階共用第4特別会議室)
発言要旨
私からは「食品ロス削減推進会議」の開催について御案内をしたいと思います。
来週9月28日、第4回目となる「食品ロス削減推進会議」を開催いたします。本会議は、昨年3月に閣議決定した「食品ロスの削減の推進に関する基本的な方針」に盛り込まれた施策について、各省庁における進捗状況を議論するほか、令和4年度の食品ロス削減に関する概算要求について各省庁から報告をする予定であります。本会議でございますが、学識経験者、事業者、消費者団体等の有識者委員と併せて、井上内閣府特命担当大臣、小泉環境大臣のほか、農林水産省、文部科学省、厚生労働省及び経済産業省の政務も出席の予定で調整をしているところです。
食品ロス削減については、SDGsの取組が進む中、もう一歩前に進めるチャンスが来ていると考えております。食品ロス削減を進めるため、引き続き政府一丸となって更なる取組をするよう、議論を進めていきたいと思っております。
質疑応答
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問
NHKの秋山です。
食ロス会議、かなり久しぶりの開催になるのではと思いますが、改めて、この推進会議の位置付け、今回の開催は、どのように更に進めていきたいと考えていらっしゃるのでしょうか。 -
答
昨年3月31日に「食品ロスの削減の推進に関する基本的な方針」を決めてから、コロナ禍ということもあって、しばらく推進会議を開かずに、関係省庁の連絡会議という形でやらせていただいておりました。有識者はそれぞれいろいろなイベントなどがあるごとに意見交換をさせていただいていたという状況なので、しばらくぶりに開催するということになります。基本方針の中で、それぞれの省庁、あるいは、事業者がやるといった部分もありますので、基本方針がそれぞれどのような状況にあるかということについて、みんなで情報の共有化をして、更に一歩を進めるということを是非やっていきたいと思っております。
報道の方については、同じ日に違う会議が重なっていて大変御迷惑をお掛けしますが、どうしても大臣等の日程の都合でそういう形になっておりますので、御協力のほどよろしくお願いいたします。 -
問
読売新聞の松本と申します。
私も食ロス会議のところでお尋ねしたいことがあります。この委員の中に、三重県の鈴鹿市さんが入っていらっしゃる理由というのはどんなところがあるのでしょうか。 -
答
地方公共団体の代表の方を入れたいということで、知事会と市長会に御相談させていただいて、市長会の方で御推薦をいただいたということです。鈴鹿市自体も食品ロス削減も前向きに取り組んでいただいているということと併せて選任をさせていただいております。
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問
NHKの秋山です。
食ロス関係なのですが、基本的にはオリンピック絡みの話は、推進会議のもともとの主催に入っていなかったと思うのですけど、昨今話題になっていることもあるので、今回の4回目に関しては、五輪の事務局だったり関係者の方の出席等は、今考えていらっしゃったりはしないのでしょうか。 -
答
基本方針においては、むしろオリパラを始めとするいろいろなイベントは、食ロスを普及・推進するためのイベントとして位置付けたいということを、たしか書かせていただいていると思います。オリパラそのものの事務局は呼んではおりませんが、全国おいしい食べきり運動ネットワーク協議会会長である崎田さんが、オリパラに関してのアドバイザーもやっていただいていたということがございますので、崎田さんの方からも、場合によったらそういったことについてもお話を頂くようにお願いしたいと思っております。
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問
ニッポン消費者新聞の丸田です。
関連ですが、今のお話は、オリンピックの中での弁当の廃棄の問題がいろいろあったりとかしましたけれども、その顛末みたいなことも報告していただくということなのでしょうか。 -
答
顛末そのものは、既に組織委員会の方から言われていることが全てだと思いますので、顛末の報告というよりは、それを踏まえた上で、あのようなことがどうしたら起こらないかという観点で議論する必要があろうかと思っております。そういった観点で、崎田さんからお話を頂くと有り難いなと。それに何を学ぶかの方が大事だと思っておりますので、そういう形で進めさせていただきたいと思っております。
- 問 別件ですが、あと半年余りで成年年齢引下げが施行されます。それで、今年の3月に発表されました、「成年年齢引下げに伴う消費者教育全力」キャンペーン、これが4月からたしかスタートしているということでした。これについての話というのは、消費者教育推進会議でも出たかもしれませんが、改めて、この半年余りなのですけれども、成果なり、感想なりがあれば、ちょっとお聞きしたいなと思います。4省庁が一緒になってやっているということですか。
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答
全力キャンペーンについては、4省庁、それぞれのところから通知や情報提供をして、それぞれの立場で積極的な取組をしていこうということとしました。今の成果の状況については、申し訳ありませんが、まだ現在把握はしておりませんが、その後、私どもとしても、若者ナビをやったり、また年度後半にわたって更なる広報なども考えておりますので、そういったことを通じて、来年の4月の施行に向けてしっかりと対応していきたいと思っております。
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問
朝日新聞の前田です。
来週の食ロス会議なのですが、基本方針の中では、イベント事というのは、食ロス削減を普及する良い機会だという位置付けであって、まさかそのイベントで食ロスが出るということでは、まかり間違ってもないということだったと思うのですけれども、そうした大きなイベントが食ロス削減を普及する良い契機になっているかどうかということの検証や、どうしたらそういうふうになれるのかということも、改めて一つまとめておく必要はあるのかなと思ったのですが、その辺りいがかですか。 -
答
御指摘のとおり、そもそも普及、促進をするという観点でイベントを活用しようと言っているにもかかわらず、そのイベントそのもので食品ロス削減に反するようなことが起きるということは、大変残念なことだと思っております。
なぜそういうことが起きたかということについての情報の共有化はした上で、食事を出して行うような、この手の大規模なイベントというのは、そんなにたくさんないかもしれませんが私どもがお伺いしているところでは、弁当については、もともとの発注の仕方とか、その後のセキュリティーも含めて外に物が出しにくいとか、いろいろなことがあったというふうには聞いていますが、何かできたのかということについても、話が出て、今後のためになるといいかなと。非常に問題な事案であったことは確かだと思いますので、それについての共有化なり、対応について、できればみんなで共有できるようにしたいと、このようには思っております。 -
問
NHKの秋山です。
別件ですが、先日、特例法を使った新しい結論、順天堂大の結論が、判決出たかと思いますが、来週また、特例法のその検討会が最終盤に差し掛かると思うのですけれども、こうやって成果がまた出てきていることに対しては、長官はどのように感じていらっしゃるのでしょうか。 -
答
特定適格消費者団体である消費者機構日本から、東京医大に次いで、順天堂に対しての共通事務確認訴訟の第一審判決があったということについて、判決内容については報告は受けております。
団体による裁判の結果というのは、比較的少額多数の消費者被害の集団的回復を目的として平成28年に施行された消費者裁判手続特例法の一定の成果であるとは思っておりますので、この成果を踏まえた上で、既に消費者裁判手続特例法等に関する検討会も、本年3月からこれまでに計10回開催しているという状況でございますので、こういった個別の成果も踏まえながら、現在、取りまとめに向けて議論を進めているところです。できるだけ早く、報告書として一定の結論が出れば、それに基づいた対応をしていきたいと思っております。 - 問 平成28年にできて5年強ですかね、ペースとして、検討会でも幾つか議論ありましたが、多い少ないという簡単な比較はしづらいとは思うのですけれども、有効活用されている一方で、なかなか消費者自身の認知が進んでいないというような意見も検討会の中では一部出ていたというふうに理解しているのですけれども、長官としては、順天堂も出たことについて、もっと有効活用されるべきだというふうに感じていらっしゃるのか、一定の成果は上がっているというような御理解なのか、どちらの思いが強いでしょうか。
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答
一定の成果は上がっているというふうには思いますが、一方で、やや使いにくいところがあるとも聞いています。より一層、皆さんに認知していただいて、使っていただけるような制度にしていくということは大事だと思っておりまして、こういった観点からも議論が進められているというふうに認識しておりますので、こういった検討会の状況をきちんと注視して、団体による適正な被害回復裁判手続が進められて、消費者被害の救済がなされるよう、我々としてもしっかりと努力をしていきたいと思っております。
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問
ニッポン消費者新聞の丸田です。
利益誘導型サイト、若者を対象とした被害があるということで、国民生活センターがそれぞれ別個に第1弾から第5弾まで今出していますけれども、その第5弾の中で利益誘導型を出されたと。
それで、利益誘導型のそのサイトでは、そういうサイトの被害相談は年間3,000件だけども、そのうちの3割が10代から20代、またそのうちの7割から8割が女性だということで、なかなか特徴的なものが毎回あるのですが、消費者庁は6月辺りにホームページで、18歳の方々対象の消費者教育の特設サイトを設けられて、こういう事例の共有といいますか、そういうことのリンクを貼るというのはあるんだと思いますけれども、そういう事例というのは、見た人にとっては非常にインパクトがあるので、今回のことについても、そういう事例を掲載するとかということはお考えないでしょうか。 -
答
御指摘のように、若者において、特にお金に関する被害があるということは大変問題だと思っております。若者ナビなどについても、当然そういったリンクを貼ることも含めて、情報提供しているところですが、具体的にどうやったらそういう情報が伝わるか、これは社会の扉といった形と併せて、いろいろ皆さん実例なんかも入れた形で事業をやっていただいているところもあると思いますので、そういったところにできるだけ情報提供して、自分のこととしてより実感を持って考えていただけるように、我々としてもいろいろな工夫をしていきたいと思っております。
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問
NHKの秋山です。
先週の会見でも伺ったのですが、ゲノム編集で金曜日にマダイが厚労省の方でも追加されたというニュースが出て、先週のときにも長官も、次々、まだ登録を申し出るのがあれば、引き続き同じように表示を呼び掛けていくというふうにおっしゃっていたかと思います。正式にタイが決定したこともありまして、改めて2例目を含めて、野菜から動物食に変わったというのもありますけれども、改めてタイの申請届が認められたことに対しては、どのようにお考えでしょうか。 -
答
ゲノム編集技術を利用したものとしては、トマトが1例目で、2例目のマダイが9月17日に厚生労働省に届出されたということは承知しております。
マダイを開発した事業者は、同日より募集を開始したクラウドファンディングでの返礼品としてマダイを提供するというふうに聞いておりまして、このウェブサイト上では、ゲノム編集技術を利用した旨を明示するという報告を受けております。
消費者庁としては、引き続きゲノム編集技術応用食品かどうかということについて、消費者が知りたいというニーズがあるということは十分承知しておりますので、厚生労働省に届出されて市場に流通する場合には、消費者の自主的かつ合理的な選択の機会の確保の観点から、事業者から積極的な情報提供を努めるよう働き掛けていきたいと思っております。