伊藤消費者庁長官記者会見要旨
(2021年7月21日(水) 14:00~14:11 於:中央合同庁舎第4号館4階共用第4特別会議室)
発言要旨
私からは2点お願いいたします。
1点目は、令和3年度消費者志向経営優良事例表彰の実施についてです。7月30日に、令和3年度消費者志向経営優良事例表彰の公募を開始いたします。この表彰は、消費者志向経営の更なる普及・推進を図るため、毎年、特に優れた取組に対して表彰しているもので、今回が4回目になります。今年度は、昨年と同様、総合枠と、併せて特定領域での秀でた取組を見る特別枠を設けるほか、複数の事業者が協働して行う優れた取組を表彰することとしたいと思っております。スケジュール的には、7月30日から10月1日を応募期間とし、年内には表彰者を決定したいと思っておりまして、年明けに表彰式を行う予定です。是非、多くの事業者に御応募いただき、消費者志向経営の裾野を更に広げていきたいと思っております。
2点目は、「こども霞が関見学デー」についてです。今年度の「こども霞が関見学デー」は、8月18日(水)、19日(木)に、消費者庁を含む24府省庁等が参加して開催されます。緊急事態宣言下ですので、消費者庁ではオンラインの実施とさせていただいておりまして、「エシカル消費」、「食品ロス削減」、「子どもの安全・食の安全」、「スマホを使う上での注意点」、「栄養成分表示」の5テーマについて、子どもたちに理解を深めていただけるプログラムを御用意させていただいております。是非、幅広い子どもたちの参加を期待しております。詳細は、お手元の資料及び消費者庁ウェブサイトを御覧いただければと思っております。
質疑応答
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問
NHKの秋山です。
冒頭発言に関連してですが、表彰で、今回から新設された、複数事業者の協働取組枠ということですけれども、これまで、単企業というか、単独企業だったのを、協働というテーマを入れられた、その思いはどういったところにあるのでしょうか。 -
答
自民党の消費者問題調査会で、消費者志向経営についてヒアリングにあたり、名和先生と花王の会長がプレゼンテーションをされたのですが、その際、事業者というよりは、複数の事業者が異業種でしたり、あるいはその同業種他社間、あるいはサプライチェーンの中のコラボレーションの中で、非常に消費者志向経営に寄与するような取組をしていると。事業者というか、企業全体というよりは、その取組をもっと評価するということをやっていただくと、もう少し裾野が広がったり、新しい展開が見えるのではないかというような御提案を頂きました。こういった御提案を踏まえて、消費者志向経営の推進に関する有識者検討会に御議論いただいた結果、試行的に、こういった複数事業者の取組を念頭に置いた枠組みを作ってみたらどうかということになったものですから、今回新たに新設しました。
そういう意味では、現在の総合枠、特別枠ともに事業者自体の全体を見るっていう感じなのですが、この複数事業者での応募枠は、もちろん事業者も当然最低限のことはしていただかなくてはいけないとは思っていますけれども、取組そのものにフォーカスして評価をすると、こういう形になろうかと思っています。いずれにしろ、やってみて、また次につなげていきたいと思っています。 -
問
読売新聞の松本と申します。
今のお話に関連して、異業種ですとか、同業他社で消費者の方を向いた取組がある例が報告されたということだったんですけれども、具体的にどんな例があったのでしょうか。 -
答
例えば、ペットボトルですとか、プラスチックの容器包装なんていうものなどについても、1事業者だけではなくて、複数の同業他社だったり、違う分野も含めて一斉にやりましょうというようなことをやられている例があったり、あるいは、エシカル消費に取り組む消費者を応援する企業の取組ですとか、要は一つの目的をいろいろな企業の方が合わせてやる。1社だけでの取組ももちろん優れているのですけれども、複数でやるということになれば、なかなか調整も大変だと思うのですが、一方で非常に広がりはあるということになります。
ただ、その個々の企業、個々の企業を見たときに、全部消費者志向経営の総合枠で見るとなじまない場合もあるので、1点豪華主義、それも協働でやるというような、非常に大変なことをやられているということを評価しようという趣旨です。 -
問
フリーの木村です。
先日、特商法の違反で行政処分を受けた企業が実は黒幕で、傘下2、3社を操っていたという、ちょっと個別の事件になってしまうのですけれども、そういう手の込んだ事件があったり、アフィリエイト広告は今は検討会で議論されていますけれども、非常に隠れ蓑になって、そちらも非常に手の込んだやり方が多いのかなと思います。特商法は6月16日公布で、その後1年くらいで施行ということなのですが、もっと前倒しで施行したり、あと、ちょうど景表法の改正見直しの時期にも重なっていくかと思うのですけれども、今、アフィリエイト検討会は自主ルールを中心に進めていますが、やはり法改正が必要だというような意見もあるのかなと思うのですけれども、その法律関係で、今言ったような強化策というのは更に必要かなという意見があるのですが、その点について長官はどのようにお考えでしょうか。 -
答
まず、特商法については、送り付け商法を既に施行していますし、定期購入等については1年後施行。それから、書面の電子化に係るものが2年目施行、特商法等についてはこういうことになっているかと思います。
特商法、預託法については、まず法施行をきちんとやると。定期購入なんかの話は非常にトラブルも多いので、この間、ガイドラインなんかについては、より具体的なものを追加させていただいたわけですけれども、今回の法改正でより厳罰化をするということについてもやったところですので、まずそういうことをやっていく必要があろうかと思います。
それから、その表示については、御指摘頂いた、これは特商法、先ほど個別の案件でおっしゃったんですが、非常に複雑な案件が増えていることは確かでして、そういう意味では、実態解明に非常に時間が掛かっているということでありますが、これは法律の問題なのか、それとも法執行のやり方の問題なのかなというふうに思いますので、そこは消費者安全法における注意喚起なども活用しながら、早いうちに消費者被害の拡大を止めるような取組を進めていくということなのかなと思っています。
また、景表法についてのお尋ねもございました。アフィリエイト自体、どこまでっていうふうなことをやるってことまでまだ決めているわけではございませんが、アフィリエイトも事業のやり方としては、今実態について詳しくヒアリングをさせていただいているところではございますが、非常に複雑でして、誰がどういう役割分担をしていくかということをよく見た上で、必要なことをやっていくということかと思います。
その上で、景表法自体は見直しの検討を行う時期には来ておりますので、それについてはまた議論を進めたいと思っております。 -
問
NHKの秋山です。
もう既に一部の試合が今日から始まっていますけれども、明日から五輪が本格的にスタートするということで、既にこれまでも、偽サイトですとか、五輪に関する注意喚起なども行ってきていると思いますが、もし改めて何か消費者に呼び掛けられることがあれば教えていただけないでしょうか。 -
答
御指摘頂いたとおり、聖火リレーのライブ配信を装ったフィッシングサイトが警視庁等によって確認されておりまして、注意喚起もされているところであります。これは私どもも承知しているところです。消費者庁としても、警視庁と連携し、公式SNSによる注意を呼び掛けさせていただいているところであります。
消費生活相談においても、件数は多くないのですが、オリンピックの聖火リレーをオンラインで見ようとしてサイトに登録すると、無料のはずがカード番号の入力画面が出たといったような相談が寄せられているところです。ライブ配信が始まっていくと、またそういうようなこともあろうかと思いますので、正規の配信サイトから視聴するようにして、個人情報等を入力する際には十分に御注意いただきたいと思っております。